型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2022.06.13
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カテゴリ: 音楽のプロ
嘗て介護施設や老人ホームによく呼ばれて演奏に行きました。
鍵盤楽器を含む演奏を主としてしていたために、
いつも気がかりだったのは現場にある鍵盤楽器の状態でした。
実際に8割以上の現場において調律や椅子など行き届かない状態でした。

事前にピアノの調律について主催者に訊いても、
行ってみたら酷い調律状態だったということもよくありました。
そこで、こちらから予算を捻出して事前に調律を行ったこともありました。
調律しなくても平気なのは主催者側であっても聴衆ではありません。

人によって年齢と共に聴力が弱くなることはあっても、

調律が合っていないことをわかる人にとって長時間聴くのは気の毒です。
音に対する感性は年齢によって変わるものではなく人それぞれです。

調律や音が合っていないアンサンブルをどう感じるかも個人差があります。
人によっては、音楽がないことを好み喧騒を嫌います。
主催者が調律費を捻出できない事情は理解できますがピアノの状態にもよります。
どんなに腕の立つソリストがいてもピアノの音と合わなければ台無しです。

編成が室内楽であれば本来はコンサートホールでの演奏が望ましいのは否めません。
コロナ禍前はアトリウムやロビーでの演奏も当たり前になりました。
ホールとは異なり空間が広く反響板がなく天井が高いのが常です。
多くの場所ではピアノを使う場合はマイクを使わなければ音が前に出ません。

ピアノの音は上に上がり、他の楽器は前に出るため音の方向が異なります。

ピアノが聴こえないと音楽のコンテクストが伝わらないことがあります。
人は聴いたことのある曲では想像力が働きますが、そうでない曲は伝わりません。

また、アトリウムやロビーは概して響きすぎで細部が聴こえにくくモヤモヤします。
金管楽器やサックスなど音が大きな楽器とピアノの曲では、
ピアノパートに繊細さは求められず、分厚い和音が中心で音数が多くなります。



「作曲を教えるとはどう言うことか」「教えられるのか」と尋ねる人がいます。
作曲においてもっとも重要なことは現実的な楽器編成を考えることです。
最近は演奏者側の嗜好で同属楽器のアンサンブルが多いですが、何と言っても、
和声的充足感を求めるには4重奏にするか、ピアノを入れる必要があります。

しかし、音の大きい楽器が2本とピアノの編成はそもそも成立しづらいです。
金管楽器やサックスが2本以上で  を出すとピアノは被られほぼ聴こえないからです。
聴こえたとしてもピアノが  ff で 分厚い和音を奏した時で繊細さは表現できません。
ヴァイオリンソロや歌、木管楽器を伴奏する場合はピアノも繊細さを表現できます。


今流行りのストリートピアノは音響、調律のいずれにおいても問題が多く、
弾いている本人は自己満足できますが、周りにいる聴衆は人によってそれぞれです。

音響から言えば、繊細な表現は向かず大音量で演奏するしかありません。
ピアノの音を聴くだけで満足する人もいると思いますが、自分にとっては騒音です。

ストリートピアノとは鑑賞するものではなくテンションの共有、または雰囲気つくりです。
しかし、聴き手のことよりも弾き手の主観が出過ぎていて公共の場で行うのは疑問です。
また、パフォーマンスを完結するにはライヴよりも動画・編集が好ましく、
YouTubeなどにアップされることによって存在感が出ると言えます。

フラッシュモブもそうであったように、ライヴよりも動画にすることによって、
絵画や写真で言うフレームを時間枠に置き換え、ストーリーが明確になります。
さらに性能の良いマイクによって音を拾えばバランスを整えることもできます。
テレビや動画にはライブでは考えられないような編成やバランスが散見しますが、
ライブと動画は明らかに趣旨が別物であり、混同して考えてはいけないのです。





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最終更新日  2022.06.13 01:19:04
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