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「友達がいつ死んでもええわ‥というけれど、私はちっともそう思わない。
死んだってええことあらしません。生きとってこそええことがある。」
97歳のお婆さんが、インタビューされたことに、答えたものである。
これは「所さん!大変ですよ」という番組で、
「夫婦あわせて201歳」というサブタイトルの夫婦の、
奥さんが答えたものだ。
奥さんが97歳なので、夫は104歳ということになるのだが、これが滅茶苦茶しっかりとした男性なのだ。
どう見ても80歳前後にしか見えない男性で、104歳という答えに辿り着けないだろう見た目の人である。
奥さんのほうは腰が曲がっていることから、
腰が悪いだろうことは見た目で分かる。
実際は足のほうも悪いようだ。
それに対して旦那さんは、見た目では悪いところが判断できない。
どうやら耳が遠いということが、映像から分かってくるが、
それ以外はどこも悪いところが無いということだ。
但し、電動の三輪の乗り物に乗ってお出かけすることがあるので、長時間歩くのは難しいようである。
でもでも‥97歳と104歳ですよ!‥信じられない若々しさだ。
生命力が抜群に強いだろうと思う。
冒頭で奥さんの言った言葉からも、その生命力の強さを感じさせる。
私もこの奥さんの言う言葉には、大賛成だ。何歳になったからといって、もう充分生きたということにはならない。
「いつ死んでもいい」という人の気持ちのほうが、私としても、全く理解できない人間である。
二人の日常を収録したものを持って、専門の先生のところへ行く。そこから分かってくるものは、何だろうか?
大阪大学大学院、人間科学研究科の権藤教授。彼は心理学専門で、2000人の高齢者を調査している教授だという。
教授は映像を見て、幸せポイントを4つ導き出した。一つ目は104歳の旦那さんの釣りをする姿だった。
教授曰く、100歳を過ぎた人で釣りをする人を、いままで一度も見たことがないという。‥全く同感だ。
幸せポイントは釣りをしていることではない。
釣った魚をみて、奥さんの喜ぶ様子を思い浮かべたからである。
この相手を思い行動することが、幸せのポイントだと言うのである。
幸せポイントの二つ目は、家の中で鳴った電話を取った時の映像。
耳の悪い旦那さんの座っているほうに電話は有るのだが、
鳴った音は聞こえているようだった。
なので、電話に近い旦那さんのほうが受話器をとる。
その受話器をそのまま奥さんに渡した。
電話が鳴る音は聞こえるが、話しの内容ははっきり聞こえないらしい。
奥さんは受話器を受け取って、相手と会話をする。
そして、聞いた内容を電話を切らずにその場で旦那さんに伝える。
旦那さんが疎外感を感じないような配慮のようだ。
耳の悪い旦那さんの為に、奥さんがフォローする。
そして足腰の悪い奥さんのために台所に立って料理をする旦那さんは、
奥さんの体の悪い部分をフォローしている。
相手をありのままに受け入れて、そしてフォローに回る。これが2番目の幸せポイントである。
三つ目は夕食の風景‥教授はここにダブル幸せポイントが有るという。
「食事が美味しい」と旦那に伝える奥さんは、
その言葉で、旦那さんを幸福にする。
それは同時に、ポジティブな言葉を口にした奥さんにも、
幸せな気持ちが訪れる‥なので、ダブル幸せポイントになるわけだ。
感謝の気持ちを言う行為は、お互いに幸せを呼ぶことになる。
四つ目は、夫婦で週一回デイサービスに行った時の映像からだ。それは、二人がデイサービスでカラオケをしている時の映像だった。
旦那さんが歌う最初の出だしが、どうやらあまり聞こえていないらしい。その時奥さんが袖を引っ張り、歌の歌い出しの合図をしたのである。
お互いの弱いところを補い合い高め合っていることで、幸福感を得ているというのである。
この番組の冒頭で、旦那さんは家の周りのマスカットに水やりをしていた。
このマスカット、100歳から栽培を始めて、
最初の2年間は実らなかったというが、その執念は実ったわけである。
100歳から新しいことを始める?そして実らなくても諦めない。次の年に期待する‥駄目ならその次の年に期待する‥100歳で?
こういう生きることへの根性と、夫婦二人が寄り添って生きるという、
生命力と幸福感が、長生きの秘訣になるようだ。
二人の生き様から学ぶことが多いように、私は思う。