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昨日も忙しくて日記を書く暇がありませんでした。夜は飲み会で酔っ払って寝てしまいました。
午前中は手術をしていました。41歳の女性です。初めての乳癌検診でこんなマンモグラフィーが撮れました。カワイ外科に来た方です。
上がMLO、下がCCです。カテゴリー3をつけました。何処がおかしいか判りますか
MLOのこの部分にはっきり境界が追えないので、腫瘤とは言えませんが、FAD(局所的非対称性陰影)があり、カテゴリー3としました。CCでは外れているのか写っていません。本人はもちろん腫瘤には気がついていません。
私のマツタケも触診で見つける指はかすかな抵抗を見逃しませんでした。乳癌検診はマンモグラフィーと触診までですので、そこで検診の結果を説明します。「あなたの検診結果は要精検となります。マンモグラフィーでここに所見があり、触診でもその部分に腫瘤の疑いがあります。何処かで精密検査を受けて下さい。当院で引き続き精密検査をすることもできます。」すると、「それではお願いします。」というので、検診から保険診療に切り替えて、エコーを行いました。7mmくらいの腫瘤が描出されましたので、すぐに細胞診を行い2週間後に結果を聴きに来てもらいました。やはり思った通り、細胞診で乳癌の細胞が出ました。
「あなたは運がよいですよ。こんな小さな段階で乳癌が見つかるとはこの大きさなら、入院せずに局所麻酔で十分温存手術出来ますよ。何処かでまず手術を受けて下さい。その後に放射線治療が必要になります。市民病院で予約して、私が手術することもできます。」と話すと、「それではお願いします。」というので、その場で市民病院の手術室に電話をして、予約をしました。局所麻酔の外来手術ですから、まったく市民病院に受診することなく、当日行くだけです。
手術は通常の温存手術です。まず切開を加える部分に局所麻酔をした後、乳輪の皮下に色素を注射します。右側です。
そして、右腋窩に約3cmの切開を加え、色素でわずかに染まったセンチネルリンパ節を1個採り、術中迅速組織検査に出しました。今日はたまたま病理の先生が来ている時間でしたので、診てもらえます。みえない時には自分で顕微鏡で診て診断します。筋鈎をひいているのは可愛い弟子ですよ。
結果が出るまでに原発巣を腫瘤から5mmほど離して乳腺部分切除しました。
採った組織を軟線撮影したものです。少し白くなったところが癌です。マージンが十分とれていることを確認します。
創は原発巣の上と腋窩の2か所に各3cmくらいです。吸収糸を使って、埋没縫合で縫いますので、明日カワイ外科に一度創を診せにきてもらって、それで処置はいらなくなります。
終わるころに病理の結果の連絡がありました。センチネルリンパ節転移はありませんでした。リンパ節の郭清は省略します。全部で2時間もかからない手術でした。
これくらいの段階で見つかると本当に楽で、確実に治すことができます。後は外来で放射線治療を行い、ホルモンレセプターの結果でホルモン療法剤を内服してもらうだけです。抗がん剤治療もまず必要ないでしょう。
これがドクターTの局麻外来乳癌手術です。1cm以下の小さな乳癌は十分局所麻酔の手術ですることができます。
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