Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2011/10/24
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 ※スペインへの旅「番外編」を上、下2回に分けて連載します。

◆変わるバルのカウンター風景
 今回の旅ではほとんどバルやリスタウランテで食事した。イタリアンを一度食べただけで、すべてスペイン料理である( 写真左 =マドリッドのソル広場にあった「スペインのへそ標識」)。s-IMG_9337.jpg

 「毎日バルでよく飽きなかったね」と言われたが、タパス・メニューは食材がとても多彩だし、料理法や味付けにもかなりバリエーションがある。またその地方、地方で微妙に名物が違うので意外と飽きない。

 ただし、想像とは少し違ったのは、ガイドブックの写真でよく見たように、あらかじめ調理したタパスの皿をカウンターの上に並べているバルがほとんどなかったこと。s-IMG_9417.jpg

 地域によってルールが違うのかもしれないが、少なくとも今回、アンダルシア地方(ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、グラナダ)では、タパスをそのままずらりと並べているような店はまず見かけなかった( 写真右 =マドリッド・アトーチャ駅近くで見かけたサッカー・グッズ売りの露店)。

 なぜなんでしょうか?とグラナダ在住の日本人の方に尋ねたら、「衛生当局から、食品衛生上の観点(客のつばなどが入り、店内のほこりも付く等)から、調理した料理をそのままカウンターに並べてはいけない、並べる場合はガラスのショーケースに入れなさいという指導があって、そのまま並べることはできなくなったらしい」と解説してくれた。s-IMG_9354.jpg

 日本では、おばんざい屋さん等では、今でも調理した料理をカウンターにそのまま並べたりしている(もちろん、上からサランラップをかけて衛生に気を使っている店もある)。でも、衛生上大きな問題になったという話は聞かない。

 確かに、そうした衛生上のルールがあれば安心なのかもしれないが、昔のようなバルの風景を想像していた僕には、少し残念な気持ちになった( 写真左 =マドリッド・サンミゲル市場には日本食品専門の店も)。

◆バルで人気の飲み物は?
 今回の旅で巡ったバルではいろんな飲み物を味わったが、スペイン人のアルコールの嗜好は日本で想像していたのとは少し違った。s-IMG_0194.jpg

 今回巡った5都市(マドリッド、トレド、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、グラナダ、バルセロナ)での印象で言えば、やはりビールとワインが一番ポピュラーだった。それも昼間から、グラスでグビグビ飲む。1杯が1~3ユーロという値段なら当然かもしれない(実は、この値段も観光客向けで、本当の地元の人には80セントくらいで売ってるという話も聞いた)。

 バルやレスタウランテでシェリーが飲まれていたのはほとんどアンダルシア地方だけ。バルセロナやマドリッドのような大都市でも、意外にもシェリーを頼んでいる人はほとんど見かけなかった(メジャーなバルではシェリーを置いていることは置いてるが…)。s-IMG_0297.jpg

 今も書いたように、スペイン人はバルで昼間から酒を飲む(ちなみに、朝から営業してるバルではもっぱらカフェラテなどが飲まれている)。しかし、さすがにビールやワインをガブガブ飲むのは気がひけるのか、はやっていたのは、ソーダで割る飲み方。

 このソーダはプレーンなものとレモン風味の甘めのソーダと2種類から選べる。ワインのソーダ割りは「ティント・デ・ベラーノ(Tinto de verano)」( 写真右上 )、ビールのソーダ割りは「セルベッサ・クララ(Cerveza clara)」( 写真左 )と言い、全国的に飲まれているようだ。

 他にバルで飲まれていたのは、(地域的な違いもあるけれど)サングリア、サングリア・デ・カヴァ(カヴァ=スペインのスパークリング・ワイン=でつくったサングリア)、ベルモット、シドラ(「シードル」=スパークリングのリンゴ酒=のこと)、オルホ(「グラッパ」のこと)など。s-IMG_9572.jpg

 残念ながらウイスキー系、ジン、ウオッカ系のアルコールはスペインではあまり人気はない。もちろん飲みものメニューのあるバル(滅多にないが)では、一応、ウイスキーを置いてはいたが…)( 写真右 =スペイン人にとってバルは街の“社交場”。だから昼間から賑わう?)。

◆食い物が美味しくて、暮らしやすくて
 スペイン在住の日本人は約7000人(データは在スペイン・日本大使館HPから)もいるという。スペインに住む理由は結婚、仕事、留学、研修などさまざまだろうが、今回会った地元在住の日本人はほとんどが「食べ物が美味しいし、気候も温暖で、(経済的にも)暮らしやすい国だ」と言っていた。s-IMG_0064.jpg

 確かに、公共交通機関(マドリッド地下鉄は市内ゾーン内であればどこまで乗っても1.5ユーロ)やタクシーの料金(基本料金はだいたい1.4~1.5ユーロ)は安い( 写真左 =スペイン人はサッカーが大好き@グラナダ)

 ビールやワインが1杯1ユーロくらいから飲めて、2人で外食して、飲んで食べても計2000円以内で満腹感と充実感が得られる場所(バル)がそこらじゅうにあるなんて国はそうないだろう(バカらしくて家で御飯はつくれない?)。

 しかも、3時間~3時間半の昼休みが国家・国民公認になっている国なんて。経済的には苦境にあるスペインだが、あくせくせず働いて、贅沢をしなければ、美味しいものを食べて、そこそこ楽しく暮らしていける国でもある。s-IMG_0045.jpg

 不景気と大震災のダブルパンチで増税は必至、国民全体が閉塞感に陥っている日本と比べて、どちらが幸福なのかと少し考え込んでしまう( 写真右 =魚の種類は豊富。アンコウも食べます)。

 ただし、それでも僕は、食べ物のバリエーションだけに関しては、日本人が世界で一番幸せな国民だと思う。だって、洋風料理も和食も中華もエスニックも普通に楽しめる国なんて、世界中どこを探しても日本だけだろうし…。

◆観光産業で生きている割には
 本編でも何度か言及したが、観光はスペイン経済の最も重要な柱である。しかし、その観光で食っている人たちに、お客様第一の精神が何と乏しいのかと感じることが、s-IMG_9612.jpg旅行中何度かあった。日本語のわかるスペイン人がこのブログを読むとは思わないが、あえて、以下の苦言を呈しておきたい。

・街のなかの標識・表示に、英語表記の併記が想像以上に少なくて不親切(プラド美術館前に日本語併記の標識があったのには驚いたが…)。

・店主や店員に笑顔が少ない。たくさん土産物を買ったので、帰ってから配るための小袋をくれと言ったら嫌な顔をする。

・「ご乗車有難うございます」も言わない鉄道やバスの乗務員。基本、「乗せてやっている」っていう姿勢( 写真左 =ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ中心部のアレナル広場で、テントを張って何かの抗議活動をする若者がいた。幕には「スペイン人よ、憲法はきょう死んだ!」とある)。s-IMG_9372.jpg

・間違って硬貨を入れても戻って来ない駅の切符自動販売機(英語の表記すらなく、取り消しボタンもない!)。これって何? 

・ホテルに飲み物の自動販売機がほとんどない。置いてるホテルでも売れた分を補充せず、3日間ほったらかしのことも( 写真右 =意外なことに、スペイン人には扇子が人気)。

・ホテルの部屋のシャワーやドライヤーの使い方の説明をまったく書いていない。テレビのチャンネルの説明書きもない。

・部屋のドライヤーが動かないので壊れているのかと思ったら、高さ175cmのドライヤー収納箱の上に天井向きにスイッチがあって、OFFになっていた(背の低い人なら見えないやろ)。

・スペインの水道水は、飲めるけれど硬水なので日本人の口にはあまり合わない。だから旅行中はもっぱらミネラル・ウォーターのお世話になった。だが、このペットボトルが500ml入りで50セントから2.5ユーロまでと値段が実にまちまち(ビールやワインはバルなら一杯1ユーロで飲めるところもあるというのに…)。もう少し価格を安定させてほしいよ。


【スペインへの旅・番外編<下>へ続く】

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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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