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2022.03.19
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テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: 戦争と平和
苦戦するロシア軍 ある司令官の死で露呈した通信システムのぜい弱さ プーチン大統領不満の矛先は
ロシア軍が補給に苦しんでいる。
軍車両の燃料、兵士の食糧の補給は戦闘を続けるための必需品だが、現代の兵站の要は通信機能の充実だ。
その肝心の部隊間の通信に、ロシア軍は問題を抱えている。
ウクライナ軍情報当局は、3月8日、ロシア第41軍第一副司令官ヴィターリー・ゲラシモフ少将が死亡したと発表した。ウクイナ当局がゲラシモフ少将死亡の情報を入手したのは、戦闘現場のFSB(連邦保安局)連絡情報員が司令部の上官に報告した際の、電話を傍受したことによる。
2014年ウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜された事件でウクライナ保安局は通信傍受記録を公開し、親ロシア派武装勢力がロシア軍情報員に撃墜を報告していたことを明らかにした。プーチン大統領はこれを受けて、軍に西側の通信機器使用を禁止し、勤務中個人の携帯を持つことを禁じた。
そしてロシア軍は2021年に第3、第4世代移動通信システムを用いたクリプトフォン「ERA」を全部隊に配備した。
しかしハリコフ突入時に、ロシア軍はハリコフの電波塔を真っ先に破壊したため、部隊間の連絡にもERAを使用できなくなっていた。そのために禁じられていた一般回線を使うしかなかったようだ。
連絡情報員は一般の電話回線を使って、死亡した3人の名前を読み上げた。その中にゲラシモフ少将の名前があった。
ロシア軍もウクライナ軍も自軍の通信が相手の軍当局によって傍受されていることは承知しているのに、ロシア軍情報員はウクライナのSIMを使い、ウクライナの国番号からロシアの国番号の上官宛に電話したため、ウクライナ軍当局に傍受されてしまったのだ。
ゲラシモフ少将の死が伝えらえた数日後、FSBの対外情報部門である第5局のセルゲイ・ベセダ局長とアナトリー・ボルイフ次官が自宅軟禁に置かれた。
第5局の任務は、侵攻に先立ってウクライナ情報をプーチン大統領に報告することと、ロシア軍が侵攻した際に自軍のために働く「協力者」をウクライナ全土で組織することだった。
この内通者のオルグにはFSBから巨額の資金が提供されており、第5局のトップ2人は、この資金を私的に流用した容疑がかけられている(以下略)

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実は、ここまでウクライナ軍が善戦するとは予想していませんでした。もちろん、最終的にはロシアがウクライナを完全に屈服させることなどできるはずがない、ベトナムやイラクにおける米国、アフガニスタンにおける米ソと同じことになるに決まっているとは確信していました。でも、一時的にはロシア軍はウクライナ軍を圧倒するだろうと思っていました。だから、 この戦争が始まった際の記事

純軍事的には、ロシアが圧倒的に優勢でウクライナ軍は装備が旧式でまったく劣勢だとされます。でも、ロシアが最終的に勝てるとは思えないのです。短期的には勝つでしょうが、それでウクライナ政府が「参りました、降伏します」というはずがない。いや、仮に政府が降伏しても国民が納得しないでしょう。
~ウクライナも緒戦はロシア軍に圧倒されるでしょう。首都も陥落するかもしれません。しかし、戦争はそれでは終わりません。ウクライナがイラクやアフガニスタンより簡単に屈服するでしょうか?私はしないと思います。結局同じことになるのではないでしょうか。


と書いたのですが、現実には緒戦でロシア軍に圧倒もされなければ、現時点では首都も陥落しておらず、ただただロシア軍の苦戦ぶりとウクライナ軍の奮闘ぶりだけが目立っています。
引用記事にあるとおり、情報戦でロシア軍が完全に後れを取っていることがかなり大きいようです。
それに加えて、圧倒的に優勢なはずの空軍力がまったく機能していない、という指摘もあります。
軍艦や戦車は、空からの攻撃に対しては圧倒的に脆弱です。正規軍同士の戦いでは、戦場上空の制空権(航空優勢)を握った方が圧倒的に優勢であり、そのため開戦初日に動員可能な最大限の航空部隊によって敵の空軍を撃滅するのが第二次大戦以降の戦争の常道となっています。
ところが、ロシアは、ウクライナに対して圧倒的に優勢な空軍力を持っているにもかかわらず、今に至るまでウクライナ上空の制空権を握ることができていないといいます。そもそも開戦初日のロシア空軍の航空攻撃もさほど激しいものではなく、おそらく通信傍受によって空襲を予測していたウクライナ空軍は事前に主力機を退避させて戦力の8割の温存に成功したと言われます。

それにもかかわらず、ロシアは地上軍の侵攻に踏み切ったわけですが、ここでも車列が数十kmに渡って停滞して、思うように進軍できない(おそらく補給物資も届かない)事態が起こっているようです。


もう一つ、ウクライナ軍の持つ(かなりの部分は欧米諸国からの軍事援助で入手した)対空ミサイルが大きな効果を発揮しており、航空機が安易に戦場上空に留まると撃ち落とされる、ということもあるようです。
更に加えるなら、ドローンなど無人機という新しい武器が、従来の大型で高価な戦闘機などに伍して活躍をしていることも指摘されています。

これらすべてを総合して言うなら、現在のロシア軍は、化けの皮を剝いでみたら意外にも「張り子の虎」だったということに尽きるのでしょう。

そして、そのことは、外国ばかりでなく、他ならぬプーチンすら知らなかった、だから「簡単に勝てる」と思って始めた戦争が、予想外の苦戦に陥っている、ということなのではないかと思います。
結局、独裁的な政治体制を敷いて、周りにはイエスマンしかいない、耳の痛い、不都合な情報は入ってこず、耳に心地よい「自分が信じたい」情報しか入ってこなくなったがゆえに、自軍の能力を過信しては課穴を掘っている、ということなのでしょう。古今東西、よくある話ではあります。

現代戦におけるロシア軍の戦闘実力が実は張り子の虎だった事実が白日の下にさらされたことは、今後のロシア自身の安全保障には大きなマイナスでしょう。しかも、その張り子の虎を補強しようにも、一連の経済制裁によってロシア経済は小さくはない打撃を受けており、当然今後軍備に回せる予算も限定的になるでしょう。
プーチンの愚行が招いた「身から出た錆」としか言いようがありませんけど。

もちろん、ロシアがあっという間にウクライナを屈服させる事態よりは、この状況の方がはるかによい、と私は思います。ただ、戦争が続く限り無用な犠牲が出続けます。ロシア軍は直ちに撤退せよ、と声を大にして言いたい。もっとも、そう言ったところで「撤退します」とはならないのでしょうが。
ただ、現状でもロシア国内で反戦の動きは少なからず出ています。今はそれでも「プーチン支持!」という人もかなり多いようですが、この戦争が長期化していった場合、さすがにプーチン支持の人たちも鼻白んでくるんじゃないでしょうかね。やがてプーチン失脚、という未来図は希望的観測過ぎるのでしょうか?





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最終更新日  2022.03.19 17:37:27
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