Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/04/03
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 「兼八」という麦焼酎にはまっているという話を以前に書いた(3月16日の日記参照)。はまっている理由は、その香ばしい麦の香りだ。

 先日、あるBARで、そんな話をバーテンダーにしていたら、「じゃぁ、**さん、きっとこれお好みのタイプですよ」とある酒をサーブしてくれた。見かけは普通のスコッチ・ウイスキー。でも、ストレートで味わってみると、「兼八」に通じるような、麦の香りがぷんぷんする。

 バーテンダーは「モルト・ウイスキーです」と言う。でも、これほどまで麦の香ばしい香りがするモルト・ウイスキーは、僕は知らない。よく見ると、酒の色にはやや濁りがある。にごり酒までの濁りではないが、無濾過処理(ノン・チルフィルタード)のウイスキーによく見られる、あの濁りである。 Couvreur's Clearach

 「こんなモルトは飲んだことないよ。スコットランドのどこの蒸留所?」とバーテンダーに聞くと、ウイスキーではあるが、スコッチではないと言う。「えーっ?」と驚く僕。「こんなボトルです」と見せてくれたのは、ちょっと変わった四角形っぽい形(グレンフィディックみたいな)。

 ラベルはまるでフランスワインの様。それもそのはず、このウイスキーは、ミッシェル・クーブルー(Michel Couvreur)というベルギー人のつくった会社が、スコットランドのある蒸留所からモルトを買い、仏・ブルゴーニュ地方・ボーヌの蒸留所で、シェリー樽で熟成させてつくったもの。その名は「Couvreur‘s Clearach」( 写真左 )という。

 しかし、「スコッチ・ウイスキー」とは名乗れない。スコッチと名乗るには最低3年以上スコットランドで熟成されることが必要という法律があるからだ。だから、その条件を満たさないこのウイスキーは、スコッチではない。強いて言えば、「ブルゴーニュ・ウイスキー」だろうか。元になるモルトの蒸留所について、クーブルー社は明かしていないが、バーテンダーは「エドラダワーやハイランド・パークを使ってるちゅう噂です」と語る。

 こんな味に一目惚れしやすい僕は、早速、バーテンダーに「次回、仕入れるとき、僕の分も余分に1本お願いね」と頼んだ。値段も4千円とお手頃だ。その頼んだウイスキーが先日、届いた。早速開栓。キャップは、バーボンのメーカーズマークのように、蝋(ろう)で固められていて、中はワインのように単にコルクで栓がしてあるだけという変わったウイスキー。

 味は、あのBARで飲んだ如く、アーモンドやドライ・フルーツのような香りの中に、麦の香ばしい味わいが凝縮されていた。「4年熟成」とあるが、ボディはとてもパワフル。クーブルーの信念によれば、「ウイスキーの味を決める95%は、どんな樽でどの程度熟成させるかだ」という。



【追記】ミッシェル・クーブルーのウイスキーはほかにも、12年ものから38年ものまであり、お値段は8000円~42000円。なお、日本語(カタカナ)では「クーブレー」「クーブレイ」と表記されることが多いが、この日記では、仏語の音に近い「クーブルー」とした。





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Last updated  2005/04/03 10:56:37 AM
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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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