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数は忘れたが)何百冊かを作り、臨床冊子を通じて希望者に無料で配布したものだ。
費用は生命保険の一時金だったか、あるいは満期金を使ったが、製薬メーカーや各地の勉強会が買ってくれたし、お礼として商品券や図書券、土地の名産品などを送ってくださった同業の先生方がいらして感激したことを覚えている。
その後ネットのフォーラムで話題になり増刷したが、古書店で売りに出ていたのはこの
二刷目のオンデマンド印刷のもののようだから、4500円という高値には驚いた。
当時私は意識的に「初学者」を対象とした訳をしなかった。いちいち親切に解説して注釈をいれていたらページ数が多くなって費用が嵩むし、著者である陳潮祖先生の意図からも離れてしまう。中医学理論を理解し、中医学用語で実践している、中級以上の実力者のための訳をした。だから誰でも理解できる内容ではない。
B5版に上下左右2センチの余白をとり、9フォントで40文字x40行という切り詰めた157ページ。
今では私の手元に1冊しか残っていない。
誰が古書店に売りつけたか知らないが、無料で贈った書物に付けられた「4500円」をどう捉えたらいいものやら・・・。
ちょっと笑いたいようなくすぐったい気持ちになっている。