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子供は現在、CDショップにパートとして働いている。先日帰宅して、サチモスのCDの予約が入った話をしていた。知らないミュージシャンだったらしいが、調べて見たらジャズの要素も入ったバンドなので、管理人にも聴いてみたらと勧めてくれた。管理人は初めて聞く名前だったので、スポティファイで聴いてみた。ジャズとは言えなかったが、ジャズ、ロック、ヒップホップなどに影響されたダンス音楽だった。その後、最初のアルバムを含めて何回か聴いたが、ノリのいい音楽で気にいった。CDを購入しようと思って、タワーレコードのポイントが溜まっていたのを思い出して、タワーレコードに注文した。ところが、OTOTOYからのメールで、ハイレゾでこのアルバムが発売されることを知った。タワーの注文は、一緒に他のCDも頼んでいたので、納入されるまでは時間があり、まだ発送されていないので、慌ててキャンセルした。その後OTOTOYからファイルをダウンロード。さすがにハイレゾはいい音がしている。子供も聞きたいということなので、圧縮してCDに焼いた。当ブログはハイレゾをNASに入れてOK。このグループはテレビでも取り上げられるほどの注目株らしい。チケットも入手困難とか。曲がよく、ヴォーカルのYONCEの歌も上手い。YONCEは湘南出身だそうだが、そのせいか、湘南の風が吹いているような感じがする。何回か聴いていると、今は亡き桑名正博の歌を思い出してしまった。全曲スカなしだが、気に入ったのは、やはり車のCMで使われている、「STAY TUNE」ヴォーカルが粋なことと、ギターのリフがキャッチーだからだ。続く「 PINKVIBES」「 TOBACCO」「 SNOOZE」もノリのいい曲だ。インストの、まったりとした静かな曲もあり、間奏曲風だなと思って曲名を確認したら、そのままのタイトルだった。こういう音楽でもいい味出しているのは意外だった。日曜に盛岡へ行ったので、車でじっくりと聴いて見た。ノリがいいので思わず足で拍子をとってしまった。このグループは基本ロックでそこにブラコン、アシッドジャズ、ヒップホップなどの音楽が渾然と一体になっている。ジャンル分けするのが難しい音楽でもある。聴く方はジャンル分けされていることで聞くか聞かないかを判断するので、このグループの音楽はある意味聞き手泣かせの音楽だ。当ブログとしては、聞いてみてとしか言えない。私は気に入ったが、色々な要素が混在しているからと言って、そのジャンルを聞いている方が好きになるとは限らない。オーケストレーションのヴァラエティが多彩で、どの曲でもツボにはまっていて、曲ごとに最適と思えるご機嫌なサウンドに仕上がっている。CDではないのでデータが全くなくので想像の域をでないが、グループ内での編曲だろうか。それにしても編曲者は凄腕だ。メンバーのレベルがかなり高く、穴は見当たらない。ラップは控えめだが、もう少し大胆に使ってもいいような気がする。ベースがファンキーなのもいい。オーバードライブの効いたギターも存在感がある。「TOBACCO」でのエレクトリック・ピアノのアドリブも短いながら素晴らしい。この曲でのオルガンみたいなサウンドもご機嫌だ。聴いていると、このバンドは国内だけでなく海外でも受けそうな気がする。ただ、歌詞を訳したら、日本語の歌詞の味わいを出すのは難しそうだ。それにしても久し振りにインパクトのある新鮮な音楽を知って、とても嬉しくなった。OTOTOYのコピー「2017年最大の衝撃! 」も大げさではない。suchmos:THE KIDS OTOTOY ハイレゾ 24bit 48kHz(PACE SHOWER MUSIC)1. A.G.I.T.2. STAY TUNE3. PINKVIBES4. TOBACCO5. SNOOZE6. DUMBO7. INTERLUDE S.G.S.48. MINT9. SEAWEED10. ARE WE ALONE11. BODYsuchmos
2017年01月30日
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エレーナ・ガランチャの新譜を聞く。今回もまた前作と同じようなオペラのアリア集。フランスとイタリアのオペラの有名なナンバーをあつめている。当ブログは、昔はアリア集など、ほとんど聴く習慣がなかったが、ここ10年ほどは、よく聴くようになった。反面、オペラの全曲を聞くことは少なくなった。勿論高いということもあるが、全曲を通して集中して聞くことができなくなったからだ。現在はNASにあるオペラのつまみ聞きが主だ。根気がなくなったのに、安いからといって格安BOXを購入して、未だに全曲を聞き通していない物もいくつかある。アリア集は、全曲を通して聞かねばならないという義務感があまりないので、その点は気楽だ。筆者の場合、アリア集といっても、ごく限られた歌手の物しか聞かない。好きな歌手または、新しく名前が出てきた歌手だ。ガランチャはグラモフォンに移籍以来気に入ってフォローしている。ガランチャは端正な歌唱で、スラブ式の発声が目立たないのがいい。フランスものは多少重い感じはあるが、気になるほどではない。イタリアものは全く問題ない。今回は、彼女の驚異的な息の長さに驚いた。これほど息が続く歌手もそういないと思う。昔ならジェシー・ノーマンが有名だったが、いまどきは誰なんだろうか。彼女のアルバムを聴いていると、聴いたことがないアリアに出会うことがよくある。また、聴いたことはあっても、アンテナに引っかかっていないナンバーの素晴らしさを教えてくれることがよくある。今回は、チレアの「アドリアーナ・ルクブルール」のあまり有名でないアリアの切なさなど、初めて知ったようなものだ。色々な作品が集められているが、アルバムとしての統一感がある。聴いていると、どれもが温かみに溢れ、心ががじんわりと暖かくなっていくようだ。気に入ったのは、ドン・カルロ第1幕のエボリ公女のアリア「庭園の中にある」や「サムソンとデリラ」第二幕の「愛の神よ!私を助けにきておくれ!」。「ボリス・ゴドノフ」の第三幕のマリーナのアリア「なんて悩ましく物憂く」もエンディングの軽さが洒落ている。 マスネの「エロディアード」は全く聞いたことがなかったが、第一幕のアリアの劇的で気高い歌唱が素晴らしかった。ロベルト・アバドが2005年から音楽監督をしているバレンシア州立管弦楽団は、最近活躍が目立っているヴァレンシア州立歌劇場のオケで、いいサウンドでガランチャを盛り立てている。Elina Garanca:Revive(DGG )1.Mascagni: Cavalleria rusticana - "Voi lo sapete, o mamma"2.Cilea: Adriana Lecouvreur / Act 2 - "Acerba volutta, dolce tortura ... O vagabonda stella d'Oriente"3.Berlioz: Les Troyens, H 133 / Act 5 - "Ah! Ah! Je vais mourir ... Adieu, fiere cite"4.Verdi: Don Carlo / Act 2 - "Nel giardin del bello"5.Saint-Saens: Samson et Dalila, Op.47, R. 288 / Act 2 - "Samson, recherchant ma presence ... Amour, viens aider ma faiblesse"6.Mussorgsky: Boris Godunov / Act 3 - "Sku?no, Marine ... Kak tomitel'no i vyalo"7.Cilea: Adriana Lecouvreur / Act 1 - "Ecco: respiro appena ... Io son l'umile ancella"8.Massenet: Herodiade / Act 1 - "Venge-moi d'une supreme offense! ... Ne me refuse pas"9.Thomas: Mignon / Act 1 - "Connais-tu le pays"10.Verdi: La forza del destino / Act 3 - "Rataplan, rataplan, rataplan"11.Ponchielli: La Gioconda, Op.9 / Act 2 - "Ho il cuor gonfio di lagrime ... Stella del marinar!"12.Massenet: Werther / Act 3 - "Va! Laisse couler mes larmes"13.Leoncavallo: La boheme / Act 3 - "E destin, debbo andarmene ... Marcello mio"14.Saint-Saens: Henry VIII / Act 2 - "Reine! Je Serai Reine!"Elina Garanca(ms)Orquestra de la Comunitat Valenciana, Roberto Abbado(cond)
2017年01月28日
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ジャズ批評の1月号で、「21世紀の歌姫達」と題して最近台頭してきた女性ジャズ歌手達の特集を組んでいた。例によって、注目される人たちのアルバムについて、まとめたものだ。アルバムをピックアップする方法もあるが、ミュージシャン毎にバイオを含めて解説してもらう方が、購入の指針としては参考になる。何人か興味深い歌手がいたので、Spotifyで音を確認した。その結果購入したのが、キャンディス・スプリングスの「ソウル・アイズ」というブルーノートからのリリースされたアルバム。カテゴリーとしては「adult contemporary R&B 、Contemporary Jazz」に分類されている。ジャケットを見ると、昔のエスペランサ・スポルディングのようなアフロヘアーで、鼻ピアスまでしてかなりケバい。外見とはうらはらに、歌は大変上手く、ジャズやブルースをベースにしたソウルフルな歌い方が特徴的だ。ソウルフルと言っても、それ程濃いわけではなく、受け入れられやすいスタイル。引き出しも豊富だ。ヴァラエティに富んだ選曲で、趣味の良さを感じさせる。5,7,8の三曲が彼女のオリジナルまたは、共作。気に入ったにはマル・ウォルドンの名曲「Soul Eyes」。ゆったりとしたテンポで感情のこもった歌い方が、しびれる。次の「Place To Hide」はリフが印象的で、ブルース・フィーリングも味わい深い。オルガンとギターの入った「Thought It Would Be Easier」は、トロピカルムードの軽いノリで、南国の柔らかな風が感じられるような快適さだ。「Novocaine Heart」はアップテンポのノリの良い曲。ミュージック・チャートでランクインしてもおかしくない。「Too Good To Last」はゆったりとしたテンポのソウルバラード。スプリングスの歌のうまさが光っていて、夜聞くのに相応しい曲だ。続く「Fall Guy」もスローバラードだが、キャチーなメロディーで後半の盛り上がりもなかなかで、ヒット性十分な曲。バックはピアノ・トリオにパーカッションという編成が基本で、曲に応じて、ギター、オルガンなどが加わっている。全体的に軽いサウンドで、スプリングスのソウル・フルなヴォーカルとのコントラストが絶妙だ。3,7でのテレンス・ブランチャードのトランペット・オブリガートが味わい深い。選曲、演奏とも申し分ない仕上がりで、これがブルーノートからのデビューアルバムとは思えないほどの完成度だ。Kandace Springs:Soul Eyes(BLUE NOTE B002500402)1.Talk To Me2.Soul Eyes3.Place To Hide4.Thought It Would Be Easier5.Novocaine Heart6.Neither Old Nor Young7.Too Good To Last8.Fall Guy9.The World Is A Ghetto10.Leavin'11.Rain FallingKandace Springs(vo、p)Jesse Harris (A.Gt 1,6,10)Dan Lutz (b 1-10)Larry Klein(Clst, Per, Vib)Pete Korpela (conga,perc. 5,8,9)Drums – Vinnie ColaiutaDean Parks (Gt,p 1-10)Pete Kuzma (org,e.p 1, 3-10)Terence Blanchard (Tp 2,7)
2017年01月26日
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昨年の第1回がいい演奏会だったが、今回も行くかどうか決めかねていた。ただ、最近台頭著しい?上野中の演奏を聞きたくて出かけた。一週間前の予約だったが、何とかとれてラッキー。今日県民会館のプレイガイドにいったら、中年のおっちゃんが当日券がないと文句を言っていた。なにやら、アナウンスがなかったことも怒りの原因だったようだ。女子高生の二人組も、当日券が1枚しか残っていなくて「どうしよう」と話していたがどうなったのだろう。助けてやればよかったのだが、当ブログも太っ腹ではないので、すこし心に痛みを感じながらチケットを受け取った。最近クラシック系のコンサートを聴くときは、県民会館でもマリオスでも二階の左の張り出した席に座ることが多い。あとは通路側の席というのも条件の一つだ。音のことは一切気にしない。今回も運よく2階の3列目の左端を取ることが出来たが、予約した時に係員に前が重なっているがいいかと言われた。重なっていてもよほど座高が高い方でない限り大丈夫なので、その席を予約したのだが、行ってみると困ったことになっている。それは最前列の前のスペースに撮影のためカメラの三脚が立っていたことだ。IBCのカメラマン達だったが、1列目と2列目の4つの席が彼らのためにリザーブされていた。中年と思しき女性カメラマンは県民会館が席を用意してくれたと言っていた。カメラは小型のカメラと普通の大きさの放送用のカメラで、放送用のカメラは若いカメラマンが担当していた。当然立って映しているので、左端のパーカッションは殆んど隠れて見えない。席には衣服やカバンが置いてあるだけなので、思い切って席を替わってもらえないかと言ってもよかったが、小心者の当ブログは言い出すこともできず、そのまま我慢して鑑賞した。二階から覗いてみると、1階の上手の前方には空席がある。おそらく、出演者用の席だろうと思っていたら、やはりステージが進むにつれて埋まっていった。この二つの出来事から見て、主催者には接客に対しての配慮がないように思う。まあ、お役所仕事と言ってしまえばそれまでだが、なんとも残念だ。前振りが長くなってしまったが、演奏自体は文句なしに楽しめた。県内の団体の演奏が招待バンドに見劣りするのは仕方がないが、結構面白かった。特に、中学生の演奏が予想外に良かった。最近吹奏楽コンクールや定期演奏会に行っていないので、県内の中学生の実力はあまりよく分かっていないのだが、昔のイメージから見るとかなり進歩していると思う。付属中はサウンドがきれいで、音の処理もきちんとされているので、聴いていて気持ちがいい。メンバーは25名ほどで、トロンボーンとホルンが一人ずつというハンデを感じさせない演奏だった。内藤淳一のインヴェンション第1番は当ブログも演奏したことがあり、懐かしかった。今考えると、なかなか良い曲なことを再認識した。残念だったのは、MCがなかったため、さっさと過ぎてしまったことぐらいか。そのためか「アンパリト・ロカ」もイマイチ盛り上がらなかった。期待の上野中は音が出た途端、音が大きいことに驚いた。県内の中学校のバンドでこれほど音の大きいバンドはあるんだろうか。それもただ大きいだけではなく、綺麗なサウンドだ。特にトランペットが良かった。最初のウイリアム・テロはファンファーレかわりで、あとはポピュラーが演奏された。ウイリアム・テロはウィッコムの古い編曲で音が省略されているため、かえって違和感があった。今の生徒なら音を省略しないでもできると思うので、原譜通りに変えてほしかった。ポピュラーでは生徒たちの踊りに加え、指揮者も踊りながら指揮していたのが印象的だった。演奏者が楽しんでやっているのが伝わって来て、いい感じだった。黒沢尻北高校は「フェリスタス」というと1979年の課題曲が演奏され、懐かしかった。この曲は演奏したことがないが、多分コンクールをよく聞きに行っていたときに耳にしたのだと思う。当ブログにとっては、課題曲の中でも優れた一曲だと思う。他に専大北上高校の演奏があった。後半は松戸市立第四中学校と東海大学付属高輪台高等学校の演奏。どちらも全国的に名の知られたバンドだと思うが、当ブログは初めてお耳にかかった。松戸市立第四中学校は68名の編成。このコンサートが初めてのステージということだったが、特に目立ったミスは聞かれなかった。中学校にしては厚みがありきれいなサウンドだった。ショーアップされたステージも、県内のバンドとは段違いだった。ただ、「世界に一つだけの花」を指揮者が歌っていたのはどうだろうか。最後の磐梯 は踊りが入っていてよかった。この曲にやめに衣装も用意したというだけあって、見ごたえ十分だった。インフルエンザの影響で20人ほど来れなかったとはいえ、70名ほどで迫力満点。パワーがかなりあり、サウンドも濁っていない。高輪台高校は演奏もさることながら、ショーマンシップに溢れている。演奏だけでなく、踊りや日舞まで取り入れているのも、お客を喜ばそうとする心が感じられるる。ある意味プロフェッショナルな仕事に近いものを感じる。その日舞だが、花柳流の家元の指導を受けているそうだ。私はその方面は全く不案内だが、とても面白い試みだと思う。ここまでできるバンドもそれほどあるとは思えない。最初の2曲はオリジナルの邦人作品。ステラ・マリスは内藤友樹の作曲で浜松海の星高等学校吹奏楽部委嘱作品。初めて聞いたが、親しみやすい曲だった。天野正道の「シネマ・シメリック」(空想映画)は文教大学の委嘱作品で、昨年に楽譜のレンタルが開始されたばかりの新しい作品。作曲者のコメントによると、2時間くらいの架空の映画の為のサウンドトラックとして作り上げて、それを吹奏楽曲にまとめたものだそうだ。演奏はいいのだが、天野特有のシリアスで暗い音楽で、個人的にはあまり楽しめなかった。ラテンスペシャル21での踊りも手先がきれいに伸びていて、専門的な訓練をしているのではなかろうか。最後に前後180度開脚までやってくれました。過去のラテンスペシャル21の演奏もネットにアップされてましたが、今回の演奏は別なバンドかと思う程段違いに上手かった。指揮者のMCも手慣れたもの。アンコールは新垣聡の「ぼくらのマーチ」と宝島。新垣聡は指揮者の方とは同郷(千葉)でその縁で帰ってすぐこの曲を新垣氏のコンサートで演奏するのだそうだ。「宝島」は観客をたたせてから、左右二つに分けて、「わんこそば」のリズムと「レーメン」のリズムで拍手させていた。これがなかなかハマっていたが、レーメンは2拍子なのであきてきたが、なかなか楽しい趣向だった。とうことで、個人的には問題があったものの、とても楽しい演奏会だった。次回はもう少し早く予約することにしたい。第2回いわて吹奏楽祭前半1.専修大学北上高等学校 「椿姫」より 小さな世界 情熱大陸2.黒沢尻北高等学校 青木進:フェリスタス マスカーニ:歌劇「カバレリア・ルスティカーナ」間奏曲 日比野裕史:Wake Up!3.岩手大学付属教育学部付属中学校 Anchors Aewigh:錨を上げて Frank Ericson:Air For Band 内藤淳一:吹奏楽のためのインベンション第1番 Jaime Texidor:Amparito Roca4.北上市立上野中学校 歌劇「ウイリアムテロ」序曲よりアレグロ 星源:恋他後半1.松戸市立第四中学校 高木登古:マーチ「ブルースカイ」 B.ウィーラン:リバーダンス When Your Heart Makes Wish~Mickey Mouse March 星野源:SUN 星野源:恋 槇原敬之:世界に一つだけの花 宮川成治:前前前世 Dancin'会津磐梯山2.東海大学付属高輪台高等学校。 Stella Maris シネマ・シメリック ディープ・パープル・メドレ¥ 夜桜お七(日本舞踊付) 夜明け(合唱付き) ラテンスペシャル21!!アンコール 新垣隆:僕らのマーチ 宝島2017年1月22日岩手県民会館2階3列1番にて鑑賞
2017年01月23日
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取りに行っていなかったジャズ・ジャパンの先月号を、昨日本屋に行って最新号と一緒に引き取った。いつも読む岡崎正通氏の連載コラムは映画のサウンドトラックについて書かれていた。ジャズ雑誌なので、当然ジャズに関係する映画について書かれている。ジャズの映画というとすぐ思い出されるのは、「真夏の夜のジャズ」だ。これは1958年のニューポートジャズ祭りを記録したものだ。この映画について当ブログが知らなかったことが書かれていた。それは!初日の模様が全く出てこない事で、理由は初日に撮ったフィルムがほとんどボケていたりしたため、使い物にならなかったというのだ。原因は製作を請け負ったファッション写真家のバート・スターンに映画撮影の経験がほとんどなかったためというのだ。初日にはマイルス・セクステット、ロリンズ・トリオ、マックス・ローチ・クインテット、ブルーベック・カルテット、エリントンバンドなど有名どころが出演していて、それらがごっそりと抜けてしまったのだ。この映画はモダン・ジャズのメンツが少なく、それもあまり有名ではないチコ・ハミルトンのグループにスポットが当てられているような映画で、見たときは不自然には感じなかったが、そういう事情があったとは知らなかった。そういう意味では、限られた材料で見事な映画に仕立て上げた?監督の手腕は立派だ。しかし、マイルスやロリンズが落ちているのは、今になってみると大変な損失であったことがわかる。おまけにローチ・クインテットにはブッカー・リトルが入っていた。ところで、この話は今まで聞いたことがない。世紀の大失策として伝えられても良い出来事だけに、90年代半ばに刊行された「Newport Jazz Festival」が出るまで真相が明らかにされなかったというのも変な話だ。世の中も、彼らが写っていないことに気づかなかったか、気づいても撮影の方針でカットされたのだろうと思っていたのではないだろうか。今となっては実にもったいない事件だ。カラーで鮮明に写っているマイルス・セクステットや動くリトルが見たかった。その気になれば、アマチュア・カメラマンの8ミリなど発掘できそうなものだが。。。。この映画のDVDは欲しいと思っていたが手に入らなかった。このコラムを読んで再発されていることを知った。早速、Amazonに出店しているimport_cdに注文した。あとで間違えてCDを注文したことが分かったので、キャンセルの手続きをした。ところが配送準備中にもかかわらず、応答がない。今日また確認したら、なんと配送中になっている。手遅れだったかと思ったのだが、その後も何も応答がない。こちらのミスなので仕方がないが、ここの対応はいつもながら悪い。
2017年01月22日
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行こう行こうと思っていた「この世界の片隅に」を観た。盛岡で公開された当初から、気にかけてはいたのだが、原作がこうの史代なので、二の足を踏んでいたためだ。理由は、こうの史代の絵があまり好きではないことと、戦争ものであることだ。こうの史代の原作である「夕凪の街 桜の国」は実写で、観ていると気分が落ち込んでいったのを覚えている。原作は漫画はよく言えばシンプル、悪く言えば貧相に見える。なので、また同じ気分になりたくなかったのだ。この前キネマ旬報の年間ベストテンでこの映画が1位になったことを知った。この中では、「君の名は」がランクインしなかったことが大きな話題になっているが、「この世界の片隅に」については、ランクインが順当だというのが大方の認識のようだ。当ブログも「君の名は」がランクインしなかったことが不満だった。そこら辺を知るためには、現物を観なければわからないし、近くの映画館の公開は期間限定なので、やっと踏ん切りがついたというわけだ。金曜日の午後という悪条件なのに、入りは結構良かった。当然観客はお年寄りが多い。結論としては、「君の名は」がランクインしなかったのは、内容が審査員に気に入られなかったことと、はさておき、大ヒットしたからだったことが分かった。勿論、キネ旬の選ぶ作品は大人向けの地味な作品、もっと言うと、抹香くさい作品が多いことも理由の一つではあるだろう。そもそも、この2つの映画を同列に並べて批評することに無理がある。この映画は戦前から戦後まで、市井の一人の女性の眼を通して、その当時の生活や仕事出来事を丹念に描いている。戦争という特別なことがあったにしても、日常の中、人々の生活は終始変わらず、何か出来事があっても、淡々と対応している人々の様子がよくわかる。戦争という極限状態でも、毎日の暮らしには喜びや楽しみがあることがよくわかった。この気分は、多分に主人公のすずの気持ちを反映している。すずはぼんやりした性格だが、元々楽天家なのだろう。自分に起こった大変な事に対しても、一部ぞっとする描写があるものの、とことん自分を追い詰める所まで行かないところがいい。すずの周りの人たちも、暖かく見守っているところは、ほのぼのとしていていい。この気分は、漫画だから表すことができるのであって、実写だと難しそうだ。呉は原爆の爆心地から南東20kmに位置しているが、原爆の光と爆風についても正確に描かれている。総じて描写が細かく、当時の人々の生活がよくわかる丁寧な仕事だ。登場人物では、スズの嫁ぎ先の義姉の径子がとがった部分があって面白い。このキャラクターを見ていたら、朝ドラの「ごちそうさま」のキムラ緑子を思い出してしまった。キャストで不満はない。とくにすず役の、のんがいい。柔らかな広島弁での会話も、心地よい。この映画は若い人たちにアピールするとは思えないが、こういう映画こそ若い人たちに観てもらいたい。当時の様子が実感できるからだ。キネ旬のトップがふさわしいかどうかはわからないが、優れた映画であることは間違いない。公式サイト
2017年01月20日
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今年のアカデミー賞の特別部門で受賞したワーナーの“ライジング・スターズ”シリーズの一枚。以前取り上げたザビーヌ・ドゥヴィエルのモーツァルトのアルバムもこのシリーズだった。受賞したことを知って、何か買おうかなと思っている時に、目にとまったのがこのディスク。シュールなジャケ写が気に入って購入した。勿論安い事は、一番重要な判断材料だ。Rondeauという音楽の表示記号の名前を持つ珍しい演奏家だ。ジャケットから受ける感じとはちょっと違っていいて、とてもエネルギッシュな演奏だ。筆者の勝手なイメージで、チェンバロ奏者は学究肌の人たちが多く、感情を表に出さない、まして汗を感じさせることはないと思っていた。ロンドーは汗こそ感じられないが、意思の力というか、どういう表現をしたいのかよくわかる演奏だ。ジャケ写の優男ぶりからは感じられない、なかなかユニークな演奏家だ。youtubeで実演の様子をみたが、大仰な動作もなく普通の演奏風景だった。取り上げている曲も変わっている。チェンバロの曲はイタリア協奏曲のみで、他は別な楽器の作品。リュート、ヴァイオリン、フルートのソナタで、チェンバロ用に昔から編曲があったとは知らなかった。シャコンヌはブラームスの左手用のピアノ編曲だが、ロンドーは両手で弾いている。イタリア協奏曲はロンドー編曲となっているが、具体的にどう編曲しているのかは不明。最近復興著しいハープシコードで、こういうフレッシュな演奏家がどんどん輩出することは、大変嬉しいことだ。ロンドーは四月に来日するらしいので、出来れば聴きに行きたいものだ。なお、画像リンクはアマゾンのページだが、なんと国内盤が1899円引き。2作目の「VERTIGO」も同じ値段で、投げ売り状態だ。筆者が購入したのは海外盤でもう少し高かった気がする。個人的には嬉しいやら寂しいやらだが、ご興味のある方は是非!Jean Rondeau:Image(Erato 0825646220090)1. Lute Suite No. 2 in C Minor, BWV 997 (arr. Jean Rondeau)5. Violin Sonata No. 2 in A Minor, BWV 1003 (arr. W. F. Bach)9. Violin Partita No. 2 in D Minor, BWV 1004 (arr. J. Brahms): V. Chaconne10. Flute Partita in A Minor, BWV 1013 (arr. Stéphane Delplace)14. Italian Concerto in F Major, BWV 971 (arr. Jean Rondeau)17. Violin Sonata in C Major, BWV 1005 (arr. Wilhelm Friedemann Bach): I. AdagioJean Rondeau(cem)Recorded Notre-Dame du Bon Secours,Paris. 2-6,June,2014
2017年01月17日
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年末に、珍しくNHKFMの土曜深夜のジャズ番組「「ジャズ・トゥナイト」を聞いていたら、The National Endowment for the Arts (NEA) Jazz Mastersの本年度の受賞者の特集が組まれていた。NEFはアメリカの国立芸術基金という機関が主催する賞で、長年にわたってジャズに貢献してきた人物を顕彰する制度だ。いわばグラミー賞のホール・オブ・フェイムみたいな賞だろう。1982年に始まり、2007年度は秋吉敏子も受賞している。2007年度の受賞者はディー・ディー・ブリッジウォーター、アイラ・ギトラー、ディック・ハイマン、ロニー・スミスの4人。評論家のアイラ・ギトラーが入っていたり、過去にはオリン・キープニュースが受賞しているところをみると、広くアメリカのジャズ界に貢献された方が対象のようだ。受賞者の中に、私がずっとフォローしているホランドが含まれているので、曲をチェックしたら、AZIZAといアルバムからの曲が流れていた。アルバムのタイトルはグループの名前で、ホランド、クリスポッター、エリックハーランドという長く共演しているメンバーにリオネル・ルエケの超強力なギターが加わったグループ。ルエケの参加により、サウンドに厚みが出て、音楽的にもバラエティに富んだ選曲で、一作目だが、このグループは正解だったと思う。ホランドは1946年生まれなので今年71歳になるが、この年でも相変わらず先鋭的な音楽を演奏していることに心から敬意を表したい。ポッターの切れそうなテナーのサウンドははあまり好きではないが、今回は凄まじいアドリブ・ソロで、サウンドの不満が帳消しにされた。ソプラノは、全く違和感がない。不満があるとすれば、ホランドのべースが目立たないことくらいか。今回のアルバムはラテンとアフリカのフレーバーが強く、事実上のリーダーがホランドとすると、今までになかった肌合いのアルバムになった。ダークなサウンドで、重量級バンドの凄みが感じられる。冒頭の「Aziza Dance」ではルエケのギターの多彩なエフェクトが楽しめる。「Summer 15」はカリプソで、最初聞いた時はこのグループには合わないと思っていた。ところが何回か聴いているうちに、あわないどころか、カリプソでこれほどの重量感のある演奏は聴いたことがないほどだと思ってしまった。「Blue Sufi」はエキゾチックなポッター作の曲。ハーランドのドラムスが全編暴れまくっている。他の曲でもドラムスはかなり表に出ているのだが、不思議とうるさく感じられない。音楽と一体化しているからなのだろうか。バラードの「Friend」はポッターのソロがほとんどで、ホランドの短いソロが入る。後半、熱を帯びて高揚するところがいい。最後のルエケ作の「Sleepless Night」はアフリカン・フレーバーの土俗的な曲でギターとテナーの掛け合いが楽しい。特にエフェクタを駆使したギターのサウンドがいい。ルエケのヴォーカルが入ると、さらにアフリカ色が強くなるところもいい。ということで、これほどのアルバムにはめったにお目にかかれないことに気がつくのに、さほど時間がかからなかった。AZIZA(Dare2 records DR2 009)1.Lionel Loueke:Aziza Dance2.Chris Potter:Summer 153.Dave Holland:Walkin' the Walk4.Eric Harland:Aquila5.Chris Potter:Blue Sufi6.Dave Holland:Finding the Light7.Eric Harland:Friends8.Lionel Loueke:Sleepless NightDave Holland (b)Chris Potter (ts, ss)Lionel Loueke (g, vo)Eric Harland (ds)Recorded 7th-8th September,2015 at Sear Sound,NYC
2017年01月15日
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昨日の夕方に知人から電話があった。十数年前に在籍していた楽団で一緒に演奏していた方が亡くなったという連絡だった。10年ほどの付き合いだったと思う。筆者がトラブルで退団した後は、年賀状のやり取りしか繋がりがなかった。それでも、ごくたまに街で会うと、近況を話したりしていた。年賀状には、一緒に演奏したいということが、しきりに書かれていた。昨年の春に、病気で入院していたが、退院したという話を聞いていた。それでも、見舞いにも行かずじまいだった。今更ながら見舞いに行けばよかったと思う。今年の年賀状を受け取ったら、療養中のため代筆とのことが書かれていた。状態が良くないようなので、見舞いに行こうと思案していたところでの思いがけない連絡で、何とも言いようがない。健康であれば、これからも人生を満喫できただろうと思うと、残念でならない。筆者より20歳ほど若かった筈で、こういう若い方がなくなるのは、ショックだ。昨日、一緒に演奏した時の録音を聴いて故人を偲んだ。聴いていると、忘れていたことが、いろいろ思いだされた。1番の思い出は、合宿でやったバスケット。故人も、いつかまたやりたいようなことを言っていた気がする。思い出は楽しいことばかりだったが、録音での自分の下手さ加減に嫌気がさした。悔しいので、その曲をもう一度さらおうと思ってしまった。
2017年01月13日
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ペライアのグラモフォン移籍第一弾はバッハのフランス組曲の全曲。筆者はペライアのアルバムは所有していない。理由は特にないが、単に関心がなかっただけだ。なのにこの後に及んで購入した理由は自分でも分からない。おまけに不案内なバッハ。フランス組曲の手持ちも、殆どない。グールドと最近入手したヒューイット、アンデルジェフスキーぐらいだろうか。ヒューイットが古楽よりのかっちりとした表現に対し、ペライヤはテンポも遅く、表現も柔らかだ。柔らかいっても、その柔らかさが半端ではない。同じような傾向だろうと思って、デッカのシフのボックスを聞いてみた。同傾向にあることは確かだが、ペライヤほど柔らかな表現ではなかった。時々チクリと刺激される部分がある。ペライヤの演奏では、そういうところは全くない。そうかといって、退屈な演奏ではない。陽だまりの中で微睡んでいるような、心地よさが感じられる。すっかり気に入ったので、CBSのバッハのコンプリート盤も聴いてみたい。Murray Perahia:Bach French Suites(DGG 479 6565)CD1:1.Suites No.1 in D minor BWV 8126.Suites No.2 in C minor BWV81312.Suites No.3 in B minor BWV814CD2:1.Suites No.4 in E flat major BWV8158.Suites No.5 in G minor BWV81615.Suites No.6 in C minor BWV817Muray Perahia(p)Recorded Berlin,Funkhaus Nalepastrasse,Saal 1,July 2013
2017年01月11日
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行こう行こうと思っていた「海賊と呼ばれた男」をやっと見てきた。原作は単行本で読んだし、つい最近までコミック雑誌に連載されていた漫画も読んでいた。おそらく日章丸の話が中心になるだろうとは思っていたが、なかなかうまくまとめられていたと思う。映画は戦後からはじまるが、戦前の満鉄へのオイルの売り込みや、海上での油の取引もエピソードてきではあるが、触れられていて、原作や漫画の読者が見てもある程度満足できる脚本になっていた。日章丸がイランから石油を持ってくる時の緊迫した状況や、石油統制委員会とのせめぎ合いなどが掘り下げられていない(実はそのところがとても面白い)ので、物足りなさはあった。映画では鐵造の妻のユキ(綾瀬はるか)が登場するが、筆者の記憶にはなかった。キャストでは鐵造役の岡田准一が圧倒的な存在感だった。95歳の時のメークも見事。国岡商店の社員に扮した、小林かおる、吉岡秀隆、 染谷将太、GHQの通訳から國岡商店に転じた武知甲太郎役の鈴木亮平が良かった。また鐵造と敵対する石油統制委員会の國村隼が悪役らしい演技で光っていた?鐵造の支援者木田章太郎役の近藤正臣がいい味出していた。日章丸の船長役の堤真一は出番は短いが、なかなかおいしい役だ。ところで、この船長と鐵造の姿が漫画で出てくる姿と瓜ふたつだったのは偶然の一致だろうか。。。VFXはさすがの出来だった。一番奥の席だったので、いつものようにエンドロールが出た途端帰ることができないので、結局最後までいることになってしまった。エンドロールを眺めていたら、スタッフの中に、三名のドローン担当の方の名前がでていた。なるほどドローンの用途で最も有効なのは映像関係なのだろう。佐藤直紀の音楽は弦を中心にした重厚なもので、劇中何回か歌われる国岡商店の社歌も良かった。公式サイト
2017年01月08日
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ジャズ批評11月号の特集が「ジャズ・ピアノの名盤」と題されていて、ジャズの名盤が紹介されていた。このような特集というと、ジェームズ・p・ジョンソン、ジェリー・ロール・モートンなど歴史を絡ませた、お決まりの名盤紹介だと思って読み始めた。紹介するのはアルバムではなくピアニストで、彼らのアルバムを紹介するというスタイルだった。最初は予想通り進んだが、途中から知らないアルバムが沢山出て来て、大変参考になった。その中で、ジャズ・ルネッサンスと題して1990から2000年にかけてのピアニストの名盤が紹介されていた。このジャンルの最後に、ジョーイ ・カルデラッツォが紹介されていた。カルデラッオはブランフォード・マルサリスのグループでの演奏を聴いていて、独自のアプローチが気に入っているピアニストだ。若いかと思っていたら1965年生まれで、50歳を過ぎている。そのプレイからは想像できない年齢で、意外だった。そこで掲載されていたアルバムは、彼の名前をタイトルにした2000年にリリースされたアルバム。スポティファイで色々試聴したら、「HAIKU」(2003)が良かったので、購入しようと思ったが、残念ながら廃盤だった。この中の「Just One of Those Things」は他のピアニストからは聴かれないユニークなもので、この曲だけでも買う価値があると思う。仕方がないので、一番新しいと思われる、「Going Home」を購入した。カルデラッツォの特徴は、スタンダードのアプローチが独特で、いつも新鮮な驚きを与えてくれる点だ。このアルバムでも、「アラバマに星落ちて」と「マイ・フーリッシュ・ハート」が取り上げられていて、特に奇を衒っているわけではないが、クールでフレッシュなアプローチが楽しめる。「アラバマに星落ちて」は筆者のデフォルトが『キャノンボール・イン・シカゴ」での演奏なので、バタ臭いキャノンボールの演奏との大きな違いにルーツや年代の違いを感じる。濃厚な表現ではなく、どちらかというと、とつとつとした表現だが、何とも言えない味わいを感じる。「マイ・フーリッシュ・ハート」も魅力的なイントロに続く香り高いメロディーがいい。タイトル・チューンはソロで、温かみのあるタッチがなんとも心地よい。ブックレットには作曲者がクレジットされていないのが不満だが、スタンダードを除くと自作なのだろうか。気に入ったのは「Why Me」。水晶のような透明な冷たさを感じるサンドとクールな佇まいが何ともスタイリッシュだ。「Manifold」と「Mike's Song」はテンポが速い。どちらもクールな佇まいだが、内に秘められた熱さが感じられる。マレットを使ったドラムソロから始まる「Legend」はフリーフォームに近い曲でアルバムの中では異色のナンバー。ブランフォードの加わった、「I Never Knew」はいつものカルテットの演奏だが、中間部にカルデラッツォの長いソロが入っている。音数は少ないが一音一音に説得力がある。ソロのあとは残りの全員が次第に加わり、熱い演奏を繰り広げる。この演奏を聴いていると、ウエットなテナーに対するクールなピアノのコントラストが絶妙で、ブランフォードがカルデラッツォを高く評価しているかわかるような気がする。ベースとドラムスはあまり表に出てこないが、確かな技巧でカルデラッツォをサポートしている。Joey Cardelazzo:Going Home(Sunnyside SSC 1409)1.Manifold 2.I Never Knew 3.Why Me 4.Stars Fell on Alabama 5.Legend 6.One Way 7.My Foolish Heart 8.Mike's Song 9.Going HomeJoey Calderazzo(P)、Orlando le Fleming(B)、Adam Cruz(Ds)Branford Marsalis(ts 2 only)Recorded at Manifold Recording Studio on August 17-18,2014
2017年01月06日
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セプトゥーラのアルバムをチェックしていて、以前書いたことのある「Music For Brass Septet 」の続編がいつの間にか4枚もあることを知った。1枚は昨年末にリリースされたクリスマスアルバムなのでこれ以外の3枚を注文し、それが、やっと届いた。ざっと聴いてみたが、購入前に でチェックしていた印象と変わらず、断トツで面白いのはショスタコなどを取り上げた第3弾だったので、今回はこのアルバムの感想を一言。編曲はメンバーのサイモン・コックス(Tp)とマシュー・ナイト(tb)で、編曲ものにつきものの違和感は全くない優れたもの。まるで、もともと金管アンサンブルに書かれている曲のように響く。ショスタコの8番は20分ほどの短い曲で、原曲を聴くと、終始陰鬱な表情で、聞いている方も気分が滅入ってくる。金管アンサンブルだと、もともとシリアスな表情を出すのが難しいこともあってか、それほど深刻にならずに済む。それどころか、コミカルな側面が浮き上がってくるのは興味深い。二楽章はテンポが速いためもあって、ほとんど暗さを感じない。三楽章もトランペットがミュートを使っている部分があるため、リズミックな印象が強い。もっとも陰鬱な第4楽章は、激しさこそ感じるものの、陰鬱さはあまり感じられない。最終楽章は陰鬱さよりは、哀しみが感じられるほどだ。原曲と編曲の味わいがこれ程違うことも珍しい気がする。演奏自体は実に素晴らしいもので、メンバーのサウンド、技量は勿論のこと、サウンドのブレンド具合がいい感じで、その音を聞いているだけで気持ちが良くなってくる。まあ、これが金管アンサンブルを聴く醍醐味だろう。プロコフィエフもビターなスパイスが効いていて、楽しめる。三つのオレンジへの恋の行進曲のトロンボーンのグリッサンドを効果的に使った編曲も非凡だ。スクリャービンは金管アンサンブルで取り上げられることが多い。ピアノ曲の編曲物だけだろうが、短くてハーモニーに魅力があるからだろう。ここでも、金管の特性から冷たい感触ではなく、暖かな表情が悪くない。中では、軽快なスケルツォが楽しめる。原曲だと哀しみが満ち溢れるレントも、軽い味わいがある。終曲は原曲には感じられないシンフォニックな響きが、この曲の別な顔をのぞかせているようだ。ラフマニノフの「ヴォーカリーズ」は色々な演奏があるが、今回の演奏はその中でもかなり上位に入るのではないだろうか。特に第2主題がこれ程盛り上がることも経験したことがない。ビブラートをかけないソロ・トランペットの真っ直ぐな音も曲にマッチしている。実に素晴らしい演奏だ。作品11の6つの小品からの4曲は軽いタッチで楽しめる。と云うことで、編曲、演奏、サウンドとも大満足の逸品だと思う。金管ファンの方々には是非お聴き頂きたい。所で、今回届いた荷物の中に注文していない物が入っていた。ミシェル・ンデゲオチェロ という人の「Bitter」というアルバムだ。ブラコンやR&B、ダンス・エレクトロニカに分類されている音楽で、この方はアフロ・アメリカン系の女性のスタジオ・ミュージシャンらしい。返品するのも面倒だし、名盤らしいので、遠慮なく聴かせていただこうと思う。これはAmazon経由でimport-cdに注文したものだが、納品書には載っていなかったので、単なるミスと考えられる。ただ、前にも同じようなことがあったので、システム上何か問題がある気がする。勿論作業員の質や教育を含めての話だ。 Septura:Music For Brass Septet 3(Naxos 8.573471)1.Shostakovich: String Quartet No. 8 in C Minor, Op. 1106.Prokofiev:10 Pieces, Op. 1210.March and Scherzo from The Love for Three Oranges, Op. 33ter: II. March: Tempo di Marcia 11.Scriabin:6 Preludes, Op. 1317.Rachmaninov:14 Songs, Op. 34 No. 14. Vocalise in E Minor 18.Rachmaninov:6 Duets, Op. 11 (excerpts)SepturaRecorded at St Paul's Churcj,New Southgate,London,5-7 December 2014
2017年01月04日
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ハーディングのマーラーが安くなったので、購入した。以前10番の演奏が良かったので、今回も購入しようと思っていたが、高いので保留していたのだ。ハーディングのニュートラルでスッキリしている表現が好ましい。アダージョは2楽章に置いている。最大の特徴は第3楽章だろうか。いつもなら他の楽章に比べて影の薄い存在に聞こえるものだ。ところがこの演奏では、中間部の低音のうねるような旋律の不気味さが強調され、ただならぬ雰囲気が感じられる。ただ、この楽章に限って言えば、ティンパニの音が左右で微妙にバラついているのが気になる。気のせいかもしれないが。。。4楽章もハンマーを打ち付ける音がはっきりと聞こえる。木に打ち付けていることがよくわかる録音だ。ベルを含む他の打楽器もはっきりと聞こえる。ただ、カロリーが不足しているためか、通常感じられるヒロイックな気分はあまり感じられない。最近この交響曲のタイトルに「非劇的」と付けることが少なくなったらしい。それにふさわしい演奏だろう。ところで、筆者は昔からこの曲に「非劇的」と付けられている理由がわからなかった。ちょっと調べたが、初演当時から付いていたということしかわからなかった。アダージョは中庸のテンポで粘らない。ジャケットの表紙に時系列で音圧の波形が載っている。全部の音と、ハンマー単独の音の波形だ。おまけに指揮者とハンマー担当の奏者の鼓動の波形まで載っている。なかなか凝ったデザインだ。まあ、それだけ指揮者がこれを重要視していたということだろう。ケースにハンマーを振り上げている楽員の写真が使われている。ゴムを貼っていて、直径20センチくらいの巨大なハンマーだ。最初見たとき、ハーディングがハンマーを振り上げているのかと思ってしまった。演奏会の写真なので、ハーディングが振り上げているはずもないが、横顔が良く似ていた(髭は生えているが)ので間違えてしまった。因みに、フランスの音楽雑誌「ディアパッゾン」が主催する、ディアパゾン・ドールの年間賞交響曲部門をラトルのベートーベン交響曲全集とともに受賞したそうだ。Harding:Mahlerl Symphony No.6 in a moll(BR KLASSIK 900132)Symphonieorchester des Bayerischen RundfunksDaniel Harding(Dirigent)Recorded Live 20-22.March 2014 ,Philharmonie im Gasteig ,Munchen
2017年01月02日
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