4月19日に東京琉球館で予定している「櫻井ジャーナルトーク」は満席になったそうです。ありがとうございました。
テーマは「米国の世界制覇計画が挫折し、広がる混乱」を予定していますが、混乱は日々深刻化しています。アメリカやイギリスの支配層は追い詰められているということです。
2022年の段階から米英はウクライナへの軍事介入を強め、すでに特殊部隊や傭兵は戦闘に参加していると言われていますが、NATOの正規軍を派兵してロシア軍と直接戦わせようとする動きがここにきて強まっています。手先として使ってきたウクライナ軍に戦闘を継続する能力がなくたってきたからです。
ガザでは建造物が破壊され、住民が虐殺されています。数百人の民間人が避難していたガザ最大の医療複合施設であるアル・シファ病院への攻撃をイスラエル軍は終了したと伝えられていますが、破壊し尽くし、殺し尽くしたからです。
アル・シファ病院への攻撃を正当化するため、イスラエル政府はその病院がハマスの本部だと主張してきましたが、証拠や根拠は示されていません。彼らがガザを攻撃している目的は民族浄化であり、民間人を一掃し、住めないようにすることが目的だと見られています。イスラエルやアメリカの「建国」時と同じことをしているわけですが、ハマスを壊滅させることはできず、イスラエル軍の軍事的な勝利は見えていません。
今回のイスラエル軍によるガザ侵攻ではレバノンのヒズボラからも攻撃を受けていますが、まだ激しいものではないようです。ヒズボラには 、 イスラエルの都市を攻撃できるミサイルを保有し、強力な防衛線があります。ハマスとは比較にならないほど強力な戦力を保有しているのです。
イスラエル軍の地上部隊が2006年7月から9月にかけてレバノンへ軍事侵攻した際、イスラエルが誇る「メルカバ4」戦車が破壊され、イスラエル軍はヒズボラに敗北しています。しかも、ヒズボラはその時より強くなっていると見られ、イスラエル政府はアメリカを戦闘へ引き込もうとしているようです。
4月1日にイスラエル空軍はゴラン高原の方向からダマスカスを攻撃してイラン大使館領事部を破壊、IRGC(イスラム革命防衛隊)の特殊部隊コッズの上級司令官であるモハマド・レザー・ザヘディ准将と副官のモハマド・ハディ・ハジ・ラヒミ准将を含む将校7名が死亡したと伝えられています。
イスラエルはイランを挑発、反撃を引き出すことでアメリカ軍を戦闘に引き込もうとしているとも言われています。これまでアメリカやイギリスをはじめとする西側はイスラエルを支援、そうした支援がなければイスラエルのガザ侵攻は続けられない状況ですが、それでは足りないとイスラエル政府は考えているようです。
世界は確実に核戦争への道を歩んでいますが、大半の日本人は漫然とそうした光景を眺めているようです。
櫻井 春彦