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木原浩勝「達磨」噺家の三遊亭歌橘師匠からうかがった話。師匠が小学生の夏、友達数人でお泊まり会をしようというこになった。友達の一人がお寺の息子だったので、そのお寺に泊まらせてもらうことにした。泊まる部屋は十二畳、達磨の掛け軸があるだけという簡素な部屋。泊まる前に、友達の父親(住職)から注意があった。それは、達磨の掛け軸に足を向けて寝ないという奇妙なもの。その夜のこと、遊び疲れて寝ようということになったが、一人がお寺の息子に尋ねた。『ねえ、どうして達磨に足を向けて寝てはいけないの?』『知らないよ、そんなこと』お寺の息子がそんな答えをしたものだから、それなら皆で足を向けて寝てみようということになった。翌朝、起きてみると全員の布団がぐるりと反対へ動かされて、達磨の掛け軸に頭を向けていたので大騒ぎになった。
2017.03.26
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「霊安室でタバコを吸ったばかりに・・・・」大工見習いで働いていた体験者の親方の奥様が急病で死亡。霊安室で奥様の遺体を見守っている時に、同僚のタケシがタバコを吸い出し、あろうことか奥様の顔へタバコの火を付けると言う・・・・そして、奥様にドラッグで警察に通報されて逮捕された怨みごとを言いながら線香立てでタバコをもみ消した。葬儀を終え、普段の生活に戻るとタケシのタバコの本数が異常に増えた。1日100本を吸うようになり、片時もタバコを離せないようになる。本人曰く、線香の臭いがやたらするので、タバコの煙の臭いでごまかしている。ついには、タバコを一度に二本咥えて吸うようになった・・・・親方に相談してタケシを病院へ連れて行こうとした翌朝、現場の梁で首を吊ったタケシが発見された。
2017.03.20
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安曇潤平「急行アルプス」急行アルプスは、登山とスキーシーズンに特急あずさを補完する列車として運行された夜行列車。その急行アルプスを新宿駅から乗り込み、甲府駅を列車が出るとひとりの男性が乗り込んで来た。車内はガラガラ、座席は多数空いているにもかかわらず、私の占領するボックスシートに来て『ここ、いいですか?』 と聞いてきたことで話をすることになった。その青年はY岳のクロユリを勧め、取りだした地図を指差して、こと細かにその地点の特徴を説明してくれた。そして、いつの間にか私は寝てしまった。目覚めた時は松本駅に到着したところで、塩尻に住んでいると言った青年は居なくなっていた。私は予定通りK岳を登り、山荘へ一泊した後にY岳を目指して歩き出した。やがて青年が説明してくれたクロユリの群生する場所に着くと、その美しさに心を奪われていた。そして、何気なく足に触れた物を見て、それが白骨化した人間の手であることに気付いた。私は急ぎ山を下り、昨夜泊まった山荘に戻りました。すぐに山荘から警察に連絡が行き、Y岳の斜面で見つかった遭難者は、塩尻在住の大学生M君だと判明しました。その後、警察でM君のご家族の住所を教わり、線香を上げに伺いました。仏壇の中で明るく笑う青年は、まさしく私が急行アルプスで楽しく話をしたM君でした。私は、M君ご両親に急行アルプスでの出来事を話しました。ご両親はボロボロと涙を流し、何度もうなずきながら私の手をきつく握りました。
2017.03.19
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高田公太「カヤック」 高田公太とあるアウトドアショップの店長の話である。夫婦二人で人里離れた海へ行った。持参したシーカヤックで遊ぶためだった。無事に浜に着いた二人は、カールーフに載せていたカヤックを外し、胸躍らせて海へ入っていった。波に乗り、岸から少し離れた頃に、砂浜に停めた車の横にパトカーが横付けされているのに気付いた。二人はオールを漕いで、急いで岸に向かった。制服を着た警官と私服姿の男がいたが、定期巡回なので気にしないようにと話をしたのは制服警官のみだった。『一カ月前に、ここで行方不明になった方がいましてね』その日、岸に一台の車が停まっているのを遊びに来た男性が見つけた。この場所は、歩いて人のいる場所まで帰れるようなところではない。警官は、話し終えるとパトカーに乗り込んだ・・・・私服姿の男を残して・・・私服姿の男はスタスタと森へと入って行ってしまった。パトカーの警官に私服姿の男のことを話したが、全く相手にされなかった。
2017.03.12
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平山夢明「忘れ忘れ」 平山夢明友田さんの高校では一人一人に密閉式のロッカーが与えられていた。ハリウッド映画に出てくる高校生が使うタイプのもので、置かれていた場所も映画と同じ廊下だった。夏休みのこと。テニス部の練習が終わり、駅に着いたところで、ロッカーに忘れ物をしたことに気付いた。既に時刻は七時をとうに回っていたので、一緒に戻ってくれるという友達を断って彼女は一人で校舎に入った。ロッカーの鍵はダイヤル式だ。しかし、慌てていたのと暗いせいで、なかなか開かない。『もう』思わず、そんな苛立ちの声を吐いた後で足下に目が行った。暗くて気付かなかったのか、黒いものが溢れていた。ロッカーの扉の下から自分の足のくるぶしまで黒髪で埋まっていたのだ。『モオウリヤヤッサーン』突然、大勢による外国語のような叫びが廊下の奥から轟いた。すると、髪がロッカーの中へ一気に引き摺り込まれ、同時に全てのロッカーの扉が一斉に開いた。雷のような音だったという。それからは、学校に忘れ物をしても、それを忘れることにした。
2017.03.10
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伊藤三巳華山に抱かれて 伊藤三巳華ミミカの遠野物語(コミック) 他9名の方は文章になります。著者の見えた亡霊だそうです
2017.03.05
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小田イ輔「挨拶」Lさんが会社帰りの道を歩いていると不意に肩を叩かれ『ヨッ!』と声を掛けられた。声を掛けて来た男は、Lさんの会社の元同僚で数年前に亡くなっている。たじろぐLさんを尻目に、男はそのまま立ち去って行く。何の用があるのか不明だが、もう十数年続いているという。
2017.03.04
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黒木あるじ「朝写」四月の早朝、K君は通勤ルートのI駅に向かっていた。改札を通って数歩足を進めたところで、前方がざわついていることに気付いた。口をハンカチで押えながら階段を下りてくるOL・・・何度もホームを振り返り、足早でその場を立ち去る男性・・・・衝動的に彼はホームを目指して階段を駆け上がった。今なら、線路に飛び込んだ人間の死体を携帯電話で撮影出来るかもしれない・・・・・そう考えたのだという。何とも不謹慎な考えだが、こういう輩が事故に遭えばいいと思ってしまうのは私だけ?人波を掻き分けてホームへ向かう。見なれた看板と電車の時刻を知らせる電光掲示板が目に飛び込んで来た瞬間、突然視界が遮られた。黒いすだれののようなものが、目の前にぶら下がったのである。驚いて立ち尽くす彼の耳たぶに生温かい息がかかり、同時に女の声が聞こえた。『 はぢ を かかす な 』よく考えると、あの『すだれ』は髪の毛だったかもしれないとのこと。
2017.03.02
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