科学をはじめ、学問の発祥を考えると、
古代ギリシアに思いを巡らざるをえません。
ギリシア人は、恐ろしく理屈好きでした。
おそらく、当時の先進国、エジプトやバビロニアの学者が聞いたら、
「ギリシアの連中は、何て、バカらしいことをやってるんだろう」
ってあきれたことでしょう。
だって、たとでば、図形で、対角線が同じ角度だなんて、
見ればわかることなのに、
「見たところ、同じらしい」というだけでは、だめで、
絶対、確かな証拠が必要だと言うんですから。
でも、このバカらしいほどの理屈好き、議論好きのお陰で、
今まで、はっきりわからなかったことも、よくわかるようになり、
学問の基礎が打ち立てられてきたのです。
この風土が、どうしてできたか、というのは、いろんな要素があるでしょうが、
その大きな原因は、いわゆる古代「民主主義」のせいでしょう。
小さな都市国家で、直接民主主義が展開されたのです。
そこでは、衆愚政治であろうが、とにかく、
みんなによく納得されるような、筋道の通った考え方を
それも、みんなによくわかるように説明されないと意味がありませんでした。
もちろん、民主主義が、すべてバラ色ではありません。
当時のギリシア人たちも、 安心で、平和な日々を過ごせたわけではなく、
かえって、日常的な緊張感に苛まれていました。
さまざまな裏切り、陰謀が増えていたのです。
ある意味、戦国時代だとも言えます。
国同士ではなく、個人対個人の。
だから、民主主義が太古から、人気がなかったり
長続きしなかったのも、もっともだと思います。
人間は、ある絶対的な王様に従っていた方が、安心なのかもしれません。
何たって、アタマを使わなくてすみますから。
日本では、民主主義は起きませんでしたが、
社会が活性化し、経済や技術が大きく進歩した時代があります。
そうです。戦国時代です。
これは、すべての伝統的価値観が疑われ、
才能によって、身分のかかわらず、出世する可能性が開けたときです。
いずれも、キーは、競争であり、切磋琢磨です。
ここに身を置いている者は、常に緊張感を強いられますが、
社会的に見れば、発展・進歩する原動力です。
もちろん、個人の幸せを抜きにした、社会の発展もあり得ませんから、
モノゴトは、右か左か、ではありません。
バランスの問題なんでしょう。
このバランスが、大きく偏っている組織があります。
それは、学校です! これを言いたいために、ここまで引っ張ってきちゃいました。
私立学校の内情は、わかりませんが、
少なくとも、公立学校の内部は、社会全体の常識からすると
異常な無競争社会であることは、間違いありません。
ここには、もちろん民主主義もありません。
先生がわからないのに、生徒に民主主義を指導できるわけがありません。
無競争なところほど、どうでもいい無意味な価値判断が横行します。
本当の敵に立ち向かわず、内部の足の引っ張り合いや
人間関係にばかりに関心が集まります。
私は、本来、教育立国でなければならない日本が、
この学校という組織のお陰で、潰されるのではないか、と
思っています。
特定の個人の先生の資質を言っているのではありません。 と言っておきます。
こういった状態を放置している文科省、教委も含めた
組織機構全体です。 どうして、こんな人事をするんだ、も含めて。
世界の中で、綱渡りをしていかなければならない日本の
最重要、戦略組織である教育機構が、全くの腑抜け状態なのです。
こう言うと、すぐ、学力向上、点数アップという議論しか出てこない。
これこそ、頭脳の幼稚化現象です。
誰もが、自分のアタマで考えていない。
その意味で、最高に「人がいい」集団も学校と言えます。
日本の「文化遺産」かもしれません。
かれこれ、8年ほど、学校の内部に出入りさせていただいて、
先生方から、ご恩を受けて参りましたが、
やっぱり結論としては、
本当に我が子が大切だったら、
学校にやらずに、ホームスクーリングをするべきだ、と思います。
学校に行くプラス面よりも、悪影響の方が、圧倒的にコワイです。
ただ、そのホームスクーリングの方法が、わからない。
つくづく思い知ったことがありましたんで、
まわりくどく書いてしまいました。
ま、どの業界にいても
「何でうちの業界は、こんなにアホなんだ」
って思うのが常ですけどね。
ただ、こと、教育機関は、たとえば酒造業界と同じ次元では困るのです!
あっ、酒業界には、本当に素晴らしい経営者がいますよ!
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