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鑑賞日:2011年9月25日(日)15:00開演入場料:\12,000 3階(C13列)【主催】(財)日本舞台芸術振興会/ 日本経済新聞社バイエルン国立歌劇場来日公演R.ワーグナーニ作曲 歌劇「ローエングリーン」(ドイツ語/字幕付,全3幕)会場:NHKホール指 揮:ケント・ナガノ演 出:リチャード・ジョーンズ合 唱:バイエルン国立歌劇場合唱団管弦楽:バイエルン国立管弦楽団 出 演 ハインリッヒ王:クリスティン・ジークムントソンローエングリン:ヨハン・ボータエルザ :エミリー・マギーテルラムント伯爵:エフゲニー・ニキーチンオルトルート :ワルトラウト・マイヤー王の伝令 :マーティン・ガントナー 感 想 NHK-BSで昨年観たMET「トスカ」以来、ぜひカウフマンの生の声を聞きたいとチケットを入手したが、手術を理由にキャンセル。先のMET来日公演にも来なかったので予想していたが・・・。代役はヘンデンテノールの一人であるヨハン・ボータが早々に決まり、「100人来日拒否」の新聞記事も出たが、ドイツ歌劇場によるワーグナー演奏を楽しみにNHKホールへ出かけた。 開場の15時30分に合わせて到着したが、実際の開場は15分早めていたようで。ロビーはドイツ国旗色の布で飾られ、トランペットのファンファーレも行われ華やかな気分に。 座席に着くと既に幕が開いており、舞台中央に製図板に向かう一人の人物が立っている(その後の演出からはエルザと思われる)。 ベルの後客席が暗くなり、チューニングの後、前奏曲が直ぐに始まる(指揮者は事前にオケピットに入って待っていたようで)。長い長いクレッシェンドで盛り上がるが、金管が爆発音にならないのは、全体を通じた演奏でも同様。 前奏曲が終わると舞台上部から左右に扉が付いた壁が降りてくる。舞台上手にはプール監視員やテニスの審判が使う様な高椅子に王の伝令が座り歌いだすと前のカメラにより舞台上部2つの丸いスクリーンに白黒で顔が写し出される。TV放送のイメージ? 途中で壁が上がると、レンガが積まれ家を立てているシーンとなる。この後も同様で進むに従って家の建築が進み、3幕で完成。そしてエルザが素性を問い詰め二人の生活が終わった場面で火が付けられる(と言っても、箱と、手前の床部分が少し燃える程度)。 プログラムによればエルザが夢見る『愛する家族と穏やかに暮らす愛の巣』が家として象徴されているとのことだが、現実的過ぎて今一ピンと来ない印象。 本日が「ローエングリーン」来日初日だったためか、2幕で伝令がカメラに映らない等トラブルが見られたが次回は良くなるでしょう。 歌手は総じて良かった。代役のローエングリン役ヨハン・ボータはよく通る高音で5分以上と長いため省略されることが多い3幕「グラール語り」も最後まできっちりと歌えていたのは流石。ただドラム缶の様な容姿のため、1幕で「白鳥に乗った美しい姿」と歌われた後の登場ではどうしても違和感が(プログラムに写真が掲載されているカウフマンならピッタリなのですが)。 女性陣二人も声質が役に合っており演技含め良かった。 特に代役となったテルラムント伯爵役エフゲニー・ニキーチンと王の伝令役マーティン・ガントナーの声が素晴らしかった。エフゲニー・ニキーチンは来年「さまよえるオランダ人」タイトルロールでバイロイトへ出演とのことで、来年3月の新国立劇場のチケットも購入。 合唱は、1、2幕ではばらついて聞こえていたが、3幕最後は素晴らしい音量と迫力。これは3幕最後が壁の前での歌唱で壁が反響板となったためで、1、2幕は舞台上部、奥に反響した音が聞こえ、ずれたように聞こえたと推定され、ホールの構造上の問題でしょう。 オーケストラは、終始途切れることなく、最後まで細かい音楽表現が出来ていたと思う。特に3幕の王登場の場面でのトランペットのファンファーレは、上手テラス4人、下手2人のバンダで華やかで良かった。 今回のバイエルン公演は「ナクソス島のアリアドネ」も購入済みで、こちらは演出がロバート・カーセンで主な出演者も変更ないため、今から楽しみ。End
2011.09.25
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鑑賞日:2011年9月9日(金)18:30開演入場料:\6,000 4階(L7列)【主催】(財)日本オペラ振興会藤原歌劇団公演ロッシーニ作曲 歌劇「セビリャの理髪師」(全2幕イタリア語/字幕付)会場:新国立劇場オペラパレス公演監督:岡山廣幸指 揮:アルベルト・ゼッダ演 出:松本 重孝合 唱:藤原歌劇団合唱部管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 出 演 アルマヴィーヴァ伯爵:アントニーノ・シラグーザロジーナ:高橋 薫子フィガロ:谷 友博バルトロ:三浦 克次ドン・バジーリオ:彭 康亮ベルタ :牧野 真由美フィオレッロ:押川 浩士隊 長 :羽渕 浩樹 感 想 9月に入っても来日キャンセルが続いているようで、フローレンス、カウフマンも来ない。ボローニャは直前なので代役を立てるの大変だろう。 約1年前にシラグーザと高橋薫子、指揮がゼッダとの案内を見てからずっと楽しみしていた公演。日本オペラ振興会のHPで音楽練習の様子が伝えられシラグーザやゼッダが来日していることを確認し一安心。 ウィークディだがどうにか仕事を調整し、開演前に東京・初台へ。 オケピットにはチェンバロでなくフォルトピアノが置かれ、岡山廣幸公演監督の事前説明で、今回はより当時の音を再現すべく、フォルテピアノにしたとのこと。 開演時間、場内が暗くなりチューニングの後、ゼッダ登場。指揮者譜面台には楽譜はなく、全曲暗譜で序曲がスタート。 小気味よいテンポに強弱が付けられ、気分が高まってくる。 幕が開くと、舞台上は白っぽい板台で高くなっており、その中央に噴水が設置。両サイドは建物の壁になっている。 街の楽士達の合唱に続いて伯爵役シラグーザ登場し「空はほほえみ」のアリア。けして強くは歌っていないが十分に聞こえる。これを聞けただけでも元が取れた気分に。 続いてフィガロ役谷友博が「街の何でも屋」を歌うが、こちらは重くやたらでかい声。楽しく歌う場面でもあり、もっと軽い声の方が良いのでは。 そしてシラグーザがギター片手にアリア「私の名を知りたければ」を歌うのだが、更に声はPになっているが、4階席まで飛んで来る。一目惚れのロジーナへの想いが伝わってくる。 間奏の間斜幕が降り、斜幕が上がると、噴水の代わりに椅子や机等が置かれバルトロ家のサロンへ早変わり。無駄な間が無く、音楽が連続で流れ緊張感が持続出来ており良い演出。 ロジーナ役高橋薫子が「今の歌声は」を歌うが、細かい装飾音符も丁寧に歌い流石。高音部では鼓膜が震えた。こちらも窓から見えた若者を想う若い女性の想いが表情含め伝わってくる。 そして1幕フィナーレの6重唱は、バランス良く楽しい。 2幕もシラグーザと高橋薫子の歌声に引き込まれどんどん進んでいく。ベルタ役牧野真由美のアリアも良かった。 2幕フィナーレ伯爵「逆らうのはやめろ」はシラグーザの美声爆発で、ブラボーの歓声と拍手が数分間鳴り止まず(残念ながらアンコールは無かったですが)。 フィナーレでは男性合唱含め全員で歌う中、女性は二人だけだが、十分に聞こえて来た。 カーテンコールも何度も繰り返され、特にシラグーザへの拍手が盛大。 やはり主役歌手が揃うと、オペラブッファは更に楽しい。時計を見たら既に22時近くで3時間近い公演にも係わらず、あっという間に終わってしまった印象。 オケもテンポが緩まず、盛り上がりもバランス良く、いつもの東フィルとは思えない演奏。指揮者の功績も大きかったのでしょう。 劇場がはけて、帰る観客も皆さん笑顔。やっぱり劇場に出掛けないと素晴らしい音楽は感じられないことを改めて認識出来た。End
2011.09.09
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