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中岡俊哉伊東かずえさんの体験「死んだ少年ライダーが肩の上に」『かずえちゃんのお母さん、霊感が強いんだって?』そう言って、同僚たちはよく伊東さんのお母さんのことを噂にした。3年ほど前の夏のこと。スタッフの運転する車で帰宅する途中、車にはねられたオートバイが前輪をぐちゃぐちゃにしてガードレールに刺さっていた。『これじゃ、助からないだろう』スタッフの言葉を聞いた途端、とても見る気になれなくて、顔を両手で覆いながら事故現場を通り過ぎた。じばらくすると、後方からものすごいスピードのオートバイがやってきて一瞬のうちに追い越して行った。そして、オートバイのテールランプは皆の見ている前で消えてしまった・・・・その時、スタッフが不意に言った。『ねぇ、さっきのオートバイが抜いて行った時、エンジンの音って聞こえた?』車の窓は開いていたので、エンジン音が聞こえないはずはない。帰宅すると、お母さんが彼女に言った。『かずえ、あんた、またしょって来たね。肩の上に男の子がいるよ』
2017.02.19
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小田イ輔「歴史ある宿」Rさんは、一人である温泉宿に泊まっていた。部屋数は少なく十部屋程度。ゆったり過ごせる分、料金は割高。温泉の泉質は好みのものであり、食事も予想を上回る豪華なものだった。宿の建物は古く木造で、廊下を歩けばギシギシと音がする。鄙びた雰囲気を満喫し、寝る前にひと風呂浴びると床に就いた。『あはははは、おお~いいぞ』どこからか宴会でもやっていると思われる音が聞こえ、目が覚めた。時計を見れば零時を過ぎている。折角の良い宿の想い出が台無しになると思いながら、部屋を出てトイレに向かった。薄暗い廊下を歩いていると、先ほどの喧騒が聞こえていないことに気付いた。そして、受付の際に『本日は貸し切りみたいなもの』と宿の主人が言っていたのを思い出した。『なんだ、気のせいか・・・』用を済ませ、部屋の前までやって来ると中から先ほどの喧騒が聞こえて来た。そのまま、階下のフロントへと向かった。主人へ経緯を話すと『歴史ある宿ですから』と一言。部屋を変えるという主人の提案を断ってから、部屋に戻ると静かになっていたそう。
2017.02.14
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我妻俊樹「足を落とす」終電で帰って来た市雄さんが、近道をするため畑の中を行こうと決めた。夜中だし、ばれないだろうと足を踏み出した数歩目で右足がずっぽり土中に落ち込んでしまった。その時、確かに地面の下から『ぎゃーーーー』 という金切り声が聞こえたので、あわてて足を引き抜くと畑を飛び出して走った。気付いたら右足の靴は履いておらず、足を引き抜いた際に土中へ置いてきてしまったらしい。帰宅すると奥さんが部屋の中で、涙と鼻水まみれの顔で腰を抜かしている。どうしたのか訊ねると・・・・奥さんは中空を指差し・・・・『今、そこから足が出てきて、それで・・・・』今度は床を指差し・・・『これが落ちてきたの』見ればテーブルの下に、市雄さんが無くしたばかりの革靴の右足が転がっていた。靴の中には、あふれんばかりの黒い土が詰まってる。
2017.02.13
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福澤徹三「首なし地蔵」女子大生のYさんの話である。去年の夏、彼女は同級生の女の子三人で『首なし地蔵』へドライブに行った。地蔵の首が無くなった原因については、幕末に長州軍が首をはねたとか、諸説あるらしい。三人は山の途中で車を降りると、細い坂道を登った。三人で話しながら歩いていると、背後でキーキーと何かが軋む音がする・・・・振り返ると、車椅子に乗った老人がかなりの勢いで近づいてくる。三人は、老人に道を譲り、老人の行方を目で追った。首なし地蔵までは一本道なので、じきに老人に追いつくだろうと思っていた。ついに首なし地蔵に着いたが老人の姿はなかった。ここから先は行き止まりなのに、老人は何処へ消えてしまったのか。三人は怯えながらも、首なし地蔵の前で記念撮影をして帰路に着いた。ところが、撮った写真を確認すると、首がないはずの地蔵に首があった。ただ、実物の地蔵に首が復活しているのかどうか、たしかめる勇気はないという。
2017.02.05
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久田樹生「山下」須藤さんは学生時代ラグビー部で活躍したが、卒業後は普通の会社員をしていた。そんな彼にラグビー部の先輩から、土日に子供のラグビーを教えているのでコーチ兼補佐をしてほしいとの依頼があった。学生時代にお世話になった先輩でもあるので二つ返事で了承した。しかし、体調不良が原因で一年足らずで辞めることになった。ただし、体調不良はコーチ兼補佐を辞めるとすぐに治った。体調不良の源・・・・それはラグビーチームに所属する一人の少年とその両親だった。その山下一家に近づくだけで体が引き寄せられる感覚と、エネルギーを吸い取られる感覚になって、非常に不快となる。そして、ついには山下家と接触した日には目眩が数日ほど止まらなくなった。そればかりか、怪我をしたり、車に轢かれそうになったりと酷いことが増えて行った。そんなある練習時、山下少年から質問を受けていた時に、ふいに彼からボールを渡された。目眩に耐えつつ反射的にボールを受け取った瞬間、脳裏に『死んでしまう』という言葉が浮かんだ。この山下家と関われば、酷い死に方をする・・・・それからすぐに、コーチ兼補佐を辞めた。
2017.02.04
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真白圭「機外カメラ」出張帰りの飛行機内で、沖野さんがぼんやりと前席の背もたれに備え付けの液晶画面を眺めていた時のこと。ランディングの体勢に入ると映画が途中で止まり、液晶画面には機外カメラからのライブ映像が流れ始める・・・・・はずだったが、何故か画面の片側半分に女性が映っていた。俯いて前髪が顔を隠した、知らない女だった。ふと、隣の席の液晶画面が目に入ったが、そちらの画面に女の姿はなかった。怖くなり、思わず持っていた雑誌を液晶画面に押しつけた。『お客様、まもなく着陸しますので・・・・』キャビンアテンダントに注意されて雑誌を手元に戻すと、女の姿は消えていた。飛行機は、何事もなく空港へ着陸した。
2017.02.03
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「呼ぶ部屋」 吉澤有貴地方病院で看護師をしている間宮さんの話。ナースコールが怖いという。誰かが押すのがナースコールだが、誰もいない部屋からのナースコールが怖い・・・・間宮さんの病院では、一類感染症に対応できる入院病棟がある。西アフリカで猛威をふるった出血性の感染症に対応するためだ。幸いにも、今まで患者はいない。感染症病棟は、幾つもの扉に遮られている。その感染症病棟からナースコールがあった・・・確かめてみたが、もちろん患者はいない。ナースステーションに戻るとナースコールが鳴るので、警備員に人の有無を調べてもらった。そして、最後は業者を呼んで、電気系統を調べてもらったが、異常は見つからなかった。『部屋って、ずっと使わないままだと別のものが入っちゃうのかな?』今でも時折、感染症病棟よりナースコールが鳴る。それが夜勤の時に起きた場合は申し送りの書類へ『電気系統の異常によりナースコールあり』と記入することになっているとのこと。
2017.02.02
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