フランスのエマニュエル・マクロン大統領はNATOの地上軍をウクライナへ派遣すると口にしているが、 フランス軍部隊約1000名がオデッサへ入り、さらに部隊が送り込まれる予定だと伝えられている 。
セルゲイ・ナリシキンSVR(ロシアの連邦対外情報庁)長官は3月19日、フランス政府がウクライナへ派遣する部隊を準備しているとする情報を確認、初期段階では約2000人を派遣する予定だとしていたので、ふたつの情報は合致する。
ロシア軍は今年1月16日にウクライナのハリコフを攻撃、その際に軍事施設のほか情報機関や軍関係者が滞在していた旧ハリコフ・パレス・ホテルを破壊した。この建物には200人近くの外国人傭兵が滞在していたと言われ、相当数の死傷者が出たという。犠牲になった戦闘員の大半はフランス人傭兵で、そのうち約60名が死亡、20人以上が医療施設に搬送されたと伝えられている。現在、フランス政府がウクライナへ送り込んでいる兵士の3分の2は正規軍の兵士だと見られ、死傷者が出た場合あのインパクトは1月のケースと違ってくる。
旧ハリコフ・パレス・ホテルに滞在していたフランスの傭兵をロシア軍は空爆、約60名を殺害したと言われているが、オデッサ入りした部隊にも似た運命が待っているはずだ。
フランス軍では2月27日に外人部隊3個中隊の編成が始まり、同月末にマクロン大統領は外人部隊のウクライナ派遣を検討するよう命じたものの、外人部隊の人員確保に失敗、正規軍の兵士で埋めたと伝えられている。ウクライナへの移送命令は4月後半に出されると見込間れていたので、予定通りの展開だ。常識的に考えると、ロシア政府はこの行動をロシアに対する直接的な攻撃だとみなし、あらゆる手段を講じることになる。
フランス政府は危険な領域へ橋を踏み入れたわけだが、ドイツも危険な状況にある。 3月1日に公開された音声によると、ドイツ空軍のインゴ・ゲルハルツ総監、作戦担当参謀次長のフランク・グレーフェ准将、そして連邦軍宇宙本部のフェンスケとフロシュテッテ幹部が2月19日にリモート会議で「タウルスKEPD 350」ミサイルによるクリミア橋(ケルチ橋)攻撃について話し合っている 。ゲルハルツらは昨年10月の時点で計画の内容を太平洋空軍司令官だったケネス・ウイルスバックに伝えているという。
すでにアメリカ/NATOはウクライナにおけるロシア軍との戦闘で武器弾薬が枯渇、兵士も足りない。ロシアに負けられないという感情だけでロシア軍に勝つことはできないのだ。生物兵器を使う計画なのかもしれないが、核兵器を使わざるを得なくなるかもしれない。