inti-solのブログ

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2011.04.09
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カテゴリ: 災害
東通原発、非常用発電機全て使えず 女川も1台故障

東北電力によると、東通原発(青森県東通村)1号機は、余震で外部からの電力供給が2系統とも遮断されたため、非常用ディーゼル発電機による冷却に切り替えた。
8日午前3時半、外部電源が復旧。外部電源とともに非常用発電機による電力供給も続けたところ、午後2時10分ごろ、発電機の燃料循環ポンプ付近で燃料の軽油がもれているのを作業員が見つけ、運転を止めた。燃料漏れの理由は調査中。
同原発は3月11日の東日本大震災時には定期検査中で、原子炉に燃料棒はなく、現在、外部電源で使用済み核燃料貯蔵プールの冷却を続けている。非常用ディーゼル発電機は3台あるが、もう2台も、点検中のためすぐには起動できないという。
女川原発(宮城県石巻市、女川町)1号機でも、非常用ディーゼル発電機2台のうち1台が壊れたまま、1週間にわたって必要な機能を果たせない状態にあることがわかった。経済産業省原子力安全・保安院が8日、明らかにした。
保安院によると、同電力が今月1日、1号機の発電機の定期点検をしたところ、2台のうち1台が発電所内の電源にうまく接続できないことが分かった。
東北電力は接続不良の原因をつきとめて8日、原子炉等規制法に基づいて保安院に報告したが、この間、新たな発電機の配備はないという。
女川原発はこの状態のまま7日の余震にあい、外部電源3系統のうち2系統が途絶。1系統は生き残ったが、一時は綱渡りの運転を余儀なくされた。
東通、女川の両原発で、この状態が続いたまま再び外部電源が失われた場合、どう対処するのか。東北電力は保安院などに対し、福島第一原発の事故を受けて配備した電源車で最低限の冷却はできる、などと説明しているという。

約1時間後に再起動したが、放射性物質を微量に含むプールの水が約3.8リットルあふれ、専用のナプキンで拭いた。周囲の放射線の値に変化はないという。
日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)でも、外部電源が途絶え、非常用ディーゼル発電機で使用済み燃料貯蔵プールの冷却を続けたが、8日午後3時ごろ外部電源が復旧した。
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震災で大事故に至ったのは福島第一原発だけですが、それ以外の被災地内の原発も、実は紙一重の状態であることが分かります。要は、いずれの原発も、非常用発電機が震災によって多かれ少なかれ損傷している。その状態で大きな余震が来て外部電源が断たれると、あっという間に危機的な状況に陥るということです。東通原発は、記事によれば定期点検中で炉内には燃料棒はないそうですが、燃料棒が炉内ではなく燃料プールにあるとしても、冷却水の循環が停止すれば致命的な事態が起こることは、福島第一原発4号基の例を見れば明らかです。外部電源の途絶が長期間に及べば、福島第一原発と同じ事態に至る危険はあったと思われます。

記事によると、「東北電力は保安院などに対し、福島第一原発の事故を受けて配備した電源車で最低限の冷却はできる、などと説明しているという。 」とのことですが、果たしてどうでしょうか。福島第一原発でも、地震の直後に電源車が次々と送り込まれましたが、爆発を阻止することはできませんでした。あの電源車がどうなったのか、続報がまったく報じられていないので何がどうなったのかは定かではありませんが、週刊誌情報によると、ケーブルの長さが足りなくて電気を供給できなかったようです。もともと、電源車は原発の非常用として用意されているものではないので、原発への電力供給のための準備はなかったのです。そのことを考えると、電源車があるから冷却ができる、とは思えないのです。

しかも、大きな余震がもう来ない、とは断言できない状況です。
2004年に巨大津波を引き起こしたスマトラ島沖地震の場合、周辺地域ではそれ以降マグニチュード8クラスの巨大地震(もはや余震というより連動して起きた別の地震という方がおそらく正しい)が3年後の2007年までに2回起こっており、更にマグニチュード7クラスの地震は昨年まで数回起こっています。
このことから考えると、余震、あるいは今回の地震に連動する別の巨大地震が、今後数年に渡って頻発する可能性が大いにあります。その度に、保安設備の機能が低下した原発(次第に修理はされていくでしょうが)に肝を冷やし続けなければならないのです。

ところで、シンガーソングライター斉藤和義の反原発ソングが話題になっているようです。
「ずっとウソだった」



自作曲 「ずっと好きだった」 の替え歌です。痛烈な歌詞ですね、なかなか良い。本人自身が歌って、おそらく本人自身が(少なくとも本人自身の意向に従って)アップしたと思われるにも関わらず、何故かアップロードされては削除(おそらくはレコード会社の意向により)を繰り返したようです。現在では、転載された動画が拡散しているので、もう削除しきれない状況でしょうが。


それにしても、この件に関する mixi日記など を見ると、斉藤和義に対する批判が多いのにびっくり。その批判を要約すると「原発反対というなら代替案を考えろ」「自分は音楽配信で電気を使っているくせに」という趣旨です。
どちらの主張も的はずれです。

何度も指摘しているように、現在東京電力で稼働している原発は、柏崎原発の7基のうちの4基だけ、東北電力は全機停止しています。日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)も停止。これら停止中の原発は、いずれも何らかの故障・損傷が発生しており、すぐに再稼働できるような状況にはありません。つまり、現状東京電力と東北電力の原発依存度は限りなく低下しており、近いうちにそれが復旧する見込みはありません。それとも、安全設備が損傷している各原発を、いつ余震があるか分からない状況で無理矢理稼働させますか?地元の反対も無視して?
出来るわけがない。

あるはずがないですよね。
つまり、今の時点で「原発推進」などと言っている連中の方が、実はよっぽど非現実的なのです。できもしないことを言っているだけ。「原発推進というなら具体案を考えろ」という話。

「自分は音楽配信で電気を使っているくせに」というのはね、これを言い出すと、電気を使わない人間はいないので、日本中の誰一人、電力行政、電力会社に対して批判的なことは口にしてはいけないになります。子ども手当を受給したら、子ども手当という制度を批判してはいけないのか、というのと同じことです。日本において、社会生活を送っていくのに電気の仕様は不可欠です。そのことと、批判することの可否は別の問題です。





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最終更新日  2011.04.09 13:12:43
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