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2020年05月24日

『震災列島』5月の読書(8)

テーマ：大地震(22)

カテゴリ：読書

『震災列島』
著者　石黒耀

時に世は神の前に乱れて、暴虐が地に満ちた。
神が地を見られると、それは乱れていた。
すべての人が地の上でその道を乱したからである。
そこで神はノアに言われた。
「わたしは、すべての人を絶やそうと決心した」
旧約聖書　創世記第六章

　名古屋市潮見区上汐町の海抜〇メートル地帯に住むで明石真人は、地質会社を営んでいた。
　娘の仇を討つことを誓った真人は、想定東海地震と東南海地震の連動発生を予測。
地震による大津波を利用して、復讐計画を練り上げる。

　そして数ヵ月後、ついに東海地震が発生。

　浜岡原発の炉心融解を目前に、仇を一網打尽にする復讐劇の幕が開く。

　最新の研究データに基づく大災害シミュレーション小説。

　次の大地震は分からないが、歴史東海地震は3月から7月には発生していないとは驚いた。

目　次

プロローグ

第一章　警報

第二章　策謀

第三章　戦雲

第四章　敵陣

第五章　迷走

第六章　安息日

第七章　奇襲

第八章　衝撃

第九章　特攻

第十章　反攻計画

第十一章　東海地震戦争

第十二章　テロリスト

第十三章　破壊工作

第十四章　地下要塞

第十五章　開戦前夜

第十六章　出撃

第十七章　潰乱

第十八章　開戦

第十九章　決戦

エピローグ

P83
　早川は慎重に受話器を置き、大きく溜め息をついた。「起こると分かっている事態に備えるんなら、誰にもできますって」
P224
　日本には世界で起こるマグニチュード六以上の地震の十パーセントが発生しているが、一九九四年以降に限れば、実に二十一パーセントである。国土面積が僅か〇・一パーセントの国に二十一パーセントというのは尋常ではない。
P345
　それで良いのだ。大地に畏れを抱き、地球の声に耳を澄まして生活するのが、地変国・日本に生きる者の正しい暮らし方なのである。日本人は、ようやくそれを思い出したのだ。
　　　　　