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November 4, 2005
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カテゴリ: 教授の映画談義



卒論の作成というのは、4年間の大学生活の総仕上げみたいなものですから、自分のゼミの学生たちにはなるべくいい論文を書いてもらいたいと思う。で、そのためにはなるべく早く書き出してもらうことが一番なんですけど、これがなかなか難しくて、いくらこちらがお尻を叩いても、学生はなかなか最初の一歩を踏み出そうとしないんです。多分、「いい論文を書かなくてはならない」というプレッシャーが、学生を怖じ気づかせるんでしょうな。

でも、どうあがいても年明けには提出期限が来るわけですから、どの道、そろそろ書き出さなくてはならないわけで、私のゼミ生たちもこのところようやく重い腰を上げ、私に書きかけの論文をメールで送ってきては、添削を頼んでくるわけ。というわけで、今日もゼミ生から頻々と送られてくる書きかけ論文を読んでは、添削し、送り返す、読んでは、添削し、送り返す・・・と、そんなことをずっと繰り返していました。やれやれ、もっと早い時期に少しずつ送ってくれよ! 何で皆、一斉に送って来るんだよ!

ま、そんなこんなで人の書いた文章を直すので忙しくしていたもので、夕食後は何だかもう仕事をする気が失せ、ついついNHKの衛星放送でやっていた『ガントレット』(1977)という映画を見てしまいました。クリント・イーストウッド監督・主演の作品です。

実はこれには裏があって、昨夜遅く、同じくNHKの衛星放送で「クリント・イーストウッド自らを語る」という番組を見てしまったんですね。今や老俳優となったイーストウッドですが、この番組の中で彼がインタビューに受け答えをしているのを見ると、やはりカッコいいんですな、これが。ま、その好印象があったもので、今日、『ガントレット』を放映しているのに気づき、ついつい最後まで見てしまったというわけ。

これ、どういう映画かと言いますと(ネタバレ注意!)、アリゾナ州のしがない刑事のイーストウッドが、ある時、一人の女囚を護送する役目を言い渡されるんです。で、何の迷いもなく、彼はこの職務を遂行しようとするのですが、その途中、何度もその女囚と共に殺されそうになってしまう。実はアリゾナ州の警察庁長官がマフィアとつるんでいて、そのマフィアから娼婦を供されていたんですが、その娼婦というのが、今イーストウッドが護送しようとしている女囚なんですね。で、彼女が裁判で証言をすると、警察庁長官がマフィアと結託していることがバレてしまう。そこで長官自ら州警察に命じ、警官殺しの汚名を着せたイーストウッドもろとも、この女囚を殺してしまおうとしていたんです。

ま、女囚護送の職務を口実に、イーストウッドはいわば捨て玉にされてしまうのですが、このことに気付き、憤った彼は、何が何でもこの女囚を裁判所まで連れて行くことを決意するんですね。かくして、アリゾナ州警察が手ぐすねひいて阻止しようとしている中、果たして彼は彼女を裁判所まで連れて行けるのか? というのが、この映画の見どころとなるわけ。

面白そうな話でしょ? でも結論から言って、この映画に対する私の点数はと言いますと・・・

61点です! 残念でした!!



それから同僚の州警察と対決するイーストウッドも、もう少しましな対決の仕方がありそうなもんですわ。たとえば、最終的に彼はバスを乗っ取り、それで市庁舎に突入を計って、警察から一斉射撃をくらうのですけど、もし私がイーストウッドだったら、バスを乗っ取った段階で、一般市民をバスに乗せたまま市庁舎に突っ込みます。もちろん事前にテレビ局に連絡してね。そうすれば、警察からの一斉射撃なんか受けるはずないのに。

その他、彼がこの映画の中で取るどの行動も、「私ならそうはしない」というものばかり。また逆に長官や州警察の側の行動も不可解至極。だもので、どうも映画を見ていても乗り切れないんですよねー。

結局、イーストウッドは、大型バスが道の両側に並んだ何十人もの警察官から蜂の巣にされる壮絶なシーンが撮りたかったんだろうな、とは思いますし、だからこそこの映画のタイトルが『ガントレット』(罪人を両側から鞭打ちにする刑罰のこと)なんだろうとは思いますが、そのシーンに至るまでのリアリティがなさすぎて、どうにも入り込めない・・・。聞くところによると、イーストウッドはサム・ペキンパー監督を崇拝していて、ペキンパーばりの銃撃シーンをこの作品で実現したんだそうですけど、そんなこと言ったって、ねぇ・・・。

この映画見てて、私が唯一感心したのは、一番最初にイーストウッドがループタイをして画面に登場してくるシーンです。ループタイ・・・。日本だと定年を迎えたお父さんが、ネクタイ代わりに身につけるもの、というイメージがありますが、イーストウッドのループタイ姿、めちゃくちゃカッコいいですよ。そこで映画を見ながら私もつい「僕もループタイ買おうかな」と言ったら、「カッコいい人が身につければ、どんなものでもカッコいいのよ」と家内に言われました。だから? だから何? ということは、私が身につけたらどうなのよ? カッコいいってことでしょ?

・・・・エヘン。ま、それはともかく、こう言うと、多分身も蓋もないことになっちゃうんですけど、クリント・イーストウッドの監督作品って、結局ロクなのないんじゃないかな。少なくとも私が見た彼の監督作品で、良かったと思うものは一つもないです。その割に彼の監督作品に対する世間の評価は高いですよね。私にはそれが不思議で仕方ないんですけど。

というわけで、やっぱりイーストウッドは、マカロニウェスタンと『ダーティーハリー』に尽きるなぁと、あらためて確信してしまったのでした。


ところで、最初に言いました通り、今週末、私は右からも左からも押し寄せるゼミ生の論文の添削攻めに苦しめられることになっています。つまり・・・

ワタクシの方がイーストウッドより、よほど「ガントレット」状態ですからーー! 残念!!

(いまだにこのギャグ使ってるのって、多分、日本で私だけだろうな・・・)





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Last updated  November 4, 2005 11:09:27 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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