全14件 (14件中 1-14件目)
1

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう風の影(上)価格:780円(税込、送料別)風の影(下)価格:780円(税込、送料別)カルロス・ルイス・サフォン「風の影(上下)」集英社文庫 - 俺 URL風の影読了。終盤で俄然面白くなって評価を上げた。最後まで読まないと分からないね。9点。現在パートのストーリーと過去パートのストーリーを重ね合わせた着想の勝利。作中作的な位置づけの過去パート(フリアンとペネロペの悲恋とそれに起因する破滅と復讐の物語)が、その謎を解き明かす現在パートの「ぼく」の教訓になり、成長の鍵となっている。そして、最後にフリアンと「ぼく」の物語が現実に重なり合い、「ぼく」が救われて幸福になることで、フリアンも代償的に救われ、生きる元気を取り戻すという流れが秀逸。顔のない男=フリアンであり、自分の本を燃やしている男がフリアン自身であったという真相は十分に衝撃的だったが、この真相をより切なくしているのは、ペネロペが最初の時点で死んでいたことを全く知らないままフリアンが10数年も生き続けていたためだ。ペネロペと会うために費やされた俺の人生は全て無駄だった、意味がなかったと認識したときのフリアンの絶望感とその後の自暴自棄な自己抹消衝動は同情できるし、胸に迫る。したがってフランコ独裁の象徴的存在とも言える、歩く狂気・凶器とも言うべき無差別復讐鬼フメロとの死闘へ向けての終盤の怒濤の展開はサスペンス満点だし、ベアトリスをかばおうとして凶弾に撃たれ生死の境をさまよった「ぼく」の復活と再出発へのエンディングが很も感動的になる。凡庸な作家なら近親*相*姦ネタを出した時点で満足してあとは雑に展開させてしまいそうなところを、この作家は単なる一要素にしかせず、その後にもそれ以上の衝撃を畳み掛けるように繰り出してくるのだ。正直やや退屈な感のあった上巻に比べて、終盤のネタや展開の密度の濃さは圧巻だ。後半の印象を高めるべく計算された前半のゆったりさだったのかとすら思われる。更にはスペイン内乱とその後の圧制時代という時代の暗い影も内容にシンクロしており、この重層性が文学的深みを加えている。本作のシリーズを書き継ぐ予定らしいが、この水準を維持するなら勝手ながら「スペインのゴダード」と称するに値する力量だと思う。本作にテクニック的に学ぶべき点は多い。1、ストーリーラインは1つよりも2つ重ねたほうがいい。2、主要人物は二面性を持たせたほうが魅力的になる。3、主要人物は不幸や危難に陥っているほうが共感やサスペンスを生みやすい。4、個人・家族の人間関係、人間間の情念(愛情、憎しみ、復讐)を表面上のテーマ(謎解き、ミッションクリア、闘争など)に重ね合わせたほうがよい。特に、中心に恋愛要素は入れたほうがよい。5、恋愛を入れる場合は悲恋にしたほうがよい。親や所属集団同士が仇敵であるほうがよい。不倫関係などに起因する知られざる近親関係は、障害要素として効果的である。恋愛は失敗に終わってもよいが、その場合は何らかのテーマ的必然性(人生の教訓など)や、それに代えて主人公が得るものがなければならない。6、最も強大な敵(本作ではフメロ)は絶えず脅威として登場しつつ、クライマックスにおいて主人公と対決し、最大の危難をもたらさなければならない。7、主人公は、終盤において生命の危機に陥ると物語が面白くなる。ただし、主人公の命は助かるほうがよい。主人公が絶命する場合には、そうすべきテーマ上の必然性があるべきだ。これらの要素の多くはクーンツも挙げているが、本書はこれら全てを満たしていて、なるほど確かに物語の面白さに基本法則というのはあるらしいと分かる。他の本を読みながらもう少し調査分析を進めてみたい。ところで可能世界論的にもこの作品の面白さは説明できる。人間関係が複雑なんだけど、その各々の思い描いている世界の食い違いが錯綜しているがゆえに面白い。互いに騙しあっているために、様々な人間が無駄なことに人生を費やしたり死んだりしている。こう見ると「人物の関係の変化が面白い」というよりも、それらの人間を介して「衝突する諸世界の関係の変化が面白い」のだといえる。つまり、8、主要人物の主観世界および客観世界は、全て互いに食い違っていなければならない。そして、互いにその食い違いを利用して騙しあわなければならない。という法則も立てられるのだ。むしろ、これが一番大事だと思う。
2010.10.31

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう江戸の暗黒街改版価格:540円(税込、送料別)池波正太郎「江戸の暗黒街」新潮文庫おみよは見た★★★むぅ……。改行が多くて薄っぺらい文体。読みやすいのだが、なんか味気ないなぁ。殺し屋が女に亭主の妾の殺しを依頼され、殺す。しかし下女に目撃され、下女を消そうと目論む。一方の下女は妾に虐待を受けていて、殺してくれたことを感謝し誰にも犯人を見たことを告げない。そんなこととはつゆ知らず、犯人は誤ってほかの娘を殺してしまい、処刑される。人物同士の表象世界の相違が悲劇を生む、というトリック自体はいちおう合格点だが、展開は単純だし、人物描写もやや浅い。それに、江戸時代を舞台にしなくても成り立つ話だよね。だれも知らない★★1・2これまた微妙。父を殺された武士が逃走した男を追って仇討ちに出るが、腕に自信がなく行きずりの浪人に殺しを依頼、しかし金を持ち逃げされる。この浪人が偶然、犯人の家に盗みに入り、それと知らず刺し殺す。それを知らぬ先の男は、仇討ちの為放浪を続けている。単なるコントだし、展開が偶然に頼りすぎ。白痴★★★強*姦する男を殴って白*痴にした男がやり手の美人*局になる。だが相方の女を突き飛ばした弾みで女は頭を強打し、白*痴に。男は客の侍に斬り殺される。白*痴の男女が夫婦になる。男の毒★★★精力絶倫の夫から逃れる為絞め殺した女が、自ら精力絶倫となり、嫁いだ先々で失敗し、やがて最初の夫の弟と会い夫婦になるが、やはり失敗する。ここまでで作風を見ると、複数のピカレスク的な町民の人生を対比的に絡ませながら運命の皮肉を描く作風と見える。心理描写が少なく、キャラクターも透明で類型的。文体は慣れると平気になってきた。改行の多いページ稼ぎ文体は酷いと思うけど。女毒★★1・2香具師元締め一人娘の勝気な女に求婚され逃げた男が殺し屋と差し違え左手を失い、ガンマンとなってかつての先輩を助ける。途中まではよかったのにオチが雑……。片腕伐られたから生き残ったとか意味不明だし。殺★★★主人を殺して逃げた盗賊二人が別れて町商人と殺し屋の仲介になり、仲介が商人の女房から頼まれた夫殺しを仲介するも、商人は機転で死を免れ、逃走。しかし、最初の盗賊団の2代目に見つかり脳出血で死ぬ。途中まで面白かったのにやはりオチが弱い。ただ、犯罪者にもいろんな種類があるなあと思った。香具師というのは今でいう暴力団に近いようだ。いっそ刑法犯のすべてについて専門部署を設けている暴力団があったら面白いかも。どんな依頼でも受ける犯罪代行の総合商社。強*姦請負の姦し屋とか。縄張り★★★1・2香具師の縄張り争いで殺し屋たちが各組の親分を殺しあった挙句、最後の黒幕が笑う。どんでん返しが効果的に使われていて面白い。なんだよ、やればできるんじゃん。罪★★★上司を殺して逃げた浪人が町商人になり娼*婦を妻にするが、妻が雇った殺し屋に命を狙われ、仇討ちと勘違いする。オチがイマイチだが、思惑の食い違いぶりが割と複雑で面白い。この本、総合6点ぐらい。時代物だろうが何だろうがやはり物語として面白くないものは面白くないことがわかった。思惑の食い違いが複数ないと、十分な興味をひきつけられず面白さが足りない。また、偶然への頼りすぎも禁物だし、クライマックスであるオチは一番の落差を持たなければならない。池波はどうもこのオチが弱すぎる。あまり才能がないのだと思う。もうこの人の本は読まなくてよいだろう。
2010.10.26

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう江戸の暗黒街改版価格:540円(税込、送料別)池波正太郎「江戸の暗黒街」新潮文庫おみよは見た★★★むぅ……。改行が多くて薄っぺらい文体。読みやすいのだが、なんか味気ないなぁ。殺し屋が女に亭主の妾の殺しを依頼され、殺す。しかし下女に目撃され、下女を消そうと目論む。一方の下女は妾に虐待を受けていて、殺してくれたことを感謝し誰にも犯人を見たことを告げない。そんなこととはつゆ知らず、犯人は誤ってほかの娘を殺してしまい、処刑される。人物同士の表象世界の相違が悲劇を生む、というトリック自体はいちおう合格点だが、展開は単純だし、人物描写もやや浅い。それに、江戸時代を舞台にしなくても成り立つ話だよね。だれも知らない★★1・2これまた微妙。父を殺された武士が逃走した男を追って仇討ちに出るが、腕に自信がなく行きずりの浪人に殺しを依頼、しかし金を持ち逃げされる。この浪人が偶然、犯人の家に盗みに入り、それと知らず刺し殺す。それを知らぬ先の男は、仇討ちの為放浪を続けている。単なるコントだし、展開が偶然に頼りすぎ。白痴★★★強*姦する男を殴って白*痴にした男がやり手の美人*局になる。だが相方の女を突き飛ばした弾みで女は頭を強打し、白*痴に。男は客の侍に斬り殺される。白*痴の男女が夫婦になる。男の毒★★★精力絶倫の夫から逃れる為絞め殺した女が、自ら精力絶倫となり、嫁いだ先々で失敗し、やがて最初の夫の弟と会い夫婦になるが、やはり失敗する。ここまでで作風を見ると、複数のピカレスク的な町民の人生を対比的に絡ませながら運命の皮肉を描く作風と見える。心理描写が少なく、キャラクターも透明で類型的。文体は慣れると平気になってきた。改行の多いページ稼ぎ文体は酷いと思うけど。女毒★★1・2香具師元締め一人娘の勝気な女に求婚され逃げた男が殺し屋と差し違え左手を失い、ガンマンとなってかつての先輩を助ける。途中まではよかったのにオチが雑……。片腕伐られたから生き残ったとか意味不明だし。殺★★★主人を殺して逃げた盗賊二人が別れて町商人と殺し屋の仲介になり、仲介が商人の女房から頼まれた夫殺しを仲介するも、商人は機転で死を免れ、逃走。しかし、最初の盗賊団の2代目に見つかり脳出血で死ぬ。途中まで面白かったのにやはりオチが弱い。ただ、犯罪者にもいろんな種類があるなあと思った。香具師というのは今でいう暴力団に近いようだ。いっそ刑法犯のすべてについて専門部署を設けている暴力団があったら面白いかも。どんな依頼でも受ける犯罪代行の総合商社。強*姦請負の姦し屋とか。縄張り★★★1・2香具師の縄張り争いで殺し屋たちが各組の親分を殺しあった挙句、最後の黒幕が笑う。どんでん返しが効果的に使われていて面白い。なんだよ、やればできるんじゃん。罪★★★上司を殺して逃げた浪人が町商人になり娼*婦を妻にするが、妻が雇った殺し屋に命を狙われ、仇討ちと勘違いする。オチがイマイチだが、思惑の食い違いぶりが割と複雑で面白い。この本、総合6点ぐらい。時代物だろうが何だろうがやはり物語として面白くないものは面白くないことがわかった。思惑の食い違いが複数ないと、十分な興味をひきつけられず面白さが足りない。また、偶然への頼りすぎも禁物だし、クライマックスであるオチは一番の落差を持たなければならない。池波はどうもこのオチが弱すぎる。あまり才能がないのだと思う。もうこの人の本は読まなくてよいだろう。
2010.10.26

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう魔界転生(上)価格:790円(税込、送料別)魔界転生(下)価格:790円(税込、送料別)山田風太郎「魔界転生上下」角川文庫 7点天草四郎の参謀の妖術師・森宗意軒が死者復活の術(自らに指を女に食わせ、その女と交われば、その女の体に乗り移り、自らの死後、魔性の存在として生き返るという術)を会得し天草四郎、宮本武蔵らを生き返らせるとともに、徳川頼宣をそそのかし、幕府転覆をたくらむ。この仲間に柳生十兵衛も引き入れようと画策するが、柳生は仲間とともに立ち上がり、この魔性の一味との死闘を開始する──という話。双方次々と仲間が死んで行き、最後は十兵衛と武蔵の一騎打ちで決着する、というお約束の展開。うーん、ちょっと期待はずれだった。上下あわせて1000ページ近い長さなので、かなり冗長で中だるみしているし、展開がご都合主義で偶然が多いし、敵が弱すぎるし。それに自ら立てたルールを変更しすぎる。何か意図があっての変更ならともかく、ただのご都合主義だし。無駄なキャラクターも多いし、キャラの魅力も今ひとつ(二面性に乏しい)。しかも、オチがただの剣豪小説(武蔵との決闘)だし。ま、期待しすぎたんでしょう。期待せずに読めばそんなにつまらない本でもない。前半はけっこうわくわくしたしね。
2010.10.25

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう江戸の暗黒街改版価格:540円(税込、送料別)池波正太郎「江戸の暗黒街」新潮文庫、購入。ガラにもなく時代小説読みたくなって。
2010.10.24
不要な本をブックオフに売ってもまた買い込んでしまうので本棚はやはり欲しい。でもいま住んでいる部屋には入らないか。広いところに引っ越したいけど家賃がなぁ……。悩む悩む。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう妖異金瓶梅価格:820円(税込、送料別)妖異金瓶梅読了、最後までこれでもかというどんでん返し連発、終盤数章でアクション小説化しながらも、あくまでもミステリとして完結。死んでまで淫乱殺人鬼潘金蓮マンセーエンドには笑いすぎておなかが痛い。今まで読んだすべての小説の中でもオールタイムベスト級の10点満点で100点的な天才的面白さだった。同じシリーズで未収録の「錢鬼」という作品があるそうだがぜひとも探して読みたい。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう甲賀忍法帖価格:620円(税込、送料別)山田風太郎「甲賀忍法帖」角川文庫記念すべき忍法もの第1作。のみならずチーム対戦バトルもののはしりなんだそうだ。内容は、舞台設定のみ時代小説風だが完全にSFファンタジーで、超能力・モンスターものといって差し支えない。ナメクジのように体が溶ける忍者、死んでも死んでもヒドラのように生き返る忍者、息でカマイタチを起こす忍者、他人に化ける忍者、周囲の景色に色を変えて姿を消す忍者など、ヴァン・ヴォークトのエイリアンをも上回る生理機能を持つ怪物ばかりが出てくる(しかも、医学部出身作者の懇切丁寧な医学的・物理学的解説つきで、それゆえに本作をSFたらしめている)。この怪物たちが、徳川の3代目跡とりを決めるために甲賀と伊賀の10対10でバトルロワイヤルするという話。でありながら、バトルもののお約束と思われるフェアプレーなどという概念は存在しない。そもそもバトルが始まったことすら知らされないまま、甲賀側忍者が4人も殺されてしまうという掟破りの展開に始まり、いかに敵をアンフェアに騙しあざむくかという観点から、殆ど予測不能な破天荒な死闘が展開していく。忍術の一つ一つが出鱈目のように見えながらも、互いの相性で勝敗が理詰めに決するという合理性を保持してミステリ的な対読者フェアプレーを守っているところがさすがミステリ出身者だけある。このミステリ的合理性に貫かれた破天荒な超能力SFアクションに、「ロミオとジュリエット」の悲劇を重ね合わせ、結末できっちり辻褄を合わせる怜悧さには全く恐れ入った。この終盤の緻密な展開あってこそ、本作はただの面白読物を超えて不朽の名作たりえたと言える。文句なし10点。風太郎はすげえ。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう警視庁草紙(下)価格:900円(税込、送料別)警視庁草紙(上)価格:900円(税込、送料別)山田風太郎明治小説全集(1)価格:998円(税込、送料別)山田風太郎明治小説全集(2)価格:998円(税込、送料別)警視庁草紙読了。微妙だった。実在の事件・人物をフィクションでつなぐタイプの作品だが、「この事件は実はこうだった」「この人は実はこうだった」的な記述が多すぎて、その部分がことごとくつまらない。意外性がないんだよね、せこいっていうか。歴史オタクのキモイ爺さんしか喜ばねえだろって感じの特殊さでついていけねーよって感じ。一つ一つのサブエピにはなかなか面白いのもあったが、メインの警視庁対元同心・南町奉行の対戦部分があんまり面白くない。なんつーかキャラ立てに失敗してる感じ。多視点的記述(いわゆる「神の視点」)は山田のいつもの文体だからいいとしても、これだけ登場人物が多いと一人一人の描写が浅くなって共感どころかキャラに興味を持つことすら難しい。キャラで客を釣れない場合は矢継ぎ早の展開で事件を連鎖させることで興味を持続させる以外ないと思うんだけど、本作の場合は歴史的辻褄合わせに引っ張られて話のスケールが小さく、展開ものろい。結局退屈な代物になってしまう。こういうタイプの(改変歴史物の走り?)作品の先駆者としての功績を認めるから7点ぐらいはつけたけど正直主観的満足はもっと低い。そういや俺、改変歴史SFって面白いと思ったことあんまりないな。パッと思いつく作品がひとつもないや。高い城の男もイマイチだったし。強いて言えばプリーストの双生児は面白かったがあれは叙述トリックミステリ・幻覚SFとして面白かったんであって、歴史ものとして面白いと思ったわけではないし。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう明治断頭台価格:483円(税込、送料別)山田風太郎明治小説全集(7)価格:998円(税込、送料別)明治断頭台読了。主人公が真犯人というアンチミステリなオチはいいが、どうも全体的に雑な感じがする。トリックも雑だし、キャラクター描写もおざなりで魅力がない。特にフランス娘エスメラルダの描写はひどい。ヒロインに魅力がないんじゃ読者はひきつけられないよねえ。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう幻燈辻馬車(上)価格:780円(税込、送料別)幻燈辻馬車(下)価格:780円(税込、送料別)幻燈辻馬車読み出すが見違えるように面白い。ミステリではなく幻想的な人情もの? 幽霊の出る辻馬車の御者老人と幼女というメインキャラクターに魅力があるし、話も「自由民権運動の暗黒面」に焦点を絞っているので読みやすくて面白い。やはり、共感できるキャラクターを中心に据えるってのは大事なことなのだなあと思った。金瓶梅のメインキャラも悪人ではあるけど憎めない魅力があったし、甲賀もメインキャラがほぼロミジュリだし。これに反し断頭台のメインキャラは淡々と謎解きするだけで魅力がなかった(しかも真犯人で、動機も共感できないし)。警視庁草紙は歴史記述に行数を割きすぎてメインキャラの描写が薄すぎた。物語の構造だけじゃなく、クーンツの言うような共感できるキャラ作りってのも大事なんだな。***幻燈辻馬車、名作だった。このシリーズもっと読みたかったな。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しようくノ一忍法帖価格:600円(税込、送料別)山田風太郎「くの一忍法帖」講談社文庫 9点大阪夏の陣で秀頼討たれるも、真田の女忍者5人がその胤を宿し、千姫とともに江戸へ。ここ事実を知った家康は服部半蔵を介して伊賀忍者5名に豊臣の血を根絶やしにすることを命ずる。長曽我部盛親の胤を宿す怪力の大女・丸橋、千姫を慕う若き頼宣の助けを得て、くの一5人が伊賀忍者と血みどろの死闘を演じる。忍術のほぼ全てがエロ系なのが凄い。忍者10人は全滅するが、女忍者一人と丸橋の子は生き延び、由比正雪とその腹心になったとかならなかったとか、というオチもいい。息をもつかせぬ面白さで一気に読みきった。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しようFの肖像価格:960円(税込、送料別)楽天ブックスで買った本。井上雅彦編「Fの肖像(異形コレクション)」光文社文庫青髭の城で(吉川良太郎)/★★★★衒学的な文体でゴシック的雰囲気たっぷりに探究される、青髭男爵の大量殺人の真の目的とは? テーマに沿った語り手の正体に関するオチまで含めて、完成度の高い珠玉の佳作。CLASSIC(真藤順丈)/★★★1・2カンボジアで地雷撤去をする人造人間が霊媒化して知能を高め、失踪。これを追う女が悲劇的な最期の闘争へと突入していく。オチがやや中途半端だが読み応えある力作。屍舞図(朝松健)/★★★1・2事故死した姉を呪術で甦らせた妹が、姉の結婚に嫉妬し、すべてを覆滅させる、室町時代を舞台に一休を主人公にした時代ホラー。手馴れて普通に面白い。死なない兵士(黒崎薫)/★★★クリミア戦争で死なない兵士として蘇生され戦う兵士たちとその息子の話。叙述トリック多用でやや分かりにくい。文体もやや安っぽい感じがする。切り裂き魔の家(石田一)/★★★1・2切裂きジャックが人造人間を・・・と見せかけて、ただのメイクでしたのオチが人を食っていて新しい。そして船は行く(井上雅彦)/★★1・2前半のグダグダにこりゃ駄作だと思ったが、破滅SF風の後半の展開で巻き返した。とはいえ、映画の知識を引用してかさ増ししているこの冗長文体ではこの点数が精一杯。編者のがいちばんつまらないってどうよ。野鳥の森(間瀬純子)/★★★★死体から生命を創造し、「子供」として育てる女の話を流麗な文体で描いた珠玉の幻想未来SF。一般公募で発掘された作家だそうだが、それにしては巧すぎる。生まれ変われない街角で(岩井志麻子)/★★★1・2中年に差しかかり自己の虚像を作り上げるのに疲れた女性タレントが、タイのロボット産業に投資して失敗したかつてのパトロンの手で殺される。ヒロインの下世話な生活描写が作者らしく異彩を放つ。自画像(天野邊)/★★★★★これは凄い! ツイッター上のモノローグの形で語られるミーム伝播や生命進化史のヴィジョンと、サイバーパンクな未来でのオタク中年と女子中学生の悲劇的な出会いの物語が絡み合う力作。終盤のネットログの中で語られる強烈なヴィジョンが圧巻。あるグレートマザーの告白(平山夢明)/★★★鬼畜な女が息子を鬼畜に育てようとする話。この作者が書くとどことなくコミカルな感じがする。金繍忌(入江敦彦)/★★★★死んだ赤ん坊を復元する為に殺人を繰り返す陶芸家の話を京都の焼き物薀蓄満載でかたった佳裂く。セイヤク(中里友香)/★★★★SF新人賞出身作家でありながら、本書中では最もSF度が希薄なのが面白い。姉への道ならぬ思慕への懊悩のあまり自殺を試みた弟が一命を取り留めたもののつぎはぎだらけの身体となり、姉との泥沼の生活へとのめりこんで行く。グロテスクな近*親*相*姦幻想を高い文章力で紡ぎ上げた佳編。完全なる脳髄(上田早夕里)/★★★1・2奇*形児にバイオテクノロジーやホテツ技術によって小さな脳を持つシムの肉体を与えた未来を舞台に、シムが他人の脳の移植を受け、一般人並みの自意識を得ようとする話。題材は刺激的だが、あまり深く突っ込まずに娯楽的な物語として流している感じの作品で水準以上ではある。ドクターミンチにあいましょう(詠坂雄二)/★★★1・2動物の肉体をもとに何にでも分化可能な巨大な肉(細胞群)を作り上げたマッドサイエンティストの話。ショグゴス(小林泰三)/★★★1・2南極に現れた2種の怪物(クトゥルフ)と戦うロボット部隊の話。Jail Over(円城塔)/★★★★自分の似姿の怪物を作り、ともに監獄に閉じ込められた男が、様々な妄想を見ながら、脱獄と自由を夢見る話。自我の孤独と想像による飛翔の寓意にもなっている。光の栞(瀬名秀明)/★★★★★最新バイオ技術で自分の自伝を「生きた本」の中に永遠に生きさせようとする女性の話。人物描写が巧みで感動的な名作。帰郷(菊地秀行)★★★★フランケンシュタインの怪物一族が数を増やし現代に生きながらえているという話を、叙述トリックを使ってうまくまとめている。総じて実に質が高くバラエティに富み、読み応えのあるアンソロジーであった。
2010.10.24

楽天ブックスの「ブログネタ」をブログで紹介して10万ポイント山分けに参加しよう山田風太郎「妖説太閤記」10点すげえわ、これ。史伝ものは史実頼みだから10点つけないポリシーの俺だけど、これは掟破りで10点つける。確かに秀吉の晩年の狂気の凄さは実話だから山風の手柄ってわけでもないんだけど、でも「秀吉の天下取りの原動力はお市の方へのストーカー的な片想いただそれだけであり、一姫死亡により目標を失った後は、ただ性的コンプレックスと疑心暗鬼だけからスターリン的な狂気に陥っていった」というこの着眼点は、山風独自のものである。そしてこの作品がこれほど背筋も凍るような恐怖の物語として成立したのも、まさにこの着眼点ゆえのものなのだ。そして、明らかに主君が狂っているにもかかわらず、誰もが武士のしきたりや組織に縛られてそれを諌めえず、理不尽な大量処刑や無謀な侵略戦争へと諾々と従って行く武将たち。この日本人の民族性が太平洋戦争に至るまで一貫していることも正当に言及されている。前半こそ愛すべきロリコン俗物オヤジの謀略成り上がり物語として、ピカレスクヒーローものの面白さを持っているが、それが下巻になり、天下を取って以後の傲慢ぶり、そして市姫の死に至るや、残虐ホラー小説へと一変してゆく。上巻の英雄が、下巻ではもはや恐怖のモンスターである。とりわけ終盤近く、美男子への嫉妬ゆえに甥の秀次とその妾29人、その子や侍女合計39人を公衆の面前で次々と打ち首にする「畜生塚」の描写は恐ろしすぎる。国民的人気の歴史上の英雄の虚像を剥がし、人類史上稀に見る狂気の大残虐独裁者の性心理学的分析までやってのけた、恐るべき傑作といえる。
2010.10.24
全14件 (14件中 1-14件目)
1