inti-solのブログ

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2025.11.15
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カテゴリ: 戦争と平和
「悪辣な言論を直ちに撤回せよ」 中国外務省、高市首相に発言撤回を要求


一方、中国の薛剣駐大阪総領事が高市氏の発言に対して「汚い首は斬ってやるしかない」などとX(旧ツイッター)に投稿したことに関し、林氏は「台湾を中国の領土から分裂させることをたくらみ、台湾海峡への武力介入を鼓吹する誤った危険な言論に対するものだ」という従来の主張を繰り返して薛氏の投稿を擁護した。

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中国側の極端な反応や、ましてや総領事という立場の人間による首切り発言は大いに問題ではありますが、一連の騒動は、日本側から中国に対して「けんかを売った」ものであることは明らかてす。
従前日本政府は「一つの中国」の立場を理解し尊重する「台湾独立は支持しない」と言ってきたし、現在もそれを変えてはいません。
存立危機事態が起きた場合は、集団安全保障の考え方に基づいて日本に対する攻撃とみなして反撃するぞ、というのが安全保障関連法の規定です。つまり、「台湾有事は存立危機事態」とは、言い換えると「中台が戦争になったら日本も参戦する(可能性がある)ぞ」という意味になります。
それは、「一つの中国」という日本政府も認めている公式見解を踏まえれば、「中国の国内問題に介入するぞ」と言っているのと同義です。
逆の例で考えてみればよいのです。例えば、沖縄で独立運動が起こって、それが武力紛争のような事態に至ったとします(たとえ話であって、今のところ、その可能性は皆無なので念のため)。それに対して中国が「我が国の平和と安全に重大な危険を及ぼすからその紛争に介入します」などと公言したら、どうなりますか?大方の日本人は「ふざけるな!!!!」と怒り狂うでしょう。
であれば、今回の発言を中国が心穏やかには聞けないのも当然でしょう。

昨今は、何でもかんでも対外強硬論を叫べば留飲を下げる人たちが大勢いますが、後先考えない「勇ましい」発言で対中関係が悪化して、得になることはありません。安全保障とは、必要のない喧嘩を他国に売って緊張を煽ることではないはずです。無駄にけんかを売らずに緊張を回避することこそがが安全保障ではないですか?
勿論中国の態度についても同じ印象は抱きます。できるだけ緊張を緩和しよう、という方向性は向いていない。ただ、日中の現在の国力差を考えれば、「喧嘩の売り合い」をやって、日本が勝てる可能性はありません。中国も無傷では済まないにしても、一方的に日本側に実害が生じる可能性は高いです。


で、このような「台湾有事」を巡る国会でもやり取りは、歴代内閣と野党の間で行われてきました。そこでこんな「勇ましい」発言をやらかした首相などいません。安倍首相でさえ、退任後は「台湾有事は日本の有事」などと発言したことがありますが、首相在任中にそんな発言はしていません。もちろん、当時の野党がそのことを質問しなかったわけではありません。
今更、「質問した立憲民主党が悪い」などという話は、何を寝ぼけたことを言っているのかと思います。





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最終更新日  2025.11.16 07:38:46
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