inti-solのブログ

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2018.11.06
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カテゴリ: 対中・対韓関係
徴用工、日本単独で国際司法裁提訴へ 韓国の不当性周知 駐韓大使は召還せず


その場合も韓国の同意は得られないとみられ、裁判自体は成立しない可能性が高い。だが、韓国に同意しない理由を説明する義務が発生するため、政府は「韓国の異常性を世界に知らしめることができる」と判断した。(以下略)

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どうも、いろいろなことが謎で、よく分からないのですが、今回韓国で行われた裁判は、韓国人の元徴用工(個人)が、新日鉄住金という私企業を訴えたものです。一方、国際司法裁判所は、国家間の紛争を国際法に則って解決するためのものです。実際、国際司法裁判所の設置規定に、提訴できるのは国だけ、と書いてあります。
もちろん、国家(政府)には、自国民を保護する責任がありますから、国民の権利が外国に侵害されたので提訴、というのは分かるのですが、企業の利害のために国際司法裁判所に提訴、というのは、どうも私には分からないのです。個人は、××国籍を有する、という意味で、国家に帰属しますけど、企業は別に国家に帰属するわけではありません。
今回訴えられていたのは、新日鉄住金ですが、実際に戦時中に徴用工を働かせていたのは、その前身の前身の前身である日本製鉄です。戦後、会社の分割と再合併、さらなる合併を繰り返した結果、現在の存続会社が新日鉄住金になっていますが。この会社は、今のところは日本企業ですが、海外の企業に買収されれば外国企業になる可能性だってあるわけです。

そして、もう1つは、既に指摘したように、当の日本政府自身が、「日韓請求権協定で決着したのは国家間の請求権についてであって、個人の請求権が消滅したわけではない」ことを、国会の場で公式に認めています。常識的に言っても、政府同士がいくら合意しても、それをもって個々の国民の請求権を奪い取ることなどできるわけがない(相手がその要求を飲むかどうかは別の問題として)のは当然のことなので、日本政府の当時の見解は、当たり前のことです。それなのに、日本側は勝てる(と判断している)のでしょうか。

まあ、だけど国際司法裁判所に判断を求めるのは、そんなに悪いことでもないかも、とも思います。国際司法裁判所に提訴して、韓国がそれに応じるかどうかは分かりませんが(相手が応じなければ国際司法裁判所の審理は行われない)、応じたとして、前述の経緯を考慮すると、日本側の勝訴が約束されている、とはとても思えません。
私はもちろん、戦争被害者の個人補償は認められるべき、と思っているわけですが、主義主張とは別次元で、この問題を諸外国の国際法専門家がどのように判定するかは、おおいに興味があります。
願望ではなく、純然たる推測で言えば、ある種痛み分けの判決となる可能性もあるのかな、と想像しています。具体的には、賠償を命ずる判決は国際法違反ではない正当なものだが、強制執行は韓国の国内ではやっちゃダメ、というような。日本政府がかつて国会や司法の場で認めていた見解を国際司法裁判所が採用した場合、ですけどね。他の論理を採用するなら、また別の結論になるでしょうけど。
まあ、国際法の専門家でもなんでもない人間の純然たる想像です。正確さはまったく保証しませんが。





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最終更新日  2018.11.06 20:20:02
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