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2012.07.24
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カテゴリ: 環境問題
産経抄7月21日
いまどきのおしゃれな文化人になるためにはどうすればいいのだろうか。若いときに電気をふんだんに使ったコンサートをやって人気者になり、ニューヨークの高級マンションに住む。もちろん税金は大好きな米国に払って日本には払わない。
▼菜食主義を一度は試し、電気自動車のコマーシャルに出る。還暦を過ぎれば流行の「反原発デモ」の先頭に立って、アジ演説をぶって拍手喝采される。目立ちたいのは文化人の業だが、もう少し本業に専念しては、と望むのは古くからのファンのないものねだりだ。
▼いままで書いてきたのは架空の人物の話。ただ、ミュージシャンの坂本龍一さん(60)が、16日に17万人集まったと称する(実際は7万5千人程度だったが)反原発集会での演説は、おしゃれな文化人そのものだった。
▼彼は、「たかが電気のために、この美しい日本の未来である子供の命を危険にさらすべきではない」とのたまった。確かに、たかが電気である。命には代えられない、と思わずうなずきたくなる甘いささやきではあるが、「たかが電気」がどれだけ多くの命を救ってきたことか。
▼東日本大震災でも17年前の阪神大震災でも真っ暗だった被災地に明かりが蘇(よみがえ)ったとき、どれだけの人々が感涙にむせんだことか。大震災直後の昨年春、たかが数時間の計画停電で、病院に影響が及び、どれだけの病人が困ったかを坂本教授は知らないのだろう。
▼昨日の首相官邸周辺でのデモには鳩山由紀夫元首相も参加した。原発への恐怖心を利用して騒ぎを大きくしようと画策する左翼団体や金持ち文化人、それに選挙目当ての政治屋どもに踊らされていることに参加者はそろそろ気付かれた方がいい。

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例によって惨傾新聞、いや産経新聞のヨタコラムです。「いままで書いてきたのは架空の人物の話」って、ウソも大概にしろよって感じです。
このコラムに限らず、坂本龍一の「たかが電気」発言が各方面で批判を浴びているようです。私は、 この集会に参加していた ので、問題の発言を生で聞いています。メイン会場は人が多すぎて入れなかったのですが、スピーカーから流れている声だけは聞くことができました。「言ってみれば、たかが電気です」という発言も、確かに聞こえました。私も、発言の最初からちゃんと聞いていたわけではないので、一瞬このフレーズにはびっくりしました。でも、その後を聞けば、まったくおかしな発言ではない。ただ、前後関係を切り離してこの単語だけを取り出して、批判する奴がいるかも知れないなとそのとき思いました。案の定の反応です。

参考までに、演説の動画をYouTubeから貼り付けます。



坂本龍一の発言は30秒過ぎから、「たかが電気」発言は4分20秒頃からです。その前あたりの部分からの発言の要旨です。

長期的にはなりますが、すぐ止めろと言っても止めないので、我々にできることは何かといえば、電力会社への依存を少しでも減らしていくと言うことですね。こういう考が彼らにもプレッシャーとなって彼らに届きますし、電力会社の料金体系の決め方の問題とか、発送電の分離とか地域独占とか、そういうものがどんどん自由化していけば、原発に頼らない電気を我々市民が選ぶことができるわけです。また、家庭や事業所が自家発電をしていくと、そうやって電力会社への依存を減らせば、私たちのお金が電力会社に行って原発などの施設になるわけですから、そういうところに払うお金を減らすことが大事だと思っています。
それで、言ってみれば、たかが電気です。たかが電気のために、なんで命を危険に晒さなければいけないんでしょうか。いつ頃になるか分かりませんが、2050年くらいには、電気などというものは、各家庭や事業所や工場などで自家発電するのが当たり前、常識という社会になっているという希望を持っています。たかが電気のためにこの美しい日本、そして国の未来である子どもの命を危険に晒すようなことは、するべきではありません。お金より命です。経済より生命、子どもを守りましょう、日本の国土を守りましょう。
最後に、福島の後に沈黙していることは野蛮だ、というのが私の信条です


まったくそのとおりだと私は思います。坂本龍一が、電気なんていらないと言っているわけではないことは一目瞭然です。
手段と目的を取り違えてはいけないのです。確かに電気は現代文明を維持する上で非常に重要な要素です。しかし、それはあくまでも人間の幸せな生活という目的のために必要な「手段」なのです。坂本龍一は「お金より命、経済より生命」と書きますが、勿論人間が生きていくためにお金も経済も大事です。でも、それはあくまでも人間が(幸せに)生きていくための「手段」なのです。それがいつの間にか逆転して、「電気」「お金」「経済」が目的と化して、そのための手段として「人間の命を危険に晒しても仕方がない」ということになったら、本末転倒も甚だしいと言うべきでしょう。

産経コラムは「『たかが電気』がどれだけ多くの命を救ってきたことか。」と書いています。まあ、それも事実ではあります。だけど、その電気の供給手段が原子力であらねばならぬ、なんて決まりはないのです。私も「たかが」という言葉を使わせてもらうなら、原発が発電した電気は、たかが3割です。その3割を、ある程度の時間をかけて※0割にもっていくことが、そんなに難しいことか?


※坂本のスピーチを聴けば、現実にはすべての原発を廃止するには一定の期間が必要だと認めていることは明らかですし、私自身もそれと同意見です。

「東日本大震災でも17年前の阪神大震災でも真っ暗だった被災地に明かりが蘇(よみがえ)ったとき、どれだけの人々が感涙にむせんだことか。」ともありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。もちろん電気は重要なインフラで、それが復旧することは大事ですが、それが復興のすべてではないし、それだけで多くの人が感涙にむせぶ、というものでもなかったのではないかと私は想像しています。命あっての物種、です。自分と家族の命があって、その上でのその他諸々でしょうし、電気のある避難所と停電している自分の家とどっちの方が良いかっていうと、一概には言えないのではないかと思います。私は被災者じゃないので、実体験に基づいた意見はいうことができないのですけどね。

まったく余談ですが、坂本龍一といえば、私にとってはこの音楽ですよ。


王立宇宙軍 オネアミスの翼
この音楽は坂本を含む4人で担当していますが、この曲は多分坂本の作曲だと思う。(サウンドトラックに入っていないので、確実ではないけれど、多分そう)





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最終更新日  2012.07.25 00:47:01
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