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・ 春三日 仕事の山へ芝刈りに 年賀状の漏れなどを出し終えると、もう<日常>が帰ってきます。 昨年来の〈シゴト〉として、「まだか、まだか?」と依頼主にせっつかれる尾藤三柳随筆集『文芸の接点』の編集、校閲作業の仕上げへ…。 何とか、これまでに本文600ページ以上の製版を終える。 あとは、グラビアと装丁など比較的楽しいシゴト。 また、わたしの「月月火水木金金」がはじまりました。(i_i)
2009.01.03
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・ NHK大河ドラマ・天地人 「愛」の芸文まつり川柳作品の一次選考を終えました。 「愛」という大きなテーマに、多くの作品が集まりました。 しかし、このテーマは、既に多くの名吟を生み出しています。いったい、時代の空気を描く「あたらしい愛」の句が生れたのでしょうか。 選考会は1月13日に「天地人」の地元・米沢で行われます。 発表は、後ほど…。 ちょっと興味深い結果は、応募者のピークは団塊の60代にありましたが、入選候補として挙げられた句の選択率をみると、70代の作品が高率で推薦されています。 30代、40代は比較的多くの句が寄せられましたが、内容的に見ると愛の「既成概念」を説明したり、日常における「愛の行為」を報告したりするのにとどまり、句としてアピールが感じられなかったことです。 それに比べ、70代は、作句技術の上手さが目立ち、また、眼のつけどころも、既成概念に囚われない柔軟性を感じます。 また、10代は、応募数が少ない割りに、新鮮な句があり、高率になっています。 年齢別の応募構成比と、応募句からの推薦率を以下に示しました。 年齢構成 応募構成比% 入選率% 10代 1.3 13.6 20代 5.9 6.4 30代 14.9 3.3 40代 13.3 4.8 50代 15.3 6.7 60代 21.5 6.2 70代 18.9 12.3 80代 4.3 5.5 90代 0.5 0 多くの句が集まる<公募>において、同想や類想の中に埋没するような既成概念の世界は、作品としてどうしてもアピールの強さに欠けます。 選者としては、できるだけ新しい「愛」を取り上げたいと努力しました。 しかし、「愛」という身近で大きなテーマは、これまでにも多くの作家により描かれており、なかなか斬新なものが得られないのも事実です。 作句の上での大きなヒントになると感じました。
2009.01.02
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・ 王子権現こと王子神社へ。 昨日も長い行列があり、後日と思ったが、今日も参道を大通りまで続く参拝の列。 ある意味では、嬉しい現象だが、世相の裏返しなのだろうか…。 子供の頃の遊び場としての境内、高校、大学受験のお世話になり、また、節目節目の祈願には、ずいぶんと神慮をいただいた。 根津様も大切な行事だが、王子の住人にとって来ないわけにはいかない。 行列しての参拝に、きっとご利益もあろう。 さあ、あたらしい年のあたらしい仕事がまってます。
2009.01.02
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・ 先代の犬が我が家にやってきてからだから、もう20年以上にもなろう。 尾藤の家では、犬も含めて家中で根津権現さまに初詣に出かける。 もちろん、江戸における根津権現さまの位置もあるが、三柳にとっては、境内に出る骨董市も目的のひとつ。 かつて、面白い骨董をずいぶん買ったものだ。 しかし、ここ数年、骨董の内用がのようになり、しだいに触手の伸びるものが少なくなっている。 そればかりか、今年は特に、出店の数も減って閑散としているように感じた。 最近の私の骨董入手ルートは、ほとんどがネット経由になっているということもあるが、目で見て選ぶ楽しみは、骨董市の方が楽しいし、骨董の薀蓄を聞いたり、値段の掛け合いを行う醍醐味も、市の楽しさ。 これも、世の時流か、しだいに賑やかさを失っているのは何とも淋しい。 それは、さておき、家族そろって出かけられる喜びは、何にも増して良いこと。 いつまでもつづいて欲しいと願うのみ。
2009.01.02
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・ 飛鳥山は、江戸中期以来、桜(はな)の名所です。 江戸っ子に解放されたこの一帯は、江戸郊外の遊山地として多くの庶民に親しまれ、文人墨客によってその風情を褒められてきました。 その飛鳥山の北側、王子権現の台地と音無川を挟んで向かい合う「地主山」と呼ばれる付近で、大きな開削工事が進められています。 王子駅中央口から出てすぐのところで、花見客には便利な階段の取付け道路になりそうですが、この斜面は、旧日光街道が飛鳥山の裾を回りこみ、その斜面には躑躅と桜が美しく咲きそろう絶好の景観でした。 小さい頃から、この山を遊び場とし、この景色に親しんできたものにとって、この「便利」さだけを追求するような工事には、やや悲しさを感じます。 階段脇はセメントによる護岸らしき構造。まして、土の階段でなくコンクリートで覆ってしまうのであれば、もはや江戸の風情は失われます。 この山に登るには、裏の斜面の静かな木陰を抜ける道が古くからあります。登りきると陽光に開けた台地上に出て、桜の園の喧騒に溶け込みます。このコントラストが、飛鳥山の桜をさらに美しく感じさせます。 そのままで良いものは、そのままで。 そんなことを考えさせられる正月になりました。
2009.01.02
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・ お屠蘇のあと、一休みして初詣。 まず王子稲荷様へ。 これで、今年の冠位をいただきました。 例年に比べ、やや閑散といった感じですが、時間のせいでしょうか? おみくじに興味津々。 大きな筒を振って「四十七番 半吉」 王子神社さまに回ると、長ーい行列。 ここは、遠くからご挨拶だけにして後日に…。 いつもお世話になりながら、初詣を忘れがちのわが町の鎮守様・七社神社さまへ。 ここも、人手は少ないようですが、能楽堂では新年のコンサート。 境内には羽根突きの親子が歓声をあげ、新春らしい気分。 ここでも、おみくじ娘は・・・ こんどは「六番 大吉」。 氏神様は氏子にやさしい。 七社神社の境内には、2016年・オリンピック誘致の幟が翻っています。 そうだ! 2016年東京オリンピックの開催を目指し、私ども江戸っ子の端くれも、大きく声を挙げねばと再確認しました。 火事よりも聖火で燃やす江戸の華 どうぞ、皆様、東京オリンピック開催に向け、力を合わせてできるところから訴えてまいりましょう!
2009.01.01
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・ あけましておめでとうございます。 昨年中は、たいへんお世話になりました。 本年も無事、穏やかな元日を迎えることができました。 どうぞ、今年も宜しくお願い申し上げます。
2009.01.01
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元日に関八州の毛を拾い 柳多留拾遺4 現在の北区岸町に、関東稲荷の総社・王子稲荷があります。毎年12月の大晦日には、関東中の狐が集まってきて翌年の狐の序列を決めてもらうという年に一度の集まりです。 狐たちは、稲荷社のある台地の麓に聳える一本の榎の元に集合し、ここで、旅装から正装に装束を改めて王子稲荷の社へ向かいます。 巻頭の謎句のような川柳は、大晦日から一夜明けた元旦の朝には、毛づくろいをした狐たちの毛がさぞ落ちていることだろうというもの。「関八州(関東圏すべて)の毛を拾い」という見てきたような言い回しが面白いですね。逆に、この時には、関八州の狐は皆留守になります。 八州を留守にしておく大三十日 ここに集まった狐は、狐火を灯して列をなして王子稲荷に向かいます。遠くからこの情景を見ている人間どもは、この狐火の多少で新年の作物の豊凶を占いました。 榎の不思議板橋に戸田王子 迚茂 樽109 という句からみて、この狐火は遠く板橋や埼玉の戸田あたりまで見られたのでしょう。 かくゆう私も、狐の一員となって毎年この行列に参加することを恒例としてきました。 昨年からは、娘も夜更かしができる年となり、女狐のできあがり。 年々行列を見る人の数も膨れ上がり、また午前零時を待っている姿も狐の化粧や面をつけた人が増えています。これも、恒例化と情報の周知の成果でしょう。 まずは、出発点の装束榎稲荷にごあいさつ。 明々と灯の入った狭い境内にも人が溢れます。 いよいよ、午前零時。 じゅう、く、はち、しち、ろく、 ご、よん、さん、に、いち、おめでとうございます・・・ 行列の出発です。 今年は、行列の中からではなく、外からどのように見えるのが、客観的視点でみつめました。が・・・、ちょっと散漫な風景で、中から見る雰囲気とはちょっと違います。 ただ、昨年とは違った一行も列に加わり、列はさらに長くなったようです。 「踊る阿呆に見る阿呆」といいますが、私は踊る阿呆になったほうが良いようです。 親分狐、子狐、女狐、・・・と多くの狐が王子稲荷を目指します。 狐火の後れて来たは正一位 鳶 治 女狐の管を巻く頃春に成り 久良伎 江戸の文化は、久良伎ら明治の川柳家も愛しましたが、また、東京生まれの娘も、「狐の行列に行きたい」といいだす年になり、しっかりと受け継がれた気がします。 今年もきっと良い年になるでしょう。 江戸っ子の狐もしかと灯をつなぐ 一泉
2009.01.01
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大晦日。 家中の神様のお世話で二日目。 窓拭き、床磨き・・・ 観音様の手が多くてお掃除がたいへん・・・。
2008.12.31
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忙しい合間を縫いながら、何とか1年の刊行を行いました。 「川柳公論」の編集をしていて、隔月といえどもたいへんな作業であることは判っていましたが、〈三号雑誌〉の汚名だけは着るまいと、継続に重きをおきました。 原寸です かつて、夢やビジョンを高く掲げた多くの素晴らしい川柳誌の刊行の中で、継続されたものより、何時の間にか歴史の闇に消えたものの多いこと。中には1号のみというものも少なくなく、川柳年表に名前のみのものも…。 「継続こそ力」を信じて2009年へ。 あたらしい年も宜しくお願い申し上げます。
2008.12.31
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防犯と火災防止のために、栄町の子供たちが集まりました。 水と安全が無償ではなくなった今日、自らの町を自らの手で守ろうと、子供たちが立ち上がりました。 消防署、消防団、町会のみなさんの指導を受け、お揃いのジャンパーに身を包むと、子供たちは手に手に防犯グッズを持って、寒さ厳しい夜の町へ。 懐かしいカンテラは、北風に揺らめきます。 拍子木は、町内の闇まで届き、邪気を祓います。 男の子の持った保安支持灯は、もう初めからライトセーバーのよう。 拍子木に合わせて「火の用心」の声も、さいしょは北風に消えそうでしたが、行程を半分も回ると、声も揃って大きくなる。 お供のパパ・ママさんは、寒さに震えながらも、子の安全と、地域の安全に貢献しました。 ついでに、出動していた消防車に乗せてもらいご満悦。 わたしは、ワインを1本お土産に貰って帰り、家では冷え切った体を、そのワインで暖めているところ。今は、ニンゲンが半分ほど熔けてまいりました。
2008.12.26
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忙しさに取り紛れて、ブログへの書き込みができずにいました。 やっと手を空けて見てみると、13件の書き込み。 嬉しいなぁ~と開けてみれば、なんとエゲツない内容。 内容は、さておき、その言葉遣いがスマートではない。 どんな卑猥な内容でも、また、悪ふざけの悪戯でも、ことばを<粋>に使えば、けっこう笑えて読めるもの。 それを、日本語の乱れを遥かに超えるような口調と、ストレートな表現に「ゲンナリ」。 こういうことを書きたいのなら、もっと人に読ませる工夫か肝要。 「川柳」のような短詩文芸を学ぶことは、ことばを最大限、効果的に生かすにはもってこい。 悪戯なコメンターよ! いっしょに川柳をやらないか? 川柳の一部に、言葉遊びの要素がある。 これを極めれば、悪ふざけであっても、きっと読むひとを最後まで惹きつけてしまうだろう。 わたしは、日本語文化、言語文化涵養のため、川柳を広めたいと思っている。
2008.12.26
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川柳学会で「川柳と絵の出会い」の勉強会が開かれました。 12月も切羽詰った時期でしたが、25名の参加があり、2009年さいごの川柳を楽しみました。 事務局の一泉から、歴史的な「川柳画」の発祥と発展、絵本柳樽から川柳漫画、さらに川柳コミックへの道筋がプロジェクターを用いたビジュアルな資料と年表で報告があり、さらに橋本秀信先生より、北斎と川柳画についての興味深いお話をいただきました。 来年は、土屋文明記念文学館で「川柳とマンガ―そのエスプリ」というテーマで川柳展が行われます。それに先立っての勉強会でした。 川柳学会の楽しみは、講演、講義の後のワイン会。 四角に囲んだテーブルで、川柳を肴にワインを楽しみます。 学者・作家、ベテラン・新人など、集まったキャラクターはさまざまですが、酒と川柳画あれば誰でも打ち解けます。 北海道から参加の八木柳雀氏もそんな楽しみを求めてはるばる参加。 作句のない集まりでも、川柳を十分に楽しめるひと時です。
2008.12.26
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川柳公論の忘年句会にあわせ、川柳公論各賞表彰と山口早苗さんの句集「風の葉抄」出版祝賀が行われました。 雑詠<極北賞>受賞者は、大阪の笠島恵美子氏。 背骨掃くように落葉を掃いている (179号) 練り上げた言葉で棘を抜いてゆく (182号) 私を奮い立たせている真水 (182号) 眉引いて森を出てゆくことにする (183号) 図書館へ喉の小骨を抜きにいく (183号) 課題吟<蒼塔賞>受賞者は、埼玉の島崎穂花氏。 パリコレを縄文服が闊歩する 「斬新」 (179号) ハイテクと肩を並べる江戸文化 「斬新」 (179号) 卓袱台に昔はあった父のキャラ 「キャラクター」(180号) 楢山の手前で終わる鬼ごっこ 「追う」 (184号) 表彰者に、楯と記念品が贈られました。 参加者には、早苗さんの句集が提供され、花束贈呈により早苗さんを祝福。 6題の句会の後、芸達者な方々のカラオケ、声色など、一年納めの行司がにぎやかに行われ、来年に向けて思いを意新たにしました。 *思うに、1年が過ぎる速さは、年毎に加速度を増し、やりたいことに手が回らないまま人生、年だけを取っていくような気がします。 願わくば、生活に追われることなく、ゆったりとした時間を過ごしたいものですね。
2008.12.14
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文京区の<文京アカデミー>の講座のひとつとして、 あなたの世界を広げる「川柳講座」 が、来年1月14日よりスタートします。現在受講生募集中です。 文京区には、「狂句界のラスプーチン」などとも呼ばれた文日堂礫川という人が居た所で、四世川柳は文日堂の弟子としても有名です。初代川柳亡き後の川柳において、前句附から句会へとシステムを替え、江戸川柳を中興するに至る一派の拠点は、文京区にありました。 その川柳伝統の地域で、新しく川柳をはじめてみませんか。 日 時: 2009年1月14日(水)~2月25日(水) 1/14、1/21、1/28、2/4、2/18、2/25(6回) 開始時間: 18時30分~20時30分 会 場: アカデミー文京 レクリエーションホール 講 師: 川柳学会専務理事 尾藤 一泉 定 員:30名(超えた場合は抽選) 対 象:15歳以上の区内在住・在勤・在学の方 料 金: 受講料:1,000円、教材費:1,000円 問合せ先: アカデミー文京 学習推進係 5803-1119 申し込み: 申込み方法 申し込みフォームはこちら 文京区の旧区民大学講座です。 格安の受講料は、区主催ならでは。この機会に、是非川柳という伝統文化をお楽しみください。 主要カリキュラム *川柳とは何か *川柳の面白さ12章 *川柳作法と作句の技術 *俳句と川柳の視点 *古川柳と現代川柳 *川柳の表現視野 *自己を表現する方法(自らを見詰める眼) *作品発表の機会(句会の方法、染筆の基礎、川柳展等) *川柳を通した人生の楽しみ *選ということ(互選の基礎、鑑賞・批評の基礎) *その他・江戸や川柳、社会、文芸の雑学 もりだくさんですが、前半の講義、後半の作句を通じて、6回の講座を終える頃には、基礎知識を身につけられます。 まだ、定員に多少の余裕があり、区外の方も申し込めるといいます。定員を超えてしまった場合には、文京区の方が優先のようです。
2008.12.04
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山口早苗さんの句集「風の葉抄」が刊行されました。 あざやかな演出家―言葉という役者を意のままに― 尾 藤 三 柳 この作者の遠い時代の川柳歴は知らない。特に知る必要もない。けんらんたる「いま」がすべてを覆い尽くしてなお余りあるからである。 作句歴二〇年、齢古稀(ということを今回はじめて知って驚いたのだが)という節目は、これまでの集積を世に問うまさに最適の機会だろう。 彼女の予備的経歴はすでに一九八〇年代から地元の千葉や神戸の「ふあうすと」誌上で活躍が開始されていたらしいが、「早苗」という名が反復して私の耳に入るようになったのは、ここ十年来の句会場裡においてである。伝統的な句会でも、新しい傾向の句会でも入選率の高い彼女の名と、やや特殊な発想とが私の耳を離れなくなり、作家的な興味を抱いた。私は日常句会での成績というものを余り信用しないが、彼女の作品そのものに、ある種の執着を感じていたのである。そんな矢先、二〇〇一年五月発行の「川柳公論」(二六巻第二号)《めやなぎ》欄に、初めて彼女の一〇章が寄せられ、そのうち五章が掲載、一章が◎印推薦になっている。 片耳を落してからの風通し「『片耳を』は、耳から注がれる世の中の毒との対決」と私の短評が付してある。これが、ナマの早苗作品との最初の出会いだ。それから二年連続で彼女は〈めやなぎ準賞〉となり、三年目に自動的に《かわやなぎ》作家になった。その間、強く印象に残っている作品に、 サーベルが父の骨盤から抜けぬなどという句もあった。現在は社中の貴重なエディターである。 まず、彼女は器用である。というより、並々ならぬ魔術師である。テクニックが特にものをいう課題吟互選・互評《蒼塔集》 (本誌) の2006年度賞を獲得したばかりか、毎年上位の定連であることでも、それは窺えよう。 彼女は、あざやかな演出家である。どんな風景でも、ぬかりなく描き出してみせる。彼女によって演出される客観的風景は、ユーモアでも、不条理でも、アイロニーでも、ゆくところ可ならざるはなき趣である。 そして、彼女は、最後の一つのものを決して見せようとしない。見事な言語操作の皮膜に覆われた素顔は、絶対覘かせることがない。もちろん演出者が舞台へ顔をさらしては艶消しだが、この徹底した覆面の客観性は、思えば川柳の歴史的本性とはいうものの、現代川柳の暴露的な自己表出にどっぷり漬かっていると、もう少し作者自身の顔を見せてはくれないかと呟きたくもなろう。しかし、作者の本体は、最後まで屈折した言語構造のあわいから探り出すより方法が無い。 作者自身も己を知っており、そんな自分に対して時には自己嫌悪に陥るのか、思わず本音を洩らしたような一句もある。 口から生まれて転がっているわたし 「父のこと」「母のこと」を読むと、彼女の成長期は時代背景を含めて決して平坦なものではない。だが、彼女の特異なモノの見方や、屈折した思考経路を、そうした生活環境と無理に結び付けても始まるまい。しかし、それが彼女の天性だとしたら、彼女は初めから川柳の目を持って生まれたか、でなければ『屁っこき嫁』(「父のこと」参照)のDNAでもあろうか。彼女の作品はまさに多面体である。その面すべてにわたって鑑賞するには、個々の例句だけでも紙幅がつきてしまう。で、ここではその「時事川柳」について触れておきたい。 彼女の川柳は、時事から始まったという。そして現在、川柳フォーラム時事のれっきとした正会員で、本格的に取り組んでいる。 マニフェストでは防げない障子穴 2004 マニフェストという言葉が使い始められた頃の句。把握が的確であり、比喩のうまさが、辛辣な批評を呼び起こす。 非戦闘地域へ豆を撒きにいく 2004 自衛隊のイラク派遣。あの小泉首相が徹底的に拘った清算はまだついていない。これも目に見える比喩が絶妙。 もんじゅから打たれ強さを教えられ 2005 一九八五年のガス漏れ事故をめぐっての行政訴訟が二〇年ぶりで逆転勝訴となった福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」――まさに二枚腰ともいうべきその打たれ強さはどうだ。文殊の知恵というが、むしろ見習うべきは、この粘り腰ではないかという皮肉。 義理チョコの数で占う次期総理 2006総理就任前の阿部人気は並ぶものがない勢いだった。でも、それだけでは日本の舵取りは出来なかった。軽いタッチ。 宮崎で一番受けるバラエティ 2007 官製談合で政治不信がひろがる宮崎県知事選で、元お笑いタレントのそのまんま東(東国原英夫)氏(四九)が当選。テレビによる抜群の知名度がものをいった。 領収書五枚絆創膏五枚 2007 疑惑渦中で自殺した松岡利勝農水相の後を継いだばかりの赤城徳彦氏が、今度は事務所費の架空計上で追及を受けたが、領収書はついに示さなかった。釈明の記者会見では顔中に絆創膏を貼って現われ、テレビ視聴者をおどろかせた。一句全体が漢字で、対句構成になっているのがおもしろい。 中国の花輪も届く芥川 2008 第一三九回芥川賞は、中国人楊逸さんが母国語で書いた「時が滲む朝」が受賞、日本語以外の外国作家の初の受賞として話題になった。花輪は母国中国からのお祝い。 (秋彼岸あけの日に 朱雀洞で)
2008.11.29
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こんばんは。 ブログ更新もご無沙汰。 ブログ更新のわずかな時間が取れません。 日記も三日坊主の私にとって、川柳の十七音は合っているのかも。 ご心配のメールを頂き、嬉しく存じます。おかげさまで元気です。 まとまりがなくとも、更新するよう勤めます。 今後とも、よろしくお願い申し上げます。
2008.11.29
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10月15日~11月16日まで、浅草の観音さまで親しまれる浅草寺本堂落慶50周年記念大開帳が行われています。 自称、江戸っ子としては、これに伺わないわけにはいけません。 というより、仲間の自称・江戸っ子さんから「六世川柳時代の奉納された狂句絵馬が見られるぞ…」という連絡により、飛んで出かけました。 ご開帳は、もちろん秘仏のご本尊ではありません。これは、永遠に秘仏であることが、私たちの心を惹いています。 といっても、1200年も前の〈お前立ご本尊さま〉が開帳されるので、これもめったに無いことです。期間中は、午前6時半~午後5時まで、8時間労働よりも長くお厨子のお扉が開かれ、直接そのお姿を拝することができます。 さらに本堂の前には、とても太い三本の開帳塔婆が立ち、その塔婆からはお手綱が垂れ下がっています。参詣の方々が、その五色の綱に取り開帳のご本尊さまとご縁を結んでいました。 浅草寺に奉納された絵馬は、江戸期から有名無名の絵師や多くの庶民によって彩られたものがあります。その中には、幾たびも行われた柳風狂句合奉納額の行事に際したものもあったはずですが、これまでの調査では、「無い」ことになっていました。 ところが、このたび明治15年の額が展示され、その雰囲気の一端を伝えてくれています。 川柳にとって狂句はタブー視されることもありますが、狂句なくして川柳の歴史は伝わらず、今日の川柳は無かったことでしょう。 100年以上前の川柳に関わった人々の息吹が、この文字が消えかけている絵馬からはっきり伝わってきます。 ともかく、この機会に是非見ておきましょう。
2008.11.13
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来年の2月、土屋文明記念文学館では、第64回企画展「川柳とマンガ」―そのエスプリ―が開催されます。 その展示準備に群馬県の当館を訪ねました。 東京から車で2時間。しずかな古墳と田園に囲まれた一角に、群馬県立土屋文明記念文学館が建っています。 近くには榛名山が頂を煙らせ、上州の空ッ風が吹き抜けていました。 川柳が、文学館で展示される機会は、私ども川柳家にとって有難いことで、川柳という文化の大きさ、深さを伝えるには絶好です。 今回は、誇張の表現として川柳とも通ずる「マンガ」というものとタッグを組み、その面白さを倍増させます。 どうぞ、開催の折には、お運びいただけると幸いです。 この企画に併せて、川柳の募集も行われます。1.目 的 当文学館では、「未来に語り継ぐ文学があります」を合い言葉に文学の情報発信を行っています。 平成21年2月7日(土)から3月15日(月)には、第64回企画展「川柳とマンガ」-そのエスプリ を開催いたします。 この企画展に伴い、川柳を一層身近なものとしてとらえていただくことを目的として、川柳作品を募集します。2.主 催 群馬県立土屋文明記念文学館3.応募規定 (1)部 門 A : 一般部門(高校生以上) B : ジュニア部門(小・中学生) *どちらの部門も未発表作品に限ります。 (2)内 容 A : 一般部門 ………「 今 」をとらえた川柳。 B : ジュニア部門 ……日頃思ったこと、感じたことを五・七・五で表現したもの。 (3)応募方法 ハガキに3句まで。 ペンネーム可(ただし、部門・〒・住所・氏名・電話番号を明記のこと) *ジュニア部門は学年も明記してください。 (4)募集期間 平成20年10月1日(水)~12月5日(金) *当日消印有効 (5)宛 先 〒370-3533 群馬県高崎市保渡田町2000 群馬県立土屋文明記念文学館「川柳公募」係 4.審査ならびに賞 (1)選 者 一般部門 尾藤 三柳 氏(川柳公論主宰・日本川柳ペンクラブ理事) ジュニア部門 田中 寿々夢 氏(朝日・上毛新聞川柳欄選者・前橋川柳会会長) (2)賞 <一般部門> <ジュニア部門> ・大 賞 1点 賞状と 副賞=図書カード1万円 / 副賞=図書カード5千円 ・優秀賞 5点 賞状と 副賞=図書カード5千円 / 副賞=図書カード3千円 ・入 選 10点 賞状と 副賞=図書カード3千円 / 副賞=図書カード千円 ・佳 作 各部門30点 副賞=川柳グッズ等5.入賞者の発表・展示 (1) 入賞者には1月31日(土)までにご連絡します。 (2) 表彰式は当館において、関連行事「万句の合わせの開(ひらき)の再現」の中で行います。 (3) 入賞作品は企画展の期間中、館内に展示するほか当館HPに掲載します。 その際、ペンネーム(柳名)を希望する方は応募の際、その旨を明記してください。6.個人情報の取り扱い 応募者氏名等、個人情報については、入選者への連絡等、本コンクールに必要な範囲でのみ使用します。7.著作権 入賞作品の著作権は群馬県立土屋文明記念文学館に帰属するものとします。 どうぞ皆様、奮ってご参加くださいませ。
2008.11.08
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☆詳しくはこちら (オリックスからのメッセージです) 拝啓晩秋の候、いつもオリックスグループをお引き立て賜りまして、誠にありがとうございます。本日より第5回「オリックス マネー川柳」の募集がスタートしました。昨年ご応募いただいた皆さまへ、いち早くご案内いたします!!今年は第5回を記念して、大賞賞金を昨年までの20万円から50万円に増額!また、キッズマネー川柳と称して、小学生・中学生部門賞を特別にご用意いたしました。さぁ、今年も「お金」を貯める・殖やす・使う・借りる…など、日常のワンシーンや「お金」に対するあなたの思い、トホホな出来事などを5・7・5に託して応募しましょう! ===========================≪ 募集概要 ≫=========================== ●応募方法 【オリックス マネー川柳】応募フォームから お申し込みください。 モバイル(携帯電話)サイトからのアクセスも可能! PCサイトにQRコードもご用意しています。 http://regist.orix-mail.net/u/No/1581/CE5FF7DD_97189/cc2998.html ●応募期間 2008年11月4日(火)~2009年2月2日(月)正午まで ●賞 金 ◇オリックス マネー川柳大賞(1句) 賞金50万円 ◇ユーザー投票賞(1句) 賞金15万円 ◇オリックスグループ各社賞(7句) 賞金各10万円 ◇優秀賞(15句) 賞金各1万円 皆さまからのご応募を心からお待ちしております!! 敬具
2008.11.04
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第16回を迎えた「愛鷹こうねん大学」の最終日。川柳の講座をさせていただきました。 平成13年から、三柳の後を受けて続けてきた講座。今年は、600人の参加者があり、いっしょうけんめい川柳の楽しさ、効用を伝えました。 設備の整った富士市のロゼ会館ホール。 影像の映りも、音響の状態もよく。気持ちよい講演ができました。 映りが良い分、初代川柳の肖像の笑みも、何時もより嬉しそう…。 川柳の基礎知識から例句紹介、鑑賞、成立の時代背景など、反応の良い聴衆に、語る方もつい力がはいりました。 何といっても、反応よく笑っていただけるのが、古川柳とサラリーマン川柳。 <共感>が大きい分、誰にでも受け入れやすいのでしょう。 例句さえしっかり選び、適切な解説を加えるなら、決してサラ川が川柳の悪いイメージを伝えることはありません。 毒も薬も、使い方しだいだと改めて感じます。 わざわざ、できの悪いサラ川を選んできて、その問題点のみを語る調子では、やはり、悪い面だけが聴衆に残ってしまうでしょう。 会場参加の「あなたの川柳のセンス」のコーナーでは、ほぼ全員がクイズに頭をしぼり、短い講演のなかでも、川柳の思考方法を体感しました。 また、川柳の効用をならべ、川柳を作る楽しみ、読む楽しみ、そして、参加する楽しみと人生における川柳の位置づけを提案すると、割れんばかりの拍手。今日は、われながら出来の良い講演に、気持ちも高揚しました。 帰りがけ、富士市からの富士山は、美しい山体を伸び伸びと空にあずけていました。 この中から、ひとりでも川柳に興味を抱き、そのごの人生の糧となるようなお付き合いをしていただければ、これにまさる喜びはありません。
2008.11.04
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年末年始恒例の<オリックス マネー川柳>が今年も開催されます。 第5回という節目で、特別に大賞賞金50万円とのこと。 この緊縮経済にあって、賞金額が上がるのは、投稿者にとっても遣り甲斐。 公募なんて応募がたくさん来るから、入選なんて「運」と思うのはまちがい。 時代を的確に捉え、オリジナリティーがあり、読者の共感をうるような視点であれば、入選のチャンスは大。 金融動乱の2007年は、テーマにも句材にもことかかないでしょう。 本年は、キッズ部門の賞も用意されています。 言語文化としての川柳で、思いを述べるセンスを養うのも勉強になりそうです。 詳細は、近日マネー川柳サイトで発表されると存じます。お楽しみに。
2008.10.31
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先日、川柳公論の合同句集でやられたサギ行為が、拡がっていました。 今日、三柳を訪ねてきた古参のINさんの所にも、「あなたの句を載せるから、1句2万円」という電話が来たそうです。 電話で、自分の句を読まれ、「確かに私の句です」と言ったら、お金を取りに伺いますのでよろしくといったそうです。INさんは、「何をバカなこと言ってんの。これは、私たちの句集で、他所に転載するなんてまっぴらごめんよ!」と言ってやったら、プツリと電話を切ったそうです。 INさんのように、向こっ気の強い女性なら安心ですが、間違って払ってしまう気弱な方もいるかもしれません。 文芸をネタにしたサギは許せません。 僕のところには、掛かってこないのだろうか? 「よろこんで、お願いします。いつでも取りに来てください…」といっておいて、捕まえてやりたいものです。
2008.10.30
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女房の尻がはいらぬ本の壁 栄 いきなり、白いメモ紙を突きつけられたので、何のメッセージかと読めば、なんと川柳が書き付けられていました。 なるほど、リビングから仕事部屋の扉の脇に、川柳雑誌が1メートルほどの高さに積んであり、出入りのたんびに崩していたようです。 文句もあるでしょうが、なかなか全部に目が通らない。 読んでない本や雑誌は「積ん読」しておくしかないでしょう。 読み終わった本、データ処理の終わった雑誌は、ダンボールに入れて倉庫へ。 しかし、倉庫までの道のりの遠いこと。
2008.10.30
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佐藤美文(よしふみ)さんの川柳句集『風』の出版記念会。 私のような若手の川柳家にとっては、年代の近い「兄貴分」と思っていたら、もう七十を越えられたとか。実年齢を知って、またビックリ。 初めてお目にかかったのは、1984年4月の第1回大宮川柳大会。美文さんの地元に、川柳会を興して以来、ずっと埼玉川柳をリードしてきたとききましたが、川柳界へはその5年前にはいった新進気鋭でした。ちょうど、今の私の年齢と一緒の頃です。 私が、この大会に出席したのが24歳であり、川柳入門9年目の、句会が面白くて仕方なかった時分でした。 25年前の美文さん、やはり若い…。川柳界では、珍しい若手として、私などは、ずいぶん身近な先輩に感じました。 それから、25年。このお祝いの席に出席できたことは、私にとってもとても嬉しいことで、他の仕事の予定を崩してでも出たいと思いました。 昨晩、祝吟を色紙に認めながら、美文さんの顔を思い出しながら描きました。 ぼくの心の中では、兄貴分のように思って若く描いてしまいましたが、ホンモノを前にすると、やはり「若い」と感じました。 永遠の青年・佐藤美文 なんだか、急に自分が年をとったなあと感じさせられるほど、美文さんは変っていないようです。 川柳家にとって、句集の上梓は、自分の過去の総括であるとともに、社会へ評価を問う機会です。それぞれの生き方をしてきた作者にとって、句の上手い・下手は問題ではありません。その句の字間からにじみ出るニンゲン性に対する評価で、句会吟のような競争を目的とした作句契機で生れた句より、このたび美文さんが上梓した『風』のように、創作として生れた句は、作者を浮き彫りにすることでしょう。 決して大祝賀会などというような規模ではありませんでしたが、美文さんの周辺で美文さんの人間性が好きな方々が集い、とても気持ちのよい時間がすごせました。 これからも、作句に、著述に川柳界をリードして欲しいものと、美文さんに拍手を送りながら、心地よい酔いの中を帰ってまいりました。
2008.10.29
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Google でフリーサービスの<ストリートビュー>を見ました。 ニュースで、プライバシーの問題提起をしていたので、我が家がどのように見えるか、確認したかったからです。 幸い、わが家の直面する道は私道で、玄関前は映されることがありませんでしたが、数か所からのカメラで、外観や洗濯物などが映りこんでいました。 ためしに、近所の娘の友達の家を見ると、公道に面しているため、正面からばっちり、門扉の奥まで映っており、表札もはっきりと読み取れます。おかしかったのは、顔こそボカシがはいっていますが、近所の知り合いのオジサンが自転車に乗っているところが写っています。本人だけでなく、普段の服装を知る他人からも「○○さん」と判定できるほどで、どこで自分が写りこんでいるか判らない不安も起こりました。 興味は尽きず、札幌の親戚や福岡の従兄弟の家などを見ると、なんと手に取るように見えるではありませんか。 興味というより、空恐ろしさを感じました。 ストリートビューは、大きな市街地だけのようですが、便利さと裏腹に大きな危険性も孕んでいるようで、なんともいえない不気味さを感じてしまいました。 ストリートビューに尻尾が写り込む
2008.10.28
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いやはや、ニュースで騒がれる有害物質の含まれた食品問題。 まさかねえ。。。と、冷蔵庫の該当品を取り出し、買った店に電話すると「そのロットは含まれています。食べないでください…」とのこと。 さっそく、お店に返しに行ってきました。 とはいえ、もう毎日のように食している製品ですから、今日の冷蔵庫の袋だけでなく、わたしの胃袋の中の製品も調べて欲しいものです。 身近に迫っている食品問題は、もう他人事では済まされなくなってきています。 お前もか チャイナフリーはもう昨日
2008.10.27
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練馬区立美術館の主催で、「岩絵具を作ろう!」というワークショップが開催されました。 小学生対象で募集して、出かけてみれば、妙齢のご婦人方がメインという参加者。当然、語り口もそちらに合わせてのものとなりましたが、二人だけ参加の小学生も、「絵具」などという年齢にあまり左右されない内容で、しだいに楽しんでくれました。 「懸濁液」「水簸」「濾過」などというテキスト言葉に、担当の学芸員のお姉さんがルビをふり、脇で噛み砕いた説明を加えてくれたのも、おおいに役立ったことでしょう。 まず、現在当美術館で開催されている日本画家・高山辰雄展の会場を見学。 作品に近づいて、絵がどのようにできているかを観察しました。 次に、アズライト、マラカイトといった、日本画の岩絵具の代表的原料や、練馬の土を使って顔料作りです。 大学のように道具の揃っていない環境。でも、顔料なんてどんなことをしてでもできます。 金床がなければ、ハンマーを二つ使って鉱物を粉砕。 作業が始まると、年を忘れて夢中になれます。 できあがった岩絵具は、顕微鏡で観察。ひとつひとつの粒子が、ちいさな色として画面から語りかけてきます。高山辰雄先生の作品を直接顕微鏡で見たのと同じであることが判ると、自らの手で作り出した岩絵具が、とてもいとおしくなります。 午前中のには、一般論として顔料の講義をしました。 顔料がほぼできあがった午後には、絵具の元になる展色剤の話。午前と午後で、絵具に関する基礎的な概念を身につけました。 さあ、こんどは、ニカワを展色剤として、自分たちの手で作った岩絵具で作品作りです。 「わたしの岩絵具」が、ニカワ液を媒介に画面に次々と置かれ、イメージがしだいに出来上がってきます。やや、通常の絵具からすると粗い粒子も、独特の味になって画面に自らの存在を主張します。また、夢中になれる時間になりました。 展色剤の講義において触れた絵具の併用性ということから、テンペラなどへ興味を持った方が、下地から彩色技法などの質問。自分の行っている日本画という伝統的技法の範疇を広げるには、周辺の他の技法に目を向けることも大切であると感じてくれたのでしょう。 グローバル化は、国家間のみではなく、絵画表現においても可能な部分があります。 大人と小学生と、どちらに焦点を置くかで最初悩んだ今回のワークショップ。終わってみれば、どちらも「楽しかった」「役に立った」との感想。難しい専門用語も日本画のしきいの高さも関係ありません。 体験することが、理解を深めるこの世界。本という伝達手段ではなかなか伝わらない内容も、目の前でチョッとやってみせれば「なるほど」の納得。 工房における徒弟制度は、きっと優れた養成システムだったろうと、改めて考えさせられました。 ハンマーも画箱に添えて聞く講義
2008.10.27
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10月19日の<孫の日>にちなんだ川柳募集の入選発表が行われました。 イメージをクリックしてください。 もう「孫は川柳にならない」なんて言わせません。
2008.10.24
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年末年始恒例の<オリックス マネー川柳>が今年も開催されます。 第5回という節目で、特別に大賞賞金50万円とのこと。 この緊縮経済にあって、賞金額が上がるのは、投稿者にとっても遣り甲斐。私も、句を出すほうに回りたーいと思いますが、立場上、とってもとっても残念です。 金融動乱の2007年は、テーマにも句材にもことかかないでしょう。 本年は、キッズ部門の賞も用意されています。 言語文化としての川柳で、思いを述べるセンスを養うのも勉強になりそうです。 詳細は、近日マネー川柳サイトで発表されると存じます。お楽しみに。
2008.10.21
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振り込めサギが横行し、当局も本腰を入れての対応のようですが、なかなか被害が後を立ちません。 今度は、私どもにとっても無関係ではいられない「サギ」まがいの電話が本日掛かってまいりました。 ご注意あれ!!! 私どもの合同句集「天」の入集者のひとりに、次のような電話が掛かりました。 「(何か、ある別の書籍に、よく判りません…)あなたの句を3句転載します。転載にあたっては、1句2万円です。各人3句載せますので、6万円払ってください」 というものと聞きました。 ご高齢の本人は不思議に思い、娘さんに相談。娘さんから「天」発行元の尾藤三柳事務所に「他の皆さんは、支払っているのですか?」という電話での問い合わせがあったので、発覚しましたが、どうも新手のサギのようです。 川柳界では、このような企画は聞いていません。 一般に、名鑑類への参加は、書籍代一冊分程度が普通で、毎年行われるもので3000円程度。少し書籍が高級に作られる豪華版でも5000円程度です。 1句2万円で… などというのは、もってのほかで、まず私どもの業界では考えられません。 川柳にかぎらず、合同句集や名鑑で住所が特定される場合には、こんなサギを思いつく悪人が生ずると、改めて世の中のすさみを感じます。「性善説」ではいられないのでしょうか。 身近に起こったことです。 取り急ぎ、注意を喚起します。
2008.10.21
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番傘川柳本社創立100周年記念全国川柳大会が奈良県の100年会館で行われました。 全国から千人を超える参加者があり、川柳史上まれに見る行事となりました。 一口に100年といっても、その百年は新川柳の歴史とほぼ重なる100年で、その歴史はまた新川柳の辿った歴史でもあり、記念出版の『番傘川柳百年史』は、われわれ研究家にとっても待っていたものです。 挨拶の後、岸本吟一制作の「川柳史探訪」の上映がありました。 これは、番傘川柳社創立65周年に企画された映画でしたが、一度現物を見てみたいと思っていたものです。念願がかないました。 さすがに影像の専門家だけあって、見せる内容になっていました。たっぷりと堪能して、俄然、新しい川柳史の影像作品を作らねばという思いに駆られました。 第三部は句会。8人の選者による1000名の大会は、1句吐きでしたが入選60句。厳しい入選率と選者の負担は、残念ながら名句ばかりとはいきませんでしたが、これもたっぷりと楽しめました。句会は、楽しむことが主眼であり、作品は創作で問わねばならないと思うのも、大きな大会ゆえでしょう。句会は、これでいいのです。 こういった大会では、各地から多くの作家が集まり、お話が聞けるのがいい経験です。この年になっても、逢いたい大先輩がいます。学生服時代の私を知っているセンパイは、「ずいぶん大きくなったなあ~」と目を細めていました。ついでに「俺の作品をどう思ってみている?」と聞かれ、多少困りましたが、「絵画作品の鑑賞と同様、抽象画には抽象画の鑑賞方法があります」といったら、底の抜けたような笑いをされました。 この三日間、三柳センセイの杖代わりに同行したので、あまり自由はありませんでしたが、おかげでずいぶん三柳と川柳の話ができました。他人が思うほど、家庭内では川柳の話をしません。むしろ、周辺の文化や芸術の話が中心です。 今回は、新幹線の道中やホテルでの長い夜を川柳談義ができたのが収穫でした。 というわけで、残念ながら私の写った写真はありません。 相変わらず、三柳の専属カメラマンのボランティアでした。
2008.10.13
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本年の大学での授業も先が見えました。 やっと、自分の仕事に戻れそうです。 明日は、番傘100周年出席のため奈良へ。 新川柳とほぼ同じ歴史を誇る吟社の節目をお祝いしたいと思います。 それにしても、目の回る忙しさに痺れました~…。
2008.10.10
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かつての川柳家に医師がけっこう多くいらっしゃいましたが、川柳と医学というのは、縁が深いのかもしれません。 そのお医者様を養成する北里大学で、川柳の講義が数年前から行われています。 今年は、「まったく同じ内容で…」という依頼で、市民大学講座の1コマも担当。同じ日に同じ内容の講義を二度繰り返すという初めての経験をしました。 川柳史の概略から川柳発祥期の時代背景、川柳の特性、現在行われている川柳の種類、川柳のアノニミティーについて、川柳センスのチェック・クイズ、さらには、各種川柳の効用、コトバの力としての川柳、短詩など、幅広く、しかも初めて聞いても川柳の概略と特性が理解できる内容を用意いたしました。 まったく同じ内容のプレゼン項目を用意いたしましたが、しぜんと話す相手により力点が変り、市民大学の先輩受講生には、川柳を通じて豊かに生きる愉しみを主張し、学生には、たった十七音の文芸がまきおこす人の心への作用を医学生として今後の医療に何か活用できるのではということの種を植え付けることに、つい力がはいりました。 いずれも、日頃は川柳と無関係の受講生ですが、この講義を聞くことにより、漠然とした知識に体系付けができ、興味を持っていただけたようです。 リアクションペーパーは、今後皆さんが書いてくれるものと存じますが、一部見せていただいたところでは、川柳という文芸の深さを認識し、文化として興味深いということや、これを契機にやってみたいという声も多く、嬉しくなりました。 帰りの車の中で、日本の学者がノーベル物理学賞を受賞したニュースを聞き、これも嬉しく感じましたが、私にとっては、川柳に興味を抱いてくれる「読者」、「ファン」がひとりでも増えていただけそうなことに、疲れた体とは別に、清清しい気分となっていました。
2008.10.07
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本日より、浅草・合羽橋で燈篭まつりがはじまりました。 上野から浅草寺に抜ける「馬車道」を中心に、三つの商店会が開催。 道の両側に、燈篭が並べられ、通る人の目を楽しませています。 新堀阿部川川柳会をはじめ、いくつかの川柳吟社も協力、かくゆう「さくらぎ」も燈篭への飾り付けに参加、川柳作品や絵を書きつけました。 灯が入ると、紙で見ているのとは違った趣で、とても幻想的ですし、下手な(失礼!)句も絵も上手に見えます。 また、本職の絵描きさんや書家も参加しており、見ていて飽きない行事です。 こんな形で川柳が社会に出ると、川柳にまったく関係のなかった方も足を止めて句を読み、ニヤリと笑っていらっしゃる。 遠くからその様子を見ていて、何となく嬉しくなるのは私だけでしょうか。 「川柳に読者を!」という大きな目標に、このような企画が役立ちそうです。 本日から10月25日まで開催され、期間中は福引など商店会でもサービスいっぱいです。 どうぞ、足を運んでみてください…。
2008.10.06
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本日、台東川柳人連盟主催の文化祭川柳大会が開催されました。 忙しさで忘れておりましたが、はくりゅう先生から電話を頂き、選者をすっぽかしてしまう失礼を免れました。申し訳ございません。 初代川柳の画像軸が微笑む会場で、川柳発祥の地の誇りを胸に活躍する新堀阿部川川柳会。会長の大川幸太郎先生も相変わらずお元気。 選にさきだって、発想における同想・類想を避けるための「題の廓を出る」ということについて解説。会場からは、納得したような、判らなかったような反応でしたが、題詠において既成概念をいかに払拭するかが、月並みをのがれる方法であり、そのための手段としての「取り合わせ」もオマケに披露しました。 そんな理屈は抜きにして、句会は同好の方々との交流であり、こころを少し暖かくして帰ってきました。
2008.10.06
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年に一度の川柳公論の勉強会グループ・合同句会が、パンテオン多摩にて行われました。 主催した多摩の桜柳吟社は、現在のグループでは最も古く、今回で句会500回記念(23年)という記録を達成しました。 ちなみに、私も桜柳吟社より少し古い台東区の柳池会の出身ですが、残念ながら私のグループは、現在存続しておりません。 継続500回というのは、何と言っても会員の変らぬモチベーションと健康の賜物でしょう。 川柳の効能に、老化防止があるのではないでしょうか。 「さくらぎ」からも5名が参加。 交流を楽しみました。
2008.10.06
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土屋文明記念文学館 第64回企画展「川柳とマンガ」-そのエスプリ 川柳公募1.目 的 当文学館では、「未来に語り継ぐ文学があります」を合い言葉に文学の情報発信を行っています。 平成21年2月7日(土)から3月15日(月)には、第64回企画展「川柳とマンガ」-そのエスプリ を開催いたします。 この企画展に伴い、川柳を一層身近なものとしてとらえていただくことを目的として、川柳作品を募集します。2.主 催 群馬県立土屋文明記念文学館3.応募規定 (1)部 門 A : 一般部門(高校生以上) B : ジュニア部門(小・中学生) *どちらの部門も未発表作品に限ります。 (2)内 容 A : 一般部門 ………「 今 」をとらえた川柳。 B : ジュニア部門 ……日頃思ったこと、感じたことを五・七・五で表現したもの。 (3)応募方法 ハガキに3句まで。 ペンネーム可(ただし、部門・〒・住所・氏名・電話番号を明記のこと) *ジュニア部門は学年も明記してください。 (4)募集期間 平成20年10月1日(水)~12月5日(金) *当日消印有効 (5)宛 先 〒370-3533 群馬県高崎市保渡田町2000 群馬県立土屋文明記念文学館「川柳公募」係 4.審査ならびに賞 (1)選 者 一般部門 尾藤 三柳 氏(川柳公論主宰・日本川柳ペンクラブ理事) ジュニア部門 田中 寿々夢 氏(朝日・上毛新聞川柳欄選者・前橋川柳会会長) (2)賞 <一般部門> <ジュニア部門> ・大 賞 1点 賞状と 副賞=図書カード1万円 / 副賞=図書カード5千円 ・優秀賞 5点 賞状と 副賞=図書カード5千円 / 副賞=図書カード3千円 ・入 選 10点 賞状と 副賞=図書カード3千円 / 副賞=図書カード千円 ・佳 作 各部門30点 副賞=川柳グッズ等5.入賞者の発表・展示 (1) 入賞者には1月31日(土)までにご連絡します。 (2) 表彰式は当館において、関連行事「万句の合わせの開(ひらき)の再現」の中で行います。 (3) 入賞作品は企画展の期間中、館内に展示するほか当館HPに掲載します。 その際、ペンネーム(柳名)を希望する方は応募の際、その旨を明記してください。6.個人情報の取り扱い 応募者氏名等、個人情報については、入選者への連絡等、本コンクールに必要な範囲でのみ使用します。7.著作権 入賞作品の著作権は群馬県立土屋文明記念文学館に帰属するものとします。 ※私も企画展の展示・「万句の合わせの開キの再現」のお手伝いをいたします。 どうぞ、皆様ご参加くださいませ。
2008.10.01
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既に3年を経た〈スパガーラ川柳〉の選者としてはじめて当地に伺いました。 時代の要請である〈健康指向〉の当施設の存在は、到着すると同時に広大な駐車場を埋め尽くす車の数によって、大きく支持されていることを感じました。一度入館すれば、バリエーション豊かな温泉施設群、食事、ゲーム、読書、リラクゼーション設備などによって終日いても飽きずに満足できるでしょう。 この日は、心の健康を促進する意味でも、川柳という十七音の手軽な短文芸を楽しむことにより、体の健康と合わせて、精神のカタルシスが得られるよう、そのさわりの部分をご紹介しました。 一風呂浴びて館内着でリラックスしての川柳講座もオツ 講座は、1.川柳の歴史と形式 2.いい句を得るための川柳の発想 3.知っていると上手くなる作句技法と推敲のポイント 4.実作「あつい」選評 5.川柳を楽しむための10章 という構成の2時間。やや、よくばった内容で消化不良もおこしそうでしたが、みなさん、熱心に聞き入り、さらに、川柳という文化に興味をお持ちいただけたことと感じました。 「あつい」と課題を平仮名にしていたのは、「熱い」「暑い」「厚い」「篤い」など、少しでも発想の羽を広く広げられるようにしたものですが、短時間であったにもかかわらず、まとまりのある作品をものすことができました。課題「あつい」 尾藤一泉選評七十の手習い熱い色さがす 律 江作者の年をとっても失わない学ぶことへの意欲がベースに。作者の心を「色」という抽象的なものに重ね、「熱い色」というイメージに、まだ広がることを忘れない作者の世界が結晶。自民党 不満不平で沸騰す 敏 夫課題の「あつい」から、今日の社会に目を向けた作品。不平不満は作者のものでもあり、また社会の代弁。単に「熱い」と言わずに「沸騰す」でイメージとして描いたところが功。総選挙秋から夏へUターン 昭 二これも男性らしい風刺の目。来る総選挙に「熱さ」を見出した〈目〉は、社会派。これも「秋から夏へ」というイメージにより、季節を逆行する政治という世界を象徴的に描く。¥まだ熱い昔の恋に恋してる 貴 義心の内面に目を向けると、まだ熱い昔からの炎が。年をとったとしてもニンゲンの中には消せない炎があることを、自ら発見、自嘲の驚きとともに本質を取り出してみせます。騒音に空見上げれば小牧山 重 光暑苦しい騒音にふと見上げれば、小牧の自然が悠々と目に移り、その鬱陶しさを忘れます。幼い時から生きてきた故郷への愛着と自然の力を感じます。「爆音に」とすれば、空港に近いこの地域の具体的イメージがさらに伝わります。親の愛厚い氷もとけてゆく 尊 博親の愛の「熱さ」で「厚い」氷もとけたという縁語仕立て。言葉遊びの要素も強いのですが、短時間に愛の本質を十七音に盛ることには成功。決して言葉遊びは否定だけされるものではありません。講義受け熱い心をチト隠す 國 利今日の講座での即吟。「作者の心を十七音に盛りましょう」と迫る講師の言葉を受けて、句に感情を盛るということに、ちょっと照れている作者の気分がよく現れています。 この講座で、川柳の楽しさを少しでも深めていただければ幸いです。
2008.09.29
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現在ブームの川柳を取り上げ、「ゆうゆう川柳塾」として小沢昭一氏の「川柳の魅力」と一泉の「初心者のための川柳なるほど講座」の二部構成で主婦の友社発行の雑誌「ゆうゆう」10月号で<川柳>が紹介されました。 記者に選ばれたのは、東急セミナーBE青葉台教室で、この日の講座は少し緊張ぎみでした。いつものように前半の座学の後、後半は実作と互選および選評。そのまま記事になっています。 小沢氏の「時事川柳は戦後にしかない」というのは、やや極論で、明治期にメディアではじまった柳風会以外の川柳は時事そのものでしたし、明治新川柳においても時事は川柳の要素の一つでした。それ以外は、概ね川柳の面白さを社会に発信できる内容で、小沢氏の川柳観も温かく、きちっと捉えていらっしゃるので、川柳人として有難く思いました。 どんな機会であれ、川柳が社会へ顔を出す回数が増えることは、何よりのことと思います。
2008.09.29
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米沢市芸術文化協会主催の公募川柳の選を担当することになりました。 「愛」という大きなテーマで、ニンゲンを描く文芸「川柳」にとってかっこうの題材です。大きな愛を十七音に託してください。 戦国時代大好きな私にとっても、来年は楽しみな大河ドラマです。 NHK大河ドラマ・天地人 「愛」の芸文まつり 川柳作品募集要項■公募タイトル :愛をテーマにした川柳募集■主 催 :米沢市芸術文化協会■共 催 :大河ドラマ「天地人」米沢市推進協議会■開催の趣旨・目的:2009年NHK大河ドラマ「天地人」の放送開始に向け、米沢市芸術文化協会 では「愛」の芸文まつりを開催します。今の日本において失われつつある日本人 の心「義」と「愛」を貫いた直江兼続の生き様を振り返り、その大切さを今一度 思い起こそうと、愛をテーマにした川柳を全国より公募します。■募集内容 :あなたの素敵な愛をテーマにした川柳 (※自作・未発表の作品に限る)■応募規定 :一般の部(高校生以上)とジュニアの部(小・中学生) ハガキ、E-mail、ホームページ内の専用フォーム、携帯電話から応募。 作品、〒住所、氏名ふりがな(ペンネーム・雅号がある場合は記入)、 年齢、職業(学校名・学年)、電話番号を明記。応募点数に制限なし。 <応募先>ハガキで応募の場合 〒992-0045 山形県米沢市中央1-9-20(ポポロ4F) 米沢市芸術文化協会 「愛」芸文まつり川柳係■応募資格 :不 問■出品料 :無 料■ 賞 :一般の部 ジュニアの部 「天」位 1点=5万円 「天」位 1点=図書カード5千円分 「地」位 2点=1万円 「地」位 5点=図書カード3千円分 「人」位 6点=5千円 「人」位15点=図書カード1千円分 他、協賛賞など■選 者 :尾藤 一泉■締 切 :平成20年12月20日(当日消印有効)■発表と表彰式 :平成21年2月 上杉雪灯篭まつり期間中、同会場で。および、芸文協ホームページでも発表。■入賞作の使用権 :応募作品の使用権は、「愛」の芸文まつりに帰属。■問い合わせ先 :米沢市芸術文化協会 「愛」の芸文まつり川柳係 〒992-0045 山形県米沢市中央1-9-20(ポポロ4F) TEL&FAX 0238-22-7015 E-mail yngeibun@yacht.ocn.ne.jp
2008.09.27
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2年に渡って学んできた古典画法も一通り終了。 出来栄えも上々の記念写真。 下地の準備から地塗り、箔置き、絵具の調整、下層描法、彩色法等をテンペラから油彩まで幾通りかの処方で学習。模写を中心に身につけてきました。 もちろん、それぞれ1度くらいでは完璧にマスターとはいかなくても、この知識とテクニックを生かしてオリジナル作品に生かせれば、それは盲目的に絵具を使ってきた探り描きの描画とは異なった、物質としての気品を備えた作品が出来上がるでしょう。 過去に目を向けることは、無駄な回り道をしなくとも、自分の求める表現を手にすることができるでしょう。 川柳についても同様で、古川柳からの歴史的作品を識ることは、今後の自分の表現を豊かにすることにダイレクトにつながると共に、文芸としてのオリジナリティーを知るにも必要な作業になるでしょう。
2008.09.27
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川柳公論・朱雀会の研究句会が行われました。 俗に「印象吟」と呼ばれてきたイメージからの連想を契機とする作句について検証、ファーストインプレッションから二次的に生成する内容から句を得る過程について学習。 特に、五感のうちの臭覚から実作に臨む。 用意されたのは、缶に入った未詳の匂い、これを契機に作句。 いかに飛躍した、しかも元の臭覚イメージから不即不離の作品が得られるか。 作品は、「川柳公論」184号をお楽しみに。 予想以上の時代を反映した句が得られました。
2008.09.27
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この時期は、お墓参りも年中行事。 初代川柳の墓所がある龍宝寺では、9月23日に<川柳忌>が行われていました。 忙しさに取り紛れて、ゆっくり参加することができませんが、お塔婆とお参りだけは欠かさずに…。 その足で、同じ台東区内の尾藤家墓所へ。 車で10分ほどのところ。ここでも、ナムナム。 さらに、同じ区内の松浦静山の旧宅跡の調査。 足の悪い研究者を親に持つと、足代わりのお供。 おかげさんで、習わぬ経を身につけるのもありがたいが…。 ちいさな世界ですが、私にとってなくてはならない存在に川柳がなってしまいました。
2008.09.25
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小牧温泉スパガーラの<スパガーラ川柳>を担当して3年になりますが、ネット上でしかお目にかかれない作家と直接会える機会をいただきました。 公募川柳において、川柳の講座を行うのは異例のことですが、川柳が入選を目的とする遊びから文化のレベルに進めるよう、川柳の深さと広い楽しみを伝えたいと存じます。 お近くの方は、お出かけください。 詳細はこちら。
2008.09.25
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川柳の顔とは違う1日。 女子大生を相手に、絵の具のお話をする時期。 この異質な時間が、わたしにとって脳を活性化してくれます。 授業の前後は、研究室で新しい材料の開発。 これもまたエキサイティング。 こんな時間に居ると、自分はやはりモノづくりが好きな技術屋であることを実感します。 これが、川柳にとっても何かの役に立っている気がしました。
2008.09.25
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毎日何気なく使っているお箸。日本の食生活にかかせないお箸。お箸はその長い歴史の中で、日本人独特の美意識や礼儀作法を育みました。しかし昨今では、日本人のお箸使いの乱れが激しく問題視されています。ひとりでも多くの方にお箸に関心を持っていただけたら幸いです。第4回箸川柳大賞はコチラ■川柳のテーマ:お箸使いやお箸のマナー、持ち歩くお箸など、お箸に関する全般 ※川柳とは「五・七・五」の十七音字で成り立ち、季語の制約がない短詩です。 ■募集期間:平成20年7月1日(火)~平成20年9月30日(火) ■応募資格:年齢・性別・国籍等の一切を問いません。 ■応募方法:事項をお読みいただき、いずれかの方法で必要事項をお送りください。 お一人様、何点でも応募可能です。 ■箸川柳応募フォームからご応募■官製はがきでのご応募 1.作品 2.氏名(ふりがな) 3.ペンネーム(氏名での発表公開を希望されない方)、 4.メールアドレス 5.郵便番号 6.住所 7.電話番号 8.性別 9.年齢、 10.兵左衛門HPを見て応募 11.弊社からの案内送付を希望(はい、いいえ) 12.箸や箸川柳に対してのご意見、ご要望 以上1~12をご記入のうえ、次の住所へご送付ください。 〒101-0031 東京都千代田区東神田1-10-4 新川ダイユウビル9F 株式会社兵左衛門東京支店 箸川柳 兵H係 ■応募規定 ・応募点数の制限はございません。 ・応募者ご本人の著作による未発表のオリジナル作品に限ります。 ■審査方法 当社内にて厳選なる審査を行ないます。 ■賞品 大賞・・・ 箸職人が作るオリジナルの携帯箸 「八四郎(はしろう)」セット(15,000円相当) 優秀賞・・ 箸職人が作るオリジナルのお箸セット(5,000円相当) ■受賞発表 当選者発表日:平成20年10月27日(火) ・当ホームページにて受賞川柳を発表いたします。 ◆その他 1/お送りいただいた作品の著作権は、兵左衛門に帰属するものといたします。 2/本や雑誌などのマスメディアに掲載される場合があります。 3/今後同様の募集を行なうために本や新聞、POP、応募ハガキなどに掲載する場合があります。 4/本募集内容に関し、事前の予告なく変更することがございます。 5/賞品の発送は、発表後約1週間以内にお送りいたします。
2008.09.22
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念願の「千手観音」を観てきました。 チケットを取るのもなかなか大変でしたが、なによりも時間を作ることが大変でした。 今日の半日を空けるために、ずいぶん仕事を詰め込み、肩がバリバリでしたが、2時間の公演を観ているうちに、心身とも解きほぐされ、無理をしても見ることができたことを感謝しました。 五体満足でも日常に埋没して甘えてしまうと、その能力を発揮することも忘れてしまいがちです。 「闇の中で光を味わい、音のない中でメロディーを感じ、不完全の中で完璧を求める」という彼らの言葉は、私の言葉にも響きました。 折れたる木は折れたるままに、そこに芽を出す なんと啓発されるフレーズでしょう。 個性それぞれ、そのままがその人そのものであるのだから… 闇の中で光を味わう…なんて、まさに川柳の発想。 欠けているからこそ磨かれる才能があるのは、それも人間の可能性の発露ですが、できれば、満足な中でも可能性を成就させる努力と目的意識がなければならないと感じました。 千手さまの演者の女性と写真を撮り、握手をしてきました。「ありがとう」という音は届かなかったかもしれませんが、柔らかく暖かい手に、私はご利益を分けてもらった気がしました。
2008.09.22
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川柳「さくらぎ」の吟行会、秋の一日を三渓園で楽しみました。 日頃、自宅や教室が中心となる川柳の作句。ともすると、日常の忙しさや慣れ親しんだ環境に埋没して、感性が錆びついてしまうことも。 そんな時有効なのが、環境を変えての作句。 吟行は、日常を離れての作句契機により、自然からのイメージを感じ取るセンサーを鋭敏にすることができます。 誰が雨女だったか知りませんが、台風13号の影響で、ここもシトシトの降り。 でも、気心の知れた仲間や、ふだん会うことのない他の教室の仲間が集まり、川柳を通じての友情を交誼しました。 思い思いの場所で、雨の三渓園から感じられるイメージを十七音に。 時には、池に寄り添い、鯉と会話。 親しみを感じてか、鴨も亀も寄ってくる。 作句時間は、あっという間に過ぎ去り、記念撮影をして中華街へ。 こっちの方が作句より楽しみだったという一部不良作家のコトバもありましたが、それはそれで川柳の楽しみのひとつ。 当日の収穫は・・・ 内向きの雨垂れを聴く雨宿り 美佐緒 保護色に隠れて殖えるコイの群れ さくら 盛り上る亀の話の 傘二人 ヨシ江 蓮の葉が雨をころがし笑い出す 雪 出無精を恥じる心を洗う雨 千 夢 待ち侘びた友 雨の園 現れる 千 江 三渓のしつけが悪い池の鯉 碧 海 雨の中恥ずかしそうに萩の花 よし胡 夕焼けにのぼりが映える三吉橋 玉 江 バツ三の三三九度は姦しい 柳 蔵 喜怒哀楽溢れた日々の三帖間 千 江 砂時計静かに人をかしずかせ 美佐緒 「三」野村碧海選、「渓」牧内ヨシ江・梁瀬千江選、「園内嘱目吟」尾藤一泉選より
2008.09.22
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9月はお祭りの多いとき。 わが町会もごたぶんに違わず…。 娘が担ぐというお神輿を見に出ると、なんと女の子の多いこと。 子供神輿の担ぎ手は、粋な半被の姉御ばかりで、男の子は遠慮したのか幼児神輿に集中。 掛け声が秋晴れの空に響きわたる。 私が娘の年頃には、女の子が神輿を担ぐなんて思いもしませんでした。 女の子は、たいてい山車の引き手でしたが、ここにも女性の進出(男の後退か…)が広がり、将来の日本文化の担い手も、女性の双肩に掛かっているような…。 男性諸君よ、一歩前に進み出ようではないか。
2008.09.22
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