inti-solのブログ

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2015.01.24
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テーマ: ニュース(95880)
カテゴリ: 戦争と平和
身代金、自分で払わせれば良い」「危険承知していた」 拘束された2人にネットで吹き荒れる「自己責任論」
「イスラム国」を名乗る集団から殺害が警告されている湯川遥菜さんと後藤健二さんに対し、ネットでは「自己責任論」が噴出している。
2004年、紛争地だったイラクで日本人3人が武装勢力の人質となった当時を思い起こさせる状況だ。
2人がイスラム国に拘束されるまでの経緯は2015年1月21日現在はっきりしないが、これまでの報道をまとめるとシリア入りの目的が少しずつ明らかになってきた。
北部アレッポで拘束された動画が8月に公開されて以降、消息が分からなくなっていた湯川さんに関して、軍事会社の関係者は「実績が作りたかったのではないか」などと各紙の取材に答えている。一方の後藤さんは、知人で現地ガイドの男性が「友人の湯川さんの情報を得るために行った」と話しているとし、救助のために現地入りしたと各紙が報じている。
2人は現地での危険を認識していなかった訳ではない。湯川さんは最後の更新となった7月21日のブログで「今までの中で一番危険かもしれない」と書いた。後藤さんも、ガイドの男性が撮影したという動画の中で「これからラッカに向かいます。どうかこの内戦が早く終わってほしいと思っています。何が起こっても、責任は私自身にあります」と話している。
しかし結果は人質として拘束され、日本政府には計2億ドルという法外な身代金が要求されることとなった。ツイッターをはじめ、ネットでは「そもそも行くなって言われてんのに行ったのは自己責任でしょ」「もし払うなら自己責任は明白なので自分で払わせれば良い。危険地帯を承知で出かけているのだから」と「自己責任論」が吹き荒れている。
「拘束された奴の命がどうなろうと、現地へ行った奴の自己責任なんだからほっときなよ」という書き込みや、「そもそも後藤、湯川両氏はイスラム国と意を同じくしているのではないか?とすら思う」「捕まったやつはイスラム国の仲間で日本から資金得るため演技してんだよ」とイスラム国と共謀した自作自演を疑う人までいる。
同様の見解をする著名人もいる。タレントのフィフィさんは「この時期にあの地域に入るのには、それなりの覚悟が必要で自己責任」とツイート。元衆院議員の渡部篤氏は、2人について「日本政府が要請してシリアに行ったのではない」と突き放す。「冷酷かもしれないけど、イスラム国のテロに屈してはならない。ここで妥協すれば、世界中の日本人がテロに狙われることになる」と持論を書いた。(以下略)

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引用記事にも指摘されていますが、2004年のイラクでの人質事件の際の騒動を思い出させるような状況になっているようです。
政府として人質を救出するためにできることには、おのずと限界はあり、何でもできるわけでもないとは思います。私は、身代金を払うことはあり、だと思っていますけど、それを政府や関係者が公然と口にできないということはわかります。2億ドルという金額も、さすがにそれは、というところでしょう。
それらの限界はあるにしても、危機に陥った人を救助するために関係機関が努力を払う、危機に陥った理由は問わない、というのは、公的機関として当然のことです。たとえば、少し前にスキー場で滑走禁止の場所で滑走して遭難した人がいました。救助された際に、救助隊に相当叱られた様子でしたが、それは救助したあとの話であって、「自分から滑走禁止の場所に入っていったんだから救助しない」などという対応がとられることはありませんでした。
世の病気や怪我の中には、たとえば食事の嗜好とか飲酒に起因する成人病や依存症、無謀な行動に起因する怪我、果ては自殺未遂まで、「身から出たさび」のものが相当数含まれます。だからと言って、好き好んで高塩分高カロリーの食事を取り酒を飲んだせいで脳出血になったんだから治療しない、とか、自殺を図ったんだから、治療の必要はない、などということはありえないわけです。そりゃ、治療しても治らないものは治らない、という現実はありますし、個別には家族や医療関係者、福祉関係者などのいろいろな心情は渦巻いていることは確かでしょうが。

二人の人質のいろいろな経緯を見ると、自称「民間軍事会社CEO」のほうは、確かに本人の行動に無謀な点、問題がありすぎると私も感じます。一方、ジャーナリストのほうは、最初に人質になった「民間軍事会社CEO」を救助しようとして、言ってみれば二重遭難をしてしまったような状態です。同情の余地は大いにあり、と思います。政府が何もやらないから、彼が赴いた、という側面もあるのでしょうし、救出云々は別に考えても、ジャーナリストである以上、危険地域であるからこそ、取材の必要があることもまた事実です。
いずれにしても、これらの点について経緯をただし、批判すべき点があれば批判するのは、彼らが救出された後でも遅くはない。

「ここで妥協すれば、世界中の日本人がテロに狙われることになる」という渡部篤の発言が紹介されています。こういう言い方で、まるで、一銭も払わずに二人が殺されることこそが正義であるかのような言い方をする人が他にも大勢いますが、本当にそうなのでしょうか。先日の記事で

過激派「イスラム国」がシリアで人質にした外国人のうち23人について過酷な監禁の実態や、身代金支払いの有無が人質の殺害か解放かを左右している状況を報じた。身代金支払いを拒む米英の人質で解放された事例はない。
~米英人は7人いたが、4人が殺害され、ほかも拘束されたまま。殺害されたロシア人1人を除くフランス人やスペイン人など残りは全員解放され、1人当たり平均200万ユーロ以上が支払われたとされる。


という報道 を紹介しました。





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最終更新日  2015.01.24 12:40:37
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