inti-solのブログ

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2013.07.17
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
「戦争に行かない人は、死刑にする」 石破幹事長はこんなバカな発言をしたのか

(中略)

7年以下の懲役・禁錮では甘すぎると主張
発端となったのは、東京新聞の2013年7月15日付朝刊だ。
(中略)
記事は、テレビ番組「週刊BS-TBS編集部」で4月21日放映された石破幹事長のインタビューをいわば蒸し返す形で構成されている。石破幹事長はその中で、「国防軍に『審判所』という現行憲法では禁じられている軍法会議(軍事法廷)」の設置を強く主張、「死刑」「懲役300年」など不穏な単語を連発させたという。
(中略)
ここから、問題の箇所だ。まずは、現状について、自衛隊員が一般法によって裁かれていることに触れ、その罰則が甘すぎると主張する。
「今の自衛隊員の方々が、『私はそんな命令は聞きたくないのであります。私は今日を限りに自衛隊員を辞めるのであります』といわれたら、ああそうですか、という話になるのですよ。『私はそのような命令にはとてもではないが従えないのであります』といったら、目一杯行って懲役7年なんです(編注:自衛隊法の刑罰の上限は『7年以下の懲役・禁錮』)」

「死刑になるくらいなら出撃しようということに…」
続けて、「これは気をつけて物を言わなければいけないんだけど」と前置きし、
「人間ってやっぱり死にたくないし、ケガもしたくないし、『国家の独立を守るためだ! 出動せよ!』というときに、『でも行くと死ぬかもしれないし、行きたくないな』という人はいない、という保証はどこにもない」
と、自衛隊にもいざとなると「出撃拒否」が起こる可能性があると話す。そしてこうした事態を防ぎ、自衛隊の規律を維持するためには、軍法会議設置による命令違反への厳罰化が必要だと説く。
「だからそのときに、それに『従え! それに従わなければその国における最高刑である』――死刑がある国は死刑、無期懲役なら無期懲役、懲役300年なら300年(と決まっていれば)――『そんな目に遭うくらいだったらば、出動命令に従おう』という(ようになる)」
確かに石破幹事長は、軍事法廷の設置と、その最高刑として死刑もありうる、との見解を示している。ただし一部の人々が誤解しているように、これは「兵役拒否=死刑」という話ではない。すでに自衛隊(国防軍)に入った人のみが対象だ。
ちなみに石破幹事長は、2010年のブログで、自衛隊がいずれも「複雑かつ精密なコンピューターの塊のような装備・システムで運用されて」いることなどを理由に、「玉石混交」の人材を集める徴兵制にははっきり反対を明言している。

「敵前逃亡」は米陸軍では「最高で死刑」
(以下略)

---

いろいろと言葉をオブラートで包んでみても、結局有事に出動を拒否するような自衛官は死刑にしろ(という法改正をすべき)と言っていることに間違いはありません。石破は
「今の自衛隊員の方々が、『私はそんな命令は聞きたくないのであります。私は今日を限りに自衛隊員を辞めるのであります』といわれたら、ああそうですか、という話になるのですよ。」
と発言しているそうですが、これは明らかにウソです。自衛隊法には、自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼす場合は退職を認めない規定があるのです。

(退職の承認)
第四十条  第三十一条第一項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。


つまり、「有事」の際は退職をさせないことが可能で、それで逃亡すれば、懲役3年から最大7年(防衛出動命令時)ということになります。現役隊員だけでなく、予備自衛官、即応予備自衛官も、防衛招集命令を受けて出頭しないと懲役3年。
石破は防衛政策に精通している人物ですから、そんなことは知っているはずです。知っていてウソをついているとすれば、かなり悪質。

実は、旧軍の海軍刑法・陸軍刑法でさえも、戦場での逃亡は最高刑が死刑だったけど、最前線以外は、やはり最高刑は懲役7年なのです。

陸軍刑法第75条
故ナク職役ヲ離レ又ハ職役ニ就カサル者ハ左ノ区分ニ従テ処断ス
1敵前ナルトキハ死刑、無期若ハ5年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス。
2戦時、軍中又ハ戒厳地境ニ在リテ3日ヲ過キタルトキハ6月以上7年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス。
3其ノ他ノ場合ニ於テ6日ヲ過キタルトキハ5年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス。


石破が言うような状況、つまり「行くと死ぬかもしれないから行きたくない」という場面(最前線に行く手前の段階)では、戦前の日本でも死刑はないのです。

余談ですが、旧日本軍では、下士官兵の敵前逃亡には厳しかったけれど、高級軍人の敵前逃亡には大甘でした。有名なのはフィリピン戦の真っ最中にルソン島から台湾に逃亡した第4航空軍指令富永恭次と、ビルマから飛行機で逃亡したビルマ方面軍指令木村兵太郎中将。2人とも処罰もされず、木村中将にいたっては逃亡後に大将に昇進しているのです。もっとも、木村は戦後に東京裁判でA級戦犯として死刑になりましたが。


確かにそうなのですが、実際には第二次大戦中に1人だけ銃殺刑になった例があるものの、それ以外は過去100年間で死刑の適用例はないそうです。そして、米軍の脱走兵は非常に多い。ベトナム戦争中は年間に3万人の脱走兵が出たこともあるし、イラク戦争でも累計2万人以上の脱走兵が出ています。あまりに脱走兵が多くて、捜査もあまり行われていないようです。したがって、捕らえられることもまれ。自衛隊(旧軍も)は、逃亡から3日経つと処罰の対象ですが、米軍では30日以上。それ以前に戻ってくる脱走兵は、軍法会議にもかけられません。
北朝鮮の拉致被害者曽我ひとみさんの夫チャールズ・ジェンキンス氏は、米軍の脱走兵で、朝鮮半島の軍事境界線という最前線から40年間逃亡し続けましたが、処罰は禁固30日。(朝鮮半島は、朝鮮戦争が停戦のままで正式に戦争終結していないので、建前上は戦争中の最前線です)

米軍だって、脱走兵に対する対応はその程度なのです。
その現実を踏まえれば、脱走兵に死刑とか懲役300年とか、そういう主張は明らかに穏当を欠く、いや、異常な内容と言うべきでしょう。





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最終更新日  2013.07.17 23:52:30
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