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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
April 24, 2009
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「絶対、観たい!」と
会社が終わってすぐ東銀座へ。

夜の部は人気が高いとみえ、
幕見の列は、すでに100人を超え、

列に並んでも席はない、つまり立見必至。

私のお目当ての演目は1時間11分。
その間、立ちっぱなし。

買うための列に並び、そのあと
観るために立つわけです。


係の人は必ず「立見になりますが」と断りますが
断念する人はごくまれで、皆列に加わっていきます。

「観るんだ!」と
腹の決まった人はすっきりした顔で
発売開始時間を待ち、チケットを手に入れると
高鳴る胸のリズムで4階までの階段をのぼっていく。

一列にお並びください.jpg

座席は90名、
前の「毛谷村」から入った人が
帰らないと空かない。
席がない人は立見。

うしろの壁の前は一段高くなっいて


幕見常連のの私も立ってみるのは初めて!

時々、疲れて座ったりしちゃったけど、
(段の上は立っても、座っても自由)
体が自由になるので窮屈な座席に押し込まれて
前の人の頭を気にする必要がないのは


不便を承知で並んでいる分、両隣の人に
親近感、連帯感を感じる(^O^)

幕があき、吉田屋の店先。
少し雪をかぶった門松。
拍手は一階席と四階のお客さんが
一番大きい気がする。


高い席料奮発し、お洒落をして楽しみに来た人と
チケットがなくてもあきらめず、
並んでも観たいと駆け付けた人。

花道から仁左衛門さん、いよいよ登場。

そして花道から舞台へとたどり着いて
客席中が湧いて拍手が起こり、

「松嶋屋!」

と大向こうさんからたくさん声がかかる。
心の中で私も一緒に「松嶋屋!」

面明かり(差し出し)に照らされた
花道の仁左衛門さん。

四階からはあまり見えませんが、
それでも立ち方、手つき
歩き方、内蔵助、八汐の時とは
同じ人とは思えないような見事さに
息をするのも忘れて見入ってしまう。

落ちぶれて
着物も新調できないはずの紙衣(かみこ)姿なのに
この紫の着物が何と上品に見えること。

ほんとに筆舌に尽くし難いのですが、
四階から見ても細かなところに気を配って
全身全霊、その役になりきっているのが
わかる仁左衛門さん。

そして我當さん、
秀太郎さんと三兄弟の共演を楽しんで
観ているところへ、夕霧役の玉三郎さん登場。

片はずしも、おかみさん役も
なにを演ってもお上手だけど

やっぱり 私は傾城の玉三郎さんが一番好き!

お二人の美しさは息をのみます。
あー。観に来た甲斐があったわ。
眼福!

廓文章 ポスター.jpg

これが観たかったの!
ひとりでに涙が溢れます。

吉田屋(廓文章)が終わったとたん、
壁際の人一斉に出口に。

仁左衛門さんと玉三郎さんの
人気の凄さを改めて実感。

ところが階段には、
今並んでいた観客よりも
平均年齢高めの
善男善女が待ち構えていらした。

次の幕のお客さんは前の幕が終了した後に
一階でチケットを買ってからのぼってくる。
窓口の人はひとり。

もっと一斉に売ったら
効率いいかと思いがちだけど
そうなると大勢の人が
いっぺんにのぼってしまい、
降りてくる人とぶつかってしまう。

だから、狭い階段が混雑しないよう、
うまくできてる。
幕間に少しずつ席が埋まっていくのが常。

だから終わった直後に
四階の階段に次のお客様が
行列している待っていることはない。

次の幕がおしてるのかと思いながら家路に着く。

そして帰宅後に読んだ中村橋吾さんのブログで
真相がわかった!

藤十郎さん(77歳)が「曽根崎心中」1300回達成の日でした。

だから
普段は四階まで階段をのぼるのがつらそうな
そんな年配のファンのみなさんが並んでいらしたのね。

もしかすると
この方たちの階段をのぼるスピードを考えて
発売時間を繰り上げたのかもしれない。

吉田屋のあと、15分で曽根崎心中が始まる。
あわてないでちゃんと観られるようにの配慮かな。

幕見で観たい人の行列。
普段は建物の周りをぐるっと囲むように並ぶ。

夏の昼間は、
歌舞伎茶屋の店員さんが
前の通りに打ち水してくれたり、

更に、炎天下の場合は、
屋内に並ばせてくれたりすることもある。

歌舞伎座の接客はいつも行き届いている。
こういうところも好き!

この日は56年演じ続きてきた
藤十郎さんの大事な記念の日。

歌舞伎では珍しいカーテンコールがあり、
拍手が鳴りやまなかったと。

おめでたいことは大好きな私ですから、

一瞬「わ、そのまま残れば良かった」
と思ったのですが、




本物のファンの方
が一人でも多く入場できるよう
ミーハーの新参者は帰って来て正解だったと
思い直した24日の夜の部でした。


大偉業、おめでとうございます。藤十郎さん。

四月大歌舞伎 ポスター.jpg

(2009年4月24日 夜の部 吉田屋のみ幕見・初立見
 歌舞伎座、幕見席へのエレベータのない頃のお話)

面明かり(差し出し)中村梅之さんのブログ





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最終更新日  February 19, 2017 01:14:50 AM
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