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July 26, 2005
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カテゴリ: 今日もいい日だ
月曜日、私の両親が東京から遊びに来ました。

大相撲の名古屋場所が行なわれている前後に両親が遊びに来るというのは、私が名古屋にある大学に赴任して以来ずっと続いている習慣です。今や生粋の名古屋人以上に名古屋に惚れ込んでいる私としては、これが両親に名古屋やその周辺のいいところを見せる絶好の機会なんですね。私の両親も毎年、楽しみにしてくれています。

ところで、このところ両親の名古屋訪問はいつも「鈴波」から始まります。お昼頃新幹線で名古屋に来てもらい、そこから駅のすぐ傍の地下街にある「鈴波」というお店に連れて行って、そこで昼食をとることにしているのです。ここは魚の味醂粕漬け専門店で、中で食事もできるようになっているのですが、おすすめは何と言っても「鈴波定食」。魚の味醂粕漬け(日によって魚の種類は変わる)をほっこりと焼いたものに、日替わりで小鉢が付き、これに味噌汁と漬け物とご飯、それに黒豆の甘煮と梅酒がついて、たったの1000円ちょっと。魚がうまいことは言うまでもありませんが、味噌汁や漬け物もやたらにうまくてこの値段なんだから、東京から来た両親はいつも驚いています。ですから、ここはとりあえず、はずせないんですね。

さて、ここでお腹を満たした後、例年ですとどこか美術館に連れて行くのが決まりになっています。名古屋には愛知県立美術館や名古屋市立美術館は言うまでもなく、徳川美術館、名古屋ボストン美術館、豊田市美術館、岡崎市美術博物館、古川美術館、荻須高徳美術館、三岸節子美術館、杉本健吉美術館など、見どころの多い美術館が色々ありますので、こういうところに連れて行くわけ。ところが昨日は月曜日で、美術館はどこもお休み。ということで、今回は特別企画として、私の行きつけの古本屋2軒に連れて行くことにしました。実は私同様、父も古本が好きなんです。母も古本に限らず本は好きなので、いきなり両親を連れて古本屋まわりというのも、我が家では決して妙なことではないんですね。

で、まず一軒目は名古屋の東の玄関口、藤が丘の「千代の介書房」。ここは入り口の間口は狭いのですが、中は鰻の寝床のように長く、品揃えも相当なもの。しかも下らない本は一冊もなく、9割以上が文学作品という高尚な古本屋さんです。私は既に2、3度来ていて、品揃えに感心していたので、父にもぜひ見せてやろうと思い、連れてきたわけ。案の定、店の中に入った途端、父も歓呼の声を挙げて喜んでいました。結局、ここに1時間ほどいたかな? で、父も数冊買っていたようですが、私も収穫あり。買ったのは串田孫一の『風の中の詩』(集英社文庫)、伊馬春部の『櫻桃の記』(中公文庫)、そして岡野弘彦の『悲歌の時代』(講談社学術文庫)の3冊です。

上の3冊のうち、串田孫一については以前この日記の中で追悼記を書いたので、なぜ私がこの本を選んだかはお分かりいただけると思うのですが、あとの2冊の関連性が分かる方はいらっしゃいますかね? 分かった方は相当な読書家でしょう。答えは伊馬さんも岡野さんも、歌人で国文学者の折口信夫(おりくち・しのぶ)の弟子だということです。実は私は折口という人にものすごく興味があるのですね。ちなみに伊馬さんというのは、大昔のラジオドラマ「向こう三軒両隣」の作者ですが、太宰治の親友でもあって、太宰が入水自殺した時、マスコミに荒らされないように太宰の原稿を守った人としても有名です。本のタイトルの「櫻桃」というのは、もちろん太宰の櫻桃忌に由来します。ま、この本もすべてが太宰に捧げられたような本ですね。それから岡野弘彦さんは既に歌人として一家を成し、現在では歌会始の選者としても有名ですので、ご存じの方も多いでしょう。岡野さんについて、そしてそのお師匠さんの折口信夫については、またいつか詳しくお話ししたいこともありますので、今日は止めておきますが、とにかくこの本は前から読みたかった本なんです。

ということで、すっかり満足した我ら親子は、千代の介書房の斜向かいにあった「亀屋芳広」という和菓子屋さんで一服し、それから古本屋第2ラウンドとして今度は「本郷」という駅近く(近くでもないですが・・・)の「まゆ」という古本屋さんへ。ここもいい古本屋さんで、特に昔の推理小説やSFといったジャンル小説に強く、また中公文庫の古本が揃っているところも見どころの一つ。ご主人がとても穏やかな、感じの良い方であるところも好きなんですが、このご主人、大人しそうな顔をなさっている割に、私と同様自動車マニアで、古いチョコレート色のいすゞ・ベレッタGTに乗っていらっしゃるんです。いわゆる「ベレG」ですな。この車、当時としては珍しいDOHC車で、しかも今日日の生っちょろい電子制御燃料噴射なんかではなくキャブレター仕様ですから、アクセル一発踏んだらエンジンがバヒュンと応えてくれる、そういう車ですわ。思えば、昔のいすゞはいい車を作っていましたなぁ・・・。かくいう私も「街の遊撃手」時代のいすゞジェミニに乗っていましたけどね。というわけで、私がこの店に通いつめるのもむべなるかな、でしょ? もっとも今日は私はここでは収穫なしでしたが、父と母はなんか買っていましたね。

というわけで、私の両親の本年度の名古屋探訪は、古本屋めぐりで始まったのでした。明日は島崎藤村ゆかりの馬籠宿にドライブに連れて行こうと思っているのですが、はたして台風7号の進路や如何に! 次回の報告を乞ご期待!と言っておきましょう。それでは、皆様、ご機嫌よろしゅう。





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Last updated  July 26, 2005 09:39:26 AM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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