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申し訳ありませんが、管理人は本日LE運営不能な状態に陥っているので緊急的に営業を休止いたします。誠に申し訳ありません
2014.03.31
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2014.03.30
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2014.03.29
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2014.03.25
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2014.03.24
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2014.03.23
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2014.03.22
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2014.03.21
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2014.03.20
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2014.03.19
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「山奥の田舎駅に、あれ、杉下さんだ。こんなところで何してるの? 電車だけど……あと二時間は来ないね。しばらく待つか……あれ他にも人がいる。誰だろう。一方カイトはカフェに。何時間もカフェで座ってた女性にナンパしだしたよ。どうも非番で出かける予定が悦子さんに急な仕事が入ってパァになったみたい。杉下さんも非番だけど暇だし返上しようかとも思ったそうだけど、ダメだよー休めるなら休まないと。んで二人は休暇中……なのかなぁ」 「杉下さんといる客は友部という男性。靴職人だそうで、足で相手の職業を推測するのが特技。公務員と言った杉下さんの足を見ましたが、残念ながら国立大の教授ではありません。ま、んなこと言う必要ないですけど。実は友部は長年やっていたわけではなく、元々靴職人になるのが夢で修行していましたが、最近までトラックの運転手をしていました。昔の夢をもう一叶えようとしているのですね。同時刻、一課の二人は殺人事件の応援に駆り出されました。津久井という日雇いの仕事を転々とする男が殴り殺されたんですが、おうおう伊丹さん特命がいないと知るとなんか杉下さん意識し出しましたよ。大丈夫でしょうかこの人。そういえばこの被害者ポケットに手袋入れたままだし、靴が脱げてます。犯人と揉み合いの際脱げた?」「カフェでナンパした雪美という女性だが、待っていた男に別れのメール一本送られてポイそうだ。やはり君とは一緒になれない……簡素なものだ。しかしいい恋愛とは思えんしなあ。不倫だったんだろ? まあ夫も不倫してるみたいだし同罪だがな。だが彼女は本気のようだ。その時一課は米沢から新しい情報を入手した。どうも被害者の衣服に付着していた血痕が犯人の物の可能性が出てきたらしい。範囲を広げよう。――今回はどうも視点があっちこっちに行くから面倒だな」 「友部の家は元々靴屋だったが、友部が子供の頃に潰れて父親も亡くなっている。しかし友部は靴職人へと進んだが、ある日母親が詐欺に遭った。なんでも元従業員の男の連帯保証人になったら、そいつがあっさり雲隠れしちまったと。だから実入りのいい仕事して、何十年もかけて必死に借金を返し終えた。母親はその苦労が元で死んじまったと」「雪美の相手は十五の時の初恋の相手。ファッションに興味があった二人はすぐ仲良くなり十年間付き合い、結婚を考えるようになったが、ある日突然男から別れの電話一本でおしまい。その後すぐお見合いし結婚したが、三か月前偶然再会し関係が戻る。復縁かとも思われたが今日また別れを一方的に告げられた――突然だよなホント。いったいその男とやらに何があったんだ? んで一課に戻るが、現場付近から血痕が発見された。どうも犯人は被害者を追いかけていたようでな、手袋してないのは直前まで室内にいたから、靴は脱げたんじゃなくて履く暇がなかったんだよ。おお伊丹が冴えている。つーか忘れがちだけど伊丹も警視庁の捜査一課という第一線で働いてるんだから馬鹿のわけないんだよなぁ。血痕を辿るとあるアパートの一室に辿りついた。名前は……友部!?」「えーっ! 特命が朝に来てたの!? つーか事件発生直後の現場にたまたまいた!? んで伊丹さんと同様の推理をして友部の家に辿りつき、パソコンの履歴から自殺の名所である場所に行く気だと杉下さんは友部を追い駅に行き、カレンダーから雪美さんとの待ち合わせ場所にカイトが行ったんだ。全然休暇してないじゃん。とにかく今は友部を説得しないと」「説得に応じますかねぇ? 友部の動機ですが、話の展開から推測できる通り金をだまし取ったのが津久井です。でも最初友部は殺す気はなく家に入れたんですが、津久井は少しの罪悪感も抱いていませんでした。母を死なせて人生を棒に振らせた男を許せず、逃げるのを追いかけて殺したんです。もう完全にヤケ起こして死ぬ気ですね。これは雪美さんに説得を――あら、旦那来ちゃいました。自分は散々浮気しておいてヨリ戻そうって酷い話ですねぇ。ですがもう帰るつもりはありません。後になって、雪美さんは友部が借金を背負い巻き込まないように嘘をついたのだと知りました。待っていれば良かったと後悔しています。どうせまた今回も一緒だろうと思った彼女が、返信したメールには……」「友部からすればどうしようもなくきついだろうなぁ。不本意な人生を歩みようやくかつての夢と幸福が取り戻せると思ったらより苦しみを背負ってしまった。自殺したくなるのもわかるが、それを許すわけにはいかない。それにそんな簡単に人生を諦めていいのか? 彼女の返信は――「貴方がどんな絶望に落ち入ったのだとしても、私はあなたを待ち続けます。今度こそ」――もう、電車に乗らなくてもいいな」「なんとか事件は解決か……んで、伊丹は真夜中になってようやく駅にたどり着いたが電車は終わっていて泊まる気に。いや連絡くらいしろよw 二人とも全然休暇してないなあ」 「次回――信じられんね。あの人がまた出てくるなんて。カイトに特命の過去を伝える回なんだろうが、中々不安にさせてくれる予告だぜ」
2014.03.18
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「ある日、相棒の二人が昼食を摂っていたら……うわあ火事だぁ! ビル火災だ! 中に人が!? 大丈夫!?」「おお、青年が助け出したぞ。助け出されたのは里見という若手だがやり手で有名な弁護士……あれ? いなくなった? 銭湯の手ぬぐい置いていったからちょっと待ってみよ……おおいたいた、おーい、助けた人がお礼を言いたいって……? なんか自分じゃないってトボケて行っちまったぞ。第一、なんで火災現場でもなんで逃げたんだこいつは? わからんなぁ」 「男性の遺体が発見されました。死亡したのはメディアステップというIT企業の企画部長を務める轟という人。物取りではないようですから怨恨でしょうか。おや、最後の通話記録が未登録の物ですね。一方その里見さんを助けたヒーローですが、どうしてしらばっくれてるんでしょう。里見さんの専門は企業訴訟で、いくつかの企業の顧問弁護士をしているとか……あら? 自分から名乗り出てきましたよ?」「杉本という青年は、最初は騒がれるの嫌で黙っていたが、テレビで助けたのが弁護士だと聞き、印刷工場で働きながら法学部を目指しているが、仕事が大変なのでなにか助けてくれないとか思い名乗り出たとか。法学部……? あれ、一課の連中だ。なに、最後の番号が杉本のだって?」「杉本は間違い電話だって言ってるがな。ナンパした女の子から貰った番号で、掛けてみたら男の声がしたんで騙されたと思ったと。まあ言ってる分におかしいところは……と、里見さんが間に入ってくれた。彼女の事務所で杉本は働くことになったぞ」「轟は二年前までスターリゾートという島めぐりツアーを主に企画する会社だね。全然違う業種だけど、轟はそこでは平社員だった。それが転職先ではいきなり企画部長? どういうこと? どういう経緯か調べてみようよ。ってあれ、それはカイトに任せて杉下さんどっか行っちゃったよ」「一課の連中は、轟の名刺に入っていた菅井という男に話を聞いてみる。電話しながらぶつかったので名刺渡したそうだが、それが杉本が電話した時刻。なんでも八時に公園でとかなんとか……あれ、遺体発見現場だ。間違い電話じゃなかったようだな。そんで杉本の方だが、浪人生だってのにあいつの部屋には参考書どころか辞書もない。そこで杉本の経歴を調べてみると、十歳の時に母親が家を飛び出し父親と二人暮らし、真面目に勉強して高校に入ったが一年生の二学期に突然中退し肉体労働の仕事をしながら現在に至る。法学部なんて嘘だった。そう言えば同情してくれると思いアルバイトのことも計算だったのか? もうちょっと詳しくこいつを当たるべきかな」「父親に会いに行きましたが絶縁状態で何も知らないみたいです。んじゃ部屋を拝見……おや、給与明細がありましたよ。三年くらい前の夏休みにバイトして八万円ほど貰ってますね。中退する直前ですか――。メディアステップの沼田社長は数年前スターリゾートを買収しましたが、二年前轟を企画部長にしたのは社長でした。適材適所だなんて言ってますがどうにもきな臭い。んで調べてみると、三年前スターリゾートの伊豆大島島めぐりツアーで悪天候による視界不良で岩礁に乗り上げる事故が発生、船長含む六人が死亡しています。で、その半年後平社員だった轟が企画部長としてメディアステップに……いよいよ怪しいですね。死亡したのは上田という船長と山本という若い夫婦、大学生の灰原、後は栗原という年輩の夫婦……あら、メディアステップ側の弁護士里見さんです」 「里見さんはその弁護でメディアステップ側の賠償金を最低限に抑え名声を得た。どうやら轟を知っているようだが隠しているな。なにか事故には裏があるのか? 事故死した上田の奥さんに話を聞いたが、どうも上田はその頃他の船長が退職したため仕事が増え酷く疲れていたらしい。とりあえず上田の携帯でも拝借……ん? 轟の写真だ。同期の友人だったそうだな。先日事故の慰霊祭が行われた時、轟が奥さんに何か言おうとして泣きだしたとか。何があったんだ?」「消去されていた上田から轟に送られたメールを復元したところ、仕事に疲れ果てて限界だとまるで遺書のような文面だった。退職した船長に代わって全てのしわ寄せを上田は受けていた。このことが公になればあれは事故でなく、乗客を巻き込んだ上田の無理心中の可能性が出てくる。そうすれば当然長時間労働を強いた社長の責任も問われるだろう。沼田は轟に沈黙してもらう代わりに昇進させたんだ。嫌な話だ。しかしこの事故と杉本はどう関係するのか。もう一度部屋に行ってみよう」「彼の部屋には旅行雑誌が。例のクルーズ船のところに〇と×2のメモが。バイトした金と旅行大は一致する。でも乗客名簿に杉本の名前はなかったから、誰かにプレゼントしたんだね。裏のマンションで中学から毎日通っていた、栗原という年輩のご夫婦が……って、事故の犠牲者じゃん。自分がプレゼントしたチケットで事故に遭遇し死亡なんてきっついだろうなあ……だけど先日の慰霊祭で、様子がおかしい轟に疑念を抱き接触した。そしてあの日、ナイフで脅して事故の真実を知る。その凶刃を……それじゃ、隠蔽に加担した里見さんを次のターゲットとして狙ってるのかな? 火事の時あそこにいたのは偶然じゃなかった? とにかく里見さんに連絡……え、杉本と一緒にどっか行った!? やばいよ早く探さな……杉下さん何してるの?」 「慰霊祭があった場所に里見さんを連れてきた杉本。復讐を……と思われたが、突然別の男が現れた。里見さんを殺そうとするがなんと杉本が庇う。そこに杉下さんたちが来て止めるが、その男は証言をした菅井だった。考えてみればこいつの証言は変だ。ぶつかっただけと言っておきながら詳細過ぎる。調べてみたら事故で死亡した山本夫妻の妻美香さんは菅井の娘だった。轟に疑念を抱き尾行していていた菅井は、轟と杉本の会話を盗み聞き、杉本が帰ったところの轟を刺し殺したんだ。事故で娘を失い妻も心を病んで亡くなったという菅井。復讐する気持ちわからんとは言わんが……根本的な部分を間違えてるんだよ」「弁護士事務所で働く傍ら杉本はあの事故の資料を調べ、裁判の詳細を知りました。そこには隠蔽を依頼したのは沼田であること、里見さんがそれに応じたのは、上田の疑惑が明るみに出ればスターリゾートは倒産、そうすれば遺族に賠償金を払うことが出来なくなるからです。その決断が正しかったかどうかは、未だにわからないそうですが。もう、復讐する気は無くなっていたのかもしれません。これから大変でしょうが、とにかく杉本が犯罪者にならなくてよかったです」
2014.03.17
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2014.03.16
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2014.03.15
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2014.03.14
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2014.03.13
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2014.03.12
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2014.03.11
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2014.03.10
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2014.03.09
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2014.03.08
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2014.03.07
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2014.03.06
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2014.03.05
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2014.03.04
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2014.03.03
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「花の里に盗聴器が仕掛けられていたと幸子さん。周辺をウロウロして盗聴器の電波を探っていた業者らしき方がいたので調べてもらったらカウンターの下に盗聴器があったと。お礼として一万円渡したって、これコンセントに仕込むタイプですよ? こりゃやられちゃったみたいですね」「いやぁ、そうじゃないみたいよ? 業者こと小曽根って人は、普段は電磁波の研究してるんだけど、探偵社から依頼されて高性能盗聴探知機を作り、実験のため街にいたんだって。そこを幸子さんに見つかって探してくれと頼みこまれちゃった。止むなくやってたら持ってた実験用の盗聴器を落として幸子さんが勘違いしたんだよ。そんでお金まで渡されてつい受け取っちゃった。さすがにまずいと返しに来たし、詐欺でも全然ないねこれ。あくる日、高級住宅街で小曽根さんがまた実験していると電波が……ん、悲鳴!?」「女性の悲鳴が聞こえて電波の発信源を探してみると、二十分くらいしたら男の声が。内容からするとどうやら旦那が死んでいるようだが、警察に通報は嫌だと言っている。解剖とかされたらまずいってどういうことだ? 思い余って警察に通報するが、警官が来たところその鍵谷という家の奥さんは知らないといい、家の中からは男の声が。夫か? それ聞いて警官はそのまま帰った」「課長の方は大忙し。違法薬物を売ってる売人がいるが、大きな組織がらみのようだからと気合が入ってる。そこで特命は小曽根さんに呼び出された。研究所の所長と言ってたが、一人でやってるみたいだな。奥さんと娘は母親の介護に実家に帰っている。元は大手の開発部門にいたが、今非接触電力伝送の開発をしているんだ。非接触電力伝送とはワイヤレス給電とも言われ、コードなしで電力を送るシステムだ。実用化されれば家電製品のコードが無くなったり携帯がバッテリー不要となったり有用性はすごい。もう少しで完成のようだが資金集めのために探知機なんか作ってたりするそうだ。で、その探知機で聞いたあの件について話をする。警官は夫の姿自体は見ていないよなあ……あれ、留守か? 隣にでも話を聞いてみるか……はい? 鍵谷が会社のデータを盗んだ?」「東西信販という会社に勤めていた鍵谷だが、その顧客データ、それも高額所得者千人分のデータが流出したという疑惑があり大騒ぎしてるんだが、それを流出させたのが鍵谷と言われている。ブラックマーケットに流せば一億円の価値があるというとんでもない代物だ。死んだというのはその鍵谷か? とにかく、留守ならば東西信販の方を調べてみるか」 「東西信販では鍵谷は疑惑が晴れるまで自宅謹慎処分。常務の大藤が言うにはデータを全て見れたのは彼だけだったそうで。しっかし仮に死んでるんだとしたらどうして警察に届けないんでしょう? 例えば、遺体に遺体以上の価値がある。と言ったって何のことやら――密輸みたく、宝石やら麻薬を胃の中に飲んでたり? まさか――あれ、小曽根が目の色変えましたよ」「奥さんから鍵谷の捜索願が出されたって。昨日の昼からいなくなったって言うけど、これだけじゃ普通は受理されない。でも何せ相手は流出疑惑の渦中の人物、自殺でもしてるんじゃないかと奥さんが言うもんだから所轄も受け取ったんだけど、それだけじゃ動けないから特命で調べよう。まずは自宅だけど……あったよ盗聴器。疑惑を受けてから誰かに監視されてるようだと鍵谷は言ってたらしいよ。しかし……盗聴器があったのなら遺体もあったはず。でも血痕らしきものはないね。失踪した鍵谷は普段会社に行く恰好でいなくなったそうだけど……ん? なんか小曽根さんがウロウロ嗅ぎまわってるみたい。もしかして流出したデータを狙ってるのかな? 一億する代物だしねえ。あ、奥さんが出かけた。ついていこう」「奥さんはレストランへ行ったんだが、小曽根もついてきた。どうも何か握っているようだなこいつは……んだ? いきなり血相変えて去っていったぞ。翌日、課長が探っていた組織がらみかもしれない密売事件、調べてみた結果はただの医学部の学生が覚醒剤盗んで住宅街の奥様方に売りさばいていたというしょうもない代物だった。スティックシュガーみたいな袋に詰めて高級住宅街で馬鹿売れしてたってんだか世も末だ――お? 何? 小曽根が意識不明で病院に担ぎ込まれた?」 「後頭部を殴られて気絶した状態で病院の前に捨てられていた。幸い命に別条はないらしい。妻娘が来たが、実は別居してたんだと。何でも会社で営業に飛ばされたのでどうしても開発を続けたかった小曽根は独立、しかしそのことで揉めてしまい実家に帰ったと。小曽根の奴、研究を成功させれば二人も戻って来てくれると思ったんだろうなあ。だから頑張ってきたが、資金が底をつき借金を抱え、こんな馬鹿な真似をしてしまった。……もしかしたら、小曽根はデータが鍵谷の遺体に隠されていると思い込んでしまったのかな。それで探してるうちに襲われた。問題はどこかということだが、奥さんを尾行した時にレストランであいつ血相変えて帰ったよな? ――あの場にもし、盗聴で聞いた男の声があったとしたらどうだ?」「無理やり令状を取ってその三沢という男のレストランを調べたが、遺体なんかないぞ? 侵入者の形跡があったから、小曽根がここに入ったのは間違いなさそうだが。それより、盗聴犯は大藤だとわかった。鍵谷の家を盗聴したりGPS探知機で追跡したりして探っていたようだ。――GPS? ちょっ、それ貸せ!」「奥さんが遺体を失踪に見せかけて捨てたとすれば携帯など荷物も捨てられたはずです。その電波を探知すれば山に埋められたとしても……はあ、ようやく見つけられましたね。で、その遺体には顧客データなんかなく、そもそも鍵谷はデータ持ち出しなんてしてませんでした。ほんの一部のデータを社員がメールに添付し外部に転送したのが騒動の発端だったそうで。じゃなんで隠したのかというと――」「死因は覚醒剤中毒。あの奥さん例の大学生から覚醒剤買ってたんだよ。で、それを留守中に鍵谷が砂糖と間違えてコーヒーに入れて飲んじゃった。警察に通報なんかしたら覚醒剤のことがバレて捕まっちゃう。だから自分に覚醒剤使わせた三沢に始末を手伝わせたってことね。こんなセレブ暮らししてて退屈で仕方ないって、嫌な女だねえ」「住居侵入に関しては処分保留で済みそうだ。そんで借金は妻が貯金はたいて返してくれた。帰って来てくれるってさ、いい人だ。研究成功してほしいもんだ」
2014.03.02
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「ある画家の弟子が、自分の作品を画家に盗作されてしまう。それを知った弟子は画家を傍にあった彫像で殴り殺してしまう――というのは、かつて人気俳優だった有村がロンドンで公演した『殺しのデッサン』の内容。ロンドンでその演技力を評価された有村が、日本でその舞台の凱旋公演を行うことになった。彼は五年前人気絶頂の折、失言でマスコミに叩かれてしまい逃げるようにロンドンに行った過去があった。なんでも初主演の舞台で観客は俺を見に来るんだなんて豪語したそうだが……叩くようなことか? こんなこと言う奴いくらでもいるだろ」「それが、山路という評論家に噛みつかれたんですよ。業界のご意見番、辛口評論家として有名で、そいつがボッロボロに有村を批難したので他のメディアもそれに乗っかる形でバッシングしたそうで。この舞台は彼にとって、復活を賭けたものなんでしょう。――あれ? 山路が殺されちゃいましたよ」 「死因は撲殺。魚の銅像でぶん殴られたんだって。痛そー。怨恨の線で捜査を進めてるけど――あれ? ここ書斎だよね? 整然とされてるというか、奇麗過ぎない? あらゆるジャンルで批評してるご意見番でしょ? もっと資料とか録画機器とかで埋まってないとおかしくない? しっかし書いたものはどれもこれも相手を徹底的に叩く安物のゴシップだったようで……ん? 大倉奈津、転落死?」「二年くらい前に自殺した若手女優だよ。あるドラマで主人公のライバル役に抜擢されたんだけど、それが親友の恋人を奪う役でさ、ドラマの役と現実の自分を一緒くたにされちゃって大バッシング。中傷記事を山のように書かれて自殺しちまったんだ。その火付け役も山路だったそうだが……にしても、この記事はホントは……」「山路が書いたものじゃないそうだ。そりゃ週刊誌ともなると締めきりが大変だし間に合わせる必要あるからな、全部書けるわけがない。誰か記者が適当に書いたものを山路の名前だけ載せてたんだと。あの書斎からして、ドラマも舞台もロクに見てないんだろうなあ。――おっと、一課が引っ張ってきたぞ。え? 奈津さんの父親?」 「二年前、下らない山路のデタラメ記事からバッシングは始まった。世間の悪意に火を付けて罪もない奈津さんを叩いていく。七十五日だと言っても女優になって日が浅かった彼女にそこまで耐えきれる力はなく、ついに飛び降りてしまう。父親の大倉さんからすれば山路は許せるわけがない。あの日山路の家に行き、言い争いになってるうちに殺したと認めた。確かに魚の、イトウのトロフィーで殴ったと証言した。イトウって……ああ、イトウという魚がいるのか。間違いなさそうだな」「しっかし、手近にあったもので殴ったって、あんな持ちづらいトロフィーで? あのトロフィーがあったところは大倉さんの体格ではちょっと辛いですよ。彼が犯人じゃないとすると誰かを庇ってることになりますが、いったい誰を? 大倉さんの奥さんはとっくの昔に病死してて他に家族はいませんし……あら? 奈津さんのノートに有村の恋人役のオーディションの記事が貼られています。八年前にこのオーディションに応募したんでしょうね。二人には接点があったのでしょうか」「有村の例の舞台の稽古にお邪魔した。あの画家を殺すシーンが……あれ? 彫像で殴り殺すシーンが毒殺することになってる。有村が突然変更させたそうだけどなんでわざわざそんなことしたんだろ。で、奈津さんのことだけど面識はなかったって。奈津さんが売れてる時期は有村もう日本にいなかったからね。二人が面識ないとしたら庇う理由はないし……はて、現場から見つかったものが……夜光テープ? 舞台で役者の立ち位置などを示すのに貼るって。もし稽古中有村の衣服にくっついたものが剥がれ落ちたのだとすれば――」 「イトウってのは幻の魚って呼ばれてる珍しいもので、普通の人は存在自体知らない。ましてや銅像の姿でイトウだと大倉さんに断言できるわけがない。銅像には下に山路が入っていた釣り愛好家の団体名であるHOT1という文字が書かれていた。それを鏡写しで読むとITOHと読める。つまり大倉さんが殺したのではなく、山路殺害のシーンを鏡越しに目撃したんだよ。現場は書斎から鏡越しに見れる場所にあったからな。さて、では実際に銅像で殴った犯人とは……」「有村が突然演出を変えた理由――もしかして、実際に人を殴り殺してしまったからか? だとしたら演技でも殴るなんて無理に決まってる。そこまで有村も苦しんだろう。心ないバッシングのせいで日本から追い出され、ロンドンで必死に努力して認められての日本公演。復帰のかかった舞台だが……悪いが、立たせるわけにはいかない」「殺すつもりはなかった。ただ見返してやるために舞台を見に来てくれと言いに行ったのだが、山路は有村のことなんか覚えていなかった。山路からすれば週刊誌に名前だけ貸した記事になんか責任持てなかったんだろうが、いい加減な記事で人生狂わされた有村からすればたまったものじゃない。激情のあまり殺してしまったんだ。有村が訪れる直前に謝罪記事を書かせようと来ていた大倉さんだが、有村が来たので書斎に引っ込まされたところで事件を目撃したのだ。現場の有村の指紋などを消したのは大倉さんだった。しかしどうして面識もないのに庇うようなことをしたのか?」「有村が来なかったら自分が殺してたから、だそうです。当然のように謝罪記事は断られましたからね。それにそんな記事書かせてもどうしようもない。それより自分が山路殺しの犯人として捕まれば娘を殺した異常なこの社会に訴えかけることが出来る。今度は山路が、ゴシップのネタとして叩かれることになると。そして実際にその通りになりましたが――こいつらと奈津さんを死に追い込んだ連中とどう違うの言うのでしょう。結局、世間に笑いのネタを提供しただけに過ぎないですよね。……本当に、有村と奈津さんは繋がりなかったんでしょうか」「うん、確かに接点はなかった、なかったけど……有村が元人気俳優だって忘れちゃいけない。奈津さんが女優を目指したのは、有村に憧れて彼と共演したかったからなんだ。娘の夢の象徴である有村だけでも救いたかったんだろうけど……虚しい話だね」
2014.03.01
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