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August 22, 2005
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カテゴリ: わけ分からん
久しぶりで大学に出かけ、野暮用を幾つか済ませてきました。

ところで、今、私の勤務先の大学では、キャンパスが騒然としています。と言いますのも、校舎の大がかりな増改築が行なわれているためで、見慣れた校舎全体に足場が組まれ、幕が張られ、その中ではドリルの音や電動鋸の耳をつんざく音が鳴り響いている。とにかく大騒ぎなんです。ま、今はうるさくて仕方がありませんが、そのおかげで秋ごろには少し見栄えが良くなった校舎の姿を目にすることが出来るというわけなのでしょう。

ところで、この種の建築工事に関して、私には昔から一つの疑問があります。それは、こういう建築現場で働いている人たち、彼らは一体どこで「建築のイロハ」を習うのか? ということなんです。

建築家であるなら、設計図の引き方をきっと大学で習い覚え、その後は設計事務所で腕に磨きをかけるのでしょう。それは分かる。しかし、その建築家の引いた設計図を受け取って、実際に建築作業に取りかかる人たち、彼らは一体どこでその技を習うのか?

こういう疑問を私が持つのも、実は私はかねがね建築作業場で働いている人たち、特に若い人たちの働きぶりにとても感心しているからなのです。実際、彼らが働いているところを見ると、実に気持ちがいい。もちろん実際にはどうなのかよくは分かりませんが、少なくとも傍から見ている限り、一人一人の作業員が自分のやるべき仕事のことをよく弁えていて、なんだかもくもくと物も言わずに働いている感じがする。そして昼休みにはコンビニで買ってきたカップラーメンや菓子パンといった、あまりパッとしないものを黙って食べ、しばらく昼寝をし、それが終わるとまたもくもくと作業に取りかかる。そして一日の仕事の終わりには、道具を仕舞い、作業場を片づけ、明日の作業にすぐに取りかかれるようにしている。その勤勉さ、作業分担の完璧さ、見事な統制。これはもう素晴らしいとしか言い様がありません。そして一定期間が過ぎれば、家やら、マンションやら、とにかく設計図通りのものが完成し、しかも中も外も完璧に掃除され、片づけられて建主に引き渡される。

では、こんなに素晴らしい仕事をしている若者たちは、一体どこでどういう教育を受けているのか。私には、それが謎なんですな。もし一種の徒弟制度的な教育が作業の中で行なわれ、それによって何も分からずに雇われた人間が、次第に設計図を実物にするまでのすべてのノウハウに通じるようになる、というのであれば、それはそれですごいことであると言わざるを得ません。私は、一応「教育」ということに携わっているので、人を教えるということがいかに難しいか、少しは分かっているつもりなので。

ま、ここで私は私の疑問に対する答えを何としてでも探りたいと思っているわけではありません。が、とにかく、何しに大学に来ているのかよく分からないような、ちゃらちゃらした学生を目にするたびに、建築現場でもくもくと働いている若者たちに贔屓の目を向けたくなるんです。

そしてその贔屓のついでに言わせていただきますと、最近、その種の若者たちもお洒落になったというのか、ズボンの裾が必要以上に広がったド派手なムラサキの作業着なんかを着ていたりしますよね。私が思うに、あれもまたファッションとして面白い! 作業着というものに無縁の私は、逆にあらゆる作業着に対する憧れがあって、スプリングコート代わりに実験白衣を、パジャマ代わりに手術着(アメリカの医者の着る手術着というのは、実に格好がいいんです)を買おうかと思って、家内に止められたことがありますが、あの裾のえらく広がったムラサキの建築作業着、あれもちょっと着てみたいですね。私があれを着て、授業をしに教室へ入って行ったら、面白いでしょうなぁ。聞くところによると、海外のファッション関係の人たちも、日本に来て一番興味を持つのは、作業服を売る店だというではないですか。やっぱり、事情通は、そういうところに目が行くんですって。

ということで、働く若き建築作業員たち、およびその奇抜なファッション、「教授のおすすめ!」です。





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Last updated  August 22, 2005 11:37:29 PM
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親方っ!  
紅ずきん  さん
こんにちは。事情通の紅ずきんです。
現場のお兄ちゃんがいかにして立派な職人になっていくか?
それは一重に親方や先輩の教育のたまものというものです。
工事現場というのは一歩間違えると大きな事故が起こりやすいところです。なので、事故に関して神経質なくらい目を光らせているというわけで。
自然と行動もてきぱき、掃除もキレイに(そうしないと施主さんがウルサイでしょ?)するのですね~

俗に言う現場監督(資格を持った人)という人が設計図を見て、あれこれ指示を出し、職人さんはその通りに動くので、職人さん全員が全ての工程を理解しているかというとそうでもないみたいですね。

今は職長教育なんていう特別な教育を受けさせる機関などもあります。
現場の親方や先輩はヒトもいいけど、コワイですからね~そりゃ筋の通った立派な若者が育つということですね。

何故に建築現場に詳しいか。ですって?
それは追々・・・( ̄ー ̄)

理系以外の教授が白衣を着ていると、怪しまれます。お気をつけください(笑)
(August 23, 2005 02:30:52 PM)

やっぱ、そうか・・・  
釈迦楽  さん
紅ずきんさん
やっぱ、そうでしたか・・・。しかし、それにしてもすごいと思いませんか。私は今14階建てのマンションに住んでいますが、土台の段階で1ミリ違ったら、14階ではかなり斜めになってしまうでしょう? そういうのをきちんと建てるのって、すごいですよね。仮に私が親方から、「ほら、そこセメント流し込んで」なんて指示されたって、うまく出来るかどうか。そんな私でも、5年くらい下積みすれば、少しは何とかなるのでしょうか。
ところで、紅ずきん親分は、なんでそんなことご存じなんですかい? ますます謎です。 (August 23, 2005 03:49:55 PM)

Re:やっぱ、そうか・・・(08/22)  
釈迦楽さん
昔は僕も同じように思っていました。「ちょっとでも狂ったら、それが積もれば大変なことになるだろうに」、と。
でも、その後分かったことは、建物でも機械でも、ちゃんと正確に所期の形や機能を実現するためには、「アソビ」を入れるんだそうです。つまりガチガチに精度に拘るのではなく、適当にガタや緩みを入れてやるのです。そうでないと、建物は地震や風、湿度の変化に弱くなってしまうし、機械は動かなくなってしまう。
結局「あまり正確さに拘って締め付けるとろくな事にならない」のは、人間でも建物でも機械でも同じのようです。
・・・それにしても、ちょうど良い加減に「アソビ」を入れてやるのは、図面どおりの正確さを貫くより遥かに難しそうだなぁ。
それでやっぱり、その道のプロは尊敬してしまいます。 (August 23, 2005 06:29:49 PM)

現場仕事  
マイク さん
どの分野でも、「見よう見まね」から始まるようです。先輩や上司の動きや考えを、横目でぬすみ、失敗を重ねながら、いっぱしになっていくのです。現場そのものが師匠、ですかね。 (August 23, 2005 06:54:19 PM)

今週のおすすめ  
スント・ホワイトレガッタいいですね。
とび職のニッカーはいて鉢巻しますか。ヨットレースでね。 (August 23, 2005 08:14:33 PM)

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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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