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2011.02.20
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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110220ddm001010066000c.html



◇昨年5月 鳩山首相、菅財務相は言葉を失った
昨年5月上旬。東京都内のホテルの一室で、鳩山由紀夫首相、菅直人副総理兼財務相、平野博文官房長官(いずれも当時)は、配られたグラフを見つめ「うーん」とうめいたまま、言葉を失った。
消費税を14年から5年間、(1)毎年1%ずつ10%まで引き上げる(2)2%ずつ15%まで引き上げる--の2ケースを想定し、内閣府が作成した「消費税増税シミュレーション」。医療・介護など現行の社会保障制度維持を前提に、国と地方の借金(長期債務)残高が国内総生産(GDP)比でどうなるかを示した折れ線グラフは、15%のケースでも右上がりに反り返り、財政赤字の膨張が止まらないことを示していた。
ところが、この試算に衝撃を受けたはずの菅氏は首相就任後、「消費税10%」を唱えた。参院選の公約で10%を提案していた自民党に抱きつくため、「全く足りないと分かりながら腰だめの数字を打ち出した」(政府高官)のだ。政府内で「公表すべきだ」との声もあった「増税シミュレーション」は、お蔵入りになった。

89年の消費税導入時、日本の借金残高はGDP比で約60%(約250兆円)と英国の43%、フランスの約40%よりやや悪い程度で、税率を5%に上げた97年も96%だった。財政状況は今よりかなり余裕があり、消費税は「所得税など直接税に偏った税制の是正や、景気対策などの所得減税による税収減の穴埋めに使われてきた」(加藤寛・元政府税制調査会会長)。
しかし、97年の山一証券破綻などの金融危機を転機に状況は一変。長期の景気後退に、自民党政権は大型財政出動と減税を繰り返し、社会保障費増大も重なって財政赤字の拡大は加速した。10年度末の借金残高はGDP比180%超(約870兆円)と財政危機に陥ったギリシャの130%を大きく上回る。消費税は「財政悪化に歯止めをかける最後の手段」になりつつある。
「日本が危機になっていないのは、銀行が国債を買い続けている結果、国債価格の急落(金利急騰)が避けられているためだ」。大蔵事務次官経験者はこう話す。だが、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今年1月、日本国債をダブルAからダブルAマイナスに格下げし、市場の信頼は崩れつつある。ギリシャは財政危機で長期金利が一時、10%近く跳ね上がった。日本で長期金利が2%上がれば、14年度の国債の返済、利払いに充てる費用は、財務省試算の27・1兆円から35・6兆円に跳ね上がる。峰崎直樹・内閣官房参与は「財政改革が遅れれば、日本はデフォルト(債務不履行)に陥る」と断言する。

「長期金利が1%上がれば、大手行全体で保有国債に2兆円超の評価損が生じる」。自民党が国債暴落に備えて発足させた「Xデープロジェクト」(座長・林芳正参院議員)の2月16日の会合で、梅森徹・企画局審議役ら日銀幹部は、こう警告を発した。銀行が経営危機を避けようと国債売却に走れば、国債は暴落し財政は一気に破綻する。巨額財政赤字を放置してきた結果、その毒は日本経済の総身に回り、官民もろとも奈落に突き落とされようとしている。(以下略)


うーーーーーーん、この状況は重大であり、子ども手当とか高速無料化なんてことをやっている場合ではない、ということは言えます。参院選での民主党大敗の大きな原因は、選挙直前になって菅首相が「消費税10%」をブチ上げたことにありますが、消費税を10%でも全然足りないというのが実際のところです。
ただし、私は思うのですが、財政赤字で増税というのはまあある面仕方がないとは思うのですが、なぜそれを消費税増税だけでまかなおうとするのでしょうか。
所得税の最高税率は、1980年代初めには75%でした。住民税の最高税率が18%だったので、合計93%。以降の推移は以下のとおりです。
1983年まで所得税75%住民税18%合計93%
1984年     70%    18%   88%
1987年     60%    18%   78%
1988年     60%    16%   76%
1989年     50%    15%   65%
1999年     37%    13%   50%
2007年     40%    10%   50%
最高税率がどんどん落ちている。一方で消費税は1989年に3%、97年に5%。消費税は逆進性が強い、つまり低所得者ほど税負担の大きな税制です。つまり、この20年以上、高所得者にはどんどん減税して、低所得者にはどんどん増税してきたのが、この国の税金の制度であるわけです。(ただし、2007年に所得200万円未満の最低税率が10%から5%に引き下げられたので、再底辺層には多少の減税があった)


もう一つ、実はこの記事には重要な点が触れられていません。
債務残高のGDP比が日本は圧倒的に高い、スペインやドイツ、米国はもちろん、経済危機が表面化したアイルランドやギリシャより遙かに高い、これは事実です。ただし、債務残高の中身が違います。
日本以外のほとんどの国は、債務残高のかなりの割合が対外債務です。それに対して、日本は対外債務は事実上存在しません。対外債務はあるのですが、対外債権もそれと同じくらいあるので(日本政府が毎年、巨額の米国債を買っている話などはご存じの方も多いと思います)、差し引きすると対外債務はないに等しいのです。
ということは、日本の財政赤字というのは、国内からの借金というわけです。直接的には、金融機関が国債を買っています。その原資は預金ですから、間接的には銀行に預金をもつ国民や一般企業が国債を買っているようなものです。金融機関は、企業に融資するより国債を買う方が安心なので(企業は倒産して不良債権になる可能性がありますが、国は倒産しない-とは言い切れませんが、一般企業よりは可能性が低いので、国債に投資する方が安心だと、多くの金融機関は思っているのでしょう)、国債をどんどん買っている。
財政赤字について、国民一人あたり500万円という数字が言われます。しかし、この借金の貸し主もまた、我々国民自身(企業も含めて)ということになるわけです。だから借金を続けても大丈夫だ、というわけではありません。国債に買い手が付かなくなったらどうにもなくなるのは、借り手が国内でも国外でも同じことですから。国内の銀行がもう国債を買ってくれない、というときに、国外で国債が売れるはずもないですからね。


ところで、 国債発行残高の推移 を見てみると、確かにバブル崩壊以降ものすごい勢いで国債発行残高が増えています。そして、民主党政権になっても国債発行残高は更に激増している。特に2009年がすごい。過去最高の伸び率です。しかし、今年度の伸びもすごい。2009年は、政権交代は9月のことで、その年の国家予算は自民党政権が作ったわけだから、この責任の大半は自民党にあるけれど、今年度に関しては、民主党政権に責任があります。つまり、結局のところ、自民党も民主党も、国の借金を増やすことしかやってこなかったと言えます。





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最終更新日  2011.02.20 22:06:38
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