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小耳に挟んだ噂では、公開後の新聞広告に、この映画のストーリー上の転換点となるセリフが大々的に登場していたらしい。事実ならば、不粋としかいえないネタバレだと思いますが、本作の持つ魅力は『あっと驚く展開』とはまったく別のところにあると思います。物語のラスト、雪の舞うクリスマスの夜の場面を観ながら、涙腺決壊…なんというか、もう「身につまされる」という感じで、主人公達の切ない思いに完全にシンクロしてしまいました。そしてこのタイトルに込められていた深い意味を、改めてじっとかみしめました。主演は豊川悦司と薬師丸ひろ子。かつてはアイドル的な人気者だった二人が、年齢を重ね、皺や贅肉をつけて、リアルな同世代の夫婦を演じていることに感慨が。まったく別々の人生を歩んでいた者同士が出会って、互いの運命を切り結ぶことの不思議さや美しさを、若々しい濱田岳と水川あさみのカップルが表現してみせる。そして、結婚や恋愛に限らず、宝物のような人間関係が存在し得ることが、石橋蓮司が演じるおかまの文ちゃんの姿からひしひしと感じられて、本当に素晴らしかった。登場人物5人のアンサンブルが見事で、非常に普遍的なテーマを軽やかに描いた佳作。音楽も映像もきれいだし、何より、たくさん泣いてしまった後で、しっかりと希望のイメージをつかまえられる温かい余韻が好き。もう一度観たらまた同じところで泣いてしまうと思うけれど、良い映画と出会えたと思えました。
2010.01.28
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京都で「THEハプスブルグ」展を観に行った時、ご一緒したkaoさんが「神戸では、メロンパンといったらコレなんです」…と、実物付で解説してくださったのです。そのパンを見て、自分が知っているメロンパンとのあまりの違いに、一瞬我が目を疑いました。では、私が今まで「メロンパン」だと思っていた↓これは…?…というと、神戸ではこの手のパンを「サンライズ」と呼ぶのだそうです。私にとってはまったく初耳だったので、ちょっとしたトリビア(死語?)を教わった気分。大事に持ち帰り、夫と半分こしていただいた「お初」の神戸メロンパン。ラグビーボールの形をしたフワフワのパンの中に、上品な白あんが入っています。最初は「これがメロンパン?なんで?どこが?」とうるさく騒いでいた夫も、いつしかおとなしくなって、パンの甘さを堪能していました。よく考えたら、いつも食べてるメロンパンも何処がメロンなんだかよくわかんないしなぁ…と(笑)白あんのパンというのも珍しく、とても美味しかった!知らなかったお味に出会わせてくれたkaoさんに感謝です。そんな訳で、思いがけずパンの「ケンミンSHOW」を体験させていただいたのですが、中部・東海地方に在住の身としては、ご当地パンといえば「小倉トースト」とか「小倉マーガリン」になるでしょうか。東京から転居してきて、初めて喫茶店のメニューに小倉あんの乗ったバタートーストを見つけた時は、あぁ、名古屋メシの地にやって来たのだ…と実感したものでした。スーパーの菓子パンコーナーにある「小倉マーガリン」のロールパンサンドも、関東ではあまりお目にかからない日が。私自身も、あんぱんのカロリーにマーガリンの分が上乗せされていると思うと、あまり食べる気が起きなかったのです。ところが、去年このパンに出会ったのをきっかけに、大いにハマってしまいました。長野県の塩川ベーカリーというパン屋さんの製品で、その名も「元祖 塩川のアンバタ」といいます。素朴で懐かしい感じのコッペパンに、どっしり食べ応えのあるアンコと風味の豊かなマーガリンがサンドしてあります。甘さと塩気のバランスがとにかく絶妙!結構ボリュームがあるはずなのですが、食べ始めると途中で止められず、一本ペロリと平らげてしまいます。そして、(カロリーのことは考えまい…)と思う(笑)「あんバタ」を齧りながら、素晴らしきかな、和洋折衷…と、あんパンを開発した先人に心の中で頭を下げるのでした。(そういえば、メロンパンはどうして『メロンパン』という名称になったのでしょうね?)
2010.01.26
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抜けるような青空、という表現がぴったりの、気持ちよく晴れた日曜日。京都国立博物館で開催中の「THEハプスブルグ」展へ行ってきました。本日は、kaoさん、こけしさん、mayさんとご一緒させていただき、キモオデ(着物でお出かけ)で過ごす楽しい一日となりました。【会場入り口にて、ベラスケスが描いた王女と王子も一緒に記念写真】集合後、まずは京都国立博物館のすぐそばにあるスペイン料理のお店でランチタイム。日々皆さんのブログを拝見している上、好きなことが共通しているせいか、あっという間に打ち解けてお話が出来るのは本当に嬉しいことです。食後、歴史と風格のある建物、それ自体が美しい博物館へ向かいました。改修中で一角が封鎖されていたのが少々残念でしたが、こけしさんの先導で庭から全貌を眺め、楽しい撮影大会に突入(笑)【kaoさんのカメラマンを担当させていただいた私。コートなしでいられる天候に感謝!】※写真はこけしさん提供、ありがとうございます※私にとっては、昨年11月の東京以来、2回目の鑑賞となります。今回、特に印象的だったのは、一番最初の展示室にあった、蒔絵棚と日本画の画帖。これらは、明治天皇から皇帝フランツ・ヨーゼフ1世(かのエリザベート皇后の夫)に向けて、友好のしるしとして贈られたものです特に、数名の絵師によって描かれた日本の暮らしと花鳥風月の絵画は、東京で観た時以上に、その繊細な筆致や色の鮮やかさが胸に迫ってきて、ため息が出ました。博物館を出た後、七條甘泉堂へ歩いていき、甘味とお茶でホッと一息つきました。二階のお座敷の居心地がよくて、おしゃべりにも花が咲きます。楽しい時間は本当にあっという間。その後は河原町から祇園をそぞろ歩き、呉服屋さんや小物の店を覗いて回りました。博物館でも、京都の街でも、様々な着物姿の方を何度も目にして、そんなことも嬉しかったです。わが家御用達の、原了郭の黒七味も購入できて大満足。平松洋子さんのお気に入りとしてエッセイに登場しています。kaoさんが一足先にお帰りになった後、こけしさんのお友達、コギクさんが合流され、祇園の「OKU」でスイーツとおしゃべりを楽しんでおひらきとなりました。ロールケーキとわらびもちのデザートプレートをいただいたら、お腹いっぱい。結局夕食はとらずに、mayさんと帰路についたのでした。楽しい時間をご一緒していただいた皆さん、本当にありがとうございました。今度はどんな「キモオデ」が実現できるかな?考えるとワクワクしてきます。何年も前にセールで買ったものの、どうにも似合わなくて眠らせていた半襟。何とか活用できないものか…と、印象を変えるためビーズを縫い付けてみました。手をかけてみた割には、どうも「正解」とは言いがたいコーディネートになってしまった気がするけれど(涙)これも勉強ですね。幸い、周囲の素敵なお手本には事欠かないので、これからも楽しく情報交換しながらおしゃれ道を追及していきたいものです。
2010.01.24
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予告編やCMをチラリと見ただけで、すっかりスパイク・ジョーンズの作り出した「かいじゅうの島」に魅せられてしまい、公開を楽しみにしていた作品。「アバター」がCGの最先端を行く映像だったとすれば、こちらは着ぐるみ特撮の進化形?画面いっぱいに暴れまわるかいじゅう達の激しいアクションは、ゴジラやウルトラマンやガチャピンを見慣れた目にも十二分に新鮮でした。活発な動きに加え、大きな顔が生み出す表情の豊かなこと!その繊細な感情表現に、名優の演技を観るごとく、心が揺さぶられることしばしば。お母さんと大喧嘩して、家を飛び出した男の子が、かいじゅう達に出会って冒険の日々を送る…という映画なのに、全編を通して切なさに満ちているのが不思議でした。子どもは切なさや寂しさと一緒に生きるものだ、と言われてしまえばそれまでだけれど…ただ、だからこそ、モフモフの毛並みに覆われたかいじゅうの大きな胸にすっぽり抱かれる時の安心感を、観客席でも共有できたのかもしれません。原作のかいじゅう達よりも“モフモフ感”倍増??子どもの頃、狭いところにもぐりこむことや、おしくらまんじゅうや、秘密基地作りや、お母さんに笑ってもらうことが好きだった。そんな、誰もに共通する追憶を呼び覚まし、感覚に直接訴えかけてくるところはさすがの手腕だと思います。(でもこれ、果たして子どもが観て楽しい映画、なのかな??)今日は名古屋まで出て、ミッドランドスクエアのシネコンで映画鑑賞。その後、地下の「ピエールマルコリーニ」でティータイム。ミッドランドシネマの半券を見せると、チョコレートをサーヴィスしてくれるんですね…美味しかった!
2010.01.17
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今週は寒波の影響か、冷たい風が吹きすさぶ、刺すような寒さの毎日でした。こんな真冬のお料理は、キッチンに温かい湯気が広がる煮込み系メニューに限ります。冷気と乾燥で突っ張りがちなお肌にも、潤いと弾力を…という訳で、この頃はコラーゲンたっぷりの食材をせっせと仕込んでいます。例えば、牛すじと大根の煮込み鶏手羽と里芋の煮物…などなど。牛すじの下拵えのコツ(水から茹でてアクをとった後、水道のお湯でよく洗うと臭みや余分な脂が取れる)は、料理上手な叔母に教わりました。鶏手羽の煮物は、夫の母が帰省の度に作っておいてくれる、家族みんなの大好物です。しょうゆとみりんの甘辛い味付けがたまりません。大きなお鍋いっぱいにたっぷりと作って、大抵は夕食のおかずにした後、翌日の夫のお弁当にも登場してもらいます(笑) 一晩おいた後、煮汁がプルプルの見事な煮こごりになっているのを見ると、自分のお肌にそんなハリとツヤが甦るのを見るようで(!)、ついニンマリとしてしまうのでありました(←錯覚!)。下処理のひと手間を惜しまないことで、料理の美味しさって違ってくるんですよね。手抜きに走らず心を込めることを、常々、大ベテランの先輩主婦に教わっています。これで、無口な夫の「美味しい」の一言が出れば、ますます言うことなし(笑)!
2010.01.16
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成人式に向かう、振袖姿のお嬢さんたちが行き交う日曜日。私は、お茶の先生にお招きいただいて、初釜へ伺いました。カメラを持って行かなかったため記録がないのですが、干支にちなんだ虎のお道具の数々、溜息が出るほど見事な床の間の柳の枝など、年に一度しか味わえないお正月の茶席の雰囲気を堪能しました。【唯一携帯で写した、待合にかかった海老のお軸】今年初めての「キモオデ」(着物でお出かけ)です。これまでの初釜では、こちらの色無地を着ていました。最初は堅苦しく「格の高い着物でないと…」と思っていたのが、実際は小紋や名古屋帯で出席される方もいらっしゃるということがわかったので、今年は帯は去年と同じ、着物はクリーム色の小紋で。同じ正絹でも、布の性質というのか織り方の違いなのか、この着物はとても皺がつきやすく取れにくい…という訳で、正座の際はかなり気をつけたつもりだったのですが、やっぱり立ち上がってみたら恥ずかしいくらい皺が寄っていました。ガーン!今年もまだまだ、「美しい着物姿」を目指して精進しなければいけない模様です…
2010.01.10
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昨年の12月に公開されて間もなく、年末の息抜きに鑑賞してきました。いつも行くシネコンでは、2Dと3Dのそれぞれを字幕と吹き替えで上映しています。夫と私は「3D・字幕」の回を選んで観てきたのですが、ネットで席を予約して大正解、の盛況ぶりでした(普段はかなりの話題作でも、せいぜい客席の5割が埋まるくらいなのです)。入場時にメガネを渡され、この感じ、昔ディズニーランドで観た「キャプテンE.O.」みたい!と懐かしくなってしまいました(マイケルよ、安らかに…)。3Dといっても「飛び出す」方より、リアルな「奥行き」に重点を置いた表現なので、ずっと飛んでくる何かを避けるわけでもなく(笑)長丁場でもごく自然に鑑賞できました。字幕の文字が浮き出して見えるのにだけは、ずっと違和感がつきまといましたが…豊富な地下資源を持つ惑星「パンドラ」の先住民、ナヴィに接触するため、人間が遠隔操作する擬体が「アバター」。深い緑に覆われ、異形の動植物が生きるパンドラの風景がとても美しく、夜の森の場面などは思い出してもため息が出ます。3Dということを差し引いても、この映画はスクリーン向けの作品だと強く感じました。CGを駆使した映像の中で、一番すごいと思ったのは「ナヴィは人間の1.5倍大きい」というキャラクター設定。この対比が結構、後半の画面にインパクトを持たせていると感じたのですが、俳優がメイクや着ぐるみで変身していた時代には決して実現できなかった映像ではないでしょうか。映画は、パンドラの地下資源を狙う人間とナヴィ族との戦いを中心に据えて進みます。こんなにきれいな舞台を用意しておきながら、ここまで銃火器をぶっ放す戦闘シーンを入れないと気がすまないって…まったくアメリカさんの感覚ときたら、と眉をひそめたくなったことも確か。侵略者vs被侵略者の争いや、異文化の尊重、自然と人間の共栄…といった素材は正攻法で、目新しさはないけれど、人類にとって普遍のテーマということなのでしょうね。この作品を観ている間中ずっと、私には宮崎駿監督の「もののけ姫」が連想されて仕方ありませんでした。(実はそれ以外にも、これってジブリの映画で観たことあるぞ?という光景が何箇所も…J・キャメロン、実は相当な宮崎アニメファン?)とはいえ、2000円の特別料金は少しも高いと思わない、ワクワクと楽しい時間を過ごしました。気分転換には最高の娯楽作です。これからの時代、映画鑑賞はこうやってどんどん、アトラクション的な娯楽になっていくのでしょうか…
2010.01.07
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。2010年、わが家のお正月一番のイベントは、4月でついに建替えとなる歌舞伎座で「壽初春大歌舞伎」を鑑賞してきたことでした。(冒頭の写真は、元日の新幹線から見えた美しい富士山です)銀座の街にも劇場内にも、美しいお着物姿の方が大勢いらして、いかにもお正月!という風情の華やかな雰囲気。自然と気持ちが弾んできます。劇場前のカウントダウン時計の前には、立派な門松。絵看板も初春の装いです。私たちが鑑賞したのは夜の部で、演目は下記のとおり。「春の寿」「菅原伝授手習鑑-寺子屋-」「京鹿子娘道成寺」「与話情浮名横櫛」新作舞踊の「春の寿」、雀右衛門さんの病気休演は残念でした。お姫様役の福助さん(少しお痩せになった?)がとってもお綺麗。その後も、荒事の所作や絢爛豪華な衣裳など、歌舞伎の王道ともいえる魅力に満ちた「車引」、歌舞伎舞踊の名作中の名作「娘道成寺」、そして♪死んだはずだよお富さん~、の歌にもなった世話物の「与話情…」と、バラエティに富み、歌舞伎の魅力を多面的に味わえる演目で、先月の南座に続き大満足の一夜となりました。中でも楽しみにしていたのが、中村勘三郎さんの踊る「京鹿子娘道成寺」でした。玉三郎ファンの私は、これまで他の方が踊られる舞台を生で鑑賞したことがなかった上に、勘三郎さんは玉三郎さんの「成駒屋型」ではなく、お祖父さんの「音羽屋型」をとられるので、その違いもあり非常に新鮮でした。また、今回は「押し戻し」と言って、蛇の精の本性を表し鐘にとり憑いた清姫を、大館左馬五郎なる侍が花道から舞台に押し戻す荒事の場面も演じられます。美しい衣裳を幾度も早代わりして、恋する娘の様々な姿を踊りで表現していた勘三郎さんが、鐘の後ろからおどろおどろしい大蛇の精の隈取をして現れ、すごい迫力!1時間を超す大作を見事に踊りきられる、その体力と集中力に脱帽でした。大入り満員、という訳ではなかったものの、満場の拍手や大向こうのかけ声はまさに「割れんばかり」でした。でも、喝采の中で幕が閉まればそれっきり。カーテンコールもないあっさりとした潔さ、これもまた日本人の趣向に合った慣わしなのかもしれません。名残を惜しみながら劇場内のあちこちを眺めて、外に出れば冷たい冬の夜。もう1度来られるかどうか…やっぱり今日が見納めかなぁ。後ろ髪ひかれる思いで大屋根を見上げました。今回ご招待した夫の両親にもとても喜んでもらえて、少しは親孝行が出来たかな?「車引」で桜丸を演じた中村芝翫さん(本当にお顔が大きくてご立派!)は、御歳82歳にして初役にチャレンジされたのです。同じく人間国宝の中村富十郎さんも、化粧に通常行う藍の隈取をせず、ご自分なりの工夫をされていました。寄る年波に勝てなくて…という類の愚痴を親から聞くことが増えたこの頃ですが、大先輩方のエネルギーには感服した様子でした。もちろん私も、新年早々美しい舞台で「いのちの洗濯」をし、まさに「こいつぁ春から…」上機嫌の滑り出しでした。家族で穏やかに新年を祝うことが出来る、当たり前でありふれた幸せに心から感謝して、今年も日々を重ねていこうと思った次第です。
2010.01.05
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