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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!
December 17, 2016
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南座初演の録画を観た。


もっともっと好きになった。


NHKで放送されたアニメを借りて
予習した「あらしのよるに」


アニメでは全部の役を
獅童さん一人で演じ分けていた。

主人公の狼のガブも
ヤギのメイの声も、
そのほかの役も全部。


その演じ分けの見事さもさることながら、

一番感心したのは
そのナレーションの癖のないキレイな日本語。

どうしてもあの憎めない笑顔
個性が勝ってしまって
キャラの人だと思っていましたが、

確かな技量に裏打ちされていました。

テレビは主役の二人ばかり追うけれど




舞台は好きな役者さんや
全体を観られるから
やっぱり好き。

歌舞伎座で再演となって
獅童さん嬉しいだろうな。

南座には行けなかったので

歌舞伎座に来てくれたから
観られて良かったー!と

どの場面を観ても感動。

狼の住む岩山の荒涼感。

次々と姿を現す狼たち。

先日の
「あらしのよるに」のトークイベントで
感想を述べられた男性のおっしゃったとおり、

「CATS」のプロローグを髣髴とさせる。


ヤギの群れを襲うシーンの
アクロバティックな立ち回りは

歌舞伎で四天が見せてくれる
歌舞伎ならではの動き。

ヤギさんが
グルンとトンボ返りするのもそうだし、

中車さん演じる「ぎろ」が見得をするのも
ああ!歌舞伎!

「ばりい」の猿弥さんはさすが!
こういう役お上手。

歌舞伎座の真面目で固いお客様からも
笑顔と拍手を引き出す。

「じぐ」の松十郎さん、
「ざく」の千次郎さんも大阪弁のセリフも
テンポよく芝居を盛り上げ、欠かせない存在。

中車さんはオーラが違う。

南座の時はギロの役は
月乃助(現在は新派の喜多村緑郎)さん。

渋い「ぎろ」を好演なさっていましたが
中車さんは中車さんの「ぎろ」を
作り上げていました。
嵐の夜の出会い。
「めい」のいる小屋の外は嵐の設定。

それを表す音楽。

歌舞伎の下座でない音も混ざっている。

いつもの楽器だけでもいいのに、
とちと思った。

風や雪を表す太鼓の音好きなんだけどな。



「友達」って言われたことが初めて!と
「がぶ」が嬉しく思い

「かわいい」って言われたことが初めて!と
「めい」も「がぶ」の言葉に感動、

少しずつ相手が大切になっていく。


竹本と三味線とのやりとりは
すでにテレビで観ていたから
知っていたけれど



生で観るのは、やっぱり違う。
チャーミングでコミカルな表情も素晴らしい!


初めてこの演目をご覧になる
歌舞伎歴の長いご贔屓は
目を丸くしていたり、
ホウッと相好を崩したり、

そんな光景が観られるのも一興。


「食いてえな」
「友達だ」
「食いてえな」
「友達だ」

竹本さんに合せて、
ステップを踏む「がぶ」


筋書の後ろの出演者のインタビュー記事を見ると、

「長年、獅童さんが大切に温めた
この作品に携わったからには」と

権十郎さんも猿弥さん
も座組の皆さんが

獅童さんを支えたい、の想いで
一丸となって取り組んでくださったことがわかり、

ウレシイ半面、
ここに載っていない役者さんの話も
もっと聞きたくなっちゃうね。


「おばば」の萬次郎さんは、

「はく」役の竹松君が幼い頃、
一緒にテレビアニメで観ていらして

「あらしのよるに」をご存じでした。


子どもの頃に観ていた作品に出演するって
竹松君、嬉しかったでしょうね。
萬次郎さんは橘太郎さん共々、

同時期に「阿弖流為」と
「あらしのよるに」に出演され、

新作歌舞伎をおおいに盛り上げてくださった立役者。


獅童さんと
その母上が長年歌舞伎にしたいと望んでいた

「あらしのよるに」が南座でかかる、

しかも「阿弖流為」で大活躍のお二人も
ご出演と知って、

行ったことのない南座へ行けないものかと
日程と予算を前に
相当悩んだのでありました。


どうして同時期に重ねたんでしょう、
恨めしい松竹さん。

お陰でもうひとつ重なった「ワンピース」も
見ずじまい。

おばばは、御霊御前と同じく、
「ぎろ」にかしづいているようで
実は、したたか。

芝居に深みを与えています。

森のお友達、りすやうさぎ、
みんな可愛かったけれど

喜昇さんがお目めクリクリ、
ヒトキワ可愛らしかった。


のに、「めい」たちのことを
狼にばらしちゃうなんて、
アラアラアラ。


「めい」のお母さん役の徳松さんが
この場面ではうさぎさんの役で登場。


若旦那の松也さんの為に体を張って
(中車さんと立ち回りの後ダイブ)
盛り上げてくれる様子にウルウル。


「あらしのよるに」吹雪の音と
もうひとつ特徴的だったのが
シンバルみたいな音。

歌舞伎だから銅鑼かしら。
こんなに多用される演目は珍しいかな。



月の下にたたずむ「みい姫」
「CATS」の「ヴィクトリア」みたい。
幻想的なこのシーンに相応しい梅枝君がステキ。
「金閣寺」の「雪姫」を思わせるシーン、
狼の「がい」が幡随院長兵衛さんの如くの
粋な男前(権十郎さんにはホレボレです。)



歌舞伎のエッセンスたっぷりで
歌舞伎好きも嬉しいし、知らなくても

捕らわれの身の姫を案じることは出来るから
みんなが観て楽しくなってる。



獅童さんが引っ込む時の飛び六法。

『勧進帳』弁慶が引っ込む時に
手拍子があるのは
多いに違和感があるけれど


「がぶ」の場合はいいかなーって感じた。
一体感があって。


「がぶ」これから大変だけどがんばってね。
そう応援しているようで。

最後は拍手に送られて、

さよなら「がぶ」


そして感動した私は
速攻で「あらしのよるに」のチケットをget!

珍しく一等席!!!

もっと観たーい!
この世界にどっぷり浸かってしまいたーい

※追記 2024年6月

 今年の12月 ふたたび 歌舞伎座に帰ってきます。
 がぶは獅童さん、めいは新たに菊之助さんが演じます。


(C)松竹





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最終更新日  June 10, 2024 08:49:51 PM
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