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偶然というものは重なるものですね。ある日 チッチキ夫人
が妙なことを所望しました。
「なあ、 『ソクラテスの弁明』 って読んだことあるん?」 まあ、そういう会話がありまして、彼女が読んでいる本のことは、ちょっと置いておくとして、ちょうどフェイスブックを覗いておりますと、 「友達の友達は友達だ」 とでもいう成り行きで 「お友達」 にならせていただいた方の投稿にこの本が紹介されていたのです。
「まあ、それは、常識でしょうから、40年ほど前に読みましたけど。岩波文庫でありましたが、あんまり汚かったから、捨てましたな。」
「借りてきてほしいねんけど。」
「はあ、ヤッパリ 『よりよく生きる』 とか考えなあかんとか、目覚めはりましたん?」
「ううん、そういうわけちやうねんけど。」
「なんや、ちがうんかいな。」
「この本に出てくるねん。」
ソクラテス 関西弁 のモデルは 桂米朝 の 「口演」 だそうです。 米朝さん は 播州 の出だったと思いますが、落語でしゃべるのは、いわゆる 「船場ことば」 ということなのでしょう。
ほんじゃ、メトレスさん、こっち来てわたしの質問に答えとくんなはれ。あんさんのいちばんの想いは、世の中の若いもんが、できるだけみんな、道を踏み外すことなく、立派な社会人に育ってほしいちゅうことやと思うんやけど、ちゃいますか?
メトレス
そうです。
ソクラテス
なら、あんさんのお考えがあるはずや。どこのどなたが若いもんの指導者としてふさわしいか、この場におるみなさんに教えてもらえますやろか。
どないしはりましたん、メトレスさん。恥ずかしいことおまへんか?何もいわはらへんだら、あんさんがこのことについて、ちっとも考えてけえへんだちゅうわたしの言い分が正しいってことになってしまうと思いまへんか?
「 アメ が降ってる言うてるやろ。」 但馬の田舎者が 関西弁 しゃべってるつもりが、 播州 の人が聞くとこうなります。
「そんなら アメ 嘗めといたらよろしいやん。」
「なめてんのか。洗濯もんぬれるっていうてんねん。」
クリトン まあ、こんな感じです。今、現在の 「関西弁」 とはちょっとちがうような気もしますが、東京とかの人がお読みになると字面だけで、結構、ディープかもしれません。
ま、それはそれで置いといて、なぁ、ソクラテス、頼むし、わしのいうこと聞いて、こっから逃げてくれへんか。今やったら、まだ間に合うんやし。おまえに死なれんのは、めちゃ困んねん。二人とおれへん親友失うん、耐えられへんし、それだけやのぉて、わしらんことよぉ知らんやつらがな、金積む気ぃあったら、助けられたやろに、わしが出し渋ったから殺されてまいよるっちゅふうなこと、陰で言いよんねん。ケチ言われんのは、かまへんけど、おまえよりも金取りよったって言われんのが、情けのぉて・・・。
ソクラテス
なぁ、クリトン。お前、なんでそんな世間の目ぇ気にすんねんな。どぉでもええやつらのいうことなんか、ほっといたらええんや。
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