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2020.07.01
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
「敵基地攻撃」は「専守防衛」に反しないのか 自民検討チームが議論開始


政府はほかの手段がない場合、「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とは考えられない」と明言した1956年の鳩山一郎首相の国会答弁を皮切りに、相手が武力攻撃に着手している時点で相手国の基地への攻撃は合憲との見解を示している。一方で憲法9条と日米安全保障条約に基づき、攻撃能力は米軍に委ねる政策判断から保有は見送ってきた。近年は核ミサイル開発や軍拡を進める北朝鮮や中国に対抗し、敵基地攻撃能力保持を求める声は政府内でも高まっている。
今回はイージス・アショア断念に伴うミサイル防衛の一環として議論が開始されたが、能力保持の「効果」についてはもともと疑問視する意見は多い。
国連憲章51条は相手からの武力攻撃がない状況での先制攻撃を禁じており、敵基地を攻撃するには相手が攻撃に着手することが前提となる。そのためには、敵基地の状況を把握する軍事衛星や偵察機などによる情報収集が不可欠で、コストや技術面での課題は大きい。中朝などは潜水艦や移動式発射台からの弾道ミサイル発射技術を高めており、「敵基地」自体の特定も難しくなっている。(以下略)

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「敵基地攻撃能力」とは具体的に何を指すのでしょうか。航空自衛隊が持つF-2戦闘機(戦闘攻撃機)に爆弾を搭載すれば、ロシア、中国、北朝鮮の沿岸部を爆撃することはできるでしょう。空中給油機を随伴させれば、ある程度内陸まで爆撃できるかもしれません。もっとも、現実には、相手も無抵抗じゃないから、相当数が撃墜されるでしょうが。

しかし、「日本も敵基地攻撃能力を持つべきだ」というような論調は、「今は敵基地攻撃能力がない」という前提で成り立っているようですから、ということはF-2戦闘機は敵基地攻撃能力ではない、ということになりそうです。
ということは、敵基地攻撃能力とは、具体的にはF-2よりもっと強力な(航続距離が長く、大量の爆弾を搭載し、撃墜されにくいステルス性能を持ち)爆撃機か、あるいは対地ミサイル、ということになります。現実的には大型爆撃機(米軍の持つB-1やB-2爆撃機のような)を開発あるいは購入というのはあまりに非現実的なので、実際には対地ミサイル一択、ということになるのでしょう。
信用記事から略してしまいましたが、トマホーク巡航ミサイルという言葉も出てきたようです。

はっきり言って、馬鹿も休み休み言ってくれ、というのが正直な感想です。
専守防衛の自衛隊に関しては私は認める立場です。巷間言われるように、今の世界で軍隊(防衛力)一切なしで維持できている国なんてほとんどないじゃないか、という意見には、全面賛同はしませんが一理あることは確かです。
しかし、敵基地攻撃能力は専守防衛ではありません。
そして、世界中の多くの国の中で、敵基地攻撃能力を持っている国など、そう多くはありません。前述のとおり、F-2戦闘機レベルの爆撃能力は「敵基地攻撃能力にならない」とするなら、敵基地攻撃能力を実質的に持つ国など、米ロ英仏中の5大国以外では、北朝鮮、インド、パキスタン、イラン、イスラエルくらいでしょうか。はっきり言って、敵基地攻撃能力を持つ国など、世界でもごく一握りしかありません。


そしてもう一つ重要なことは、上記に上げた国々はいずれも、核保有国か、あるいは核兵器開発に躍起になっている国である、ということです。

長距離対地ミサイルの通常弾頭での攻撃能力は、あまり高いものではありません。
名前の挙がったトマホーク巡航ミサイルは、全体の重さが1トン余、弾頭部分は500kgにも満たない重さです。その程度の爆弾を50発や100発落としたところで、中国もロシアも北朝鮮も、実質的な打撃はほとんど受けないでしょう。
しかもその飛行速度は時速900km足らずです。そんな低速でも、超低空を飛行するので、発見されにくいことが強みですが、発見されれば撃墜は必至です。
当然のことながら、相手側のミサイル発射基地も無防備ではありません。固定式であれば強固な掩体壕や地下に格納して防御し、野外にむき出しなら移動可能として、頻繁に移動してその所在を秘匿しているはずです。その位置を正確に特定して反撃ミサイルを命中させ破壊するのは、ほとんど不可能です。

対地ミサイルは高価であり、数も限られます。そこに通常弾頭を搭載して「敵基地攻撃能力」と言っても、効力はあまり期待できません。つまり、対地ミサイルによる敵基地攻撃能力とは、すなわち「核ミサイル」なのです。場合によっては化学兵器ということもあり得ますが、いずれにしても国際条約によって禁じられる大量破壊兵器です。
「敵基地攻撃能力を持つ」となれば、核兵器(または化学兵器)を持つということになる、そこに口を閉ざした議論は、誠実なものとはとても言えません。

日本は、核拡散防止条約に入り、化学兵器禁止条約にも入っています。それを反故にして核や化学兵器を持つことには、おそらくネトウヨ連中は大喜びするでしょう。しかし、危険すぎるおもちゃを手にして彼らの自尊心を満たすことと引き合えに、日本の将来は真っ暗にならざるを得ません。
日本が核武装を行えば、韓国が核武装することをとどめることはできなくなります。今も日韓関係は悪いですが、悪いと言っても口の上での対立です。それが互いに核を携えての対立関係になる。すでに核を保有している中国、ロシア、北朝鮮にしても、日本が核武装したら「へへー、参りました」などというわけがありません。今よりはるかに多くの核ミサイルの照準が、日本に向くことになる。
そうなると、対抗上日本は更に強力な「敵基地攻撃能力を」となっていく。

そうなった場合、今の日本の経済状態で中国やロシアに軍拡競争で勝てるわけがない。かつて旧ソ連が米国との冷戦の重荷に耐えかねて崩壊しましたが、日本も同じことになります。

「高度国防国家」と称し、その実過大な軍備と対外侵略によって滅亡したかつての大日本帝国と同じ轍を再び踏むことになりかねません。





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最終更新日  2020.07.01 19:00:06
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