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July 9, 2005
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カテゴリ: 今日もいい日だ
昨晩遅く、NHKの衛星放送で「証言ドキュメント 教育者齋藤秀雄の真実」という番組をやっていたのを見ました。多分、以前放送したものの再放送だったのではないかと思います。

ご存じの方も多いと思いますが、齋藤秀雄という人はクラシック音楽の指揮の世界では日本における草分け的な存在で、その門下から山本直純や小沢征爾らが出たことで知られています。というか、今ではむしろ小沢征爾の方が有名で、彼らのかつての師匠として知られていると言った方がいいかな? その小沢征爾の肝煎りで「サイトウ・キネン・フェスティヴァル」が松本で定期的に開催されているのも有名です。

私はクラシック音楽のことにそれほど詳しいわけではないので、齋藤秀雄氏のことについて知っていることと言えば、上に述べたことに尽きます。ですから昨夜、NHKの番組で齋藤秀雄氏の人柄がどういうものだったのかが分かって、とても面白かった。

そもそも齋藤さんという人はチェロ奏者としてキャリアをスタートしたのですね。チェロ奏者としては日本で初めてドイツ留学を果たしたりもしていますから、当時として日本のチェリストの第一人者であったことは間違いない。ところがドイツに行ってみると、やはり上には上がいるもので、齋藤さんはほとんど初心者コースみたいなところから授業を受け直すはめになる。もちろん留学生活は彼にとって大いに勉強になったようですが、同時に世界のレベルでは一流のチェリストにはなれないだろうということを、思い知らされることにもなった。

で、帰国した齋藤さんは指揮者に転向することになります。しかし生来の「あがり性」ゆえに、プロの指揮者としてもなかなか実力が発揮できず、そこで彼は演奏者としての道を断念して、「教育」の道に進むことを決意するんですね。そしてまだまだ戦後の爪痕の残る東京で、齋藤さんは音楽を学ぼうという子供を集め、バイオリンやチェロの指導を始めるのですが、これが教育者としての齋藤秀雄の原点となった。

しかし、結局これが彼にとっては最善の道だったんですな。そのことは、彼の門下から数えきれないほどの教え子が、プロの演奏家として育って行ったことからもうかがえます。

齋藤さんご自身は、教育というのは植物を育てるようなものだ、と考えていたようです。植物を育てる時、人は水をやり、日光を浴びせ、肥料をやり、そうやって面倒を見る。それと同じように、齋藤さんは教え子たちに機会を与え、方法論を教え、努力を促した。しかし、それでも一番大事なのは「種」、すなわち個々の教え子たちの「才能」だと齋藤さんは言います。どんな教育者でも、それには手を着けられない。ただ、一生懸命世話をして、「種」が発芽し、成長するのを見守るだけだと。

また同じ植物との比喩で、齋藤さんは、「種によっていつ肥料をやり、いつ水をやればいいかが異なるように、教育の方法も個人に即していかないとダメ」ともおっしゃっていましたね。番組では小沢征爾氏をはじめ多くの門下生たちが齋藤先生の思い出を語っていましたが、ある人は先生の教え方のうまさを語り、ある人は厳しさを、ある人は辛抱強さを具体的なエピソードと共に語っていました。それは要するに、やはり齋藤さんが人を見て、教育方法を変えていたことの現れではないでしょうか。

また個々の教え子の才能の在り処を探り当てるのもお上手だったようで、ピアノの演奏者を目指していた学生に向かって指揮者になるよう促したり、バイオリン奏者をビオラに転向させるというようなことも随分なさっている。当の学生も、最初のうちこそ反発を感じたようですが、長い目で見て自分にはその方が合っていたと分かり、今では先生に感謝している、というようなことを口を揃えて言っていました。人の人生を変えるようなことをするわけですから、齋藤さんも随分大胆なことをなさったわけですが、それだけ教え子のことをよく見ていて、自信もあったのでしょう。



あ、そうそう、もう一つ、齋藤秀雄という人が齋藤秀三郎氏のご子息だというのも、今度初めて聞いてびっくりしました。齋藤秀三郎というのは、英語学の方面の著名な研究者で、ほとんど独力で英語辞典を作ってしまうような斯学の泰斗です。その辞書は「齋藤英和」と呼ばれていていますが、私の父がそれを持っていて、私も何度か使ったことがあります。齋藤秀雄さんも日本で初めて指揮指導の教則本を作ってしまったそうですけれど、そういう知識の体系化や教育面での配慮というのは、ご尊父である齋藤秀三郎さんからの血筋なんでしょうね。

それにしても、一人の人間の教育への情熱、ただそれだけが発端となって、数多くの弟子が生まれ、孫弟子が生まれ、自らの名を冠するオーケストラも生まれ、またコンサートホールも作られ、毎年、盛り沢山のプログラムが組まれて運営されているということは、素晴らしくもあり、またすごいことですよね。強い意志さえあれば何事も為せば成るというようなことが言われ、一方で、そんなこと言ったって人間なんて無力なもんだという実感もあるわけですが、齋藤さんの生涯を振り返って見ると、やっぱり一人の人間の情熱というのは、やがて堂々たる形を成すもんなのかなと思わざるを得ません。果たして私には、そんな情熱があるでしょうか。いや、あるかないかではなく、自分で作らなくてはいけないですよね。よし、頑張ろう!


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Last updated  July 9, 2005 11:05:27 AM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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