inti-solのブログ

inti-solのブログ

2017.03.01
XML
カテゴリ: 音楽
サンバというと、たいていの人がブラジルのカーニバルの音楽を連想すると思いますが、実は、アルゼンチンにもサンバと呼ばれる音楽があります。と言っても、ブラジルのサンバとは、そもそも綴りが違います。ブラジルのサンバはSambaであり、アルゼンチンのサンバはZambaです。(中南米のスペイン語では、SもZも発音は同じですが、スペインでは発音が区別されますし、ポルトガル語ではZは英語と同様にザ行音なので、明確に異なります)
音楽的にも、両者はまったく異なったものです。
論より証拠、ではありませんが、アルゼンチンサンバがどういった音楽か、まずはお聞きいただければと思います。


サンバ・デ・バルガスという曲です。記録のある最古のアルゼンチン・サンバがこの曲だ、ということになっています。1906年に発表された曲です。実際には19世紀からサンバと呼ばれる舞曲はあったのですが、録音も譜面もないので、今には伝わっていません。

上記の演奏は踊りがありませんが、本来的にはアルゼンチン・サンバは舞曲です。


ロサーノのサンバ
このように、男女がペアになって、ハンカチを振りながら踊ります。この舞曲は、大元はペルーで19世紀半ばに起こった「サマクエッカ」(19世紀末にマリネーラという名前に改称される)がチリとボリビアに「クエッカ」という名前で伝わり、それが更にアルゼンチンまで広がったものです。各国、各地域ごとに踊りのスタイルや衣装は若干異なりますが、男女のペアがハンカチを振りながら踊る、という基本は共通です。個人的には、ボリビアの主都ラパスのクエッカと、アルゼンチンのサンバは、メロディアスな曲が多くて、とても好きなのです。音楽としてはどちらも大好きなのですが、踊りの洗練度はアルゼンチン・サンバの方が上かなと思ってしまいます。

以下、思いつくままにアルゼンチン・サンバの名曲を(踊りつきの映像も、そうでない映像も)挙げてみたいと思います。

ハンカチを振りながら



あなたへのサンバ

アルゼンチンを代表する作曲家、アリエル・ラミレスは、サンバの名曲を何曲か作っていますが、そのうちのひとつです。

サンバ・デ・アモール・エン・ブエロ
きれいな翻訳が思い浮かばなかったので、カタカナにしてしまいましたが、「空を舞う愛のサンバ」くらいの意味になるでしょうか。女性歌手タマラ・カストロの代表曲だったのですが、34歳の若さで亡くなってしまいました。コンサートツアー中の交通事故でした。


踊りの上手い人は、普段着で踊っても映えるものですねえ。
亡くなったタマラ・カストロを偲び、本人の自演も。(子どももいたのに、ご主人も一緒に亡くなってしまったのです)


トゥクマンの月
巨匠アタウアルパ・ユパンキの代表曲。多分、サンバの名曲を1曲だけ挙げるとするなら、一般的にはこの曲があげられるのだろうと思います。


しかし、わたしは個人的には、サンバの代表曲を1曲だけ挙げるとしたら、こちらを取ります。

アルフォンシーナと海

ただ、この曲は、踊り向きの曲ではないですけれど。(踊りではなく歌で聞かせるサンバを「サンバ・カンシオン」などと呼ぶこともあります。)



現在のアルゼンチンのフォルクローレ界を代表するミュージシャンであるペテコ・カラバハルの曲。

おまけ
ラ・ノチェーラ

私の友人たちの演奏と踊りです。
ちなみに、前述のとおり、アルゼンチン・サンバはボリビアから伝わってきたクエッカから発展した舞曲ですが、それが逆流してボリビア南部にも広がっています。


さらにもうひとつおまけ
日本にも、アルゼンチンサンバを原曲とするヒット曲があります。

灰色の瞳

元々、長谷川きよしと加藤登紀子のデュエットで知られた曲ですが、こちらの版の方が、ギターの弾き方がアルゼンチンサンバに近いので(それでも、どことなく違いますが)。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.03.01 19:32:27
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: