私訳・源氏物語

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July 31, 2011
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カテゴリ: 映画・ドラマ

 そんな姉妹が貞節な母親の気持ちを案じ、父親の女性関係を探っていくのですが、
四人姉妹がそれぞれの立場や思いで両親、姉妹を眺める視線に面白さがあります。

 次女は訪ねて行った長女の家で、
姉と愛人関係にある男性のしどけない姿を目撃してしまいます。

憤然として黙りこむ次女に長女は、

「ねえ、何か言いなさいよ。私を責めたいんでしょ。
言いたい事も言わないで黙っているあんたの事が、昔っから大っ嫌いだったのよ!」

と、罵ります。

 一方三女は四女に
「好奇心が強い癖に、恋人の1人もできないじゃない。
猜疑心が強いから、こんな事(私立探偵を頼んで調べさせる)するのよ」
と言われて、取っ組み合いの喧嘩になります。

姉妹がお互いに痛い所を突き突かれ、見たくないものを暴かれて非難し合うのですが、
それは家族として知り尽くしている者の「意地の悪さ」でもあるように思います。

そうかと思えば家族全員が集まると、
そうした不都合で醜いものは全て襖の向こうに隠して、
ごく自然に談笑する事もできるのです。

緊張した人間関係の中に出現する「和やかさ」に、
違和感よりも不思議な安堵感を覚えて、視聴者はほっとするのかもしれません。

父親のなかにある「身勝手な男の顔」、
良妻賢母である母親に垣間見る「女としてのみっともない嫉妬心」、
そして姉妹それぞれがお互いに抱く嫌悪感、欺瞞や猜疑心、
あるいは意地の悪さなどが、一見平凡でどこにでもありそうな家族の中にさえ
通奏低音のように流れている怖さ、言ってみれば「家族という『人間関係』の危うさ」が、
向田邦子のドラマにはてんこ盛りなのだと思いました。






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最終更新日  March 6, 2017 09:04:03 PM
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