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目に鮮やかなれど、心寂しき季節がきてしまいました。樹木は、生きていることを喜ぶがごとく様々な色合いを見せてくれて、風の冷たさに逆らうように、暖かい光と甘やかな香りを魔法のように体中に振りかけてくれます。草花を求めて春から歩き始めた今季の散策を、締めくくってくれたのはタンポポ。ムキタケの色合いは黄色~茶色と様々。今回は深い緑色、朝晩の冷え込みのせいか肉厚。綺麗に並んでいるシモフリシメジ。惜しい・・・あと一本あればⅠダースだったのに。標高を下げながら長期間楽しませてくれたハナイグチ。カサの色、管孔の緻密さ、肉質の柔らかさなどを比べると、標高が高い場所に発生するハナイグチとは種類が違うのかもしれません。癖がないと好まれていたスギヒラタケも、毒菌とされた今、観賞用きのこになりました。それでも、採っている強者に会った事があります。台風の直撃を受けて無残になぎ倒された折れ口を見せる樹々。どんな悲鳴をあげて倒れたのかしらと思うと、木肌をそっと撫でてしまいます。風を免れた樹は綾なす色合いで山を飾り、黄色いカラマツの葉は、さらさらと地面に降り積もっていきます。初夏から楽しんできた樹林散策は一段落して、これからは野道や公園の散歩。後ろ髪をひかれるような気持ちが、時間を経て来年への期待へと変わるのにどれほどかかるでしょうか。山で遊んでくださった仲間の皆さん、ありがとうございました。
2018.10.28
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「ニオウシメジが出ているから見てきたら」という声掛けで、相方が写真だけ撮りに行ってくれました。直径50センチほどの株立ちだったそうですが、朝夕冷え込み始めたので成長は止まっているみたいです。野紺菊やススキの穂も冬枯れに近くなってきたやや標高のある土手に冬わらびがまるで数の子のような真ん丸胞子をつけて並んでいました。ハタケシメジもちらほら見かけて、ハイキングのような野歩き。ニュースでは山の紅葉が見ごろだと伝えていますが、近隣の公園のもみじやイチョウはまだ青葉。寒暖差があり着る服に迷う日々はあと少し、コートやマフラーでお洒落が出来る季節はすぐそこにきています。お洒落はしたいけど、寒いのは苦手だなぁ~
2018.10.21
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結構奥まった森になぜか気持ちよく道路が整えられた場所があり、きのこ自体は少ないのですが紅葉が見ごろになると足を伸ばしています。なぜこの辺りだけ綺麗に整備されているのか、どう考えても分かりません。今チャナメの最盛期。枯葉を持ち上げて、そして倒木にと群生に当れば摘み採りながら鼻歌が出ます。これがナメコだったらいいのにな~と思ってしまった、ヌメリスギタケの群生。今年の台風で多くの樅の木が倒れていましたので、数年したらこんな景色が多く見られるようになるかしら。通称コンキタケ・・根気を出して丁寧に摘み採ってきたキヌメリガサは、お吸い物のきのことしてはぴかいち、瓶詰保存しました。会いたかったよ、あなたに。ホンシメジの威風堂々とした姿、採る時に手に伝わってくる存在感は他のきのこには感じないものです。今夜の食卓に・・・その旨味は他の食べ物を口に運びたくなくなるほど。今年も頑張ってよかったなぁ~紅葉は進んでいましたが、強風にさらされた木の葉はいくぶんくたびれてしまい、例年と比べると色付きが薄いように感じました。山姿は晩秋と言えどまだ十月の半ば、お仕舞いとするには早すぎるような気がしますので、山用品にはもう少し出番があるかもしれません。
2018.10.14
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ひょんなことから仲間と合流することになり、「一緒に行きますか」というお誘いを受けていつもより遠出の散策となりました。最初に見たのは柄の太いクリタケ。台風通過の後お湿りがなかったのか、乾いてしまったベニテングタケ。「被写体が美しいと綺麗な写真が撮れるという意識を変えてください。ありのままがいいと思うの」これは口だけ達者な私。今回カメラを構えるのは相方です。「これは何だろう?クリフウセンタケかな」という仲間の声に反応して集合。周りを見ると其処此処で落ち葉を持ち上げていて、踏んでしまわないようにみんな足取りが優しくなります。数年ぶりにみたコガネタケはやや小ぶり。鱗粉のような粉を見ると食欲はわきませんが、カサと柄の皮を剥くと真っ白。熱を通すと食感はコリッとしたイカのようですが、最近適度な収穫を心がけているので、これは見るだけ。どこにでもありそうでなかなか見つけられない(私達だけかな)ハタケシメジ。優秀な食菌で栽培物もありますが、天然物には味も食感も遠く及びません。シモフリシメジを見つけた時は、よ~く周りを探すと何本か見つかるものですが、このシモフリは孤高の一本。丁寧に採り、後で焼いて食べようと思っていたら、気付いた時にはきのこ汁用として他のきのこと一緒に湯通しされていました。知らない森を歩くドキドキ感は、子供の頃欲しかったおもちゃをやっと手にした時の喜びに似ています。ランチは大自然を借景にしたテラスがあるレストラン。いつもコンビニ弁当で済ますのですが、たまにはリゾート感溢れるこんな経験もいいかな。連休最終日で帰路の渋滞は覚悟していましたが、27キロとなると運転手は大変。助手席で寝てはいけないと自分に言い聞かせますが、いつの間にか眠ってしまいました。車窓からいつもと違う景色を眺めた今回の遠出は秋の遠足のように楽しくて、誘ってくださったことに感謝しております。
2018.10.09
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ナナカマドは紅く、カラマツは薄黄色に、そして樹に絡み付き色付くのは蔦ウルシでしょうか。緑色があってこそあやなる美しさを見せてくれます。オニナラタケはほとんど老菌となっていましたが、一か所でカサが開いたばかりの裏が真っ白な群生を見ました。カベンタケやキヌメリガサの黄色も苔の中に在ってこそ魅力的。カベンタケは熱を加えても色落ちしないので、甘酢で保存してサラダのトッピングにします。十月の声を聞くとムキタケとチャナメが、出番を待っていたかのように出てきます。幾重にも重なってムキタケが出ている立ち枯れの木を見つけた時の嬉しさは、地上生のきのこを見つけた時とはトキメキが少し違います。遠くから見つけられるからでしょうか。見た目は地味でも味がいい・・といわれる(仲間内で)ヤギタケが、輪になっていて不完全フェアリーリングです。虫が入りやすいので、いつも見るだけです。残り少ないシーズンを惜しむように、でかけた山散策。今季は何回出勤したかしら。ムキタケを見てシモフリシメジを見たら馴染みの山は冬の佇まいになり、なめこ採りをしない私は、あと数回できのこ狩りに区切りをつけます。でも、最近なめこ狩りに行かない・・と誘われるとちょっとだけ心が動きます。さて、明日はどこをうろうろしましょうか。
2018.10.07
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