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鑑賞日:2011年10月29日(土)13:30開演入場料:¥2,000 2階(L1列)【主催】(財)愛知県文化振興事業団/ 愛知芸術文化センターaafコンサートシリーズ音の楽園“The Three by One” vol.2part1 シェイクスピアとオペラ会場:愛知県芸術劇場コンサートホール出演:ソプラノ:中嶋彰子テノール:樋口達哉ピアノ、ナビゲーター:服部容子曲目:ヴェルディ)オペラ『マクベス』より“ああ、父の手は”(マクダフ)“消えてしまえ、呪わしいこの染みよ”( マクベス夫人)ヴェルディ)オペラ『ファルスタッフ』より“喜びの歌は愛しい人の唇から出て”(ファントン)ヴェルディ)オペラ『オテロ』より「柳の歌」(デズデモーナ) ~休憩~グノー)オペラ『ロメオとジュリエット』より“ああ、陽よ昇れ!”(ロメオ)“おお、神聖な夜”(二重唱)プロコフィエフ)『ロメオとジュリエット』ピアノのための10の小品より 第4曲「少女ジュリエット」 第6曲「モンタギュー家とキャプレット家」ニコライ)オペラ『ウィンザーの陽気な女房たち』より“さぁ早くここに”(フルート夫人)バーンスタイン)『ウエスト・サイド・ストーリー』より“マリア”(トニー)“トゥナイト”(トニー、マリア) ~アンコール~レハール)オペレッタ『メリー・ウィドウ』より“唇を閉じて”(二重唱)感想: 人気がある歌手が揃い、料金も手頃なので、ホール見学を兼ねて秋晴れの中、栄まで出かけた。 今回の「aaf音の楽園」は来年3月「マクベス」(演奏会形式)に向けての3回シリーズで、本日はPart1「シェイクスピアとオペラ」と題して、オペラのアリア中心の選曲。 まずは樋口達哉と服部容子が登場し、1曲目マクベスから“ああ、父の手は”を熱唱。 ここで服部容子のナレーションでシェイクスピアとマクベスの紹介があり、ピアノの前奏の後に中嶋彰子が登場し、“消えてしまえ、呪わしいこの染みよ”を歌うのだが、ピアノ伴奏が素晴らしく、客席は息を潜めた状態となり、舞台上は狂乱の場面となった。 中嶋彰子の声はドラマチコではなくリリコなのだが、けして軽く感じることなく、情緒たっぷりで凄みを感じさせる歌声。続く「オテロ」の“柳の歌”も素晴らしく、鼓膜が震えた。 前半はヴェルディのイタリア語でまとめ、後半はグノーのフランス語、ピアノ演奏を挟んでドイツ語、そしてバーンスタインの米語と世界一周、バラエティに富んだ構成で楽しむことが出来た。 歌手も交互に歌い、途中で休憩、ピアノ演奏が入り、十分に喉を休めることが出来、万全の歌声が聞けたのでしょう。この当たりもよく配慮されている。 一番素晴らしかったのは、服部容子のピアノであり、コレペティトゥアやプロンプターをしているだけあって、オペラの曲の内容に詳しく、歌手との息もピッタリで、オペラの場面が目の前に浮かんでくるような演奏だった。 ホールの響きも良く、料金の2倍以上は楽しめた印象。 一つ残念だったのは、演奏中に携帯電話の着信音が2、3回鳴ったこと。特に2曲目の前奏で曲が盛り上がって、暗闇から登場した中嶋彰子がさあ歌うぞと思った瞬間に携帯着信メロディがホールに鳴り響き、それまで作り上げた緊張感がぶち壊しに・・・。 Part2は来年1/21「オペラと魔女」と題し、清水華澄が登場とのことで、思わず帰りがけにチケットを確保。今から楽しみである。End
2011.10.29
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鑑賞日:2011年10月10日(月・祝)15:00開演入場料:¥12,000 5階(R2列)【主催】(財)日本舞台芸術振興会 日本経済新聞社バイエルン国立歌劇場来日公演R.シュトラウス作曲 歌劇「ナクソス島のアリアドネ」(ドイツ語/字幕付,プロローグ付1幕)会場:東京文化会館大ホール指 揮:ケント・ナガノ演 出:ロバート・カーセン管弦楽:バイエルン国立管弦楽団 出 演 執事長:ヨハネス・クラマ 音楽教師:マーティン・ガントナー 作曲家:アリス・クート バッカス/テノール歌手:ロバート・ディーン・スミス 士官:ケネス・ロバーソン 舞踊教師:トーマス・ブロンデル かつら師:ペーター・マザラン 下僕:タレク・ナズミ ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー アリアドネ/プリマドンナ:アドリエンヌ・ピエチョンカ ハルレキン:ニコライ・ボルチェフ スカラムッチョ:ウルリヒ・レス トルファディン:スティーヴン・ヒュームズ ブリゲッラ:ジェフリー・ベーレンス 水の精:中村恵理 木の精:オッカ・フォン・ダメラウ 山びこ:アンナ・ヴィロフランスキー 感 想 バイエルン歌劇場も本日が来日最終公演に当たり、カーセンの演出とR.シュトラウスの音楽を楽しみに薄曇りの秋天の中、上野まで出掛けた。 開演の10分前になり幕が開き、舞台上は、黒い床の上に3方向鏡とバレエ練習バーに囲まれ、ラップトップのピアノに合わせてダンサー達がレッスンを始めている。 開演のアナウンスやチャイムが入り、講師の開け声と共に序曲がスタート。この時点で観客は既にプロローグの舞台準備場面に引き入れられおり、上手い演出だ。 序曲が終わると、客電がついて客席側から執事長が登場。舞台上は鏡がバラバラに置かれ、その間を縫って、順番に出演者が登場。 場面毎に客電が明るくなってホール全体が使われ、観客がそのままオペラの中に参加している気分にさせるところも上手い。 作曲家役アリス・クートが良く通るソプラノで素晴らしい。オペラと喜劇を同時上演することになり、衣装ハンガーが出てきて出演者達は衣装を投げながら着替え始め、プロローグは幕。 舞台に残った作曲家はオケピット前に座り、1幕オペラを観ているとの位置づけ。幕が上がると左右、奥、床も黒になり、アリアドネが登場。妖精が登場し励ます3重唱が良い。ツェルビネッタ役ダニエラ・ファリーが登場し道化達と歌い始めると、舞台は一変に華やかに。黒の衣装だが、ピアノから取り出して履いた赤いハイヒールが色っぽい。そしてコロラトゥーラが入ったアリアを歌い上げるが、大きくはないがよく通る響きのある声で道化達を誘惑。容姿、演技含め、客席(特に男性)の方も全て虜にしたようで。 ツェルビネッタ達が去ると、舞台奥が開き白い光が差し込み、バッカス登場。妖精たちはオケピットで歌い、舞台上はアリアドネと2人だけになり、2重唱となると奥面が白幕となって後ろからライトが眩しく光り愛が蘇って神の世界に誘われ幕。アリアドネ役アドリエンヌ・ピエチョンカは美しいソプラノの声で神々しい印象となった。 休憩無しの正味2時間の公演だったが一度も退屈、緩むことなく、R.シュトラウスの音楽に浸ることが出来た。 歌手は主役だけでなく全てが揃っており、役との印象もピッタリで声量も十分。 管弦楽はオケピットにピアノ、オルガン2台が入り、少ないかと思ったが大音量で聞こえて来る。強弱、うねりがあり、歌ともピッタリでR.シュトラウスの華麗な音楽を十分表現出来ていたと思う。指揮者の功績も大きいのでしょう。 本日が来日千秋楽公演だったため、カーテンコールでは「成功おめでとう」、「ありがとうございました」の看板が降りてきて、「友好関係がつづきますように」との横断幕が掲げられ、オケメンバーも舞台に登場し、盛大な拍手を受けていた。 演出、歌手、管弦楽が全て揃ってのオペラとなり、R.シュトラウスはドイツの劇場公演で聴くものだと、改めて思った公演だった。End
2011.10.11
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鑑賞日:2011年10月1日(土)17:30開演入場料:7,000円 3階(4列)【主催】(社)名古屋二期会 (財)愛知県文化振興事業団 愛知芸術文化センター名古屋二期会2011年度オペラ定期公演愛知県文化振興事業団第291回公演オッフェンバック作曲喜歌劇「天国と地獄」(日本語公演、全四幕)会場:愛知県芸術劇場大ホール 指 揮:曽我大介演 出:たかべしげこ管弦楽:名古屋二期会オペラ管弦楽団合 唱:名古屋二期会合唱団バレエ:三代真史ジャズ舞踊団バンダ:愛知県立旭野高等学校音楽部 出 演 ユーリディス(オルフェウスの妻):水谷 映美オルフェウス(音楽院長):鈴木 俊也ジュピター(神々の王):奥村 晃平プルート(アリステウスに化けている):西本 佑世間(一般世間):矢内 淑子ジュノン(ジュピターの妻):今橋 満里子キューピット(恋の神):北野 実果ダイアナ(狩猟の女神):大久保 幽香ヴィーナス(愛と美の神):安藤 岐恵モルフェウス(眠りの神):伊藤 沙織里マルス(軍神):堀内 紀長マーキュリー(神々の使い):森口 紀代美ハンス・スティックス(元アルカディアの王子):灰塚 弘バッカス(酒の神):水谷 和樹ポリスマン:鬼頭 愛、野網 ともみ、湯本 美穂、福井 友加里、杉浦 愛、原 綾美感 想 名古屋にも二期会があり、オペラ公演があるとのことで秋晴れの中、栄の愛知県芸術劇場へ出かけた。 愛知芸術劇場は地下鉄栄駅の側、バスターミナルのオアシス21に隣接して建てられており、交通の便が良い。施設内には2,500席大ホール、1,800席コンサートホール、330席小ホールがあり、同じ建屋に愛知県美術館もある大規模なもの。 オペラが行われる大ホールは、馬蹄型では無いものの、3~5階席が舞台を囲むように配置され、今回の3階席からも舞台が近く感じられる。座席もゆったりして観やすい劇場だ。 ベルが鳴り場内暗くなり、チューニングの後、スポットライトで指揮者登場。 序曲は、管が若干危うかったが、木管、弦は安定しており全体的にまとまって期待が持てる演奏。 幕が開くと、中央が階段で左右が建物の壁と入り口になっている。その入口上部には上手に「アリステウス・はちみつ製造所」、下手は「オルフェウス・音楽学校」の看板が掛けられている。中央には花壇が置かれ、後の空の背景の前には板に書かれた羊が左右から動き、さながら屋内テーマパークの様。 庶民が登場するが、男声6人が「国会議員」のタスキをかけて、投票の依頼をする。そこへ世間が登場し「一向にビジョンを示せない」となじられる。 ユーリディス、オルフェウス、アリステウス(プルート)が登場。それなりに歌えているが、プルート役西本佑は声が軽すぎ、若いためか台詞、演技も今一で地獄の大王にはとても見えない。 2幕はほぼ同じ配置だが、階段は白色になり、左右の壁が太陽など描かれ天国を表す。 ここで女神達が順番に登場するが、バラツキ大。ダイアナ役の大久保幽香は、良く響くソプラノの声で抜きん出ていた。全体が歌う場面でも聞こえて来る。モルフェウス役の伊藤沙織里も良かった。その他は、管弦楽に消されてほとんど聞こえて来ない人もあり。 ジュピター役の奥村晃平は流石に重みのある声で演技含め、神々の王の貫禄が出ていた。 神々が地獄への旅へ出発する場面では、回り舞台で実物大の蒸気機関車が登場し、バンダも乗って汽笛が鳴り面白い。バンダは高校生の吹奏楽の様だが、なかなか上手い。 3幕は、丸い塔の部屋とその間に階段がつながって立体迷路のよう。回り舞台で、場面転換がスムーズ。ジュピターの蝿の変身は、着ぐるみで羽が動き、目の部分が赤く点滅し良く出来ている。 4幕フィナーレのカンカンはジャンプやバク転もあり踊りが素晴らしい。盛り上がって幕。 拍手と伴に天国と地獄が演奏され、指揮者が客席に向かって拍手を誘い、フィナーレ部分のアンコール。その後のカーテンコールでも間奏曲が演奏されサービス満点。 全体的には演出が良く楽しめた。管弦楽は名古屋二期会オペラ管弦楽団となっており、名古屋近郊のプロや音大出身のアマチュアが集まっているようだが、最後までバランス良く、後半テンポが上がって来て良かった。指揮者の曽我大介の功績が大きかったのでしょう。 2007年東京二期会公演の感想でも書いたが、今回も歌詞が良く聞き取れない。何を唄っているか全く判らない人もあり。ぜひ次回は字幕も入れて欲しい。 歌手の方は、主役含めバラツキが大きいのには驚き。主役級はもう少しそろえて欲しかった。 残念ながら客席は半分程度。今回チケットは劇場プレイガイドでB席を購入したが、ぴあではS、A席のみの扱い。一番安いC席はどこで買えるのか?売り切れのためかと思うも4、5階も空席が半分以上あった。 無料のプログラムの名誉会長の挨拶にも「財政的支援も容易でなく、多くの方々のご支援やご助力を切望」と書かれており、施設は良くても名古屋でオペラ公演を行うのはなかなか大変な様で。End
2011.10.01
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