inti-solのブログ

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2026.07.14
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カテゴリ: 政治
「皇室の伝統」「総意逸脱」 委員会質疑、男系継承で意見交錯

衆院議院運営委員会では、最初の質問に立った自民党の小林鷹之政調会長が 「皇位の男系継承は2600年以上にわたって先人たちが守り抜いてきた皇室の伝統だ」と主張。 「皇位継承の流れの意義をどう考えるか」と尋ねた。
木原稔官房長官は「現行の皇室典範でも男系継承が古来、例外なく維持されてきたことの重みを踏まえ、皇位は皇統に属する男系男子が継承すると規定されている」と説明。(以下略)

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国政の議論の場で、「2600年以上」の「皇室の伝統」とかって神話を事実であるかのように語るのはやめてください、としか言いようがありません。
それは、「モーゼが海を割ってエジプトを出た、というのは歴史的事実だ」「ノアの箱舟は史実だ」と言っているのと、何も変わりません。
皇室の家系図では、天照大神の5代後、今から2680年以上前、神武天皇が即位したのが皇室の始まり、ということになっています。神話として、ものがたりとして、それを読むことを否定はしませんが、それを歴史的事実と考えるのは信仰の表明でしかなく、政治、行政上の決定に信仰を持ち込むことは、「狂っている」と言わざるを得ません。

本来、神話に「史実ではない」というツッコミを入れるのは無粋なことです。しかしそれは、「そんなことをいちいちツッコまなくても、神話が史実ではないことくらい誰でも知っている」からです。神話が史実だと本気で信じている人がいるなら、しかもそれが政治の中枢にいて国政を動かしているなら、それは全力でツッコミを入れるしかありません。

歴史上、実在が確実視されている最古の天皇は6世紀の継体天皇です。それも、その名は後世に付けられたものです。「天皇」という名称が初めて使われるようになったのは、7世紀の天武天皇または持統天皇の時代からだとされます。継体天皇は、同時代的にはそう呼ばれていた証拠はないけれど、それに相当する人物は確かにいたとされます。
それ以前にも、雄略天皇など、名前はともかく、それに相当する人物いただろう、という天皇が、断片的に何人かは居たようだ、という程度の史実はあるものの、特に初期の「欠史八代」の天皇が実在した証拠は、何もありません。

しかも、神武天皇127歳をはじめ、欠史八代の天皇(それ以降にも散見されますが)は軒並み100歳超えの長寿を全うしたという設定になっています。今から2000年以上昔に、大半が100歳超えの一族なんて話があり得るか、ちょっと考えれば分かることです。
そもそも、2680年前に神武天皇が存在したという説は、考古学的、人類学的、文明史的知見と矛盾します。


そもそも、文字(漢字)が日本に入ってきたのは5~6世紀頃です。初期天皇の名を記した古事記や日本書紀(記紀)は、それ以前に成立していた推定される「帝記」(現存しない)などを参照したと言われますが、どのような文献記録であれ、文字がないのだから、5~6世紀より古いものはありません。それなのに天皇の歴史は漢字の伝来より1000年以上前から続いている、と。

文字の記録がない1000年以上前の人物の名前や業績を、どう記録できるんですか?
できるわけがないのです。

当然ながら、父親と母親がいなければ子どもは生まれてこないので、継体天皇の父系で19世代前(継体天皇は26代天皇ということになっているが、兄弟間の皇位継承などもあるため、世代としては神武天皇から20世代目)の人物はいたはずです。しかし、その人物が
・神武天皇という名を名乗った可能性はゼロ
・「大和政権」の支配者であって可能性は極めて低い
・2680年前に生きていた可能性もゼロ
となります。
継体天皇の実在は確実視されていますが、生没年がどこまで正しいかは判然としません。が、西暦450年誕生というのを「当たらずとも遠からず」と考えれば、平均的男性が25~30歳で父親になったとすると、父系で19世代前の人物は、継体天皇の450~570年前に生まれた、と仮定できます。2600年前ではなく2000年~2100年前です。
しかも、その人物はそのとき、日本に住んでいたとも限りません。

考古学的知見として、日本の先住民は縄文人ですが、弥生時代以降、大陸から渡来人が数多くやってきて、次第に縄文人を圧迫、排除または混血によって同化し、縄文人は中世には南九州以南と東北北部以北に、近世になると沖縄と北海道(アイヌ)にだけ残ったとされます。


古代から日本の支配者の地位に就いた経緯を考えれば、天皇家の祖先筋が縄文系(渡来人に駆逐されていった)だったはずはなく、渡来人系であったことは確実です。そして、渡来人が日本に来た年代は、2500年前以降と言われています。
従って、2680年前の天皇家の祖先が日本に住んでいた可能性は極めて低く、2000年~2100年前だったとしても、日本に住んでいた可能性はあまり高くはないだろうと考えます。これについては根拠のない想像でしかありませんが、天皇家が古くからの支配階級だったとすると、それは日本に来てからではなくその前、中国大陸か朝鮮半島にいた時、すでに支配的地位にいた家系であったことが想定されます。だとすると、そんなに先陣を切って「未知の野蛮国」に移住したとは考えにくいからです。

更に、2680年前下に天皇家が日本を支配していた、という神話は、既知の歴史資料と矛盾します。
日本には5~6世紀に漢字が伝来するまで文字はありませんでしたが、漢字を産んだ国、中国には、勿論その時代既に文字がありました。そして、3世紀末頃に同時代の日本について言及する史料が存在します。
言うまでもなく魏志倭人伝です。


結局、あらゆる証拠から見て、神武天皇以下初期の天皇が実在した可能性はなく、天皇家が2680年前から日本に君臨していた可能性もありません。繰り返しますが、そういう神話を神話として信じたい人が信じるのは自由です。しかし、それを史実として、それに基づいて政治上、行政上の判断を行うのは、愚劣なことであり害悪です。
魔法使いの小説は、小説として読んでおけ、魔法使いが実在する前提で法律なんか作るんじゃない、ということに尽きます。





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最終更新日  2026.07.14 19:32:11
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