青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2018.09.30
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たまたま見た『ポツンと一軒家』という番組で
素晴らしい方を拝見しました。

衛星写真で山の中等にポツンとある一軒家を捜し
どんな人がどんな暮らしをしているのか訪ねるという番組です。

人里離れた一軒家にお住いの方を全国放送で紹介してしまうと
防犯上どうなのかという疑問があり
本来はここでお名前を出すのもためらうのですが
番組の中でその方が名を残したいという話をされていたので
敬意を表して書いておきます。



佐々木さんがこの番組に出ることになったのは
偶然に偶然が重なってのことでした。

番組スタッフはすでに衛星写真で一軒家をリサーチし
その家の場所を聞くために
偶然見かけたお墓参り中の男性に声をかけました。
お父様の命日でたまたまお墓まいりしていたそうです。

番組スタッフが探している家は偶然その男性の同級生の家で
今は空家になっているのを知っていて、
代わりに別の同級生の家を紹介してくれ
閑だからと、スタッフの道案内をすることになりました。

しかしその場所がよくがわからず、付近の住民に聞くと


そこで他に一軒家がないかと聞くと
別の家を紹介してくれました。
その家の主が佐々木さんでした。

スタッフが調べてきた家が空家
そこで偶然出会った人に紹介された家も空家

つまり3度目の正直で偶然に紹介された家の主でした。

その家は小高い木々に囲まれた山の中にある一軒家で、
周辺には小さな木が点々と生える水も稲もない田圃が
広がっていました。

家に住まわれているのは奥様が60代で亡くなった
一人暮らしの高齢男性でした。

減反政策でお米を作ることができなくなり
田圃に国が奨励する植林を一人でしたのだそうです。

奥様を亡くし寂しくされていらっしゃるのだろう、
お米を作るのも高齢になると大変だろうけれど
減反政策で田圃をやめるのはつらかったのだろうと
ありきたりの心配をしたのですが、
実は佐々木さんはそんな次元のところにとどまっていない
素晴らしい方だったのでした。

もともと20代から山林の仕事をされていた佐々木さんは
家の田圃の周辺に50年かけて檜を育てていました。
減反政策でお米が作れなくなり、植林が推奨されたので
国の保証が出る木だけでなく、自費で1000本の様々な木々を
75歳の時に一人で田圃に植林したそうです。

家の前に広がるかつての田圃には
これから数十年かけて春には様々な花が咲き
秋には紅葉や実が楽しめるようになるのでしょう。

一人暮らしの家と土地はお孫さんと養子縁組されたので
その男の子に託すことになっているそうです。
財産を託す、といっても目先の金品ではありません。

檜の山林を300年かけて育て、国が国宝の修繕に必要とする時
使うように伝えてあるのだそうです。

この方は、300年後に国に役立つ事を自分の力で実行し
自分の子孫達にもその喜びを残しているのです。

それだけではなくて、花や実という10年、20年先の楽しみも
やはり自力で作りだしています。

近い将来の自分の楽しみだけではなく、
可愛い孫子達の為だけではなく、その先の子孫や
未来の日本のためになる事を
自分ができる範囲で一人で実行しているのです。

こうやって書くと、なんだか簡単そうですが
奥様を亡くし、国からは丹精こめた田圃に植林しろと言われ
やるせない気持ちでいっぱいだったと思います。

母を亡くしてつらくてなかなか前に進めない私は
努力しようと思っても、前向きになろうと思っても
同じところをぐるぐる回って何もできず
時間を無駄遣いしているようでつらい気持ちで一杯で
どうしても自分の事だけ、足元のことだけしか見えないので
未来の事まで国のことまで考え
実行に移すことがどれだけ大変なのかよくわかります。

佐々木さんも、いろいろな気持ちを乗り越えながら
やってきたのだと思います。それは、
様々な木々が植林された田圃の端に
佐々木喜文75歳と彫られた小さな石碑を置いている事から
想像できます。

この木々を植えた自分の名前を残したいとの気持ちで
この石碑を置いたのだそうです。

もしこれが若い時だったら
名前を刻んだ石碑を残そうなどとは思わなかったでしょう。

国から減反政策を言い渡されて
丹精込めた田圃をつぶし植樹しなければならなかった気持ち
一生懸命やってきたことが感情ぬきにさっとつぶされ
なかったものになってしまう気持ちを
前向きに昇華したのがこの石碑ではないかと思います。

75歳で植樹した木々が大樹となり見事な枝ぶりに花が咲き実が実る時
石碑に刻んだ自分の名前で四季折々の姿を見とどけようと
思われたのではないかと思います。

その佐々木さんの事を一人でも多くの方に知ってもらいたくて
ここにお名前を書いておきます。

この番組がこの方にたどりついたのは本当の偶然でしたが
私もその番組を偶然見たからこの方を知ることができました。

また、佐々木さんが偶然紹介されたのは、もとはと言えば
道案内をされた方が
たまたまお父様の命日にお墓参りをされていたからでした。

この方が同行したからこそ、番組スタッフにはわからなかった
家の周囲の檜林に気がついて
300年かけて檜を育てる話が聞けたのです。

偶然が沢山重なって、いろんな人の助けが重なって、
佐々木さんの気持ちが紹介され
道案内をされたかたもテレビ出演することになりましたが、
私もその偶然のおかげで
自分を見直して前に進むこと、元気になることを
手助けしてもらえたような気がします。






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Last updated  2021.04.08 12:09:21
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