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昨日、整骨院から帰宅して、自分の部屋に行ったらNASの表示LEDが橙色で点灯している。NAS:ネットワーク用ハードディスク 当ブログはCDをリッピングして、ファイルをハイレゾ化してNASに入れて、そのファイルをiPadでNASから引っ張り出し、ネットワークプレーヤー再生している。NASのトラブルかと思いマニュアルを見たら、ファームウエア(機器に組み込まれているソフトウエア)を更新しろというサインだった。早速ダウンロードしてバージョンアップ。2台分だったが其れほど時間はかからなかった。ところが、トラブル発生!PCではNASのファイルが見られるのに、iPadでは全く見えない。通常はiPadを介しておんがくをきいているので、困ったことになったと思った。ちょっと調べたが分からない。しかたがないので、サポートに電話をして、色々調べた。ところが治らない。対応者がいよいよ煮詰まってしまって、お決まりの再起依頼で打ち切られてしまった。すぐ行動したが、不具合は治らない。電話をしようとしたが、相変わらずつながりにくいので、メールで報告する。その後もいじったが治らない。そのうちサポートからメールが来た。手順が順番に書かれている。すったもんだしながら実行してみた。あるタイミングでふとiPadのアプリを起動したら治っているではないですか。ははあ〜と思いつつ、もう一つのNASは手順を省いて決めうちしたら、正解だった。結局DNLAサーバーを再起動したことがよかったようだ。DLNAとはDigital Living Network Allianceの頭文字をとったネットワークの規格で、テレビやパソコンなどをつないで、家の別な場所で楽しむための統一規格だ。なんとなくうまく行ったので良かったが、ある程度規格についての知識が必要な事を感じた。ネットワークはデジタルなのだがアナログ的なところがあり、トラブルが起こっても必ずこうなるということがなく、なかなか厄介だ。当ブログもDNLAで課題?があるので、勉強して不具合を解決したい。一時はメーカーから出張修理も考えていたので、最悪の事態にならなくて何よりだった。それにしても、もう少しソフトの検証をしっかりして欲しかった。当ブログもかつてソフト開発者だったので、気持ちがわからないわけではないが。。。
2017年06月29日
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ペンタトーンレーベルでリリースされている山田和樹・スイス・ロマンド管の第二弾が発売されたので、二枚まとめて購入した。動機は、一枚目の評判がよかったからだが、ソリストに児玉マリの名前があったのも購入を押された原因の一つ。ファリャは当ブログは取り立てて好きな作曲家ではない。いまいち洗練されていないのも、あまり好きではない理由の一つ。特に今回収録されている「スペインの夜の庭」は薄暗い情景を描いたもので、なんだかよくわからないと言うのが今までの経験。児玉マリのピアノは所々ためを取るのが気になるが、強靭なタッチと明晰な音楽が素晴らしい。変に民族色を出さないところも潔い。三角帽子を含めて、全曲に渡って、隅々まで明晰で、ファリャの体臭が感じられないのは、当ブログにとってはとても好ましい。録音に助けられてもいるのだろうが、サウンドは鮮烈で、あくまでも澄み切っていて、細部まで見渡せる。スケールも申し分なく、オーケストラを聞く醍醐味が味わえる。こんなのファリャでない、と思われる方もいそうだが、当ブログにとっては、今までの概念を破る様な画期的な演奏だと思う。それにロマンド管がこれ程上手いと思ったこともない。最終的には手持にないアンセルメの演奏を聴いてから結論を出そうと思い、アンセルメ盤を購入した。今年出た国内盤だが、ノイズが少なくとてもいい音だ。これが50年以上前の録音とは信じられないほどだ。土いきれの感じられる民族色豊かな録音で、我々のイメージするファリャの音楽そのものだった。なのでアンセルメを聴くと、山田盤は洗練しすぎという感じがするかもしれない。このアルバムの成功要因の大半は山田和樹の指揮によるものだろう。淀みのないテンポ、引き締まった表情、大げさな表情付けがないのに、情景が目に浮かんでくる様な語り口のうまさなど、文句のつけようがない。ただ、金管が控えめで、トランペットなど出るべきところで弱いのが少し不満だ。一緒に購入した1枚目のアルバムでも、其れは痛感された。山田がオペラに手を染めているか分からないを、いつの日か山田のオペラを聞いて観たいものだ。余白に「恋は魔術師」の「火祭りの踊り」 が収録されているのは嬉しかった。これもおなじ傾向の演奏で、是非全曲録音を希望したい。Kazuki Yamada:Falla(PENTATONE PTC 5186 598)1.Noches en los jardines de España (Nights in the Gardens of Spain)4.El sombrero de tres picos (The Three-cornered Hat)12.La vida breve Interlude & Dance13.El amor brujo Danza ritual del fuego (Ritual Fire Dance)Mari Kodama(p 1-3)Sophia Harmsen(ms 4-11)Orchestra de Susisse Romande kazuki Yamada(cond)Recorded at Vicoria Hall,Geneva,Switzerland in July 2016
2017年06月27日
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メル・ギブソン監督の「ハクソー・リッジ」を観る。公開2日目の二回目の回での鑑賞。内容が内容だけに当然の結果かもしれないが,入りはあまり良くない。1945年5月に行われた沖縄のハクソー・リッジでの戦いに衛生兵として参加したデズモンド・ドスの活躍を描いた実話だそうだ。ちなみに「ハクソー・リッジ」(弓鋸の崖)という呼び名は、沖縄の浦添城址の南東にある「前田高地」の日本軍陣地の北側が急峻な崖地となっていることから、アメリカ軍が付けた名前だそうだ。出典:wiki前田高地は日本軍第二線主陣地帯の核心にあたる地区で、首里地区防衛に関して特に重要な地位を占めていた。 米軍にとっても、眼前にそびえる絶壁の前田高地を奪取することが、首里攻略そして日本本土への進攻の第一歩として位置づけられ、日米両軍にとって沖縄戦の成否をかけた一戦となった。戦いの詳細はこちらに詳しい。この激しい戦いの中、デズモンドは良心的戦争拒否者として、負傷兵の救護に当たる。彼は、武器を一切持たないで、戦闘に参加するというありえない状況だ。1日の戦闘が終わった後、彼は心に聞こえてくる声に従って、信じられない行動を起こす。彼はこの行為により、のちに良心的兵役拒否者として初めて名誉勲章が与えられている。映画は前半はデズモンドが良心的兵役拒否者として軍隊で衛生兵になるまで、後半は主に戦闘のシーンだ。後半の戦いがメインなのだが、凄まじくリアルなシーンが続く。PG12指定だが、子供は勿論のこと、大人でも気が弱い方はトラウマになってしまうかもしれないので、見るのは注意が必要だ。日本軍の兵隊などに見られるような、綿密な時代考証も感じられる。史実をありのままを表現しようとしている監督の姿勢に共感を覚える。装備だけでなく、銃撃戦での鉄砲の音やヘルメットに銃弾が当たった時の安っぽ音など音にも凝っている。ただ、日本兵の殆どがヘルメットを被っていないのは疑問だ。キャストは充実している。主人公もデズモンド役のアンドリュー・ガーフィールド はもう少し引き締まった表情が欲しいが、演技は文句なく素晴らしい。デズモンドの妻ドロシー(テリーサ・パーマー )は昔風の凄い美人だが、当時の雰囲気にマッチしている。軍隊のメンバーも、デズモンドが配属された部隊のグローヴァー大尉(サム・ワーシントン)、厳しい上官のハウエル軍曹(ヴィンス・ヴォーン)など芸達者が揃っている。厳しい戦いの中、普段見せることのないパウエル軍曹の男気など、戦場という異常な状態での精神のなせる技だろうか。其れにしても信仰とはいえ、デズモンドの行動を観ていたら涙が出てきた。映画の最後で、デズモンドや関係者のインタビューなどが映し出されていた。実物のデズモンドは痩せていて、奥さんの方がふっくらとしていた。映画では逆だったので意外だった。この映画はアカデミー賞で録音賞と編集賞の2部門での受賞にとどまったが、当ブログとしては作品賞がふさわしかったような気がする。審査員たちが人種差別反対勢力に忖度?した結果だったろうか。どの国でも左巻きは優勢なのだろうか。公式サイト
2017年06月25日
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先日取り上げたリヴェレーション・ミュージック・オーケストラにも参加していたラルフ・タウナーのソロアルバム「My Foolish Heart}を聞く。個人的にタウナーの音楽はほとんど知らない。アルバムも数枚しか持っていない。印象としてはオレゴンのメンバーでヒーリングミュージックという言葉が思い浮かぶくらいだ。ECMのレーベル・イメージを代表するような透明で静謐な音楽という印象だ。タウナーは今年77歳になったが、全く年齢を感じさせない若々しい音楽だ。昔からのイメージそのままの、ぶれない音楽は多くのファンの心をつかんでいると思う。今回のアルバムも静かなプレイが主で、聴いていると癒される。クラシックと殆ど境目のな音楽が多く、クラシック・ファンに十分受け入れられる音楽だ。純粋のクラシック風の曲だけではなく「Doromite Dance」の様なスパニッシュ風の躍動的な曲もあり、聞き手を飽きさせない。12弦ギターは「Clarion CallCall」と「Binding Time」の二曲だろうか。他の曲に比べて、サウンドが散漫になって、訴える力も弱くなったような気がする。最後の「Rewind」がエモーショナルな激しい音楽で、タウナーの芸風の広さを伺わせる。表題曲は静かな中に原曲の甘さが感じられる、滋味溢れる演奏。Ralph Towner:My Foolish Heart(ECM 571 4582 )Ralph Towner:My Foolish Heart(ECM )1.Pilgrim2.I'll Sing To You3.Saunter4.My Foolish Heart5.Dolomiti Dance6.Clarion Call7.Two Poets8.Shard9.Ubi Sunt10.Biding Time11.Blue As In Bley12.RewindRalph Towner(Classical Guitar, 12String Guitar)Recorded February 2016, st Auditorio Stelia Molio RSI, Lugano・
2017年06月23日
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数か月前に聞いた小菅優のアンサンブルがとても面白かったので、聞きにいった演奏会。ピアノ五重奏それも木管の曲なので、あまり一般のクラシックファンには受けない演奏会だが、中ホールとはいえ八割がたの入りだった。小菅優人気だろうか、それとも著名な管楽器奏者たちだったのでその人気だろうか。今回の注目は藤倉大の「GO」小菅の委嘱作品で今回のツアーで世界初演されたものだ。藤倉については、数年前確かルツェルン音楽祭でブーレーズが彼の作品のリハーサルをしていたシーンをBSで見て覚えていた程度で、実際に彼の作品を聴くのは初めてだった。作品の委嘱や音楽祭のディレクターなど超売れっ子だそうだが、日本人としてもとても誇らしい。今回の作品は五重奏なので「GO」と名付けられている。6曲からなる組曲で、人数が変動しても、その場その場で演奏できるような作りになっている、というのが作曲者の狙い。五人で演奏するのは3曲だけ。あとは、ファゴットとホルンのデュオ(第2曲)、ピアノ(第3曲)とクラリネット(第5曲)のソロが一曲ずつという構成になっている。曲ごとに関連は全くないため、演奏順も自由とのこと。現代曲らしい冷たい感触はあるものの、難しい曲ではなく、結構楽しめる。各曲に名前は付けられていないようだ。メンバーに求められるるテクニックが高度で、体力も必要なため、メンバーの大変さがよく分かる。オーボエとクラリネットにやたらと高い音を要求するので、オーボエなどひいひい言っているのが分かる。ファゴットとホルンのデュオではうねうねとした不協和音のユニゾンが延々と続き、ブレスもままならないようだ。第6曲では木管のトリルとピアノの単音の連打がフォルテで始まり、なかなか刺激的だ。中近東風の旋律がピアノに出て、それ以降もトリルとピアノの連打が続く。かなりエネルギッシュな曲だが、この曲も演奏が大変そうだった。ということで、この曲は視覚的にも面白く、今後広く演奏される気がする。録音も希望したい。ベートーヴェンとモーツァルトの五重奏ではモーツァルトが面白かった。ベートーヴェンに比べてモーツァルトの方が小菅がぐいぐいと引っ張っていたのと、テンポにメリハリがあったためと思う。木管奏者は若く腕利きのメンバーがそろっている。一番気に入ったのは小山莉絵のファゴット。これほど鮮やかなサウンドのファゴットは聞いたことがない。それから、フィリップ・トーンドゥルのオーボエも美しい音色だった。ホルンのトゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールトもほとんどミスのない演奏だった。ベートーヴェンの難所も無難にこなしていた。ただ時折音を膨らませるのは、あまりいい趣味とはいえない。クラリネットの吉田誠は藤倉のソロの曲以外はあまり目立たなかった。渡辺和彦氏による詳細な曲目解説がプログラムに載っていて、鑑賞する上で、とても参考になった。また、ピアノと管楽のための五重奏が「小型のピアノ協奏曲」という考え方も面白い。小菅優の室内楽 ベートーヴェン詣2017前半1.ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏変ホ長調 Op.162.藤倉大:「GO」後半3.モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏変ホ長調 K.452アンコールベートーヴェン(小菅優編)重唱曲「悲歌」op.1182016年6月20日盛岡市民文化ホール 小ホール A席R5番で鑑賞
2017年06月21日
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エベーヌ・カルテットのクロスオーバー的なアルバム。ホーンとドラムス、キーボードなどとの共演。ドラムスのリシャール・エリは「フィクション」でも共演していた。ミシェル・ポルタルはフランスでのフリー・ジャズの推進者だそうだ。ここではクラリネット、バスクラの他にバンドネオンまで操り、勿論楽曲も提供している(2-3,10)裏表紙にはクラシックとジャズをつなげて、未知の領域に進むみたいなことが書かれてある。何回か聴いていて最初は、バスクラやクラの音がポピュラー的なべたついた音で、違和感があった。まあ、曲がポピュラー寄りなので、次第に耳が慣れてきたことがあるかもしれない。当ブログで注目したのはピアソラの「タンゴ・センセーション」ミシェル・ポルタルのバンド・ネオンが共演している。試に、クロノスカルテットとベルクSQの演奏も聴いてみた。ベルクSQはクラッシックより、クロノスは現代音楽的、エベーヌは一番ポピュラー寄りの演奏だった。最初の二つはどちらも特色のある演奏だが、どちらかというと禁欲的な演奏で、エベーヌ・カルテットの饒舌な演奏が最も面白かった。現在こういう演奏をさせたら、彼ら以上の団体はいないだろう。惜しむらくは全曲でなかったことで、いつの日か全曲を録音してもらいたい。バンドネオンも好演だ。ところで、この曲の録音はあまりない。触手を動かす弦楽四重奏団が少ないためだろうが、いい曲だけにもう少し録音してほしいものだ。次に面白かったのはタイトルチューンの「Eternal Story」クラシック調で、エベーヌカルテットの名技が光っている。チェロのピチカートなどジャズそのものだ。キーボードのグザヴィエ・トリボレが書いた「Elucubration]は弦のリフがヨーロッパの哀愁を感じさせる、しゃれた作品。ポルタルのバスクラ・ソロも悪くない。エベーヌ・カルテットのメンバーが書いた曲は、とてもクラシックのミュージシャンが書いた曲とは思えない特に、マガデュールの「Plus L'Temps」は前半の土俗的な激しいリズムと後半の静けさから弦がざわざわしてい来るところが短いながらもユニーク。ポルタルの「Solitude」はまったりとした曲で、チェロのピチカートが活躍する。メルランの「Le Corbillon」はテンポの速く、キーボードのサウンドとバンドネオン、チェロのピチカート、弦の刻みが一体となった新感覚のサウンドが、とてもおもしろい。終わりにはヴォイスまで聴こえるが、誰の声だろうか?グザヴィエ・トリボレのキーボードソロもいい感じだ。最後のアドリアン・ボワソーの「 It was nice living here」は最も現代音楽風で瞑想的な作品。皿をこすり合わせるような音からは始まり、梵鐘の音、弦のハーモニックス、キーボードのサウンドが宇宙的な気分にさせてくれる。そのあとでベルクの「ヴァイオリン協奏曲」の主題に酷似したフレーズが延々と続く。エベーヌ・カルテットの演奏はどの曲でも最上のパフォーマンスを聴かせてくれる。フランス人らしいエスプリが感じられるのも魅力の一つだ。今後も、このような新しい音楽をどしどし紹介してくれればと思う。youtubeQuatuor Ebene:Eternal Stories(Erato 0190295839567)1.Colombet: City Birds2.Portal: L'Abandonite3.Portal:Judy Garland from trilogie4.Tribolet: Elucubration5.Portal: Eternal Story6.Piazzolla: 5 Tango Sensations: I. Asleep7.Piazzolla: 5 Tango Sensations: II. Loving8.Piazzolla: 5 Tango Sensations: III. Anxiety9.Le Magadure: Plus l'Temps10.Solitudes11.Merlin: Le Corbillon12.Boisseau: It was nice living hereMichel Portal(bcl,cl,bandoneon)Richard Hery(perc. Ds)Xavier Tribolet(claviers,key)Quatuor EbeneRecorded 11-18,Nov.2016at Sutudio A,Studio Davout,Paris
2017年06月19日
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ダイアナ・クラールの新譜を聴く。3月にお亡くなりになったトミー・リピューマがプロデュースした最後の作品らしい。アレンジはアラン・ブロードベント。今回は古いスタンダードを集めたもので、新鮮味はない。バックもピアノ・トリオにギターを加えたものが大半で曲によってはヴァイオリンも入っている。なので、インティメイトな雰囲気が濃厚なアルバム。ストリングス入りはあまりなく、使い方も控えめだが、入った時は爽やかな風が吹いてくるような感触があり、とても趣味のいい編曲だ。ところで、「Sway」という曲を聴いたら、お馴染みの曲だとわかったが、どうしても思い出せない。数日かけてやっとラテンの名曲「キエン・セラ」であることがわかった。因みに「キエン・セラ」は「誰だろう?」という意味で、「sway」は「揺さぶる、動揺する」という意味だそうだ。出典:http://ameblo.jp/popfreak/entry-10892266633.htm最近はマイケル・ブーブレが取り上げている。ラテン・バンドをバックにしたパンチの効いたヴォーカルだ。大方チャチャチャのリズムでの演奏だが、クラール盤はテンポを倍以上に伸ばして、あまりリズムを感じさせない落ち着いた仕上がりになっていて、ある意味斬新な編曲。他の曲との兼ね合いなので、ラテン・バンドというわけにはいかなかったようだが、結果的には騒がしい?リズムに惑わされないで曲の魅力を感じることが出来る。アルバム全体を注意深く聞いていくと、アレンジから何からすごくよく考えられていることが分かってきた。成る程、こういうアルバムを聴くと、プロデューサーの役割が理解できる。ジャズの場合ヘッド・アレンジでアドリブ勝負のライブ一発どりなどもあるわけだが、このアルバムはそれと対極にあるものだ。なので、新鮮味がないという印象は変わらないが、頭を使うことも含めて、すごく手のかかったアルバムなことは確かだ。勿論水準も極めて高い。緻密な思考から生まれた音楽よりも、先ほど書いたような即興の音楽が面白いことがあるのは芸術の面白いところだ。このアルバムでは、ダイアナ・クラールのピアノに感心した。つい最近レビューしたエリアーヌのアルバムでは彼女の饒舌なピアノに感心したが、ダイアナ・クラールの「Night & Day」での慎ましくもツボを押さえた趣味のいいピアノ・ソロピアノもとてもいい感じだ。Diana Krall:Turn Up The Quiet(Verb B002621702)1.Like Someone In Love2.Isn't It Romantic3.L-O-V-E4.Night And Day5.I'm Confessin' (That I Love You)6.Moonglow7.Blue Skies8.Sway9.No Moon At All10.Dream11.I'll See You In My DreamsDiana Krall(vo,p)Recorded at Capitol Recording Studios,Hollywood,CA
2017年06月17日
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先日クリス・シーリーのバッハを取り上げたが、ヨーヨー・マと共演したバッハの器楽曲などのアルバムが出た。メンバーはほかにコントラバスのエドガー・メイヤーが参加している。マイヤーはシーリーとアルバムを数枚作っている。wikiによると、彼は「クラシック、ブルーグラス、ニューグラス、ジャズなどを吸収したアメリカのベーシスト、マルチ演奏者、作曲家」だそうだ。このメンバーに、当代屈指のフィードラーである、スチュアート・ダンカンが加わった、「ゴート・ロデオ・セッションズ」が5年ほど前にリリースされている。このアルバムのアレンジはすべて彼らの手になるもので、バランスをよく考えた優れたもの。予想通りというかマンドリンの特性だろうか、どうしても音楽が軽くなってしまう。周りがチェロとベースということも、目立つ原因だ。そのため、例えば最初のトリオ・ソナタなど、原曲のオルガンと比べると、どうしても軽く聞こえてしまう。一方ゆったりとした曲での鄙びた味わいは、なかなか魅力的だ。良く知られた「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声 BWV645」などツボにはまると、曲の新たな魅力を感じさせる。マンドリン抜きの部分など、一転してシリアスになるのも面白い。アンサンブルは完璧。テンポの速い曲でのマとシーリーの丁々発止とした掛け合いも凄味がある。また全体的に活き活きとした表情が印象的で、聴き手にも彼らの楽しさが伝わってくるようだ。純粋に楽曲を楽しむためには、あまり適さないが、温かい午後などにのんびり聞いていると、リラックスできること請け合いだ。普通の音楽に飽き足らない方たちの好奇心を刺激することも確実だろう。聞いていると、どうしても原曲を聞きたくなってしまうのも、この演奏が優れているからだろう。曲を知らない方にとっても親しみやすいので、気に入ったら正規の楽器(フーガの技法は楽器の指定がないが)でお聞きになることをお勧めする。なお、日本盤にはボーナス・トラックとして「平均律の第2巻19番からプレリュード」が付いている。Yo-Yo Ma/Chris Thile/Edgar Meyer:Bach Trios (Nonsuch 7559-7932-o)1.Trio Sonata No. 6 in G Major, BWV 5304.The Well-Tempered Clavier, Book I: Prelude No. 19 in A Major, BWV 8645.Wachet auf, ruft uns die Stimme, BWV 6456.The Well-Tempered Clavier, Book II: Fugue No. 20 in A Minor, BWV 8897.Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ, BWV 6398.Prelude No. 18 in E Minor, BWV 5489.Fugue No. 18 in E Minor, BWV 54810.Keyboard Partita No. 5 in G Major, BWV 829: VI. Passepied11.Kommst du nun, Jesu, vom Himmel herunter, BWV 65012.Art Of The Fugue, Bwv 1080: Contrapunctus XIII A 3, "Rectus"13.Art Of The Fugue, Bwv 1080: Contrapunctus XIII A 3, "Inversus"14.Erbarm dich mein, O Herre Gott, BWV 72115,Sonata for Viola da Gamba No. 3 in G Minor, BWV 1029Yo-Yo Ma(Vc)Chris Thile(Mandrin,g 14 only)Edgar Meyer(b)Recorded March 3-8,2016,at TheBarn,Washington,MA
2017年06月14日
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つい最近、Amazonをチェックしていて、Joana Amendoeira(ジョアナ・アメンドエイラ)という歌手の歌が気に入って、アルバムを聴いた。 ア・フロール・ダ・ペーリこの歌手はポルトガルの民族歌謡ファドの歌手だ。なかなか良かったので、他の歌手をチェックしていて、気に入ったアルバムが今回取り上げたボボンのCD。写真を見ると若そうに見えるが1974年生まれで、40歳を過ぎている。とてもそうは見えないむしろアメンドエイラの方が年上の感じがしたが、1982年生まれと8歳も若い。歌のうまさはボボンより上で、こぶしの回し方もうまい。ボボンは美しい容姿と澄み切った歌声が魅力的だ。ボボンの歌は哀愁を帯びていて、万人に好かれる歌声だろう。従来のファドを越えた新しいファドを追求しているそうだ。アメンドエイラの歌に聞けるような、鋭角的なものを感じさせない、あくまでも滑らかな歌だ。ファドは主にポルトガルギター(ギターラ)と現地ではヴィオラと呼ばれるクラシック・ギター(スチール弦使用)、(時には低音ギター(ヴィオラ・バイショ)が加わる場合もある)で伴奏される。出典 wikiこのアルバムではピアノとベースが主で、時々ポルトガル・ギターが加わる。とてもシンプルだが、味わい深い。彼女の歌唱からは勿論哀愁は感じるが、全体にとても爽やかだ。後半、シンプルな歌も何曲かあるが、それらはボボンにぴったりの歌で、まるで日本の童謡を聞いている様な感じがする。まさかファドに首を突っ込むとは思わなかったが、ファドの女王アマリア・ロドリゲスなどの大御所にも守備範囲を広げていきたい。ただ彼女の歌はちょい聞きだと、結構ハードルが高そうだ。ここまで書いてから、spotifyでボボンのアルバムをチェクした。最新のものではsmooth(2014)というアルバムがヒットした。聞いて見ると、「カントリー」みたいな感じで、ファドとは全く別物だ。もう少し詳しく聞かないとわからないが、ほんの2年ぐらいでこうも変わるとは思っていなかった。確かにファドを越えたようだが、方向が違っていないだろうか?Maria Ana Bobone:Fad & Piano(ARC Music EUCD 2423)1 Frederico Varerio:Que Deus Me Perdoe 2 Antonio Mestre:Namorico Da Rita 3 Maria Ana Bobone:Auto-Retrato 4 Armandinho:Melancolia 5 Frederico Varerio:Fado Xuxu 6 Jose Marques do Amaral:Fria Claridade 7 Pedro Colderia Cobral:Enigma 8 Pedro Colderia Cobral:Love Ballad 9 Pedro Colderia Cobral:Dança 10 Trad:Sao Bentinho 11 Manuel Bobone:Balada 12 Trad:Mariao 13 Maria Ana Bobone:Image 14 Trad:Senhora de Almortao 15 Pedro Colderia Cobral:TwilightMaria Ana Bobone(p,g)Rodrigo Serrano(b)Bernardo Couto(Portuguese guitar,3,5,7,10,14,15)Recorded at K Branca Studio,March 2011- January 2012
2017年06月12日
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先日レビューした「ジークフリート」の前に時間があったので、ミュシャの展覧会を見に行った。最終日1日前なので、混んでいて、1時間ほど並んだ。近くに住んでいるのなら、日を選んで行けるのだが、自由がきかない者としては仕方がない。ミュシャは何回か見たことがあるが、主にポスター。今回の目玉は「スラブ叙事詩」全20点が一挙に公開されることだ。全作品が公開されたのは2012年のプラハ国立美術館が初めてとのこと。当ブログは「スラヴ叙事詩」については全く知らなかったが、何とも巨大だ。絵の大きさは縦4m、横が4~8mで展示室の天井から吊るさなければ、ならないほどだ。なので、上の方は肉眼だとはっきりわからない。オペラ用に双眼鏡を持っていたので、使ってやっとわかる程度だが、倍率5倍なのでそれほどはっきりわかるわけではない。チェコの歴史とスラブ民族の闘争を描いたもので、リアリズムと宗教が混然と一体になっている。技法は油彩と卵テンペラ。卵テンペラとは顔料を鶏卵と水とダンマル溶液で画面に定着させる技法で、油彩画のように黄変を起こしにくいという特徴があるため、経年劣化が少ないという特徴がある。しかし、色面の平塗やぼかしの技法には不向きなので、油彩画の技法と併用される。出典:http://www.weblio.jp/content/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9個人的には平面的で輪郭がはっきりしていないのが不満だが、それはテンペラで描いたためなのだろう。ただ、結構惨たらしい描写があるので、輪郭がはっきりしていたら悲惨な絵になっていたかもしれない。また、巨大ではあるが、乾くのが速いので、同じサイズの油彩画よりは日数はかからないと思われる。卵テンペラのためか、比較的色調が明るいが、中には「ニコラ・シュビチ・ズリンスキーによるシゲットの対トルコ防衛」のように、炎で真っ赤におおわれてた壮絶な絵もある。ぽっかりと空中に浮かぶ景色や人物がとても印象的な絵が何枚もあり、その迫力にたじたじとなる。残念だったのは、遠くの人物の顔が書かれていない絵が何点かあったことだ。それほど時間がかかるわけではないので、ここで手抜きをしてほしくなかった。例によって図録を買ったのだが、ここでも会計に行列ができていて、30分以上待たなければならなかった。ところが、新国立劇場に行ってから、どこかに置き忘れてしまった。心当たりを探したが、なかったので、仕方がなくWebで購入したが、ネットの有難さを実感した。重い思いをしなくても済むし、ポイントも付く、そして何よりも忘れることがない。図録そのものは、さすがに実物の巨大さを実感することはできない。図録を買うときに「スラヴ叙事詩」のkindle版があることを知り、お試しでダウンロードしようとしたが出来なかった。画素数にもよるが、大画面で見れば、それなりにリアルに感じられるかもしれないので、画集を買うときは電子書籍という選択もありそうだ。公式サイト
2017年06月10日
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先日何気なくクレジット会社の明細を見ていて、見慣れない項目があるのに気がついた。「ユーネクストサービス 手数料」というものだ。内容が分からないので、ネットで調べてみたら、NTTの映画などの定額配信サービスのことらしい。クレジット会社からは使った人を調べろと言われたので、心当たりがないというと、請求先に聞いてもらわないと、という話だったので、結局U-NEXTのコールセンターに電話をした。自分の名前での登録はないので、クレジット番号を教えてもらえないと調べられないとのこと。電話だったので、再度問い合わせをしてほしいといわれた。メールが来てセキュリティの確保されたWeb上のサーバーから連絡してくれという依頼があり返信した。その後、息子に聞いていなかったことを思い出して、聞いたら、お試しで登録したことがあるが、すぐに解約したとのこと。解約後も再加入を促すメールが来ていたので、解約されたと思い込んでいたらしい。文面を見ると「以前解約された○○様」という表記があったことも、そう思い込んだ理由らしい。ところが、その後操作ミスのためか、再度契約した形になっていた。システム上、再契約では契約した旨のメール契約者に届かないことになっているのだそうだ。U-NEXTからの回答では、契約はWeb上でIDとパスワードがなければならないので、当人しかできないとのこと。契約したことは確かだと思うが、二回目の契約からは通知がないというのは、システム上の手抜きとしか思えない。ソフト上の配慮がたりないと言わざるを得ない。こういうシステム上の話になると仕様上の不備、プログラマーの性格、レビューの不備などいろいろな問題が出てくるが、メーカーはこういうことは改善しているのだろうか。客からの問い合わせには対応しているにしても、その不具合が発生した仕組みを改善しているようには思えないことがよくある。この会社に関してはいろいろな不満が出ているようで、客への対応が不十分な会社なのだろう。因みに「U-NEXT トラブル」で検索すると53万件もヒットする。こういうことは言いたくないが、民営化して長い年月が過ぎたのに、いまだに古い体質が残っていると思わざるを得ない。ちなみに、子供は海外在住で、U-NEXTのサービスが使えないことはメーカーも分かっているのだが、あくまでも契約だと言い張っているのは、なんとも残念なことだ。木で鼻をくくる態度とはこういうことをいうのだろう。ポイントも45日以内に使わないと自動的に消滅するという、まったく勝手なルールだ。ところで、最近NTTから何回もネットの契約の変更依頼の電話がかかってくる。この会社は販促は熱心で、複数の代理店から同じ内容の勧誘が来る。まことに熱心でご苦労様と言いたいが、その前にやることがあるだろうと悪口を言いたくもなる。月2000円ほどで約二年間契約していたので、たいした金額ではないが、なんとも後味の悪い結果になってしまった。
2017年06月08日
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先日新国立劇場のサイトを見ていたら、ワーグナーのジークフリートの新演出の予定が出ていた。公演日に近かったので、チケットは売り切れだった。幸い、売りますというサイトが新国立劇場のサイトについていたので、そこからチケットを購入した。ヤフオクなどと同じ仕組みで、S券が即決だったので、高いのに目をつぶって購入したい。会員割引のチケットだったので、手数料を加えても、正規のチケットの値段より2000円以上割安だった。おまけに、前から4列目のほぼ真ん中という絶好の席。指環は1回しか見たことがない。かなり昔の話で、演目はやはりジークフリートで、二期会の演奏だった。ジークフリートといえば、四部作の中では地味な作品で、個人的な注目点は、第二幕のホルンコール、続く大蛇の出来、3幕の高揚感などだ。ホルンコールはまずまずだったが、最後に早くなるところで、ミスったのは惜しかった。他のところは頑張っていたので惜しい。ただ、一番を支えるべき2番が疲れのためか不安定な演奏になり、ちょっとはらはらした。演奏技術が進歩したとはいえ、日本人にはスタミナの点でこういう曲はまだハードルが高いのだろう。大蛇は空気を入れて膨らましたもので、かなり安っぽい。表面はポリエチレンだろうか。何故か手?が二本あり指が3本づつついている。あとは歯をむき出した大きな口があり、そこにファーフナーの歌手が入っているという仕掛け。ゲッツ・フリードリッヒの演出は、保守的なものが多く、今時の読替えではないのが有難いが、今回の大蛇は当ブログに考えていたものとだいぶ方向が違っていてガッカリした。指揮はテンポも引き締まっていて良かったが、「森のささやき」の部分でのホルン・アンサンブルをテヌートで処理して、おまけに最後の部分を強奏させていたのにはびっくりした。個人的には全く理解できない。。オケは弦、木管は問題がないが、第二幕の冒頭のチューバ・ソロの処理が気になった。また、第二幕以降少しミスが耳についた。第二幕コーダの和音、誰かが思いっきり外していたのは、プロとして残念。歌手陣は小鳥を除き、素晴らしかった。各々のキャラクターも結構立っていた。ジークフリートのステファン・グールドはテノール馬鹿みたいな感じで、役にふさわしい。キャストで一番光っていたのは ミーメ役のアンドレアス・コンラッドだろう。ミーメの狡猾さがよく出ているし、演出なのか彼自身の持ち味なのか分からないが、細かいところでのユーモアを感じさせる動作が何とも味がある。問題なのは小鳥が出てきたこと。出てくるのはいいが、羽をつけていて、頭にも長い毛が付いている。 バレエのコスチュームのような体の線が出ている衣装を着ていて、できれば見たくなかった。出るにしても、声だけにして、視覚はダンサーだけにしてほしかった。演出はオーソドックスなものだが、興味深いところもあった。一つは第3幕のヴォータンと眠りから覚めたエルダーの対話の場面。ヴォータンが一人いるステージがせり上がって、地下の牢みたいに柱が林立しているところにエルだが立っている。視覚的にとても印象的な舞台だ。エルダの赤と黒の衣装に緑の照明が当たって、ヴォータンのクリーム色の衣装との対比が効果的だ。ヘルシンキ歌劇場での公演での装置を流用しているのか、総じて装置や美術はシンプルだが、シンプル過ぎないところでとどめていることがいい。1,2幕はメルヘンチックでなかなかいいが、第3幕は月並みになっているところが惜しい。照明もいい仕事をしている。ただ地下牢みたいなところの壁の上部に配管やバルブがあるのはどうしたことだろうか。意識的な仕業とは思えない。第3幕の眠っているブリュンヒルでを取り囲む火で使うための装置だったのではないか。まさか、気づかれると思っていなかったのかもしれない。また、ミーメが大蛇を探しに行く時にさしていた傘が赤の水玉模様だったことも、理由が分からない。帰りの電車に乗ろうとしたら、ホルン・ケースを背負った方が乗ってきた。顔を見たらJ氏ではないですか。客と同じ電車に乗るなんて、なんというスピードだ。当ブログはいつも終演と同時にダッシュで帰るのだが、楽器をしまって着替えないで、そのまま帰るにしても、ソツがない。さすが?はプロと感心してしまった。この公演が東京交響楽団と知ったときに、彼の顔が浮かんできた。何回か聞いたことがあるが、必ずミスをするという刷り込みが入っていて、今回も残念ながら、シナリオ通りになってしまった。次回の「黄昏」も見るつもりなのだが、幸い?読響なので、今回の様な心配をしなくて済むのは有難い。ところで、最近目がよく見えなくなったので、双眼鏡を新調した。ヒノデの5×20-A3という五倍の双眼鏡だ。倍率はそれほど大きくないが、とにかく明るくて良く見えるのがいい。「ジークフリート」は暗い場面が多く、条件が厳しいが、普通の舞台写真を見るように肉眼でも鮮明に見えた。これから活躍するシーンが増えそうだ。Wagner:SiegfriedStephen Gould(Siegfried)Andreas Conrado(Mime)Der Wanderer(Greer Grimsley)Thomas Gazheli(Alberich)Chrisitian Hubner(Fafner)Christa Mayer(Erda)Ricarda Merbeth(Brunhirde)Taijiro Iimori(cond)Tokyou Symphony OrchestraGets Freedrich(production) 2016年6月5日 新国立劇場 大ホール1階4列15番にて視聴
2017年06月06日
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最近ヴォーカル物が続いているが、今回もヴォーカル物。エリアーヌの最新作で、ブラジル音楽を中心にスタンダードなどを織り混ぜて、いつもながらの熱い世界を作っている。最初注目したのはトッキーニョが参加しているナンバーが2曲あったこと。一時はまったことがあるので懐かしかった。代表曲「Samba De Orly」が取り上げられていて嬉しかった。年齢は70歳くらいだが、声は昔と変わらない。次に注目したのはバック・コーラス。何曲かでバック・コーラスが使われている。オーバーダブで処理されているが、これが素晴らしかった。特に「Copakabana」のエンディングでの無伴奏コーラスは実にカッコよく鳥肌ものだ。今回はエリアーヌのピアノ・ソロもかなり力のこもったもので、「Coisa Feita」など、のりのりで思わずからだ動きそうになる程だ。スタンダードの「Spek Low」も実に洗練されていてクールだ。この曲でこれほど洗練されているのは、バーブラ・ストライザンド(Back To Broadway 1993)以来ではないだろうか。ランディー・ブレッカーのフリューゲルもこの曲でいい味出している。最近何故か彼女のアルバムをフォローしているが、最近のアルバムでは、前作がグラミー賞を受賞しているとはいいえ、今回の出来が上回っている様に思う。中音域の張り出したサウンドも心地よく、これからの季節に好適なアルバムとして、お奨めしたい。Eliane Elias:Dance of Time(concord jazz 0888070230555)1. O Pato2. A Habit With Me3. Copacabana4. Coisa Feita5. By Hand6. Sambou Sambou7. Little Paradise8. Speak Low9. Samba de Orly10. Na Batucada da11. An Up Dawn12. Not to CryEliane Elias(p)Marcelo Mariano(b) Marcus Teixeira(g 1-3,5-10) Conrado Goys(g 4) Edu Ribeiro(ds 1-3,5-10) Celso de Almeida(ds 4) Gustavo di Dalva(perc 2,3,9) Marivaldo dos Santos(perc 2,3,9)Special Guest:Amilton Godoy(p,11)João Bosco(vo,g 4)Toquinho(vo 9,12 g 12)Randy Brecker(flh 8)Mike Mainieri(vib 2,7)Mark Kibble(chorus 3,5,8)Recorded at NeCena Studios,Sao Paulo,Brasil
2017年06月03日
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ナタリー・デセイのソニーからの第2弾は初のシューベルト歌曲集。期待していたのだが、残念ながら期待はずれだった。細かいところがどうのという話ではなく、シューベルトの歌唱として、かなり違和感があった。ビブラートが大きく、フレージングも大げさだ。そのため、シューベルトの良さが全く伝わらなかった。ドイツリートとフランス歌曲での発声の違いが違和感の原因かもしれない。「魔王」や「岩上の羊飼い」など意欲的な選曲は好感が持てるが、どうも意欲が空回りしたようだ。当ブログの認識が間違っているかと思って、アメリンクやボニーの歌を聞いたが、全く違和感がなかった。念のため男声のディスカウとゲルネも聞いたが、同じだった。途中で、ヘルマン・プライがレヴァイン指揮ウイーンフィルで演奏しているウイーン国立歌劇場での演奏がyoutubeにあったので見た。実に素晴らしい演奏だった。デセイの「魔王」は懸命に父と子供の違いを出そうとしていたが、却って作為的に聞こえた。「糸を紡ぐグレートヒェン」など劇的な表現が可能な曲で過度に表情をつけすぎている感じがした。「春の小川で 」や「夜咲きすみれ 」「春に」のような穏やかの曲調の曲では作り過ぎの感は残るが、さほど違和感がない。どうもドイツ・リートの基本的なところの把握が不十分の様に聞こえた。好きな歌手だけに、こんなことは言いたくないが、大年増の厚化粧といったら言い過ぎだろうか。散々?な出来だったが、オペラでの名声を捨てて、新しい分野に挑む姿勢には頭が下がる。勿論これで終わったわけではないので、これからもどんどん新しい分野に挑戦してもらいたい。ところで、残念なのは、当ブログの好きな「水の上で歌える」がなぜかリスト編曲のピアノ曲になっていること。どういう理由だったのだろうか?この歌こそ、彼女にふさわしい歌のような気がするのだが。。。。以上ぼろくそに書いてしまったが、当ブログはリートに関して何も知らないので、この感想が正しいとは限らない。間違っていたとしても、たわ言と思って頂ければありがたいNatalie Dessay:Schubert (Sony 88985419882)Schubert:1.Liebesbotschaft, D957 No.12.Du bist die Ruh D776 (Rückert)3.Erlkönig, D3284.Die Gotter Griechenlands D677 (Schiller)5.Gretchen am Spinnrade, D1186.Nur wer die Sehnsucht kennt, D877/47.Die Stadt, D957 No. 118.Am Bach im Fruhling, D3619.Suleika I, D72010.Liszt:Auf dem Wasser zu singen (No. 2 from Zwölf Lieder von Franz Schubert, S558)Schubert:11.Geheimes, D719 (Goethe)12.Ganymed, D544 (Goethe)13.Nachtviolen D752 (Mayrhofer)14.Rastlose Liebe, D13815.Im Frühling, D88216.Der Hirt auf dem Felsen, D965 (Von Chezy / Muller)Thomas Savy (clarinet 16 only)Natalie Dessay (s)Philippe Cassard (p)Recorded Nov. 28-Dec. 2,2016 at Siemens Villa,Berlin
2017年06月01日
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