能登の手染め日記

能登の手染め日記

Nov 28, 2019
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カテゴリ: 染色
《4》重ね染め
前回のアルミ媒染で染めた木綿ハンカチに、ウルシの染めと鉄媒染を重ねます。染め重ねる場合は前回染めた色より『同じ濃度かそれ以上に濃い色』を使うと、無地でも絞りでも濃く染まります。前回より薄い色を染め重ねると、染まっている色を吐き出す場合や染めムラが出ることもあるので注意が必要です。

◆重ね染めの工程
1回目の工程(①媒染②染め③媒染④染め)→乾燥
2回目の工程 ⑤は染からでも鉄媒染から始めても、どちらでも良い
⑥以降も染めと媒染を交互に行う→水洗い→絞りを解く→最後は中性洗剤で洗う

ウルシの染めと鉄媒染を合計6回~8回ほど重ねることによって、色自体の堅牢度が上がります。好みの色になったら終了です。重ねた色の差が無くなったり、色が鈍くなる前に終わります。

2回目の鉄媒染の色は染めで80℃以上の熱を合計で30分以上かけると良いです。色味は染める人の好みで終わって良いと思います。この色の組み合わせは、アルミ媒染の黄色の耐光堅牢度が弱いので、薄まる場合があることを前提にします。

木綿ハンカチの重ね染め



1回目の染め  +  2回目の模様を染め重ねる  →  1回目とと2回目の染め重ね模様

◆絹ストールのウルシ重ね染め

上①白生地に(白い部分)ビニールのヒモで絞り防染→黄色を染めて②黄色部分にヒモ絞りで防染→ウルシの染めに鉄媒染。絹の重ね染めは抹茶色になります。緑味部分が美しいので無地でも好評でした。このように、光に弱いアルミ媒染の黄色を下色として染めて、その上に鉄媒染を重ねると、抹茶色~深緑。

左2色、絹にウルシ染め、銅媒染の色。右から2番目はチタン媒染に銅媒染を重ねた色。 右端はアルミ媒染に銅媒染を重ねた色。ウルシのチタン媒染は赤みのベージュ。これも堅牢度が低いので、その上に銅媒染でウルシを染め重ねて金茶色から赤褐色を染める。重厚な赤味があって美しい!

こうした染め重ねた色も耐光堅牢度は良く、『手間を惜しまない人だけが手に入れられる色』と言えます。

次回は「何故30分も80度以上で染めるのか?」など幾つかの質問について考えます。

ウルシチップが手に入らない場合・・・ウルシチップの作成と販売も行っています。先ず試し染めをしてみたい方はチップ200g送料込み1,100円で販売しています。ご希望の方はshigunaru16@gmail.comまで。染め方のプリントも同封します。チップ200gで繊維200g以上染めることが出来ます。

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Last updated  Nov 29, 2019 10:40:55 PM
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