WEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブの顧問を務めるユバル・ノア・ハラリはAI(人工知能)によって不必要な人間が生み出されると主張している。現在、欧米では兵士が不足、徴兵制の復活が議論されているが、この制度は若者の怒りを呼び起こすことになる一方、富裕層の子どもが戦場へ送られないようにする仕組みが必要になる。ベトナム戦争の当時には「シャンパン部隊」と呼ばれる決して戦場へ行かない部隊があり、そこに支配層の子どもは登録されていた。
間に合うかどうかは不明だが、おそらく西側の支配層はAI付きロボットに戦争をさせるつもりではないだろうか。イスラエル軍はガザでの虐殺で2種類のAI、「ラベンダー」と「ゴスペル」を使っている。
ハラリたちはAIをナノテクノロジー、バイオテクノロジー、情報技術、認知科学と融合、自然の摂理を否定し、「トランスヒューマニズム」の世界を築き、「スーパー兵士」を作り出そうとしているはずだ。そうした兵器は人間が指示しなくても偵察衛星などの情報から全体の戦況をAIが判断して戦える。
この分野で西側は中国やロシアを圧倒していると信じているのだが、すでに通常兵器やECM(電子対抗手段)の能力はロシアがアメリカを圧倒している。エレクトロニクスの分野でアメリカの優位は急速に失われている。アメリカはGPS(全地球測位システム)を軍事的に利用した兵器を開発していているが、すでにロシアのECMはアメリカのシステムを無力化することに成功した。
2003年3月にアメリカ主導軍が始めたイラクへの先制攻撃でサダム・フセイン政権を倒すことには成功したものの、親イスラエル体制の樹立には失敗、11年春にバラク・オバマ政権がムスリム同胞団を中心とする武装集団を使って始めた侵略戦争がシリアで失敗、やはりオバマが13年11月に始めたウクラナでのクーデターは東部や南部での抵抗で思惑通りに進まなかった。
そこでアメリカをはじめとする西側諸国は8年掛かりでクーデター政権の軍事力を増強、2022年に入るとドンバスに対する大規模な軍事作戦を始める動きを見せた。その時にロシア軍は先手を打ってウクライナ軍を攻撃、その段階でウクライナの敗北は決定的だった。
そこでイギリスの首相を務めていたボリス・ジョンソンは2022年4月9日にキエフへ乗り込んで戦争を継続するように命令、4月30日にはアメリカのナンシー・ペロシ下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。それ以降、ウクライナでの戦闘はロシア軍とアメリカ/NATO軍との戦いという様相を深めている。
アメリカ/NATOの代理軍として動いているウクライナ軍は兵士も兵器も枯渇している。イギリスの国防大臣だった ベン・ウォレスは昨年10月1日、テレグラフ紙にウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘 していた。最近では街頭で成人男性が徴兵担当者に拉致される様子が撮影されている。そうして集められて人びとは基礎的な軍事訓練を受けないまま戦場へ放り出されるため、ウクライナ側の死傷者数のその後、大幅に増えていると推測されている。
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【 Sakurai’s Substack 】