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2015.06.01
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
「自衛官のリスク」を仮想する政治の偽善


連呼の矛先は、現行法で自衛隊の活動期間中、戦闘が行われぬ見通しがなくば認められていない他国軍への後方支援を→現に戦闘が行われている現場以外なら実施可能にする-など、新法案の“前提緩和”部分に向かう。民主党は現行法がうたう「非戦闘地域」の存在を信じてきたことになる。驚いた。飛び道具が進化する現代戦で戦況を予言できるのか?過去積み上げた理屈は、国際と日本の間を分断する憲法の壁と、壁を頑迷なまでに護る左翼に手を焼き、一歩でも日本と国際の常識を近付け、自衛隊の活動と国益を結び付けようと、自民党や関係者が「みっともない」と承知でひねり出してきたデキの悪い言い訳であった。(以下略)

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私も、このブログでは論評対象の人物は基本的に敬称略で呼び捨てですが(ただし、敵対的か好意的かに関わらず、です)、まがりなりにも日刊商業紙が「大江某」とはねえ。まさしくネトウヨの機関紙です。
そのことはともかく、戦争に参加すれば自衛官に命の危険が増える、これは当たり前すぎるほど当たり前の話だと思われます。それが「大きなお世話」だという。いや、自分自身が海外に派遣される立場の人が「大きなお世話」だというなら、それはそれで一つの見識です。しかし、この野口裕之という人物自身は、産経新聞の記者であって、自分自身が戦場に派遣されるわけではない。自分が危険に晒されるわけでもないのに、他人の危険についての指摘を「大きなお世話」とは、それこそ「大きなお世話」じゃないのかね、と思います。

確かに、自衛隊というものが存在し、自衛のために戦うという場面を想定すれば、命のリスクは必ず発生します。しかし、その前提条件は、「より多くの命を救うため」です。外国の軍隊が日本に攻め込んできたら、多くの人の命が危険に晒される。そうである以上は、自衛官が戦死・戦傷するリスクを冒しても、それに反撃することはやむを得ません。
引用記事が主張する東日本大震災の例も同様です。結果的に、福島第一原発の事故は、4基の原子炉を合計してチェルノブイリの1割余りの放射能流出で収まりましたけど、当初はどこで収束できるという目処はなかった。最悪の場合、首都圏まで避難区域に入る事態すらありえました。そのような事態を避けるために命の危険を冒しても消火活動、というのはやむをえないところでしょう。

しかし、集団的自衛権に基づく海外での軍事作戦への参加はどうなのか。
必ずしも日本人の命が危険に晒されていないにもかかわらず、「国益」という名の政治的な都合で自衛官の命を危険に晒す、ということです。

で、「民主党は現行法がうたう「非戦闘地域」の存在を信じてきたことになる。」だそうです。確かに「非戦闘地域」なんてのは幻想であることは事実です。でも、小泉政権当時、現行法をめぐって激しい論戦が生じ、その結果として自衛隊は当時のイラクの中ではもっとも戦闘の危険が少ない地域に派遣された。その結果、(帰国後の自殺者は少なくなかったようですが)戦闘による死者は一人も出さず、現地の住民からもおおむね好意的な評価を得て任務を終了したのです。非戦闘地域は幻想ですが、それでも比較的危険、比較的安全という程度の差はある。「壁を頑迷なまでに護る左翼」ががんばったから、自衛隊の派遣そのものは止められなかったにはしても、比較的危険の低い地域への派遣でリスクを回避するという結果に結びついたわけです。いや、自民党(小泉政権)や自衛隊の中枢だって、「左翼に手を焼き」だけの理由ではなく、自衛官の命のリスクはできる限り避けたいというのは偽らざる本音だったと思います。
それを「みっともない」「デキの悪い言い訳」だという。確かに、そもそも自衛隊派遣などすべきではなかったと私は思うけど(そうすれば命のリスクなど発生しない)、「自衛隊を派遣する」という前提での選択としては、みっともなかろうがデキが悪かろうが、人ができる限り死なない策を考えるのが、よりマシな選択というものです。産経の言い分だと、「かっこよく」「デキのよい切り口上」で自衛官がバタバタ戦死することこそがベストだといわんばかりです。






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最終更新日  2015.06.02 07:21:16
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