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この企画もやっと4分の1を超えましたね。まだ先は長いので気楽に行こうということで…。
このたびこの本の 33
人の文学者の手紙
から、先週土曜日に記念館の前まで行ったというご縁で 谷崎潤一郎
のページを紹介しましょう。昭和 8
年に 根津松子
に宛てた毛筆でしたためられたもの。 「御寮人様」
と呼び、既婚者同士の距離感を持ちながら読み取れる 松子
への感情は、さすが 谷崎
ですね。
昭和 10
年に結婚することになるふたりのことはここでは省きますが、この 2
年ほどの間の恋文は、のちに 松子夫人
が当時を回想し、自家製の雁皮の原稿用紙に、
「行間も、小さい升目の空間にしても、いさゝかの乱れがなく、清らかで、情味がたゞよふてゐる」 と述べているように、思いを成就させるのに大きな役割を担ったことでしょう。
華やかな恋と対照的に、この時期の 谷崎
は作家生活の中でも最も貧しい時期にあったと、 「谷崎記念館だより」
の学芸員エッセイに書いてあります。隠れ家のような二人の 芦屋打出の家(現「富田砕花旧居)
での貧窮のなかで、源氏物語の口語訳 「谷崎源氏」
の執筆が始まったとも。高校時代の古典の先生が、源氏物語の授業の時に必ず 「谷崎源氏」
の口語訳のプリントを配布してくれたので、いろんな人の訳も読んだけれど、刷り込みのように私の定番になっています。また、 『細雪』
の家ともよばれる倚松庵は、移転前にも現在地も何度か訪れましたが、つい 1
年前に住吉川「徘徊」中に久しぶりに訪問、ゆっくり時間を過ごしました。写真もアップしておきます。
次は文学館に話題を移しますね。教材研究のため、また個人的な関心もあり、文豪をはじめ多くの作家の企画展にはできるだけ足を運びました。中でも SODEOKAさん
の住んでおられた 姫路文学館
は、近くの美術館とともによく通いました。お城を眺めながら安藤忠雄氏設計の建物も楽しく、講座や記念講演などもたまに行ったものです。
各地の文学館や作家の個人的な文学館も、旅のついでに訪問することもありますが、このたびの本を編集した 日本近代文学館
は昨年末に訪問する計画が日程上かなわず、悔しい思いをしたものです。目的は文学館内のカフェ 「 BUNDAN
」
だったんですけどね(笑)
それでは SODEOKAさん
、バトンをお渡しします。よろしくお願いします。 ( 2020・07・02・YAMAMOTO)
追記2024・02・02
100days100bookcoversChallenge
の投稿記事を
100days 100bookcovers Challenge備忘録 (1日目~10日目)
(11日目~20日目)
(21日目~30日目)
(31日目~40日目)
(41日目~50日目)
というかたちまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと
備忘録
が開きます。
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