窓辺でお茶を

窓辺でお茶を

October 20, 2007
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カテゴリ: 舞台
 文楽の地方巡業公演昼の部を見に東府中まで行ってまいりました。人形遣いの一輔さんのあらすじ解説のあと、「近頃河原の達引」が始まりました。

 四条河原で伝兵衛は、主家の盗まれた家宝をめぐって人を殺してしまいます。伝兵衛に恩義を感じている久八が来合わせて、自分が引き受けるから逃げるよう言いますが、その場に落とした小刀から伝兵衛が下手人だとばれてしまいます。
伝兵衛と深い仲の遊女おしゅんは実家に返されていますが、兄の与次郎と母はおしゅんが伝兵衛と心中するのではないかと心配でたまりません。母は近所の少女に三味線を教え、与次郎は猿廻しをして細々と暮らしています。ふたりはおしゅんに伝兵衛宛てに絶縁状を書くようにいい、おしゅんは手紙を書きますが、目の不自由な母と読み書きのできない兄には内容が読めません。夜こっそりと伝兵衛がやってきて、初めて手紙に死ぬ覚悟が綴られていることがわかります。母と兄は、ふたりに心中せずに1日でも長く生きてくれといい、門出にめでたい猿廻しを見せて送り出します。悲しみを隠して明るく猿たちを遣うところが見どころです。

 猿は人形遣いさんがひとりで二体遣います。けんかしたり、与次郎にとびついたり、かわいらしく楽しいです。
この作品は最初素浄瑠璃で聞いて、情景を想像していたのですが、貧困の中明るく振舞っている与次郎、ここまでひょうきんな振舞いをしているとは思いませんでした。逆立ちまでしてみせます。いつも二枚目や美女の役の簔助さんが遣っているのも珍しく感じました。猿廻しの場面の三味線の響きもおもしろいです。

 休憩後は義経千本桜より「道行初音の旅」。桜の花盛り(本当は季節ではないとか)の吉野山へ義経を訪ねて行く静御前と、静の持っている初音の鼓を慕って佐藤忠信に化けてお供をする源九郎狐の舞踊です。初音の鼓には源九郎狐の両親の皮が張ってあるのです。(ちなみに「猫の忠信」という落語があります)
とにかく華やかで目の保養になります。静御前が後ろ向きに扇を投げて忠信が受け取るところは拍手喝さい。

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最終更新日  October 21, 2007 12:53:07 AM
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