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Dec 4, 2020

羅刹の檻【十】．綺羅星の章 Vol.10

テーマ：二次創作小説(1036)

カテゴリ：薄桜鬼昼ドラオメガバースパラレル二次創作小説:羅刹の檻

この画像はコチラからお借りしました。

「薄桜鬼」のオメガバースパラレル小説です。

詳しい設定についてはコチラのページをご覧ください。

土方さんが両性具有です、苦手な方はご注意ください。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

腹を痛めて産んだ我が子が養子に出される前夜、歳三はその子に母乳を与えていた。

誰にも教えられた訳でもないのに、自分の乳首を懸命に吸う我が子の姿を見ながら、彼と離れたくないと思った。

「トシちゃん、どうしたの？」

「この子と離れたくない。」

信子はそう言ってくれたが、恵津は頑なに子供を養子に出せと歳三に迫った。

「母さん、俺は・・」

「Ωでシングルマザーなんて、世間体が悪いわ。さぁ、その子を渡しなさい！」

「嫌だ！」

「往生際が悪い子ね！」

「姉さん、乱暴な真似はしないで！」

恵津は強引に歳三から赤ん坊を取り上げると、そのまま部屋から出て行った。

「義昌・・」

歳三は暫くの間、ストレスで寝込んだ。

あれから十年もの歳月が経ったが、息子の消息は杳として知れない。

「じゃぁ、俺は先に出る。」

朝日が昇る頃、歳三はホテルから出てタクシーに乗って帰宅した。

「ただいま。」

玄関先で出迎えた愛猫にそう声を掛けた歳三は、猫を抱きながらリビングの中に入った。

コーヒーを淹れながら歳三が猫に餌をやっていると、突然インターフォンのチャイムが鳴った。

「はい。」