この場面は、アメリカ文学史的にはちょっと痺れる瞬間ではあるわけですよ。1950年代のビートニク・ムーヴメントを率い、1957年にニール・キャサディを主要登場人物に据えた小説『On the Road』を著したジャック・ケルアックが、そのニール・キャサディを運転手としてはるばる西海岸からやってきたヒッピー・ムーヴメントの新しいスポークスマン、『One Flew Over the Cuckoo's Nest』と『Sometimes A Great Notion』を出してまさに時代の寵児となっていたケン・キージーと会うというのですから。