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リニア(超電導リニア)の走行は、磁石の引き合う力と反発する力を巧みに利用しています。1.磁石の反発と吸引磁石の基本ルール磁石にはN極とS極があります。異なる極(N極とS極)同士は引きつけ合います。同じ極(N極同士、S極同士)同士は反発し合います。リニア車両の底部や側面に設置された磁石と、線路にあたる「ガイドウェイ」の壁に埋め込まれた磁石が相互に作用します。反発する力: 前方に位置するガイドウェイの磁石が、車両の磁石と同じ極になるように制御され、車両を押し出すように反発します。引き合う力: 後方に位置するガイドウェイの磁石が、車両の磁石と異なる極になるように制御され、車両を引きつけるように作用します。これらの「押す力」と「引く力」の連続的な発生により、車両は前へ前へと加速し、進んでいくのです。2.超電導と強力な磁力の仕組み(リニアの心臓部を担う3つのコイル)超電導と強力な磁力の仕組みリニアが時速500kmを超える速度と、車体を浮上させる強力な磁力を生み出す鍵は、「電磁石」と「超電導磁石」にあります。電磁石とは、コイル(電線を何重にも巻いたもの)に電流を流すことで、その周囲に磁力(N極とS極)を発生させる装置です。電流の向きを変えるだけで、N極とS極の向きを簡単に変えられる強力な磁力体です。 リニアの心臓部を担う3つのコイルリニアのシステムには、以下の3つの電磁石・コイルが使用されています。 リニアが進む仕組み:ガイドウェイの壁には「推進コイル」が設置されており、流す電流を切り替えることでN極とS極の磁界を交互に発生させます。一方、車両の「超電導磁石」もN極とS極が交互に配置されています。推進コイルと超電導磁石の間で、磁石の引き合う力と反発する力が交互に発生し、車両が推進力を得て前進します。使われている超電導磁石は-253℃で超電導状態になります。従来は-269℃で液体ヘリウムに浸すことが必要でした。-253℃は冷凍機でコイルを冷やせは超電導状態を維持できます。リニアが浮く仕組み(浮上走行):ガイドウェイには、走行用の推進コイルのほかに、「浮上・案内コイル」が8の字を描くように設置されています(通常時は電流は流れていません)。時速約150kmを超え、車両の超電導磁石が高速で通過すると、電磁誘導によりこの浮上・案内コイルに電流が流れ、コイル自体が電磁石となります。このとき、8の字の下のコイルは車両を押し上げる力、上のコイルは車両を引き上げる力が働き、車両がガイドウェイから浮き上がります。(リニア見学センターパンフから)リニアが曲がる・中央に戻る仕組み(案内走行):浮上・案内コイルは、車体が中央から左右どちらかにずれた場合、自動的に修正する力を発生させます。車体から遠ざかった側のコイルには、車体を引き戻す力が働きます。車体から近づいた側のコイルには、車体を反発させる力が働きます。この仕組みにより、カーブ走行時や横風を受けた際でも、車両は常にガイドウェイの中央を維持しながら走行します。3.路線図と将来リニア中央新幹線は、日本の経済・社会を大きく変えるポテンシャルを持っています。 路線ルートと開業予定:リニア中央新幹線は、東京都の品川駅から大阪市までの約438kmを結ぶ計画です。経由地: 甲府市付近、赤石山脈(南アルプス)中南部、名古屋市付近。開業予定: まずは2027年に東京(品川)〜名古屋間の開業が予定されています。(リニア見学センターパンフから)驚異的な時間短縮効果:区間現在(特急あずさ)リニア開業後(山梨県駅)時間短縮東京から甲府市まで約90分がリニアでは約25分となり約65分短縮されます。名古屋や大阪へも無理なく日帰りで移動可能となり、経済活動や人々の交流が飛躍的に活発化することが期待されています。(リニア見学センターパンフから)リニアの歴史:研究から開業計画へ東京~大阪間を1時間で結ぶ超高速鉄道を目指し、1962年にリニアモーターカーの研究がスタートしました。1962年: リニアモーターカーの研究がスタート。1972年: 実験車「ML100」が初めて浮上走行に成功。1979年: 宮崎実験線にて、無人走行で当時の世界最高速度517km/hを記録。1997年: 山梨リニア実験線の走行試験がスタート。2003年: 人を乗せた走行で世界最高速度581km/hを記録。2011年: 国土交通大臣が、リニア中央新幹線の整備計画を決定。2013年: 新型車両「L0(エル・ゼロ)系」による走行試験が再開。2027年頃: 東京(品川駅)〜名古屋(名古屋駅)間で開業予定。山梨県立リニア見学センターに行きました→2025/11/17ブログ
2025.11.18
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山梨県立リニア見学センターは時速500Kmで走る超電導リニアを間近で見られる施設です。1から3階まで3か所のテラスから走行の様子を見学できます。2日テラスは屋外から見学できます(上の写真は手前で停車したところを撮影)。走行は30分くらいおきに様々な速度で42.8Kmのガイドウエイを上り下りしています。テラスにはいくつかのモニタがあり、今どこを走行しているかを表示されるほか、係員が「あと5分で通過しますよ」と放送してくれます。400Km/hの走行のときはカメラが追い付かないくらいの速度で目前を通過していきました。1階はリニア試験車両(MLX01-2型、1995-2011年まで走行)実物と客席展示、60年に渡るリニア開発の歴史展示があります。(先頭車両)(内部、座席と窓:現在の新幹線と似ている)2階はリニア新幹線の動作原理を小学生でもわかるように展示してありました。また、車体を構成するパーツの実物展示もありました。(車体下に収納されている支持車輪215/80R23、200km/hくらいで浮上するときに収納されます)(小さい案内車輪も収納されており、ガイドウエイに沿って走るためのものです)(高温超電導磁石、車体内に収納)その他、小さなリニア車体があり乗って体験できます。3階は映像シアターと山梨を走るリニアのジオラマがあります。映像シアターでは時速500㎞/hでの走行を体感できる映像が流れています。山梨県立リニア見学センターは都留市にあり、料金およびアクセスは下の写真です(パンフより)走行・浮上の原理については次回のブログで
2025.11.17
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