窓辺でお茶を

窓辺でお茶を

May 29, 2008
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カテゴリ: 舞台
「METライブビューイング」というオペラ映画のシリーズから、プッチーに作曲の「ラ・ボエーム」を見ました。読んで字のごとく、MET/ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の公演を録画したもので、合間に指揮者や出演者のインタビューがはいっています。舞台裏から映した映像もあって、指揮者が呼び出されてオーケストラピットにはいったり、出番を終えたプリマドンナが機嫌良く戻ってきて、カーテンコールに出て行ったりするさまも見ることができました。

 1幕目のロドルフォとミミの出会いの場面は、結末を知っているだけに、美しい音楽に涙を誘われそうになりました。字幕を見ながらだと、以前見た時の印象よりもっと複雑な部分が見える気もします。ふたりの出会いは初々しいようだけれど、ロドルフォはけっこう恋多き詩人のようだし、ミミも清楚な娘といっても、ひとりで刺繍で身を立てていられたのか、疑問がわいたりして。ミミ役のゲオルギウは、このゼフィレッリの演出に合わせて清楚な役づくりにしているけれど、本当はそうは思わないと幕間のインタビューで言っています。

 大道具の転換も映し出されましたが、舞台の奥行きがあるので、1幕目の屋根裏部屋と2幕目のクリスマスの街角の舞台装置の転換は、そっくりできあがっていて人が乗っている状態で台車で入れ替えていました。昔上野文化会館で見たスカラ座の引っ越し公演では、2幕目では、奥行きを出すために紗の向こうにおとなの衣装を着せた子どもを歩かせていましたが、そんな必要もないのですね。

 昔見たフレーニのミミは、ごく自然に純情可憐だったのですが、ゲオルギウはかわいく演じようとしすぎてちょっと不自然に感じました。でも、出演者全員が美声であぶなげない歌唱で、映画と言っても音もよくて、オペラを堪能することができました。

 ロドルフォと別れて暮らしていたミミがロドルフォのもとで死にたいと言って、戻ってくる場面では、ロドルフォ役のラモン・ヴァルガスが、その前の幕間のインタビューで7歳の息子をなくしてから財団をつくった話をしているのを聞いたあとだけに、なんだか胸が痛くなりました。

 思いつくまま、まとまりがない文章になってしまいました。まだいろいろなオペラをこのシリーズでは見ることができるようです。

METライブビューイング

Eduardo Vargas Memorial Fund





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最終更新日  May 30, 2008 12:31:59 AM
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